「コレクションの秘めた力を使えば、どんな願いも叶えられる……消えた人も、取り戻せる」
「今日もお店はサボタージュですか?」
演:温水洋一
概要
稀代の大快盗・アルセーヌ・ルパンの末裔に執事として仕えるとされる、初老の男性。
異世界犯罪者集団ギャングラーに奪われたルパンコレクションを取り戻す為、同じ様に大切な人をギャングラーに奪われた夜野魁利・宵町透真・早見初美花の三人を快盗戦隊ルパンレンジャーとしてにスカウトした。
その役割は、全てのルパンコレクションを専用の台帳・『ルパンコレクションアルバム』に収納することで、ルパンレンジャーがギャングラーから回収したコレクションを受け取ると、その都度台帳に収めている(描かれているコレクションの図番は空の時はモノクロだが、実物をかざすと吸収されその図版に色が付く)。
なお、この図鑑はルパン家の宝物庫へとつながっており、コグレ以外の人物も使用できる(劇中では魁利も使用した)。一度収納したコレクションは再び取り出すことも可能。
ルパンレンジャーの面々には、随時ルパンコレクションの手がかりやそれを持つギャングラーの情報などを伝えるが、「ビストロ・ジュレ」では食事もとらずエスプレッソを飲むだけで、彼らとの関係も最小限の付き合いに留めている。
快盗の執事であることを知らない一般市民に対しては、『「ビストロ・ジュレ」のオーナー』という事になっている。
なお、この経営に関しては#49で「フランス系企業の経営」と言うことに書類上ではなっていたことが判明し、経営実態のないペーパーカンパニーを立てていたようである。
前情報なしにギャングラーが現れた場合は、ルパンレンジャーが戦った時の情報と台帳の内容を照合し、持っているであろうコレクションを教える。
高度な変装術の持ち主で、#8では魁利に変装しルパンレンジャーがパトレンジャーの追及を逃れるのをサポートした(因みに変装した際は厚底のシークレットブーツを履いて背を伸ばしており、事が終わった後でそれを知った透真は思わず吹き出した)。
#33ではエンビィ・チルダの能力で子供にされた透真と初美花が国際警察に押収されたVSチェンジャーを取り戻した直後、魁利に変装して目の前に現れて回収した後、立て続けに母親を名乗るつかさ似の女性(魁利の発言から)に変装して3人を保護した。
ちなみに、同話での回収の手際の良さはまさに快盗そのものであり、見た目の割にかなり身体能力は高いようであるが、変身できないこともあってか彼自身がコレクション回収に自ら動くことはまずない。
その代わり情報収集には自ら動いており、後述の通り#35では変装してギャングラーの潜伏場所を探っていることが明らかになった。
その際は見つかって負傷しており、彼は彼なりのリスクを背負って活動していた模様(ちなみに調査に赴く前にはエスプレッソを堪能するのが日課らしい)。
同話ではルパンレンジャーが戦っている姿を見て、「なるべく……見ないようにしてきたんですが……」と、彼等に情が移らないようにしているかのような言動を取っている。
このように重要なサポート役である一方で、ルパンレンジャーに対しては最低限の情報しか与えないため、何かしら大きな秘密を隠している節があり、一概に味方とは言い切れない怪しい人物としての描写が多かった。
特にゴーシュ・ル・メドゥのもつ双眼鏡のルパンコレクション「世界を癒そう~Guéris le monde~」のことを聞くと、知らないふりをしてその能力を教えなかったり、慌てて立ち去るなど、その描写が明確にされていた。
活躍
- #7
魁利と透真がメルグ・アリータに飲みこまれトラウマが再発してしまい、周りに助けてもらってばかりいることを悔しんでいた初美花を優しく励まし助言を与える、と言った一面を見せつつ、ジュレを出た直後に「大切なVSビークルですから」と漏らすなど、ルパンレンジャーの命については重要視していないと思われる一面を見せている。
また#7以降は情報提供以外でも積極的にルパンレンジャーのサポートをする様になったが、一方で去り際に怪しげな含み笑いを残しており、ますます疑惑が深まっている。
- #8
グッドストライカーがルパンレンジャーに接触しパトレンジャーの捜査の目を誤魔化す手伝いをした際には、ルパンレンジャーがコグレから「ルパンコレクションを集めることで大切な人を取り戻すことができる」と聞かされていると知って「あいつの考えそうなことだ」と呆れとも感心ともつかない言葉をかけていた。
また魁利にゴーシュのルパンコレクションについて聞かれた時には、「分かりませんねえ。調べておきましょう」と言いつつもなにがしかの情報を掴んでいるようなそぶりを見せた。
