「私の可愛いお宝さん、○○を元気にしてあげて」(#2他)
「お前とは失礼ね、私はゴーシュ・ル・メドゥ。ギャングラーのドクターよ」(#8)
データ
身長 | 198cm |
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体重 | 218kg |
犯罪歴 | 違法改造手術 |
犯罪技 | サブマシン腕(わん) |
ルパンコレクション | 「大きくなれ~Gros calibre~」、「世界を癒そう~Guéris le monde~」、「ケーキ入刀~Coupe le gâteau~」(#47・48) |
CV | 竹達彩奈 |
スーツアクター | 蜂須賀祐一 |
概要
異世界犯罪者集団ギャングラーの幹部の紅一点でギャングラー専属の女医。一人称は「私」。
目鼻がなく唇だけの顔(よく見ると顔の輪郭や目鼻らしき部分があるのは確認できる)に沢山の触手の様なトサカが生え、腹部が割れて腹の中に詰まった弾薬が露出しており、全身が青いコブの様な筋肉で覆われているという歴代の女幹部にしては異様な姿をしている。
しかしその振る舞いはどこか妖艶で魅力的(ただし、#32や#48でその猟奇的な性格もあってかルパンレッドから「(なんか)キモいんだよ、アンタは」と言われてしまっている。本人は気にしていなかったが……)。
ギャングラー共通の骨の意匠は胸にあり、さながら三葉虫の化石が胸へ付いたようになっている。
極悪人の集まりであるギャングラーの幹部らしく、自身の人体実験の為に人間を攫ってモルモットとして扱おうとする残忍でサディスティックな性格の持ち主。「女医」の肩書を持つが彼女にとっての医療は「人を治す」ことでは無くあくまで「自身の快楽を満たすための手段」でしかなく、そのことに快楽を覚える猟奇的なマッドサイエンティストである。そしてその実験対象は仲間である筈のギャングラー怪人も例外ではなく、その事でデストラから「人間を切り刻むだけでは飽き足らんのか」と苦言を呈される程。
#34にてケルベーロ・ガンガンの趣向に疑問を抱いたデストラに対して言い放った「役に立つかどうかじゃないの。楽しいかどうかよ」という一言が彼女の人格を端的に表している。
ボスであるドグラニオ・ヤーブンの手に口付けをしてもドグラニオから特に咎められない信頼と地位を持つ模様。それ故かドグラニオに対して色目を使った事もあった他、巨大化させる前に敗北したギャングラー怪人に対して、いつもの台詞ではなく毒や嫌味を吐く事もある等、上述の性格も合わさって自身の地位や権力を笠に着てやや傍若無人に振る舞う事が少なくない。その分、ボスのボディガードを務めるデストラとの折り合いは良くない様で、事ある毎に嫌味を言い合う他、デストラの単独行動をドグラニオに度々密告しているが、劇場版や#31冒頭の巨大戦の様に彼の活動に手を貸す事もあり、仲が悪いと言ってもそこまで険悪な様子は見られない。
寡黙且つ真面目なデストラの事を、まるでからかって遊んでいる様な奔放な彼女の態度がそう視聴者に認識させているのだろう。
因みにデストラがドグラニオに隠れて行動した結果、自分が持っていたコレクションを2つ全て失ってしまったのに対し、ゴーシュはドグラニオにおねだりして幾つものコレクションを譲り受けている。
どうも両者は同じドグラニオの側近でありながら、やる事なす事対照的な結果になる鏡合わせの存在らしい。
ただ、ドグラニオのお気に入りと言う事で好き勝手出来ているのは、裏返せばドグラニオより見限られる事で全てを失ってしまうリスクもあると言う事(※この点も、独断で自らコレクションを手放しても咎めを受けずむしろ素の実力を買われていたデストラの鏡合わせになっている)。
そしてデストラが戦死、有力な後継者候補として見ていたザミーゴ・デルマからは組織の後を継ぐのに興味が無いと言われたドグラニオに心変わりが起こった状況でも御構い無しに好き勝手を続けていた結果、ボスからの信頼を急速に喪失。上のリスクが発生し一気に全てを失う結果を招いてしまった。
