「こ~ねこねこね、完成~!いいねぇ~!」
「ハハッ! 我々のボス・ドグラニオ様を讃え、この俺が後継者となる証だ~!」
データ
身長/195cm(巨大金庫身長/48.8m)
体重/215kg(巨大金庫体重/537.5t)
犯罪歴/贋作売買
犯罪技/ネバーマシンガン
ルパンコレクション/「誰が誰を作ったのか~Qui a fait qui~」
概要
美術品の精巧な贋作を作って売り捌いていたギャングラー怪人。
機械の胸部を持つナメクジ(※左腕はカタツムリの殻になっており、そこから中身が上半身としてはみ出た様な外見)に似た姿をしており、右腕と下半身は葉が絡み合った様な物となっている。血液が絵の具のような鮮やかな緑や黄色をしている。
ルパンコレクションを収納する金庫は頭部後ろにあり、暗証番号は「636」。
口癖は「いいね~」。
元々は、裏社会で身元を隠しつつルパンコレクションで贋作を作り売っていたつまらない男だったのだが、自身が異世界犯罪者集団ギャングラーの頂点に立てるチャンスが巡って来たのを知るや野心を見せ奮起。町の高層ビルをフィギュアのルパンコレクション「誰が誰を作ったのか~Qui a fait qui~」の力で彫刻粘土に変え、それを片手剣サイズの粘土ごてで加工。ドグラニオ・ヤーブンの彫像に変える事でボスを讃えて後継者の座を譲って貰う事を画策する。
要は解かり易いおべっかの為、ボスの右腕であるデストラ・マッジョには難色を示されたが、ゴーシュ・ル・メドゥは「わかりやすい媚び、私は嫌いじゃないわ」と好意的で、ドグラニオ本人も「俺も構わんぞ」と鷹揚な態度で作戦を見物していた。
戦闘では上記の粘土ごてを剣のようにして使い、左腕の殻から自身より分泌される粘液を集めて作った『ネバー弾』を撃つ(デザインをよく見ると、全身の粘液をチューブで左腕に集めているのが分かる)犯罪技『ネバーマシンガン』を使用。このネバー弾の接着力は強く、迂闊に絡み取られると中々抜け出せなくなるが、排除自体は強い衝撃や光弾の熱等で簡単に出来る。そこで攻撃よりもトラップへ用いられる事が多く、アジトである贋作工房『アトリエ・バッチョ』にはネバー弾を放出する罠が多数仕掛けられている。また普通の光弾も撃つ事が可能。
更には自身に粘液をかけて姿を消していた所から、粘液には姿を隠す効果がある模様。
手先も器用なのか、上記の他にもルパンコレクションの力を応用して手頃な石像を無数の投げ槍に変えて投げ付ける技を見せた。
活躍
#1で行われたドグラニオ・ヤーブンの誕生パーティに出席しており、そこで実質上の後継者レースの開始を告げる宣言を聞いた後、他の者同様に自身がギャングラーの頂点に立つ野望を抱く。
パーティの際、ガラット・ナーゴからルレッタ・ゲロウがルパンレンジャーに倒されたと聞いた時は、「あのカジノは実に良いカジノだったのに」と惜しんでいた。
そして、その競争相手の一人であったガラットが倒れたのと入れ替わる様に行動を開始。手始めに目立つ高層ビルをドグラニオの彫像に変えて自画自賛していた所をパトレンジャーに強襲されて交戦。程無くルパンレンジャーも参入して来たのでネバーマシンガンでネバー弾をバラ撒き、それでパトレン2号が足を取られ動けなくなったのを切っ掛けにルパンレンジャーとパトレンジャーが争い出した(※動けなくなった2号からVSチェンジャーを奪ったルパンブルーとそれを取り返そうとするパトレン3号が交戦)隙を見て、左腕から粘液を自身に振りかけて姿を消し逃亡。その際「追ってくるならご自由に。最後に捕まるのは貴様らの方だろうがな!」と言い残す。
その後、アジトで新しい彫像を作る場所を物色していたが、そこへパトレンジャーが踏み込んでくる。だが怯みはするもすかさず罠を発動、パトレンジャーを粘液塗れにして動きを止め悠々と立ち去る。
しかし、アジトの外に出た所で待ち構えていたルパンレンジャーが立ちはだかる。予めコグレの情報でナメーロの居場所を知っていたルパンレンジャーは、ボイスチェンジャーを用いた通報でルパンレンジャーをアジトに誘導。彼等を身代わりにして罠に掛かるのを回避した上、まんまとナメーロを燻り出したのだった。
