「(食い逃げだと呆れたリラに対して)失礼な事を言うな!私は食を極める者として、店の料理長に直接指導しただけだ!」
「蕎麦と私の刑期はのびたらマズいんだよ~!」
演/CV:ドン貫太郎
概要
Case File 16「そばにある夢」に登場。
30世紀における食い逃げの常習犯だった為、圧縮冷凍180年の刑を受けていたロンダー囚人。白い服に身を包んだメタボ体形をしており、緑色の目がまるでハゼの様に頭頂部から突き出てその横に触覚が生えた頭部を持つ。美食家と言う設定を反映してか、口も大きい。
美食家気取りな性格で、逮捕される以前は中年男性の姿で飲食店を訪れては料理にケチを付け、口からの火炎放射で放火するという手口で繰り返し食い逃げを働いていた。
幾ら犯罪とは言え、たかだか軽犯罪でしかない食い逃げで重犯罪者に執行される圧縮冷凍の刑が適用されると言うのは本来なら有り得ない話であり(一応CF6で軽犯罪でも3回目から圧縮冷凍対象と説明されてはいるが)、実際にリラもその小規模な罪状に驚きを隠し切れなかった。
だが、彼の罪の重さは其処では無く、寧ろその手段が放火である点であり、劇中で彼の放火に遭った店はどれも悉く全焼してしまっている。
単なる食い逃げの常習犯でしか無かったのなら未だ軽微な罪状で済んだかも知れないが、こんな文字通り店を潰しまくる悪質極まりないやり方を繰り返していては180年も圧縮冷凍されるのも無理は無かろう。
その一方で単なるたかり屋というわけではなく、料理を一口食べただけで具体的な素材を言い当て、その上で(過激ながらも)真っ当な意見をぶつける等、美食家としての才能は本物である。
因みに戦闘では巨大なフォークを武器に戦う。
活躍
遊び半分でギエンによって解凍されると、現代でも同様の手口で放火や店主への暴力を繰り返す。
ギエン、リラと共に食したパスタ(この時リラもギエンも本来の姿であり、リラはともかくギエンは明らかに人間離れした姿であるにもかかわらずビンセントが正体を表すまで周りの人間は気に留める様子はなかった)にも同様にケチを付けたところで、駆け付けたイエロー以外のタイムレンジャーに圧倒されるが、イエロー不在のためボルテックバズーカ使えない隙を見計らって2人と共に逃走する。
その後に訪れた店へ襲い掛かろうとした所へ再びイエロー以外のタイムレンジャーが駆け付け、これをゼニットと共に迎え撃つ。
4人を火炎放射で攻撃し、フォークで止めを刺そうと構えるが、そこへドモンが「喜八」の屋台(詳細は後述)を引いて駆け付ける。
そして「ドモンが作る蕎麦を美味いと感じたら圧縮冷凍される」と言う条件で勝負を挑み、タックが30世紀の秋から調達した新蕎麦の粉(実際は南半球で調達した物であり、これを依頼したのは劇中でドモンに厳しく当たっていたアヤセ)による究極の蕎麦に感服し降参。大人しく圧縮冷凍……されるかと思いきや、案の定怖じ気づき「やっぱり嫌だ!」と反故にする。
そして上記の台詞と共に左胸から巨大化抑制シールを剥がして巨大化し、最後の抵抗を試みる。
巨大戦ではビルを盾にする事でタイムロボβ相手に善戦するも、ターゲットシュートを背中に叩き込まれ、そのままタイムロボαのプレスブリザードを浴びて圧縮冷凍された。
蕎麦屋「喜八」
冒頭で、トラブルを起こし客を怒らせてしまったドモンが「埋め合わせの仕事を取って来い」と半ば追い出され、街中で仕事を探して空腹になった際に立ち寄った蕎麦屋。当初はお世辞にも美味いとは言えなかった味で、アヤセには「(蕎麦の極意である「4つのたて」を知らない主人に)蕎麦を打つ資格なんてない」とまで酷評されてしまう。主人の菅原は元々仲間と共に小さな会社を運営していたが裏切られて倒産し、女房に愛想を尽かされてしまい、一人で出来ることはないかと借金をしてまで蕎麦屋を始めたとドモンに語る。それに共感したドモンが応援すると豪語し、極意を見つけるべくドモンと菅原は様々な蕎麦屋を巡る(その最中で2人は人間態のビンセントを目撃している)。
物語中盤でドモンが「4つのたて」を見つけ、菅原が美味なつゆを完成させるも、半ばビンセントを放置していたことでアヤセはドモンに「タイムレンジャー失格」と冷たく言い放つ。ドモンとアヤセが店を出た後でビンセントが訪れ、前述の通り菅原はビンセントが評価を下す様を見ていたため意気込んで蕎麦を提供したものの、新蕎麦の旬からは遠い古い蕎麦粉しかなかったためにビンセントの舌を満足させることは出来ず、店は放火され焼失、菅原も怪我を負ってしまう。
事件解決後は簡素ながらも店を立て直すことに成功し、更に女房も帰ってきたことで充実した生活を取り戻したようだ。
余談
- モチーフは外見からは信じ難いが豚である。名前には幹部と同じく通貨名(セント)が入っている。
- 演者のドン貫太郎氏は『忍者戦隊カクレンジャー』にてオボログルマを演じており、スーパー戦隊シリーズへの出演は6年ぶり。ドン氏はその後、脳出血・脳腫瘍で体に障害が残ったが、平成20年に「河東甫」の名で舞台に復帰。しかし2015年には亡くなっている(詳細はこちら。)。なのでこれがドン氏が出演した最後の作品になった。
- 戦隊の中でも特にシリアスな作風と言われるタイムレンジャーにおける数少ないカオスギャグ回だったこの Case File 16 だが、この直後に放送された同枠番組では主人公が毒をもつ怪人によって心停止に追いやられるというドシリアス展開が繰り出された。(なお18年後、順番が入れ替わりながらも似たような事態が繰り返されることに……)
- また、劇中で語られた蕎麦の「4つのたて」は、「採れたて・挽きたて・打ちたて・茹でたて」。
関連タグ
未来戦隊タイムレンジャー ロンダーズファミリー ロンダー囚人 炎属性
ドルマー:グルメ繫がりの戦隊怪人繫がり。イエローが活躍するストーリーである点も共通している。
ドーラキルケ、ブタネジレ:同じくフォークで武装した大食いのブタ怪人。
ハイネスデューク_ラセツ:次回作に登場する、食に対する拘りの強い幹部怪人。
パイロウ星人コラチェク:同じく放火魔繫がり
ガラット・ナーゴ:18年後に登場する放火魔繋がりの戦隊怪人。但し、こちらの罪状は食い逃げではなく宝石強盗。
メルグ・アリータ:同じく18年後に登場する美食繋がりの後輩。