戦闘能力
自身にも強化改造を施しており、両腕は強力な火器と鋭利な刃を備えた『サブマシン腕(わん)』となっている。それを武器に戦闘でも臆する事なく嬉々として敵に発砲する、巨大化担当の女幹部らしからぬ好戦的で血の気が多い性分を持つ。
軽快な身のこなしで相手を翻弄しながら、掌から骨を用いた強力な弾丸をマシンガンの様に連射する武器名と同じ犯罪技『サブマシン腕』による銃撃戦を得意としており、更に#48ではルパンマグナムの銃撃をも相殺する芸当を見せている(接近戦では掌底を当てる瞬間に発砲して威力を上げる技も使える)。しかも射撃動作が手を向けるだけで済む為、攻撃も非常に素早い。
加えて掌から高出力レーザーを放つ事もでき、その威力はビル壁を紙の如く切り裂くほど。
ゴーシュ自身もコレクションを複数所持しており、自ら使用したものは主に以下の3つ。
注射器のルパンコレクションであり、これを使用する事で死んだギャングラー怪人を復活・巨大化させる事ができ、後述する『巨大金庫』の役目を担う巨大化要員として活動している。
- 「世界を癒そう~Guéris le monde~」
双眼鏡のルパンコレクションであり、あらゆる生物や機械を透視・観察して瞬時に分析出来る力を有しており、その能力で対象の種族的な由来を見抜いたり、通常では見えない物体を探し当てたりできる。
#32で彼女がこのコレクションを持っていた事を知った高尾ノエルはすぐルパンレンジャーの3人と撤退を図っており、同話のラストでその話を魁利から聞いたコグレもそれまで実験体より回収した5つのルパンコレクションを機嫌良く本に仕舞い込んでいたのを途端に焦ってコレクションの収納を中断し、まだ収納していないコレクションを懐に隠す様にして足早に立ち去った(それ以前にもその存在をはぐらかす発言をしてお茶を濁す場面もあった)。コレクションに精通した者程その存在を恐れている様だが、それは彼らがギャングラーに元居た世界を追われ人間界に隠れ住んでいた異世界人の末裔である為。そしてその事情を掴まれると厄介や不都合が起こると二人が考えていたからである。
- 「ケーキ入刀~Coupe le gâteau~」
#47にて、ドグラニオより貰い受けた3つ目のルパンコレクションであり、メスのようなコレクション。右手をルパンエックスの装甲すら貫ける鋭い刃へ変える能力を獲得し、遂に戦闘でも直接人間を切り刻める様になった。本人も性格上、「私のためにあるようなコレクション」とこの力を気に入ってる模様。
背中にルパンコレクションを収納する金色の金庫を備えた『ステイタス・ゴールド』だが、デストラ・マッジョと違って金庫が1つしかないため、コレクションの能力を1度に複数使えず、使用を切り替える際はコレクションを入れ替える必要があり、そこに大きな隙が生じる。
しかし、素早い動きと高い戦闘力を持った彼女の金庫に接近するためには、掌の銃口から発射される弾丸の雨を掻い潜る必要がある為、決して容易ではない(実際に#47では、金庫開錠の為に接近したルパンエックスに対して、即座に上記の「ケーキ入刀~Coupe le gâteau~」に交換する事で、彼を難なく返り討ちにしてみせた)。
暗証番号は「187623」。
総じて彼女の戦闘スタイルは、戦闘スタイルもパワーファイターであるデストラとは逆にルパンレンジャーの上位互換とも取れるものであり、戦闘力が低い、もしくは巨大化のみに特化したケースが少なくない歴代の巨大化要員の中では屈指の実力者と言えるだろう。
『巨大金庫』
腹部に巻き付けたマガジンを高速回転させながら、ルパンコレクションを納めた背面の金庫を介してサブマシン腕へ装填。倒された怪人の残した金庫にエネルギーを浴びせる事で実行される(その際、上記1つ目の決め台詞を言う)。因みにこの時、妖艶なBGMを伴って登場する事が多い。
この時に言っている事は、金庫だけの状態にもかかわらず巨大化させる相手にも聞こえているらしい。人間も斬首されて数秒間は意識があるというが、それと似た様な物だろうか?