これにナメーロは怒り、ポーダマンを呼び出してルパンレンジャーと交戦。相手をポーダマンが抑えている隙に近くの石像へと駆け寄り、ルパンコレクションの力で無数の投げ槍に作り替えた後味方の事も御構い無しで雨あられと投げ付ける。しかしルパンレンジャーはポーダマンを盾にしながら投げ槍を凌いだ上、逆にその内の一本を掴んだブルーが繰り出す槍術に圧倒されてしまう。これで隙が出来た所に取り付いたブルーがダイヤルファイターを使用、金庫を開けられルパンコレクションを盗られてしまう。
そして直後、ふらっと現れたグッドストライカーを装填して誕生したルパンレッド分身と共にルパンレンジャー全員が放った『イタダキストライク』を喰らい、「あ~れ~ッ!」と叫んで敗北。
そこから程無く、2号の機転で粘液を排除してようやくアジトから脱出したパトレンジャーが出て来た中、ゴーシュの手で巨大金庫を施され「いいね、いいね、大きいね〜!今度こそ世界を俺の手に!」と叫びつつ復活。
これに対して、グッドストライカー(※コグレとの事をルパンレンジャーに問い質されたので堪らず逃げ出した)を捕まえたパトレンジャーはトリガーマシン3台を呼び出して合体、パトカイザーを完成させる。
対するナメーロは再びネバーマシンガンを乱射して粘液塗れにしようとするが、流石に同じ攻撃を喰らう筈も無い相手が高速スライディング移動しながらの銃撃で迎撃した為、ビル街での激しい銃撃戦に。
そして以前自身が作ったドグラニオの彫像の影に相手が隠れた事で一瞬躊躇うが、相手の銃撃に耐えかねて思わず発砲。これで自身が作った銅像を自ら壊してしまい「やってしまいましたァァァァァ‼」と絶叫。ギャングラーのアジトでは、モニター越しにこの光景を目にしたドグラニオは思わず「あ……」と絶句、傍らのデストラとゴーシュもフォローのしようがなく、とてつもなく気まずい空気が流れる一幕に。
その失態を後悔する間も無く、最後はパトカイザー右腕の棍棒で貫かれて動きを止められた所へ『パトカイザー弾丸ストライク』を喰らい、「俺、よくなかったねぇ~ッ!!」と叫びながら爆散した。
余談
デザインを担当した久正人氏によると、前作の『宇宙戦隊キュウレンジャー』に登場したウンジェットの様に、ピンク色のナメクジのような本体が植物型のロボットスーツを着込んで操縦しているとのこと。
名前はナメクジがモチーフであることから「舐める」「ばっちい」から来ているのだろう。
また、ナメーロ(ヌメロ・numero)はラテン語で『数える』、バッチョ(baccio)はイタリア語で『キス』という意味で、『数多くのキス⇒ボス(の後継者の座)への強い好意を持つ⇒ボスへのおべっかに腐心する』(※)と言う連想ゲームも含んだ意味合いのネーミングと考えられる。
※イタリア圏では好意のある相手等に挨拶代わりのキスをする習慣がある(宝くじの当たり券を手にした時、それへキスしたくなった事と同じようなもの?)。
元々骨が無い軟体生物のナメクジがモチーフなので、わかりやすいようにかギャングラー共通の骨の意匠は身体の真正面に背骨が置かれている。
ルパンコレクションのモチーフは超力戦隊オーレンジャーのガンマジン。解説文にはガンマジンを呼ぶための呪文のフレーズが入っている。
また名前はAC/DCの楽曲「Who made who」から取られている。
演じる飛田氏はハッテナーとモズマに続き、3年連続の戦隊シリーズ出演となる。
スーツは#28に登場したリューグ・タマテバッコに改造された。
また、武器の粘土ごては、次作の『騎士竜戦隊リュウソウジャー』に登場するドワーフマイナソーが使うケーキナイフ型の剣にリペイント、流用された。
関連項目
爆発弾サイマ獣ガスガイル:『救急戦隊ゴーゴーファイブ』に登場したナメクジモチーフの先輩。同モチーフのナメーロの登場まで実に19年のスパンを要した。中の人もライモンと同じ。