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トゲーノ・エイブス

とげーのえいぶす

『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』に登場するギャングラー怪人の一人。
目次 [非表示]

「このトゲーノ・エイブス、他の奴等とは一味違うところをお見せしますよ。 なんせ、あのオドード・マキシモフと手を組んだんですから…」(#14)

「『ギャングの勲章』を、貰おうと思いましてね」(同上)


CV:吉野裕行 / スーツアクター蔦宗正人


データ編集

身長/193cm(巨大金庫身長/48.3m)

体重/212kg(巨大金庫体重/530.0t)

犯罪歴/国際特別警察襲撃

犯罪技/ポイズンウニードル

ルパンコレクション/「スモール・ワールド~Le petit monde~」、「遠く離れて~Au loin~」


概要編集

致死性の毒針を用いての暗殺を得意とするスナイパーのギャングラー怪人

無数の棘が寄り集まって人型になったようなウニに似た姿に、目鼻がはっきりしない顔とダークヒーローにも見えるスマートなシルエットを持つ。

人間界に潜伏している際は、革ジャンを着たヘヴィメタル風の格好をした男の皮を被っている。ただし、その姿が確認できるのはコグレが提供した写真でのみであり、本編での活動中は一度も化けの皮を被ることはなかった。


自身の身体を構成する毒を出す針を用いた犯罪技『ポイズンウニードル』の効果は非常に強力で、打ち込めば鍛え抜かれた人間であっても瀕死状態に追い込む。この針を弾丸として撃ち出せる軍艦を模したライフル・狙撃銃『グンカンガン』を武器として扱い、金目的の暗殺を続けてきた。毒針を撃ち出すスカシカシパン型の時限式の設置トラップを用いる事もある。

ちなみに毒は遅効性で、針を打ち込まれた側は苦しみながら衰弱死すると言う惨い最期を迎える。この状態から解放されるにはトゲーノ本人を倒さなければならない。ただし機械には効果が無い為、巨大戦では毒針を1回も使用しなかった。

グンカンガンからはニードルでは無い普通の弾丸を放つ事も出来、逆にグンカンガンを介さずとも体から直接ニードルを放つ事自体は可能。また、明らかに銃弾を放ちながら両肩からニードルを放っている描写もあり、ニードル自体は任意に発射できるが狙いを定める為にグンカンガンを介して発射しているという可能性もある。このように多彩な飛び道具を持つが、近距離での戦いは不得意であり、懐に潜られるとほとんど何もできなくなってしまうという弱点がある。


自身が所有するアクセサリールパンコレクション「スモール・ワールド~Le petit monde~」の力で自身の身体をミニカー状態のVSビークルに乗り込めるサイズにまで小さくする事も出来る。ルパンレンジャーからはこの能力から、「小さくなったら金庫を開けられない」と懸念されていた。

ルパンコレクションを収納する金庫は左胸にあり、暗証番号は「909」。ただし後述するように、このコレクションは自身から金庫を解錠し手放している。

また後に、デストラとの取引に応じ、新たにスリングのルパンコレクション「遠く離れて~Au loin~」を入手。これまでの10倍の射程距離で犯罪技を放てるようになり、相手の射程外から一方的に毒針の弾幕を張ることが可能になった。


パトレンジャーに個人的な恨みを持つオドード・マキシモフを協力者に加えた後、彼が所有するルパンコレクションを用いてパトレンジャーを抹殺し、「ギャングの勲章」=「警官殺し」の称号と後継者の座を手に入れようと目論んだ。

性格は極度の自信家であり、自身の企みを成功させる為ならかつて与えられたルパンコレクションを囮目的で手放す事も厭わず、わざわざ自身が計画を達成する様をドグラニオを人間界に呼び出して見せつけようとした。しかし本人はこうした無謀を大胆さと勘違いしている節があり、本来であれば「暗殺者」として活動するべき所を普通に正体を明かして正面から叩き潰そうとする等、自信を持って行った行動が裏目に出て却って足元を掬われる結果となっている。

事実、本業の暗殺者としての実力は確かであり、罠を張ってそれを成功させるだけの狡猾さや相手の特性を理解し、それに合わせて戦闘する対応の良さは持ち合わせていたのだが、自分の持ち味を生かすよりもパフォーマンスを優先した結果、自身の敗北に繋がる結果となってしまった。