なお、実行の際は直に現場へ赴かなければならない為、不甲斐無い真似や醜態を晒した相手へ嫌味やお叱りの言葉を言ったり金庫を蹴とばしたりといった事も少なくない。場合によっては嫉妬されたり、水中に落ちた金庫の対処に困ったり、釣りを邪魔されたり、悪臭ガスを顔に浴びせられたりの他、価値観の合わない相手に嫌々ながらも施した事がある。
劇中の活動
#6
顔が割れた上に#5でコレクション回収の際、加勢に来たデストラに無断で逃走した事で後が無くなったブンドルト・ペギーに対し、強化改造手術を施すドクターらしい一面を見せた。
#8
遂にルパンレンジャーと直接対決。巨大化や手術以外の秘めた実力を発揮して襲い掛かって来る。
所有する地下実験施設でポーダマン達に攫わせた人間達を使って人体実験を行おうとしていた所を、ルパンレンジャー3人の正体を暴こうとギャングラーに扮して囮捜査を行っていたジム・カーターが偶然迷い込んでしまい、更にそこへかねてより実験室のあった建物を疑っていたルパンレッドが侵入して来た為に発見されて交戦。
素早い動きで翻弄しながら、「世界を癒そう~Guéris le monde~」の力でレッドの身体の動きを細胞レベルまで捉え、両手からコンクリートの柱をも貫通する弾をサブマシン腕から連射して激しい銃撃戦を行い彼を圧倒する。
そうして背中の金庫の中身を元の「大きくなれ~Gros calibre~」と入れ替え、居合わせたポーダマン達を巨大化させると、「坊や、次はもっと楽しませてね~♡」と言い残して姿を消したのだった。
#13
ルパンイエローとパトレン3号と交戦し、レッドの隠れブーメランで敗北した、自身に対抗心を抱くナイーヨ・カパジャーに向けて、「私に借りを作るようで嫌かしら?でもまあ、このまま終わるよりはいいでしょ?」と嫌味たっぷりの言葉を添えながらルパンレンジャーの前に登場し、彼女を巨大化させる。
#en film
ルパンレンジャーとパトレンジャーの抹殺を目論むウィルソンへ、デストラと共に手を貸す。
手始めにウィルソンが捕らえ、ギャングラーの世界へと連れて来たルパンレッドとパトレン1号へウィルソンも交えて三人がかりで襲い掛かる。拘束され満足に動けない相手を圧倒した上、止めに飽和攻撃を叩き込む事で二人を崖下に突き落とし、相手が死んだと確信した後ドグラニオの屋敷へと戻る。しかし、転落寸前でワイヤーを使用したレッド=魁利が1号=圭一郎の腕を掴んだ事で二人は生き延びていた。
その後屋敷内でウィルソンとその相棒が計画の大詰めに入った事をドグラニオへ報告するのをデストラと見ていたが、そこに始末した筈の魁利と圭一郎が忍び込んでいるのを察知し先制攻撃。ウィルソンを人間界に行かせた上で、自身はデストラと共に屋敷内を壊しながら相手へ銃弾を浴びせ掛ける。
しかし、囮として物陰から飛び出した圭一郎を狙っている隙に背後から魁利が接近。背中へ取り付かれて金庫にダイヤルファイター2台を押し当てられ解錠される。これに一瞬遅れて気付き振り払うも、次の瞬間には圭一郎に飛び付かれ、開いた金庫から「世界を癒そう~Guéris le monde~」を取り出されてしまう(※)。
そして空になった金庫へ圭一郎がジャックポットストライカーを押し込み、彼の“秘技”によって身体を勝手に操られ人間界への道を強制的に開かされてしまう。更に自身へ魁利と圭一郎がしがみ付いて道を潜った結果、二人が人間界へ帰還するのを許してしまった。
そして人間界で、「お前の仕業ね!私の身体で勝手な事を!!」と自身の金庫から出たジャックを撃ち落とそうとしたが失敗。程無くウィルソン達は全員揃った両戦隊の手で倒されてしまった為、先程の醜態を咳払いで誤魔化した後、巨大金庫をウィルソン達に施した。
