「聞いたか?ルレッタの奴がやられたって話をよ」
「この俺にギャングラーのボスとなるチャンスが巡って来たか…!」
人間態の演者:新岩正人
データ
身長/184cm(巨大金庫身長/46.0m)
体重/202kg(巨大金庫体重/505.0t)
犯罪歴/宝石強盗
犯罪技/ネコノオクノテ、ガラットミサイル
ルパンコレクション/「私に火をつけて~Allume-moi~」
概要
高価な宝石を狙って放火強盗を繰り返すギャングラー怪人。
若干刺々しいシルエットに灰色と青を主にした体色と言う姿で、頭部は両眼を光らせ歯を剥き出しにしたネコを思わせ、両肩には肉球状のプロテクターがついている。
人間界に潜伏している時は、ガラの悪そうな褐色肌の男の皮を被っている。
ルパンコレクションを収納する金庫は胸部にあり、暗証番号は「215」。
とにかく高価な宝石を欲しがる単純な行動原理の元、配下を引き連れて宝石店に押し入り強盗行為を働き、奪った宝石を自身のアジトに貯め込んでいる。だがそれだけに収まらず、宝石を奪った後はライターのルパンコレクション「私に火をつけて~Allume-moi~」の力で宝石店に放火する破壊活動まで行っていた。
また、実は2対4本の腕『ネコノオクノテ』を持つ。普段は2対の片方だけを出しているが、もう一対の腕を隠し腕として展開する事で相手の意表を突く犯罪技を持つ。掌からは銃弾も撃てる他、もう一つの犯罪技として胸部から生体ミサイル『ガラットミサイル』を発射出来る。
悪巧みを考えるより目先の利益を求める性格だが、戦闘ではルパンコレクションの力に頼ると見せ掛ける事で自身の能力を隠す、敵の仲間を人質に取って武器を下ろす様迫る等、狡猾な面を見せる。また、僅かな違和感から自身の拠点にルパンレンジャーが忍び込んでいるのを見抜く等、勘も鋭い。
ただしアジトと宝石を失った腹いせに無差別の破壊へ走る等、根は短絡思考。因みにテンションが上がると無駄な独り言を呟く。
活躍
#1
ドグラニオ・ヤーブンの999歳の誕生日パーティに出席するが、そこでドグラニオが人間社会を制圧した者に異世界犯罪者集団ギャングラーのボスの座を譲る宣言を聞き、他の者達と同様自身がギャングラーの頂点に立つ野望を抱く。
その後アジトへ戻り、人間社会の制圧方法を配下と考えていた所にルパンレンジャーが潜入してくる。しかし相手が立てた僅かな物音(※天井の排気口内に潜んでいたルパンレンジャーの内、早見初美花が目の前に現れたクモを見て思わず叫びそうになり他の二人が咄嗟に口を押えた)を聞き逃さず、居場所を特定、銃弾を浴びせて燻り出した後交戦。
配下のポーダマンを一蹴されてもルパンコレクションの力で猛火を放ち抵抗するが、夜野魁利のバラ撒いたカードに引火して目くらましとなり、その隙を宵町透真と初美花に突かれ接近されてしまう。
だがこれはガラットの想定通り。すかさずネコノオクノテを展開して二人を捕縛し、それを盾に魁利へ一人だけ逃げるか、三人纏めて心中するか選択を迫る。
ところが死ぬ気で快盗をやっていると自負する魁利は、武器を捨てる振りをしてガラットの真上を射撃。これにより天井が壊れて降り注いだガレキに埋まってしまうが、捕縛が緩んだ事で透真と初美花は脱出、床を撃ち抜く事で階下に逃れていた。
程無くガラットはガレキを押しのけるも、ちょうど脱出した二人が魁利の元へ戻り、三人揃ってルパンレッド・ルパンブルー・ルパンイエローに快盗チェンジ。火炎攻撃を繰り出しながら応戦するも、次第に劣勢になってゆく。
しかし直後、国際警察からVSチェンジャーとトリガーマシンを与えられた朝加圭一郎・陽川咲也・明神つかさが登場。彼等が警察戦隊パトレンジャーに警察チェンジするのをルパンレンジャーと共に目撃する。
#2
戦闘に介入して来たパトレンジャーに対し、『ルパンコレクションをガラットごと壊されるかもしれない』と危惧したルパンレンジャーが妨害して乱戦状態に。そのドサクサを付いて逃げようとするが、パトレン1号の銃撃で尻を撃たれて悶絶。地面に転がった所へ1号からホールドアップを突き付けられる。
だがそれを良しとしないレッドが1号を妨害。その隙に逃走したものの、アジトは国際警察に捜索され、貯め込んでいた宝石が店主達に返還されてしまう。
これでヤケになったのか、今度は街中に現れて「こうなりゃ町ごと、根こそぎ奪ってやるぜ!!」と猛火を乱発、無差別の破壊行動に走る。当然ルパンレンジャーに察知され程無く交戦、今度も猛火を潜り抜けて来たブルーとイエローをネコノオクノテで捕まえようとする。
