「その通り。拐った人間どもの居場所を知ってるのは俺だけだ。俺を倒しちまったら、奴らは野垂れ死ぬぞ!」
「1人で乗り込んできたのが間違いだったな。貴様だけでも売り飛ばしてやる。思いっ切り高くな」
人間態:堀丞 / CV:吉開清人 / スーツアクター:伊藤茂騎
データ
身長/182cm(巨大金庫身長/45.5m)
体重/200kg(巨大金庫体重/500.0t)
犯罪歴/略取誘拐
犯罪技/ワープジョーズ
ルパンコレクション/「あなたをドレスアップ~Je vais t’habiller~」
概要
独自の犯罪技で人間を攫い、それを商品として売り捌く人身売買で利益を得ていたギャングラー怪人。
赤いローブ風の衣装に身を包んだサメに似た姿をしており、身体の各所に鮫の歯や波を思わせる白色の模様が走っている。
どこかのほほんとした口調をしているが、攫った人間を悪びれもせず「商品」呼ばわりしている事から、先の2人に劣らない身勝手な外道である事が窺える。
人間界に潜伏している時は眼鏡を掛けた、一見平凡だが胡散臭さの漂う販売員の男の皮を被っている。
ルパンコレクションを収納する金庫は腹部にあり、暗証番号は「794」。
自身の顎骨を複数生み出し、それを出入口に標的を別の場所へ飛ばす犯罪技『ワープジョーズ』を持つ。更にこの顎骨を、どんな物でも可愛くデコる力を持つリボンのルパンコレクション「あなたをドレスアップ~Je vais t’habiller~」を使用して、ファンシーなぬいぐるみ『サメーラちゃん』へと偽装して販売。ぬいぐるみに触れた者を時折山のアジト内の檻へ転送すると言う足が付かない誘拐手段を実現していた。可愛らしいぬいぐるみに偽装すると言う点も、幼い少女や若い女性の目を惹き付けるには充分で、これによって女子供を人身売買のターゲットに絞っていたと思われる(おっさんもいた?目の錯覚だ。気にするな)。
そのデコレーション能力は完璧で、ジム・カーターの分析でも見破れなかった。
なおワープが発動するには対象がぬいぐるみに密着する事、即ちぬいぐるみに頬ずりする事が発動条件となっている。だが、実際の所はぬいぐるみに偽装されたラブルムの顎骨に頬ずりしていると言うなんともエグい絵面であり、自分も同じ事をしてしまった明神つかさは真実を知ってショックを受けていた。
とは言え、これも劇中でつかさが触れている通り、人目に付く場所ではまず誰もしない行動である為、国際警察の目を欺くには十分過ぎる死角だったのは確かである。
戦闘では鋸歯の穂先と橦木型の刃を持つ大槍『シュモックノコギランス』を手にして戦い、腕から火炎弾を発射して攻撃もできる。
前述の犯罪技は自身にも使えるので、敵の周囲に自らの口を配置、それを起点に敵の攻撃をワープで回避しつつ死角に回り込んで反撃する戦法も取れる。
ただし、設置したワープジョーズを壊されると口にダメージがフィードバックしてしまい、犯罪技が使えなくなる欠点がある。
活躍
#1でドグラニオ・ヤーブンの999歳の誕生日パーティに出席。ガラット・ナーゴやナメーロ・バッチョより上座で、ドグラニオに一番近い席に鎮座していた。事実上の後継者争奪レースを告げる宣言を聞いて、他の連中同様に興奮しており、登場回の#4においては特に野心を思わせる台詞はなかったが、争奪レースへ加わる意思はあった様である。
そして、#4においてゴーシュ・ル・メドゥから「生物実験の検体の人間が欲しい」との依頼(※)を受けて行動を開始。ぬいぐるみに偽装してバラ撒いた自身の口を介して犯罪技を行使、商品となる人間をアジトに集めていた。
※因みにゴーシュはラブルムへ払う代金をドグラニオにおねだりしようとした。勿論デストラ・マッジョは反発するが、ドグラニオは「ギャングには取引がつきものだ」とデストラに返している。
しかし、短期間に15人以上の人々を誘拐した事で連続密室失踪事件として国際警察に目を付けられ、更に運悪く、人間態でぬいぐるみを売り回っていた所をパトレンジャーに見つかってしまう(実際は被害者宅で見つけたぬいぐるみ『サメーラちゃん』に一目惚れしたつかさが、偶然にも帰り道で売っている所を見かけて思わず立ち寄り、圭一郎たちも被害者に少しでも関連性があるならと同伴しただけだったのだが)。
最初はパトレンジャーの追及に知らない振りをしていたが、直後にコグレからの情報で現れたルパンレンジャーが投げたカードで化けの皮が破れて正体を現す。その流れのまま両戦隊と交戦するも、「今自分を倒せば誘拐した人達の居場所が分からなくなる」事を告げ相手の動きを牽制。シュモックノコギランスから放った斬撃の起こした爆発に紛れて逃走する。
その後、ラブルムの残したぬいぐるみが怪しいと睨んだパトレンジャー及び国際警察は、被害者宅からぬいぐるみを押収して調査を始める。調べても何も出なかったが、一人になった隙にぬいぐるみをこっそり抱きしめて頬ずりしたつかさがアジト内の檻に転送されて来てしまう。