※なお取り出された「世界を癒そう~Guéris le monde~」は脱出を優先した圭一郎に引っ張られる形で魁利が見逃しており、この後ゴーシュに回収された模様。しかしここで回収されなかった事が#42以降の展開に繋がっている。
#29
自身が製造した改造ポーダマンの実験を兼ね、改造ポーダマンとポーダマンを引き連れ人間界へと現れるが、パトレンジャーの3人に偶然見つかってしまい、直接対決になだれ込む。
陽川咲也と明神つかさを軽くいなすと、ポーダマンと戦っていた朝加圭一郎を実験台として見定めて彼を捕縛し、改造ポーダマンの金庫に収められていたカメラのルパンコレクション「想い出~La me'moire~」の力で圭一郎の頭の中の記憶を写真として飛び出させた。しかし、戦闘員のポーダマンがコレクションの力を使用した為か完全に力が発動しなかったので、調整の為に一時退却する。
ドグラニオ邸へ戻ると改造ポーダマンの事をドグラニオに報告。デストラからはドグラニオにおねだりして渡して貰ったコレクションを実験の為に使っている事に苦言を呈され、#8で研究所の一つを破壊された事を言われるも、彼女は何度もVSビークルの入手に失敗している事を引き合いに出して言い返し水掛け論になるが、ドグラニオの取り成しで矛を収める。
その後、改造ポーダマンの実験の為に人間界へと赴くがルパンレンジャーによってコレクションを奪われ、記憶を取り戻した圭一郎が変身したパトレン1号によって改造ポーダマンが撃破される。
物陰に隠れて様子を見ていたが、もう少し改良が必要と判断するとそのまま姿を消した。
#31
自身が保有する研究室内でヨシー・ウラザーの左腹部の金庫を剥ぎ取り、右腹部のもう一つの金庫に手をかけようとした瞬間、ヨシーに反抗されて逃亡されてしまう。
ポーダマンらにヨシーを後を追わせ、自身は新たな改造ポーダマンに化石のルパンコレクション「楽しくいこうぜ~Plends-le dessus~」を金庫に収納した上で人間界へと放っていた。
物語の冒頭で、すでに巨大金庫を施した改造ポーダマンとデストラが召喚したゴーラムと共に暴れさせていたが、エックスエンペラーとルパンカイザーによって改造ポーダマンを撃破され、コレクションもすでにルパンレンジャーの手に渡ってしまっていた。
デストラから、「フン…ドグラニオ様のコレクションをまた無駄にしたな。遊ぶなら、自分のコレクションを使え」と苦言を呈されるが、本人は「でも、これで実験体を安定させる方法がわかったわ」と収穫を得られた様で、ついに自身の目的の為に実験を本格的に執り行う。
その後、本性を現したヨシーを撃破したパトレンジャーの前に実験体とともに出現。壊れたヨシーの金庫に新たなコレクションを入れた上で実験体の胸部に移植し、巨大金庫を施して実験体を巨大化させた。
#32
次々とコレクションの力を発動して攻め立て、更に犯罪技による強烈な一撃でパトカイザーを合体解除に追い込むも不具合を起こして元のサイズに戻ってしまった実験体を回収しようとする。しかし、その先でルパンレンジャーと遭遇し彼女と実験体の持つコレクションを一気に奪えるチャンスとルパンレンジャーが向かってきた為、実験体と共に迎え撃つ。
#8以来久々に再会できたレッドに「坊や。今日は楽しませてもらえそうね」と喜びの言葉を投げかけ、金庫の中身を「世界を癒そう~Guéris le monde~」に取り換えようとするが、それを見たパトレンエックスにロッドソードの刀身から目晦ましのフラッシュを放たれて、撤退を許してしまう。
ゴーシュも特に気に留めずに、実験体を最終調整すべくギャングラーの本拠地へと帰還。
最終調整も終わり、人間界へ実験体を放って暴れさせたが一時的に協力したルパンレンジャーとパトレンジャーによって実験体を倒されてしまう。
巨大金庫を施し、実験体を超巨大化させたがグッドクルカイザーVSXに最終的には撃破されてしまい、彼女の計画は失敗に終わってしまった。
#39