一方でグッドストライカー曰く「オイラにはコレクションを守る義務があるから、お前らが捕まったら困る」とのことで、どういう思惑があるのかは不明だがルパンコレクションの扱いについては信用している節がある。
- #10
今話にてルパンレンジャー達三人も完全に信用している訳ではないらしいことが明かされ、ザミーゴの存在を知った三人は「もしもルパンコレクションによる大切な人を取り戻すことに失敗した際の保険」として、敢えてコグレにはその存在と接触したことを明かさない方針を取っている。
- #21
前話(#20)にてルパンレンジャー・パトレンジャーの前に現れたルパンエックス/パトレンエックスこと高尾ノエルとも、同じ主人に仕える者同士で知り合いだった事が判明。
ただノエルの方も慌てて逃げようとしたグッドストライカーを押さえて「大丈夫。僕がついてる」となだめたり、戦闘後ルパンレンジャーとの演技で得たコレクションを手に取引を持ちかける等、底が見えない態度を露わにしている。
- #32
ビストロ・ジュレにて、実験体を撃破し同時に5つものコレクションを回収した魁利たちに感激しながら上機嫌でコレクションを収納していたが、ゴーシュの持つ上述のコレクションについて透真に尋ねられると様子が急変。
「ノエル君に確認してみましょう」と口にしつつ、コレクションの収納もそこそこにどこかへ去ってしまった。
- #34
魁利がルパンマグナムを手にしたことを聞いて内心驚いており、マグナムを彼が使うことを許可した。その後、快盗としての強い覚悟を持つ魁利について「想像以上の逸材でしたね…」となにやら不敵に笑いながらどこかへ立ち去っている。
- #35
ある意味初となるメイン回。
ドリューン・サンブの持つ印ろうのコレクション「大いなる分裂~Le grand fossé~」の力でなんと善・悪・普通の3つの人格に分裂してしまった。
善人格は人助けに奔走し、悪人格は昭和チックな暴走族スタイルで走り回るなど(少しワルに憧れがあったらしい)、好き勝手に動く3人に魁利たちは悪戦苦闘(因みに悪人格が爆走していた場所は仮面ライダービルドのOPのロケ地)。
だが混乱の最中、普通人格は分裂してから6時間経過すれば元に戻れなくなるという危険があるにもかかわらず、単独行動でドリューンのアジトを突き止めていた。
実は、日頃から変装して自ら危険を冒してまでギャングラーの情報を収集していた事が判明。
魁利達ばかりに戦わせていることを心苦しく思い、ルパンレンジャーとしての戦いに巻き込んでしまったことに対しても罪悪感を感じている様子を見せていた(ただしこれは善人格と普通人格の発言によるものであり、悪人格が喋っていたら何か危険な秘密が明らかになったかもしれない…)。
幸いにも消滅まで残り1分というギリギリのところで、何とか元に戻ることができた。
- #42
ビクトリーストライカーとサイレンストライカーの力を身に付けたデストラ・マッジョとの闘いで負傷した魁利の傷の手当てをしていた所、先程の戦いでゴーシュに「世界を癒そう~Guéris lemonde~」の力を使われたノエルがひどく焦っていたと様子だったと聞くと、血相を変えてわざと包帯をきつく締めて、ノエルのことは自身に任せるようにと三人に伝えて退室(その際魁利に「鬼か……」と言われた)。
その夜、ノエルの元に現れるとゴーシュに「世界を癒そう~Guéris lemonde~」の力を使われた事に叱責。この失態が後に大きな損失になる可能性があると危惧し、ルパン家に仕える者としてこれ以上むやみに戦場に出るべきではないと言い渡してその場を去った。
- #43
ノエルが自身の正体をルパンレンジャーのメンバーに告げた後、コグレも自身の正体を明かす。
彼はアルセーヌやノエルと同じく異世界の住人の血を引く者であり、自分をルパン家に引き取ってくれたアルセーヌを「命の恩人」と呼ぶほど深い恩義を感じていた。
コグレがゴーシュのコレクションに妙な反応を見せていたのは、彼とノエルがギャングラーに異世界人の末裔と気づかれることそれ自体はもちろん、それによって信頼が揺らぎルパンレンジャーが瓦解するという最悪の事態に発展しかねないことをも恐れていたためと考えられる。
しかしルパン家に仕えていたある日、宝物庫がギャングラーの襲撃を受け、コレクションが持ち去られたうえアルセーヌは死亡。コグレはノエルとともに奪われたコレクションを取り戻し、喪われた主君を取り戻すべくルパンレンジャーを結成した…という事実が判明した。
