演:吹越満
概要
リュウソウジャーの協力者で龍井ういの父親。年齢は50歳(※キャラクターブックより)。
妻の結子(演:小橋めぐみ)は十数年前に他界しているため、男手一つでういを育ててきた。脚がやや悪いのか、歩行する時には杖をついている。
古生物学者であり、考古学にも明るい。化石の発掘中に偶然見つけた遺跡の中で今までにない新しい恐竜(騎士竜)の痕跡を発見したことで、長年研究して学会に発表していたが、インチキ扱いされている。今でも研究そのものは続けているようで論文を書いているので発表もしているらしい。
リュウソウカリバーが地球にない物質であるとさらっと述べてみたこともある。
「なぬ」が口癖の独特な言動をするが、娘思いの温和で懐の深い人物で、ういが突然うちに居候させたいと言って連れてきたリュウソウジャーの3人を「ういが友達を家に連れてくるのは初めて」と喜んで受け入れた。
当初はコウたちがリュウソウジャーである事を知らない様子だったが、第11話で突然居眠りした途端に普段のトーンと違う語り口調になって、ういやリュウソウジャーに対しディメボルケーノについて語り出した。
その後目が覚めたが、ディメボルケーノについて語ったのは覚えているようで自分でも何故知っているのか分からないと述べている。
何者かに憑依されて話しているのか、それとも知らない振りをしているのか……。
その謎が解明されたのは第22話。生者と死者が入れ替わり、亡くなったはずの妻・結子やマスターピンクが生き返る奇怪な現象が起こる中、彼の身体にリュウソウ族のセトーの魂が憑依していることが、セトーの口から語られた。セトー曰く、尚久が発掘作業の為に神殿に入ってきたことで(死後の)眠りを妨げられたとの事。
セトーが憑依している間の記憶は基本ほとんどなく度々困惑しているがそれでもリュウソウジャーたちとの仲は良好なままでリュウソウジャーやういを見守っている。
余談
演じる吹越氏は、東映制作の特撮である東映不思議コメディーシリーズ『有言実行三姉妹シュシュトリアン』にて、同じように主人公達に協力するポジションのフライドチキン男役を演じていた。
その影響からか、第16話で登場した際に抱えていたフライドチキンのバーレル容器に「SYU2-CHICKEN」(シュシュ+トリ)と書かれていたり、オトから「フライドチキン男って呼んでも良いですか?」と言われたりと中の人繋がりネタが使われた。挙句にクリスマス回である第39話ではとうとう自らフライドチキン男の格好を再現してしまった。
また、『リュウソウジャー』放送中にシーズン2が開始する東映の刑事ドラマ『特捜9』(旧『警視庁捜査一課9係』)の青柳靖役でも知られるところであり、先んじて同僚の村瀬健吾を演じる津田寛治氏もひと月ほど前に『仮面ライダージオウ』に大久保大介役でゲスト出演しているほか、ヒロイン浅輪倫子役の中越典子女史も『リュウソウジャー』第13話にゲスト出演するなど、何かと縁を感じさせている。
一見温和な雰囲気を持つ人物だが、OPでの登場シーンは「雨の降りしきる暗闇の中、尚久の姿が消え失せ、残されたういが頭を抱えて悲鳴を上げる」という不穏極まりない描写になっている。
加えて吹越氏は悪役を積極的に演じたがる俳優としての一面もあり、
さるインタビューに於いては以下のような発言を残している。
――悪役を演じるということについて
「作品にはそれぞれ決まった色があり、然し悪役だけは色が違う。
つまり悪役とは点の存在であり、故にどうあがいても目立つ」
「悪役を演じる醍醐味は主に二つ。一つは単純に自分自身がワクワクするということ。
自分は若い頃から所謂浮いているような、近寄り難いような雰囲気に憧れていて『善人に見られたい』などとはまるで思っていない。
もう一つは、作り手や客のイメージからどれだけ離れて作品を成立させられるかを考えることが面白いということだ」
――女を絞め殺す役を演じた場面について
「人を絞め殺す場面といえば『暴れる相手を押さえつける』というイメージが一般的であろうが、
自分はこれを敢えて資源ゴミの紙束を縛るように軽々しく、といった演技をした。
勿論監督と擦り合わせて、自分なりの表現を考えた結果である」
――上の発言に続けて、悪役を演じる上での理想について
「悪役としての理想とは、見る者へ問答無用に憎悪を抱かせるということかもしれない。
よって極端に言えば、自分が画面に映るだけで視聴率が急落する、誰もがテレビを消すというのがある意味での夢だ。
勿論、悪役を演じる場合に限るが」
OPでの不穏な描写、並びにそこから一部視聴者の間でなされているであろう不穏な考察を裏付けるかのような発言の数々。
しかもその記事ではかの言わずと知れた寺田農氏も取材に応じており、
彼がニチアサ枠で演じた悪役は、高齢者、古生物に関わる職に就いている、物語開始以前に家族と死別、妻と離れ離れ、性格等に幾つもの致命的な問題がある娘の父親……など尚久と共通点が多い(恐らく偶然であろうが)。
…がセトーは吹越満氏が制作発表で冗談半分で言っていた念願のリュウソウブラウンに変身してヒーローとして活躍し、尚久にいたっては何も知らないままである。
関連タグ
天知秀一郎:戦隊における同ポジションに加え、その道の研究者である、戦隊メンバーの正体を知らないまま彼らを子どもの友達と思って自宅に居候させる、肉体のないキャラクターに憑依されて外見が少し変わり、戦隊メンバーとの会話に使われるという共通点がある。
熊沢博士:戦隊におけるこちらも自身の研究成果を学会に否定された学者。ただし彼は敵の方に力を貸した部外者で立ち位置はクレオンに近い。