#38で宇宙から飛来してきたビクトリーストライカーを入手出来ず、何よりドグラニオから与えられたチャンスを逃した事に不甲斐なさから、やけ酒していたデストラの元へ向かうとデストラに協力を持ちかける。
勿論デストラに反発されるが、「フフッ。その気になったら声かけて」と返答を待つ事にしてその場を後にした。
#41
ザミーゴの気まぐれのせいで作戦が台無しになって後が無くなり、何より下等生物と見下す人間が変身したルパンレンジャーとパトレンジャーに追い詰められた事の屈辱から、怒りに任せて木々を倒し回っていたデストラの様子を見に来る。
「コレクションを使えば良いのよ。そうすればあなたに勝てる人間なんていやしない。どう?私が手を貸してあげましょうか?」と高い戦闘力があっても今までコレクションの力を使って来なかったデストラに催促し、再度協力を持ち掛けた。
#42
前話で追いこまれた事で自身のプライドをもかなぐり捨てたデストラが協力を仰ぎ、人間界に赴き魁利とノエルを発見してデストラを援護する為に参戦。
レッドに攻撃を仕掛け、「世界を癒そう~Guéris le monde~」の力を発動させていたが彼女の攻撃から守る為にルパンエックスが飛び込んでくるが、彼の姿とを写すと何か映ったらしく「ウフッ。面白いもの見つけちゃった!」と喜びの表情を浮かべる。
以前より警戒していた「世界を癒そう~Guéris le monde~」の力を使われた事に動揺したルパンエックスを痛めつけると彼が落としたサイレンストライカーをデストラに手渡し、退却。
翌日、追い詰められたデストラに巨大金庫を施すもサポート虚しくデストラは両戦隊によって戦死。本拠地の洋館でデストラの訃報をドグラニオに伝え、彼の指示でその場を後にした。
#43
前話で「世界を癒そう~Guéris lemonde~」の力でノエルの秘密を見たのをドグラニオに話し、それを起爆剤に両戦隊に揺さぶりをかけてやろうとトカゲイル・ナクシャークと交戦し、彼からノエルから新しいコレクションを貰った事を聞かされ半信半疑な快盗の前に出現。
そして前話でノエルの身体を見た結果、人間とは異なる血液が流れている事、そして「エックスは人間じゃないわ」と衝撃の真実を暴露。その一言に衝撃を受けるルパンレンジャーに「可哀想に。騙されてたのね」となじっていたが、2号と3号にトカゲイルを倒された為に巨大金庫を施して「エックスのおかげで面白くなってきたわ」と呟いてギャングラーの世界へ戻っていった。
#44
自分に内通者の濡れ衣を着せて嵌めようと企んだナリズマ・シボンズをパトレンジャーと共に倒したノエルの前に出現、「その内あなたを可愛がってあげるわ。楽しみにしててね♡」と言いつつナリズマへ巨大金庫を施し撤退した(※逆にいつもの決め台詞は言わなかった)。
#46・47
またドグラニオへおねだりして新たなルパンコレクションを手に入れ、新しい実験が出来ると研究室で心を躍らせている所にザミーゴが登場。彼から自分の身体へ新しい金庫を移植して欲しいと言う依頼を受け、承諾する。
そして手術は問題無しに終わり、ザミーゴは腰後ろへ3つ目の金庫を移植。更にその中へは自身が手に入れた物の片割れである紋章のルパンコレクション「突き抜けろ~Évade-toi de l’autre côté~」を入れた事で彼は身体を液状化する能力を手にした。
こうして手に入れた新たな力に満足したザミーゴは礼を言って立ち去るが、彼を改造した事で嗜虐性に火の付いたゴーシュは「手術も上手くいったし、もうちょっと刻みたくなっちゃった」と人間を切り刻みたい衝動へ駆られ、自らも人間界へ向かう事に。