また、自身が協力を持ちかけたオドードについてもトゲーノが苦手とする近距離戦を得意としており、互いの欠点を補い合える存在だったのだが、トゲーノは戦闘要員としてよりも彼の名声を自身を盛り上げるために利用していただけに過ぎず、結局戦闘においては連携らしい連携を取らなかった事も敗因と言える。


活躍編集

#14編集

異世界犯罪者集団ギャングラーの本拠である洋館で、ドグラニオと幹部達にパトレンジャーを抹殺する策がある事と、その為にの復讐に燃えるオドードと協力して動いている事を吹聴。その上で、ボスを楽しませる用意があるので是非見物に来てほしいと切り出した。

その大言壮語に半信半疑の幹部達を尻目に、最後の準備に取り掛かる為活動を始める。


まずは、自身のルパンコレクションの力で縮小化して、オドードの持つルパンコレクションのトリガーマシンドリルの中に潜入。コクピット内の天井へ操縦者の背中に毒針が突き刺さる様時限式トラップを仕掛ける。

次に人間の皮を被ったオドードがパトレンジャーに助けを求め、自分は彼が持っているトリガーマシンドリルを奪うべく追ってきたという芝居を打ち、そのままパトレンジャーと交戦。 オドードの犯罪技・ケダマイクでパトレンジャーを撹乱している内に自身は逃走。

オドードも「これを拾ったらギャングラーに襲われた、怖いので預ける」とトリガーマシンドリルを押し付けて去って行き、目論み通りドリルは圭一郎の手に渡った。


パトレンジャーがトリガーマシンドリルを、謎の怪物の声がする時折山で使おうとする事も計算の内。子供達の遠足を守る為に一刻も早く謎の声の正体を突き止めたい圭一郎が、「よく調べてから使用すべき」と心配する皆の声を押し切り使用を強行したのも幸いし、計画は順調に進んでゆく。


だがオドードと合流して、ドグラニオを招待した場所に向かう途中、コグレからの情報により尾行していたルパンレンジャーに襲撃されるアクシデントが発生。

待ち合わせの時間が迫り、「お宝は惜しいが時間がねえ!くれてやらあ!」と、苦肉の策として自ら金庫を開いてルパンコレクションを遠くへ投げ捨てた

ルパンレンジャーがコレクションに気を取られている隙に、パトレンジャーの下へと急行する。


何とか時折山へと辿り着き、地中へ向かった圭一郎を待っている咲也つかさに、今ごろ圭一郎はトリガーマシンドリルに仕掛けた毒針で身動きが取れなくなっていると暴露し、挑発。そしてとうとう姿を現したドグラニオに「この俺をわざわざ呼び出したんだ。ヌルいもん…見せるなよ」と念を押された上で、「ここが貴様らの墓場だ!」と息巻くオドードと共に襲い掛からんとする。

しかしその卑劣な計略は、逆に「必ずこの危機を脱し、圭一郎を救出する!」と咲也とつかさの闘志に火をつける結果となり、チェンジしたパトレン2号パトレン3号の抜群のコンビネーションでオドードの毛玉は全て撃ち落とされ、焦って放った毒針も弾き返されてオドードに誤射。誤射に焦るトゲーノは3号に押さえつけられ、毒を食らって狼狽えるオドードは、2号の放った『バイカー撃退砲』を受けて爆散してしまった。


相方を失い絶体絶命のピンチに陥るトゲーノを眺め、幹部二人は、


デストラ「陰でコソコソ戦う方が向いていた様ですな」

ゴーシュ「勲章を貰うには早かったかしら?」


と散々にこきおろし、期待を裏切られて非常に不機嫌なドグラニオからはパトレンジャーもろとも制裁の一撃を喰らった上、


ドグラニオ「言ったろうトゲーノ! ヌルいもん見せるなと。俺の座ってる椅子は、そんなに安くない」


とドグラニオから事実上の後継者失格宣言を宣告されてしまう(仮に屋敷で見せていたのならゴーシュから冷笑されこそすれ、そこまで厳しい判定は下されなかったかもしれないが、それでもこの醜態とあってはデストラ辺りからキレられていたのは間違いないだろう。また、ドグラニオの制裁もパトレン2号と3号が変身解除されて病院送りになる程のダメージだったのに比べ、こちらは辛うじて立ち上がれるだけのそれであった事から、温情によって手加減されていた可能性も有る)。

