「(料理を差し出され)これじゃねえんだよ、俺が食いたいのは。なあ、シェフ?」
「美味しいもん食ってるやつらは美味しかったぞー! さあ、貴様等も片づけて口直しに行かなきゃなあ!」
データ
身長/188cm(巨大金庫身長/47.0m)
体重/207kg(巨大金庫体重/517.5t)
犯罪歴/連続レストラン丸呑み
犯罪技/アリティメット胃ート
ルパンコレクション/「胸いっぱいの愛を~Tout ton amour~」
概要
美味しい料理を食べた人間を好んで食らっていたギャングラー怪人。
後ろ足で立ち上がったオオアリクイに似た姿で、アリに似た胴体部には人一人を丸呑み出来る大口が隠されている。
この大口で飲み込んだ人や物を胃袋へ送り込み、強力な消化ガスでじわじわと消化して跡形もなく消し去る犯罪技『アリティメット胃ート』を持つ。
以前異世界犯罪者集団ギャングラーが別の世界を掌握した際も、支配の証としてその世界の住人を犯罪技で食らい尽くしてしまったが、人間界でランプのルパンコレクション「胸いっぱいの愛を~Tout ton amour~」を所有して以降はその能力で自らの胃袋を拡張し、一度に数多くの対象を飲み込めるよう犯罪技を強化している。
これを用いて、グルメガイドに乗ったレストランをランキング順に襲撃、コックや客を一人残らず食らい回っていた。ちなみに「美味しいもんを食ったやつらは美味しい」という好みから、ギャングラーの身内からは“美食家”と呼ばれているが、人を椅子や机もろとも喰ったり、邪魔しに現れたルパンレンジャーも腹いせに腹に収め、ルパンコレクションを手に入れた際「これで満腹知らずだ」などと宣ったらしいことから、その実態は美食家どころか暴食家、単なる食いしん坊となんら変わりはないと言える。そもそも丸呑みしている時点で味など分かるはずもない。
何よりこれがギャングラーの後継者になる為でも金儲けでもなく、ただ純粋に食欲を満たす為にやっている行為である点が非常に恐ろしい。犯罪歴にも「連続レストラン丸呑み」とあるが、本編を見れば分かる通り、実際にやっている事は捕食による「大量殺人」に他ならない。
劇中でのドグラニオ・ヤーブン達幹部の会話から、過去にも侵略先の世界の珍味を献上していたと考えられるが、食べていたのが以前の世界の住人で今回は地球の人間である事を考えると、その珍味と言うのも侵略先の世界の人間の可能性が十分にある。だとすれば、それを食べるドグラニオ達ギャングラーも恐らくは………1話限りのゲスト怪人ながら、このメルグは改めてギャングラーと言うのが如何に恐ろしい連中であるかが分かる好例と言えるだろう。
ルパンコレクションを収納する金庫は左腕にあり、暗証番号は「128」。
戦闘では左手の鉤爪に加え、長い舌その物と言う外見のムチ『ベローチェウィップ』を巧みに扱う。敵を捕縛してそこを大口で食らうアシストに使った他、巨大戦ではパトカイザーの銃撃を叩き落とす離れ業も見せた。
活躍
グルメガイドに載っていたレストラン『トゥインクル』へ化けの皮をかぶらずに白昼堂々と侵入、そこにいた人間を一通り食い終わった所にルパンレンジャーが出現、交戦する。動き回る相手に手こずるが、店内の備品を壊した際の埃で視界が遮られた隙を突いてルパンブルーをベローチェウィップで捕縛、そのまま大口で食らってしまう。
この光景にショックを受け、その場へ立ち尽くしたルパンイエローを続けて食らおうとするが、咄嗟にイエローを庇ったルパンレッドを代わりに飲み込んでしまう。直後、レッドに助けられたイエローは過去の事を思い出して、身を震わせながら物陰に隠れたがそれに気付かなかったメルグは「邪魔さえしなけりゃ、わざわざ食うこともないか」と深追いはせず、次の店へと向かうためにその場を後にする。
夜が明けた後、昨日と同じ様にガイドブックにあった店『ソネン』を襲撃。ところがそこには、何とか立ち直り待ち伏せていたイエロー=初美花と咲也(※初美花が一人で立てた作戦の為、嫌だったが呼び出した)の姿が。そこで初美花を庇って警察チェンジした咲也=パトレン2号と交戦、屋外へ飛び出しながらしばらく攻防を繰り広げた後、通報を聞き駆け付けたパトレン1号とパトレン3号が2号に合流、3対1の状況に。
だがそこに、快盗の姿となった初美花が登場。2号に捕まりながらの曲芸でダイヤルファイターを左腕の金庫に押し当てて解錠、ルパンコレクションを盗られてしまう。これにより胃袋の拡張が解除された結果、昨日飲み込んだ人間をレッドやブルーごと吐き出してしまう。