手始めに街中へポーダマンを放つが、駆け付けて来たパトレンジャー4人に軽く倒されたので自ら姿を現す。その際自身が出現した目的をつかさから問われたのでゴーシュは「別に?企んでなんかないわ。刻みたいから刻みにきたのよ」と特に目的なく人間を切り刻みたいという彼女の行動を4人は阻止すべく警察チェンジ。ゴーシュは狙いをつけていたノエルも居合わせていた事に喜びつつ4人と交戦。身軽な動きとサブマシン腕から放つ強力な銃撃でパトレンジャーの連携を掻い潜りながら余裕で立ち回り、ノエルへ以前の様に「フフフ…早く刻ませてちょうだい」と言い放つ。
だが当然、そうされるつもりは無いノエルはゴーシュを転ばせてルパンエックスにチェンジ、バックルとサイクロンダイヤルファイターを手に金庫を解錠しようとする。しかし肉薄される寸前でゴーシュは咄嗟に「ケーキ入刀~Coupe le gâteau~」を金庫に入れ右手を刃に変化、それをルパンエックスの装甲へ突き立てて動きを止め、大ダメージを負わせる。
更にパトレンジャーにも鋭い刃で攻撃を与えつつ、「ほらほらどうしたの? 早く私を止めなきゃ、どんどんやっちゃうわよ」と脅しと言わんばかりに近くのビルへ左のサブマシン腕からレーザーを放ち、ビルの中に残った人々を狙ってビル壁を切り刻む。これに対し、パトレン1号とパトレン2号は彼女に立ち向かうも変身解除へ追い込まれる。残ったパトレン3号もゴーシュの前に立ちはだかるが彼女の手により変身解除へ追い詰められる。その後にもルパンエックスを変身解除に追い詰めた。
そして、戦闘不能になったパトレンジャーを眺めながら「これで何もかも刻み放題ね。さぁ、誰から刻もうかしら」とじっくりと切り刻もうとつかさたちに刃を向けるゴーシュだが、「刻むなら、僕だけで十分だろう。ゴーシュ…お前は見たいんじゃないのかい? 人間じゃないこの僕を」とノエルが仲間を庇い自らを差し出すと告げる。そして彼が自分の持っていた全VSビークルとXチェンジャーをパトレンジャーに託したのを見ていたが3人が引き止めている茶番を見て「ごちゃごちゃうるさいわねぇ」と痺れを切らして腹部のマガジンを飛ばしてノエルを拘束。置き土産にデストラが残した改造ゴーラムを召喚し、ノエルを連れてギャングラーの世界へ帰還する。
そして捕らえたノエルを『獲物』として、洋館内に居たドグラニオの目前へと突き出した。
己の欲望のままに敵も味方も傷付けた悪女、孤独の中で散る(#48)
捕らえたノエルがアルセーヌ・ルパンを殺した理由をドグラニオに問いただし、それへ「面白そうな物があった」と臆せず答えたのへ激昂したノエルがドグラニオへ飛び掛かろうとした所で彼を縛っていたマガジンに電撃を流す事でダウンさせる。
そして改めてノエルを切り刻もうとするが、ここでドグラニオから「どうせなら、もっと派手にやろうじゃねぇか」と提案を受ける。
その提案を飲み翌日、人間界の映像ネットワークをジャックして磔にしたノエルの姿を晒し、
「は〜い、人間の皆さん。退屈な毎日を過ごす皆さんにギャングラープレゼンツ、楽しい楽しいイベントのお知らせよ。あなた達はこいつをご存知かしら? そう、ある時は国際警察のパトレンエックス、またある時は快盗ルパンエックス…実はね、本日正午、都心公園にある浄水場跡地で、エックスを解体しようと思うの。生中継もしちゃうから、お楽しみに~♡」
ノエルを切り刻んで公開処刑する悪趣味すぎる映像を世界中に見せようとする。更に処刑場所も公開し、ルパンレンジャーとパトレンジャーがノエル奪還に来るのを誘う。そして程無く、パトレンジャーが処刑場へ踏み込んでくる。
「ちょっと早いけど始めましょうか。”正義を気取る警察が、惨めなエックスを助けられるか“っていうショーを!」
ドグラニオより直に見守られる中、ポーダマンを嗾けるが予想通り相手に軽く一蹴されたので今度は自身が交戦。3対1の差も意に介さず圧倒し、コレクションで右手を刃に変えたゴーシュは3号と2号を圧倒し更に左手より放ったレーザーで薙ぎ払う事で3人を変身解除へ追い込む。