制裁で受けた痛みも忘れて慌てふためき、「違うんですボス!こんなはずじゃ!……ボス、お待ち下さい!」となんとか釈明しようとパトレンジャーそっちのけで、怒って退席するドグラニオの後を追っていった。


#15編集

潜伏場所の廃工場で、デストラから「ドグラニオ様はもうお前の顔など見たくはないと仰っている」と冷たく言い捨てられる。

「そんなこと言わずにっ‼︎なぁ…!」土下座して情けなくすがりつくトゲーノに対し、クラッシュブラザーズがトリガーマシンクレーン&ドリルをルパンコレクションとして与えられていた事へ疑問を持ったデストラは左肩の金庫から「遠く離れて~Au loin~」取り出し、


「ではトゲーノ。クラッシュブラザーズが持っていたコレクションについて知っていることを話せ。話せば、汚名返上するチャンスをやろう」


と新たなコレクションを譲る代わりにクラッシュブラザーズの持つコレクションの情報を提供することを提案(なお、オドードはデストラを慕う舎弟であり本来ならトゲーノはデストラに処刑されてもおかしくない立場である)。

トゲーノも一も二もなくそれに応じ、新たなルパンコレクションを入手する。


コレクションの力で得た遠距離射撃能力を得たトゲーノは汚名返上すべく、街中に出現。

「ボス、見ててくださいっ!」と失望させてしまったドグラニオに向けて、市民へ犯罪技を無差別に浴びせて苦しめる。そしてその光景を偶然目撃した透真/ルパンブルーとの銃撃戦をしばらく繰り広げるも、間もなくルパンレッドルパンイエローも参戦。ブルー以外は病院でパトレンジャー3人の見舞いを装って情報を探り、前回の戦いでパトレンジャー3人が重傷を負った理由を知った為、ダメージが残っているパトレンジャーが来る前にコレクションの奪取とトゲーノ討伐へ急ぐ。

イエローへ集中砲火を浴びせている隙にレッドがシザーシールドを召喚、それで毒針を防がれながら接近されて金庫にダイヤルファイターを押し当てられ解錠、ルパンコレクションを盗られてしまう。ところがそれを想定していたトゲーノは予め金庫内に毒針トラップを仕掛けており、コレクションを盗り出した瞬間レッド=魁利は毒針を打ち込まれ戦闘不能に追い込まれてしまう。

自身の策へまんまと引っ掛かったルパンレンジャーを「この前の失敗を取り返すには、警察倒すだけじゃ足りねぇからな!!」と嘲笑うトゲーノ。今日の目的は新しいコレクションによる無差別射撃ではなく、パトレンジャーに加えてルパンレンジャーも抹殺することが真の狙いだったのだ。


しかし直後、負傷を押して駆け付けた咲也とつかさが警察チェンジして挑みかかり、VSチェンジャー2丁を構えた2号とパトメガボー二刀持ちの3号が繰り出す連携で弾幕を防がれて圧倒されるも、昨日ドグラニオから受けたダメージのせいで本調子の出ない二人が動きを鈍らせた隙を突いて巻き返す。そのまま射殺しようとするも、そこへ重体の身にも係わらず圭一郎がグッドストライカーを抱えて駆けつけた。街でギャングラーが暴れている事、まだ安静が必要なはずの咲也とつかさが退治に向かった事を看護師の会話から聞きつけ、ベッドから這い出してきたのだった。


圭一郎「俺達国際警察がすべきことは、この場でギャングラーを倒し平和を取り戻すこと… でなきゃおちおち入院もできん!」


圭一郎の号令でパトレンジャーは、圭一郎の熱い姿勢にグッときたグッドストライカーを使ってパトレンU号となり、各々のダメージを分け合って多少楽になった状態から起死回生を図る。

その鬼気迫る姿に恐れをなしたトゲーノは「付き合ってられるか!」とその場から逃げ去ろうとするが、それを見逃さなかったイエローからブレードブーメランを投げられて足を止められてしまい、そこへU号が放ったイチゲキストライクを撃ち込まれて敗北。圭一郎と魁利も含め、毒針にやられた人々も全快した。