そして他の人達をパトレンジャーに任せた後、合流したルパンレンジャーは再度快盗チェンジ。今度はベローチェウィップを叩き落とされて捕縛手段を封じられ、そこから目まぐるしく動き回りつつ攻撃する彼等に追い詰められていく。
そして隙が出来た所で、レッドがサイクロンダイヤルファイターを使用(他の2人はいつものダイヤルファイターを使用)して快盗ブーストを発動。その余波で切り飛ばされる周りの木々の下敷きとなって身動きが取れなくなったところにサイクロンの一撃を喰らい、敗北。
直後、ゴーシュの手で巨大金庫を施され、「こりゃいい。街ごと食えるぜ!」と叫びながら復活。ここまでメルグに手こずらされて疲れたルパンレンジャーは早々に引き揚げたため、パトレンジャーが居心地の無くなっていたグッドストライカーを使用。パトカイザーで対抗する。
パトカイザーの銃撃をベローチェウィップを叩き落として防ぐが、これに対抗してパトレンジャーはトリガーマシンバイカーを使いパトカイザーバイカーへと換装。リーチが格段に上がった相手に再びベローチェウィップを叩き落とされ圧倒される。
最後は、逆に自身が捕縛されたところへ『パトカイザーロックアップストライク』を喰らい、「最期にデザート、食いたかった~!」と言い残して爆散した。
余談
名前はグルメのアナグラムと、アリクイを後ろ半分だけ英語にして「蟻+イーター(食う者)」と思われる。
また、語感からマルガリータ(複数の意味を持つが、ピザやカクテルの名前としても知られる)の崩しとも掛かっているかもしれない。
ベネズエラの土着民族語で『大切な物』を意味するアリータ(ariita)という語もある。
デザイン担当の久正人氏曰く、サングラス風の目はアリクイの胸部のV字模様が由来とのこと。
ギャングラー共通の骨の意匠は、アリクイに歯がないことから逆転の発想で下顎にデザインされた。
ルパンコレクションのモチーフは『魔法戦隊マジレンジャー』のマジランプ。名前はイギリスのロックバンド、レッド・ツェッペリンの同名の曲名とか思われる。
アリクイをモチーフにした怪人は非常に少なく、戦隊系ではこのメルグが初。
ライダー系では仮面ライダークウガのメ・アグリ・ダ(本編には未登場)や昭和仮面ライダーに登場するアリガバリ位しかおらず、前回及び前々回に登場したブンドルト・ペギーのモチーフであるペンギンに続いて連続で採用頻度の極めて少ない動物がモチーフに使われた事になる。
声を演じた宇垣氏は『天装戦隊ゴセイジャー』の塊のミゾーグ以来、8年ぶりのスーパー戦隊シリーズ出演となる。『電磁戦隊メガレンジャー』でエイネジレの役で出演して以来、怪人役としてほぼ常連となっているが、その中でも特に爆竜戦隊アバレンジャーで演じた幹部怪人である無限の使徒ヴォッファが有名である。
ちなみに、スーパー戦隊シリーズでは過去三作品連続で第7話に関智一氏が声を演じる怪人が登場していたが、今作で途切れる形になった。
直接的な描写こそ無いものの、最初に襲撃した店(劇中では『ステーキハウスTAKADA』)の人々を明確に殺害している事が劇中では間接的に示されているが、この様に「直接的な殺人描写を描く事なく、細かい演出の妙で怪人の非道を示唆する」手法は、脚本を担当した香村純子が過去に参加した動物戦隊ジュウオウジャーでも、デスガリアンの残虐さを描く場面に何度も用いられている。
スーツは後に#22に登場したデメラン・ヤトミスに改造された。
関連タグ
快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー 異世界犯罪者集団ギャングラー ギャングラー怪人
ドルマー、美食放火魔ビンセント:自称グルメの先輩怪人。
電子鬼:グルメの後輩。しかも素体の本職はは自称枠だったメルグと上記2人と異なり本物のグルメ評論家。
ゴキラーギン、ドーラキルケ、ザキュラ:こちらも大食いの先輩。特にザキュラは人々の食糧を奪うべく行動していた。
ドーラブーガラナン:同じく戦隊メンバーを飲み込んでピンチに陥れた繋がり。
メシウバインダベー:食にまつわる悪事(人々の食糧を奪う)を働いた前作の怪人。こっちは食い意地が汚く、グルメとは言い難い。一方で断末魔は同じく「食いたかった~!!」だった。