そう考えると、コグレが魁利達3人をスカウトしたのは、ギャングラーによって大切なものを奪われ絶望に打ちひしがれる彼らに、自分と同じものを感じたからなのかもしれない。
そのうえで、グッドストライカーもノエルとコグレの正体と境遇を知った上で、誰をルパンレンジャーにスカウトするかおおまかに予想を立てていた事がわかる。
ちなみにノエルやコグレの正体を知った後も、魁利達は2人の思いを理解したうえで改めて仲間として受け入れており、幸いにして前述のコグレの心配は杞憂に終わった。
その後、コグレは持っていたルパン家の宝物庫に繋がっている本を魁利に譲り渡し、その夜からは魁利が宝物庫本へのルパンコレクションの収納を行っている。
なお仮にノエルと似たような経緯でアルセーヌに仕えるようになったと考えた場合、#35で言及された「ワルに憧れていた」時期は、おそらくアルセーヌに仕えだす前の出来事と思われる。
- #48
ゴーシュに捕まったノエルが公開処刑されかかったことを知り、本人も覚悟の上と悟ったうえで、ノエルを助けに行こうとする魁利たちを引き留めようとするが、「ゴーシュだってコレクションを持っているのだから行かないわけにいかない」と3人はノエルを助けに向かう。
この時、コレクションを優先するあまりノエルを助けようとするグッドストライカーと喧嘩になり、「お前のそういうとこが嫌いなんだよ!」と言われている。
つまりグッドストライカーがコグレに対し苦手意識を抱いていたのは、あくまでも主人を復活させるためにコレクションを回収することを最優先させる彼の成果主義が、仲間意識の高いグッディにとって我慢ならなかったからであることがここで窺える。
しかしその後のドグラニオとの駆け引きの果てに3人が自ら正体を明かした際には愕然とし、その場にへたり込んでしまっていた。
- #49
逃亡した魁利達に新たな潜伏先を用意し、それと前後してビストロ・ジュレを引き払い、徹底的に痕跡を消し去った(国際警察の鑑識曰く、「髪の毛一本残っていなかった」らしい)。
新たな潜伏先ではノエルの立場を案じつつ見張りを行っていたが、本性を現したドグラニオを迎撃に向かったルパンレンジャーがなすすべなく敗れると、透真と初美花が国際警察に保護されたという情報をいち早く掴む、重傷を負った魁利の手当てを行うなど、裏方として決して侮れない活躍を見せている。
- #51
ルパン家の宝物庫に潜んでいたが、奪われたコレクションが次々と戻ってきている事に困惑。
そこで魁利達が#44で渡した台帳を使いドグラニオの金庫の全てのコレクションを宝物庫に転送している事に気づき、さらにVSチェンジャーやダイヤルファイターまで転送してきたことに、彼らへの悲しみとも感じ取れる表情を表した。
その一年後…魁利達を金庫から救出するためになんと新たな快盗をスカウトしていたことが判明。
彼らに一時的に快盗として活躍してもらい、ドグラニオの金庫を開けるための鍵となるジャックポットストライカーを捜索させていた。
魁利達が救出されたのを機に新たな快盗達を「お役御免」と解雇したが、ノエルに「ひどい人だ」と言われても「どうしてもコレクションを全て集めたいんです」といつもと変わらない態度をとり、ノエルたちと笑いあっていた。
直接登場はしないが、魁利がコウから取り上げたリュウソウケンをルパンコレクションかどうかスマホのメッセージアプリで確認してもらっており、「無関係です」と返答した。
余談
オープニングにおいて、彼が持つ本の中から大切な人を失い絶望するルパンレンジャーが描かれたページが飛び出すシーンがある。
これは「コグレ自身も大切な人を失っており、ルパンコレクションを全て集める事が最後の希望だと信じていた=ノエルを含めたルパンレンジャーの4人と同じ立場だった」事を意味するものであった。
温水氏がこの役の演者に起用されたのは、プロデューサーの宇都宮孝明がファンだった事もあるらしい。
また正体発覚前は
・ギャングラーへの復讐と引き換えにルパンレンジャーへのスカウトを持ち掛ける
・明らかに常人ではない神出鬼没ぶり(目を離した隙に音も無くいなくなる、逆にいつの間にか席に付いている)
・コグレの話をした途端にグッドストライカーが逃げる
等そこはかとなく胡散臭さが漂っており、視聴者の間では30分前の番組の味方のふりをしたラスボスのようなキャラなのではないかとも予想されていたが、杞憂に終わる事となった。
名前の由来は恐らく『夕暮れ』。ルパンレンジャー、そしてパトレンジャーとその支援者であるヒルトップ管理官を合わせると1日の時間帯がほぼ埋まる。
関連タグ
長月平之丞:同じく怪盗のサポートをする執事繋がり。こちらも同じく快盗の名を持つチームでもある。