「悪いわねぇ、私も早く切り刻みたくてうずうずしているの!!」
そして立ち上がれないパトレンジャーの前でノエルへ向き合い、遂に刃を振り下ろそうとするが、ここで現れたルパンレンジャーが放った銃撃を背中に受け邪魔される。そしてドグラニオとの駆け引きで遂に素顔を晒した夜野魁利、宵町透真、早見初美花は変身し、ゴーシュに立ち向かい激戦を繰り広げる。3人を圧倒するが、最早後戻りの出来ない行動をした初美花、魁利、透真は怯まず快盗戦隊ルパンレンジャーとして彼女に向かってくる。そしてその裏でグッドストライカーの手を借りたパトレンジャーはパトレンU号となり、融合からの分離を利用してドグラニオの虚を突きノエルを救出した。
だがノエルが逃げてしまう事を嫌がるゴーシュはルパンイエローを思いっ切り突き飛ばし、実験体(黒)を召喚して加勢させる。
すると突然ドグラニオが「どうしたゴーシュ、1人じゃ心細いのか? せっかくの遊び場だ。自分の力だけで、楽しくやれよ!」と言いながら自らのコレクションの力を発動し、ゴーシュと実験体の金庫のロックを強制解除。その中身と彼女が閉まっていた「大きくなれ~Gros calibre~」と「世界を癒そう~Guéris le monde~」も含む7つのルパンコレクションを自らの元へ引き寄せ強制没収し、その場を立ち去ってしまう。
一番の忠臣がいなくなり、それと同格の男からも跡目を継ぐのを蹴られたドグラニオは心変わりを起こしており、自分の権力を笠に着て身勝手を続けるゴーシュは、最早目障りになっていたのである。
このまさかの、そしてある意味必然だったボスからの裏切りに、ゴーシュはこれまでの余裕があっと言う間に消え去りその場で茫然自失。その隙にルパンレンジャーから銃撃を喰らい、実験体諸共地面に転ばされてしまう。
そしてルパンレンジャーは屋外へ出てノエルを介抱していたパトレンジャーに合流するも、全てを失い自棄になったゴーシュは実験体と共に後を追い掛けてくる。
「いいわ…、コレクションが無くても、私の腕はギャングラー一(いち)……!エックスも何もかも、刻みまくってあげる!!」
だが『緊急事態』と判断したパトレン1号の働き掛けで両戦隊は並び立ち、更にスーパールパンレッド(ルパンマグナム装備)、スーパールパンエックスにもチェンジ。イタダキ・ド・ド・ドストライクとスーパースペリオルストライクに快盗・警察ブースト(1号:ストロング撲滅突破、ブルー:スプラッシュバスター、2号:サイクロンダイヤルファイター、イエロー:マジックアロー、3号:バイカー撃退砲)を合わせた一斉砲撃をサブマシン腕からのレーザーや実験体のモルモレーザーで迎え撃つが、コレクションもない今の火力で勝てる筈も無く押し負けて敗北、致命傷を負ってしまう。
息も絶え絶えで、ドグラニオに裏切られた事で精神にも異常をきたしたゴーシュは「良いこと思いついちゃった…。黄金の金庫を移植したらどういう結果になるかしら…」と最後の悪足掻きとして、自身のゴールド金庫を自ら剥ぎ取り実験体に移植する。
ギャングラーにとって金庫は命と同じ『核』であり、それを剥ぎ取った事は自身の死を確かなものとした行為でもあった。
そして捨て台詞に「ウフフ…これが…私の最後の実験…!!」と言い残して爆散。
そしてゴールド金庫を移植された実験体はそこに秘められたエネルギーで巨大化するも、惜しみなく巨大戦力を繰り出したルパンレンジャーにより程無く撃破された。
折り合いの悪かったデストラの後を追うように死亡することになった彼女だったが、その末路は
「自分一人になったことで元々の横暴さに磨きがかかった結果、お気に入りと見てくれていたドグラニオから見捨てられ、その死は誰からも悲しまれることがなかった」という、敵からしても味方からしても因果応報としか言えないもの。更にそれは、