リベンジを狙ったトゲーノだったが「コレクションを犠牲に相手を罠に嵌め、その事に慢心し敗北」と言う前回とまるで変わらない醜態を晒す事になってしまった。この様子はドグラニオと幹部達にもしっかり目撃されており、ドグラニオは「足掻いたようだが、残念だったな」と普段ならゴーシュに指示を出す所をそのまま何も言わずに退席しようとしており、ゴーシュが彼にチャンスを与えることを提案した際には、もう興味のない投げ遣りな調子で「好きにしろ」と許可を与えていた。


こうしてドグラニオから一応、チャンスを与える許しを貰って現れたゴーシュから巨大金庫を施され復活。直後に「もしかして、ボスが許してくれたのか!?」とゴーシュへ聞くが、「さあ、どうかしらね」と返され、未だその怒りが解けていない事を悟り、「だったら…このまま殺っちまうしかねぇな…‼︎」と間髪入れずパトレンジャーの繰り出したパトカイザーと交戦。機械に毒は効かないため、グンカンガンを使った銃撃戦で応戦する。

しかし相手は、以前自身が策略の小道具として用いたクレーン&ドリルトリガーマシンの力を使いパトカイザーストロングへ換装。右腕のクレーンでグンカンガンを叩き落とされてから接近戦へ持ち込まれ、一方的に叩きのめされてしまう。

最後はその流れのまま『パトカイザーブレイクアップストライク』を喰らって爆散。策略の為に自他が持っていたルパンコレクションを節操無く手放したトゲーノだったが、最後はその手放したコレクション(VSビークル)の力で引導を渡されると言う皮肉過ぎる結末となった。


余談編集

名前はトゲと『狙う』を意味するエイム(aim)、ウニの怪人であることからトゲを突き刺す擬音である「ブスッ」も入っているかもしれない。

顔の十字は照準線(レチクル)をイメージした物と思われる。


ギャングラー共通の骨の意匠は両肩にある。同じウニの仲間のスカシカシパンの様な形状だが、この様な形をしたウニの化石も多く発掘されている為、このデザインが使われたらしい。

武器のグンカンガンはウニが寿司ネタで軍艦巻きとして出されることに因んだシャレと思われる。また撃鉄部分は添え物のキュウリを模している。


ウニを前面に押し出したような背中の造形に関しては、デザイナーの久正人本人が「後ろ姿は描かないんです」と、造形師のアドリブであることを明かした。なお、実際にウニ科の生物にはガンガゼ類やガンガゼモドキ類のように毒を持つ種類も存在する。


演じる吉野氏は『特命戦隊ゴーバスターズ』でソウジキロイドを演じて以来、6年ぶりの戦隊出演となり、翌年の1時間前のプリキュア妖精を演じることになる。

またスーパー戦隊VSシリーズでは、『シンケンジャーVSゴーオンジャー』でホムラコギを演じている。


最初に所持していたルパンコレクションは、アカニンジャー忍シュリケンをリデコした物。コレクションの元ネタが登場する『手裏剣戦隊ニンニンジャー』の忍びの43にも使用者を小さくする縮尺縮小忍シュリケンが登場している。

名前の由来はイッツ・ア・スモールワールドのテーマ曲『小さな世界』と思われる。


二番目に所持したルパンコレクションのモデルは『電磁戦隊メガレンジャー』のメガスリング。鳥のような形状なのはメガイエローの声を奪ったカナリアネジラーのイメージと思われる。

名前の由来はベット・ミドラーの「From A Distance」と思われる。


スーツは後に#34に登場するケルベーロ・ガンガンに改造された。


関連タグ編集

快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー 異世界犯罪者集団ギャングラー ギャングラー怪人


ゲド星人ウニーガ:14年前のウニモチーフ戦隊怪人。こちらはメタルヒーローパロディの必殺技を持っている。

ハンタジイ2年前スナイパー怪人。こっちも年季を笠に着た自信家だったが、作戦を破られ狙撃能力を奪われるやアタフタ逃げ回る体たらくを晒した。こちらも前後編で登場したが、本格的な活動は後編から。

藤崎佑助:中の人&スナイパー繋がり。こちらは主人公キャラ。

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