この項目には大量のネタバレが書かれています。
概要
8月12日ショックとは、ニチアサトラウマラッシュ史に残る超展開の連続が起こった事件である。
2018年8月12日OAの「ニチアサキッズタイム」において、様々な種類の地獄絵図がお盆休みの日本列島で展開された。
当時のニチアサキッズタイムのスケジュールは以下の通り。
8:30~9:00 | HUGっと!プリキュア |
9:00~9:30 | 仮面ライダービルド |
9:30~10:00 | 快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー |
「8月12日ショック」とは、これら3つの番組それぞれで違った形の地獄絵図が展開された出来事を指す言葉である。
通称、平成最後のニチアサトラウマラッシュである。
※メイン画像はそれらを全て集結させたもの。
第一章 「誕生」の地獄絵図
該当番組:「HUGっと!プリキュア」
放送された回:「先生のパパ修行!こんにちは、あかちゃん!」(第27話)
先陣を切るのは「HUGっと!プリキュア」。
第27話では、主人公の担任の先生の夫人(写真)が長男を出産するという話だったのだが、同作が「母親」や「育児」をテーマにした作品であったこともあり陣痛開始から出産に至るまでの流れをとにかく細かく描写するという対象年齢層を考えると稀有な演出を行った。加えて、陣痛に悶絶する夫人を心配して声をかけようとする夫はじめ周囲の人々を拒絶して当たり散らす(痛さのあまり会話の余裕はない)などの生々しいシーンも連続したことで視聴した子供達は多大なるショックを受けた。
結果的に出産は成功し、この回はハッピーエンドを迎えた。
しかし、これはまだ序の口。
この日はそれで終わりではなかったのである…。
第二章 「戦死」の地獄絵図
該当番組:「仮面ライダービルド」
放送された回:「ゼロ度の炎」(第47話)
続いては「仮面ライダービルド」。
7月29日OAの前回第46話(8月5日は放送がなかった。「HUGっと!プリキュア」も同様)「誓いのビー・ザ・ワン」において、仮面ライダーグリスが禁断のフォーム「グリスブリザード」(写真左)を使って北都三羽ガラスと戦っており、グリスの変身者である猿渡一海(写真中央)の運命はどうなるのか、視聴者たちが注目する中で始まった第47話。
石動美空が戦いをやめるように必死にグリスに頼み込むも、グリスは「自分はどうせ助からぬ身」「みーたん(美空)が最後の大舞台を見ているんだ、全力でカッコつけねえとなあ!!」と叫びながら戦い続け、三羽ガラスを全て撃破。しかしここで肉体の限界となり、グリスは泣き崩れる美空の前で消滅してしまったのである(イラスト右)。
展開上グリス消滅を覚悟していた者も決して少なくはなかったが、それでもグリスが助かる一縷の奇跡を信じていた多くの視聴者には絶望が植えつけられたのだった。
一方で、仮面ライダーマッドローグこと内海成彰。エボルトに従っていたと思われた彼は、実は難波重工の仇を討つために従う振りをしていたのだった。ヘルブロスに予め仕込んでおいた弱点を突く、エボル同様にフェーズを進めてパワーアップするなどの活躍を見せたが、サイボーグ化した身体の彼でもエボルには敵わず。しかし、最後にはかつて自分を撃ったが正義のために戦う男を庇い、口では「ロストボトルを守っただけ」と言いながら命を散らした。一海が注目されがちな回だが、序盤から登場していた人物の退場という点では特筆に値するだろう。
かくして、「生」と「死」の2大命題をテーマにした地獄絵図が展開されたこの日のニチアサキッズタイム。
このままシリアス路線で最後まで走りきってくれれば、最高だったのかもしれない。子供に少しきつめの生命教育だと。
しかし、現実は非情である。真の地獄はここからだったのだ…。
第三章 「笑撃」の地獄絵図
該当番組:快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー
放送された回:「言いなりダンシング」(第27話)
最後の大トリを飾ったのは快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー。
今回のギャングラー怪人はヒヨコをモチーフにしたピョードル(写真左)。所有するルパンコレクションは「持ち主の発言が絶対となり他の人が逆らえなくなる」という全コレクション中でも屈指の性能を持つ「操作する」(元ネタは「恐竜戦隊ジュウレンジャー」におけるドラゴンレンジャーのメインウェポンの獣奏剣)という、ギャングラーにとっては世界征服待ったなしの状況だった。
ところが。ピョードルがこの「操作する」を用いて行ったのはあろうことか、武突参流古武術(読み方は「プッサンリュウこぶじゅつ」)という偽の古武術教室で生徒から高額な月謝をぼったくるという、コレクションの能力から考えるとなんともしょぼいものだった。加えて武突参流古武術の内容はレオタード姿で踊るという、どう見てもエアロビクスに過ぎないものであった。
そして本編では、透真と咲也がピョードルに騙されてレオタード姿で踊りまくり(写真中央&写真右)、巨大戦でもパトレン2号に変身した咲也がパトカイザーと共に踊るという、22年前の戦う交通安全を彷彿とさせる放送事故クラスのギャグ地獄が展開されたのである。
その破壊力は尋常ではなく、ルパン側では踊る透真を見た初美花が「(放送時間的な意味で)見てはいけないものを見ている気がする」と発言し、パトレン側ではパトカイザーが躍るのを見た圭一郎とつかさが呆然とし、特に圭一郎は「咲也お前…一体何を習ってたんだ!」と半ギレしている。
ともかく、「HUGプリ」と「ビルド」の度を越えたシリアスさからの落差で多くの視聴者の腹筋をぶち壊し、完全にトドメを射すという事態に発展した。「泣いたら笑え」とでも言いたいのか…。これはもう完全にわざと狙っていたとしか思えない。
しかもオチの方は、パトレンジャーサイドは一件落着ハッピーエンドだったが、ルパンレンジャーサイドは魁利と初美花に笑いのネタにされて透真が赤っ恥をかくというある意味バッドエンドだった。そして「レオタード俳優」と言う迷言?が誕生した。だが、このあと歴史が繰り返されてしまうとはこの時点では予想だにしなかっただろう。
こうしてお盆休み早々、超絶カオスな状況の下、この日のニチアサキッズタイムは終わったのだった…。
余談
関西地区のみ甲子園の影響で3番組とも休止、及び移転したため、関西地区は第四次ニチアサトラウマラッシュを受けなかった。
なぜかというと当日は関西地方は高校野球中継だったこともそうだが、前週8月5日は高校野球開会式の中継のためハグプリとビルドは全国で休止となった一方ルパパトだけは関西以外では通常通り放送されたため、関西地方では高校野球による休止分の振替放送に充てた翌週8月19日は、ルパパトのみ5日放送分=つまり関東地方から2週間遅れの内容が放送されたからであった。