しかし、前回の戦闘で仕掛けを知ったルパンレンジャーに同じ手が通じる訳も無く、伸ばした隠し腕を二人が構えたルパンソードのマジックハンドで逆に掴まれた挙句、そのまま自身が羽交い絞めに。そして無防備になった胸の金庫をレッドがダイヤルファイターで開け、ルパンコレクションを盗られてしまう。
直後、一足遅れてパトレンジャーが到着。ガラットもポーダマンを差し向けて乱戦になるが、ガラットの行方を追うべく前回の戦闘現場に足を向けた際に、被害者である宝石店の店主達へ「店と平和な生活を奪ったガラットを必ず倒す」と約束する圭一郎の姿を見ていたために、1号=圭一郎の思いを汲んだレッド=魁利の促しでルパンレンジャーは撤退。残ったパトレンジャーと交戦するも、ポーダマンはパトメガボーからの号令で整列させられた上で一掃、そのまま自身もパトレン2号やパトレン3号と連携する1号に押されてしまう。
そして、その上でグッドストライカーの力によりパトレンジャー三人が融合したパトレンU号の『イチゲキストライク』を喰らって敗北する。
だが、先程の戦闘はギャングラーの本拠にいるドグラニオ達に見物されており、撃破されたガラットに対しドグラニオは「若い野心にもう一度チャンスを」と告げ、ゴーシュ・ル・メドゥをその場に赴かせる。
そしてゴーシュは自身のルパンコレクションの力を用いた腕の銃よりエネルギーを放ち、残ったガラットの金庫に浴びせる事で『巨大金庫』を発動。
「よく分からんが、生き返ったぜ~!」と叫び、蘇生巨大化を果たす。
これに対しルパンレンジャーがダイヤルファイターを巨大化、搭乗して対抗。だがそれに『グッときた』グッドストライカーはパトレンジャーの元を離れレッドの元へ。彼の操作で巨大化したグッドストライカーとダイヤルファイター3機が合体したルパンカイザーとガラットは交戦する。
今度はガラットミサイルを乱射して弾幕を張るが、相手はジェット機並みの飛行能力を発揮して弾幕を掻い潜り、逆に自身が相手から強襲された上にガトリング砲や投擲されたパズソーまで浴びてしまう。
最後は上空へ飛び上がったルパンカイザーから『グッドストライカー連射・倒れちまえショット』を喰らい「俺の野望があ…!後継者ーっ!!」と言い残して爆散した。
余談
名前は宝石の質量を表す単位の『カラット』(carat)と、ネコの擬音鳴き声から。因みにカラットのスペルにはネコ(cat)が入っている。
耳の赤い部分が目の様に見えるが実はデコイで、その下のスリット部分が鼻と目にあたる。
ギャングラー共通の骨の意匠は両腕の魚の骨(ガラットミサイルにも同様にある)。
暗証番号の「215」は猫の鳴き声(ニャーゴ)から来ていると思われる。
デザインの時点で4本腕の怪人ということは決まっていたため、「猫の手も借りたい」という連想からネコモチーフと相成った。デザインを担当した久正人氏によれば、カッコイイ怪人としてデザインしたものの、膝にネコを取り入れたために現場スタッフから「可愛い」と言われてしまったという。
ルパンコレクションのモチーフは侍戦隊シンケンジャーの獅子折神。モチーフの元の獅子折神のモチーフのライオンもネコ科の動物、シンケンレッドが「火」のモヂカラを使うなど共通点が多い。
まさか後々、本当にライオンモチーフの怪人になるとは。
名前の由来はドアーズの楽曲「ハートに火をつけて」と思われる。
演じる高木氏は多くの戦隊怪人の声を当てている常連だが、これまでギャグキャラ担当だった近年に対して珍しくシリアス寄りのキャラを演じた。
ただ、ガレキに潰されて「重い!!」と叫ぶ、尻に銃撃を喰らって飛び上がる、無駄な独り言を呟いたりする等、これまでのギャグキャラを連想させるシーンもあり、東映公式HPによるとアドリブも多々あったとの事。
また、次作でも第11話から登場する戦隊の味方戦力の声で出演する事が決定している。
スーツは後に#23から登場するライモン・ガオルファングに改造された。
関連タグ
ソウジキシャドー:高木氏が近年演じた泥棒戦隊怪人。こちらはしょうも無いアホキャラ(いつもの高木渉)だが。
ヤモリモズー:『大戦隊ゴーグルファイブ』に登場する宝石泥棒繫がりの怪人だが、こちらは対戦隊用兵器の開発と言う戦略の為に動く。
宝石窃盗犯ルージェ:『未来戦隊タイムレンジャー』に登場した宝石泥棒繋がりの戦隊怪人。悪党ではあるがガラットと比べると凶悪度は低い。
暗黒種デーボス:デザイナー渾身の1体にもかかわらずスタッフから「可愛い」と言われてしまった怪人つながり。