この状況をすぐに理解したつかさはVSチェンジャーで檻の扉を破壊して、誘拐されていた人達を逃がすが、戻ってきたラブルムはつかさを突き飛ばして、「せっかく仕入れた商品逃がしやがって。落とし前つけてもらおうか!」と激怒してつかさに襲いかかり、VSチェンジャーを弾き飛ばして押さえ込む。
ところがその時、つかさと同じやり方でアジトにワープして来た圭一郎と咲也の救援が入り(この時の回想で、制服を着た大の男二人が同時に鮫のぬいぐるみに頬ずりするという絵面は実にシュールで必見である)、全員揃ったパトレンジャーに対しポーダマンを引き連れて交戦。
さらに、時折山で被害者達が発見されたとのテレビの臨時ニュースを見ていた初美花/ルパンイエローに先導されて現れたルパンレンジャーまでもが戦闘に介入してくる。この両戦隊にポーダマンを片付けられた上で隙を突かれ、最初の戦闘でイエローが3号に、ラブルムが持っているコレクションの能力を教えてくれた事への礼を返そうと、つかさ=パトレン3号よりイエローの近くへと蹴り飛これを見逃さなかったイエローがダイヤルファイターで胸の金庫を解錠、ルパンコレクションを盗られてしまう。
直後、つかさは圭一郎=パトレン1号に咎められるが「悪い。手が…いや、足が滑った」とはぐらかしている。
そして直後にグッドストライカーがふらりと登場、パトレンジャーに『グッときた』事で登場したパトレンU号から『イチゲキストライク』を喰らい、「不覚~ッ!」と叫んで敗北。
直後、依頼がご破算となり少々不機嫌なゴーシュが登場。「ちょっとラブルム。やられてるんじゃないわよ。もう一度人間、仕入れてらっしゃい」と毒づきながらの巨大金庫を施された事で「すまねえ、ゴーシュ。これなら手軽に捕まえ放題だ!」と言いつつ復活。
これに対してパトレンジャーはパトカイザーを繰り出して交戦するが、ラブルムはワープジョーズを駆使して攻撃をかわしつつ死角から反撃、相手を翻弄する。しかし、見かねたルパンレンジャーがダイヤルファイターを呼び出してワープジョーズを破壊、戦法を破られた上に反撃も喰らってしまう。
するとその様にも『グッときた』グッドストライカーはパトカイザーの合体を強制解除、代わりにルパンカイザーを完成させる。今度はワープジョーズを壊された影響で口を負傷、犯罪技を使えなくなった為圧倒され、パズソーで切り飛ばされた樹木もぶつけられる。
最後は『グッドストライカー連射 倒れちまえショット』を喰らい、「口は災いの元かぁ……!」と言い残して爆散した。
しかしパトカイザーの足元ではある怪人が踏み潰されてしまっており、後にその弟が復讐に来ることになる。
余談
名前はラテン語で『唇』を意味するラブルム(labrum)と、『顎』を意味するジョウズ(ジョーズ・jaws)から。
ギャングラー共通の骨の意匠として、唇がサメの顎の骨に、手足の指先がサメの歯を重ねた形状になっている。因みに、モチーフのサメは口と歯以外の部位が腐りやすい軟骨で構成された身体骨格を持ち、その歯はこれから生えて来る物がベルトコンベア状に連なった構造になっている。またこの歯と手首と足首にある丸い目のようなパーツは古代ザメラブカがモチーフである。
全身の唐草模様風の意匠は、デザイン担当の久正人氏のサメ→海の男という発想により「『モアナと伝説の海』の入れ墨」(トライバル)が由来となっている。
ルパンコレクションのモチーフは大戦隊ゴーグルファイブのピンクリボン。
名前の由来はマドンナの楽曲『Dress You Up Madonna』から。
声を演じた吉開氏は今作がスーパー戦隊初出演だが、ラブルムのフードを着込んだ様な外見や色合いがかつて仮面ライダードライブで演じたシーカー・ロイミュードに類似している。
スーツは後に#33に登場するエンビィ・チルダに改造された。
武器のシュモックノコギランスは#28に登場したリューグ・タマテバッコも使用している。
グッズ化
劇中同様のジャンボサイズではないが、プレミアムバンダイから『【つかさの愛したぬいぐるみ達】サメーラ ピンクセーラーVer. マスコットチャーム』として商品化が決定した。
ラインナップには13話「最高で最低な休日」に登場した『ふわぱん!』と『じゃがとん』も追加される。
関連タグ
快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー 異世界犯罪者集団ギャングラー ギャングラー怪人
UFOのザルワック:8年前に登場した戦隊怪人で、こちらも人間を拉致して売り捌く。
ジュウオウシャーク:チーフP・メインライター繋がりの鮫モチーフのキャラ。
外部リンク
快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー|プレミアムバンダイ|こどもから大人まで楽しめるバンダイ公式ショッピングサイト