「自分一人になっても最期まで自分の誇りを貫き通し、敬愛する主君のドグラニオへの謝罪と共に散り、そしてその死をドグラニオは心から悲しんでいた」デストラとは全く対照的なものとなったのだった。
#49以降のOPにも引き続き登場するものの、先に退場したデストラ同様、塵となって消える描写に変更されている。
余談
モチーフは銃・マシンガンと白亜紀後期に存在したとされるオヴィラプトル。デザインを担当した久正人氏の漫画『ジャバウォッキー』を知っている人には“女サバタ・ヴァンクリフ”(主役の一人である恐竜人)と言えばピンとくるだろう。
被差別士族を先祖に持つ故に他の恐竜人から蛇蝎の如く嫌われているサバタだが、ゴーシュの方はその自分勝手な振る舞いと他者を切り刻みたがる残虐性から、ギャングラー内では嫌われてはいると同時に恐怖の対象とも思われる。
この恐竜は獣電戦隊キョウリュウジャーのオビラップーのモチーフに使われたことがある。因みにオビラップーは催涙ガスで攻撃する能力を持っているが、ゴーシュは逆に巨大化させる相手の悪臭ガスを顔面に受けて苦しむ羽目になったことがある。
ドレスの腹部が破れているのはカエルの解剖をイメージして造形され、ドレスの裂け目に内臓状の弾帯がのたくっているようにデザインされた。また「異世界出身→ヘルレイザー」というアイデアから皮膚を剥がれて筋肉がむき出しになったような容姿で、両肩の丸みもマシンガンの一種であるトンプソン銃を意識して造られたが、デザイナーの久正人氏曰く一番気を付けたのは脚を長く見せるようデザインすることだったとか。
また、ゴーシュの場合は金庫を解錠されても中身のルパンコレクションを回収されなかった非常に珍しい例なのだが、皮肉にもそのコレクション(「世界を癒そう~Guéris le monde~」)を回収されなかった事が自身が破滅する遠因となった。
ルパンコレクションの元ネタは、「大きくなれ~Gros calibre~」は救急戦隊ゴーゴーファイブのテイルインジェクター、「世界を癒そう~Guéris le monde~」は特命戦隊ゴーバスターズのソウガンブレード。また、後者については名前がマイケル・ジャクソン等の楽曲のHeal the world(和訳すると『世界を癒そう』)に由来している可能性がある。
そして3つ目のルパンコレクションの元ネタは五星戦隊ダイレンジャーの白虎真剣。名前の由来はアヴェレージ・ホワイト・バンドの「Cut the Cake」と思われる。
なお、それぞれのコレクションの元ネタのフレーズは汲々(救急と汲々をかけている)、ウィークポイント(ゴーバスターズのメンバーはそれぞれ弱点となるウィークポイントを持っている)、牙、百個(それぞれキバレンジャーと白虎真剣をかけている)である。
演じる竹達氏は本作が特撮初参加。
女史は30前後の女性を意識して演じていると、宇宙船のインタビューで語っている。
スーツアクターの蜂須賀氏は#39において顔出し出演している(※前年でも似たパターンで出演している)。
巨大化要員の為か、退場回までは幹部達の中で唯一皆勤登場だった。
名前のゴーシュはフランス語で「左」を意味しているが、同時にそれが転じて「不器用な」、「歪んだ」と言う意味の形容詞でも使われる。如何にも異次元人らしく、人間を人体実験のモルモットとしか見ていない彼女の歪んだ価値観を表していると思われる。
また、姓である「メドゥ」については、複数の蛇のような頭と「世界を癒そう~Guéris le monde~」による眼を使った能力から、おそらくメドゥーサ(ギリシャ語で「支配する女」の意)から取ったものと思われる。
関連タグ
快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー 異世界犯罪者集団ギャングラー
ガードノイド・ガッシュ:巨大化要員でありながら高い戦闘能力を持つ敵幹部つながり。