悪徳警察官アーノルドK
あくとくけいさつかんあーのるどけー
Case File 9「ドンの憂鬱」に登場。30世紀において警察官の身でありながら、警察内部の情報を漏洩させる等、ドン・ドルネロと共に様々な罪を犯した為、圧縮冷凍80年の実刑を受けていたロンダー囚人。
『メタリックなコバルトブルーの身体をした、警察官型ロボット』めいた姿を持ち、警察帽子を被った様な頭部の顔は黄色いモノアイ。それでいて胸部から腹部に掛けて鋭い牙を覗かせると同時に、真っ赤な舌を出した口の絵がプリントされており、「表向きは正義と平和の為に戦う警官でも、腹の底では社会への悪意がとぐろを巻いた犯罪者」とする、彼の本性を如実に物語るかの様だ。
ただ、それでも警官らしく右手は手錠、左手は銃となっているのも特徴の1つ。
昔馴染みのドルネロからは「アーノルド」、そして自身も彼を「兄弟」と呼ぶ程に信頼し合う関係。警察官になったのもドルネロの悪事の手助けをするためと、正義感のセの字も無ければお世辞にも警察官の器とは呼べない根っからの悪党である。ドルネロ曰く『悪い奴ではない』。悪役ジョークだろうが、実際、犯罪者である点を除けば友情に厚い人物である。
駆け出し時代はドルネロと盗んだ食べ物を2人で分け合った程の仲だが非常に口が悪く、更に金で繋がった絆に対する嫌悪感も強い。このため、劇中ではリラやギエンと深い軋轢を生んでいる。
尚、ファミリーの関係では「リラ以上の古参」らしく、彼女とも面識はあった。一方でギエンはアーノルドの存在を知らなかったが、これはギエンがファミリーに加わる前にアーノルドが逮捕され、圧縮冷凍を受けたためである。
もっとも、幾ら面識があるものの、リラとドルネロが金で繋がった関係である事実をアーノルドが快く思うはずもなく、リラも彼が解凍された際に顔を顰めていたため、以前から相当に折り合いが悪かった模様。
所内に警官が収監されていることに関心を示したギエンが、興味本位で彼を解凍(ドルネロの方はアーノルドがここに入れられていたのは知らなかった様子)して蘇り、ドルネロとの久方ぶりの再会を果たす。
復活後は警官隊に扮したゼニットを率い、手当たり次第に人々から「罰金」や「通行料」と称して金を巻き上げる等、圧縮冷凍される以前と変わらずにドルネロのために活動。その時自動車学校の路上教習中だったアヤセが変身したブルーを中心にタイムレンジャーと交戦し、アーノルドは追い詰めたブルーを「公務執行妨害で銃殺刑」と身勝手な言い分で射殺しようと銃を構えるが、他の4人に阻止され撤退。
ロンダー刑務所に帰還すると、ギエンを「金ピカ」呼ばわりして銃の手入れをさせるなど、その口の悪さとドルネロ以外の仲間を露骨に見下した態度がエスカレートしてギエンの反感を買い、元よりアーノルドを嫌うリラと結託した彼に暗殺されそうになってしまう。
一方のアーノルドは、ギエンとリラによるアーノルド暗殺を危惧したドルネロから暴発する様に細工された銃のアタッチメントを何も知らずに授かる。
そしてタイムレンジャーとの再戦でレッドを銃撃しようとすると同時にギエンに狙撃されかけるが、細工入りのアタッチメントを付けた状態で銃を発砲したために暴発を起こし、(アーノルドはもちろん、その場に居合わせたタイムレンジャーやアーノルドの抹殺を図っていたギエン・リラを含め)困惑している間にボルテックバズーカのプレスリフレイザーを浴びせられる。
圧縮冷凍される直前、上記2段目の台詞と共に右太ももの巨大化抑制シールを剥がして巨大化。
巨大戦ではタイムロボβのフライヤーマグナムの射撃を受けると同時に姿を消し、足元から警棒で奇襲するも、再度フライヤーマグナムの射撃を喰らい、怯んだ所へタイムロボαのプレスブリザードを喰らい、「兄弟、すまねええええ!!」と自らの不甲斐なさをドルネロに詫びながら圧縮冷凍された。
一方ドルネロは、自身が暴発する様細工したアタッチメントをアーノルドに授けた理由について、「昔馴染みよりも金と欲で繋がった絆の方が強い」からそうしたとリラやギエンに説明。
それを聞いて笑って納得する両者だったが、2人は知らなかった。
ドルネロが「殺されるくらいなら圧縮冷凍の方がマシ」とも考え、彼の身柄をタイムレンジャーに保護させる形でアーノルドを守ろうとした事実を……。
モチーフは警察官。
同モチーフの怪人の登場は『超力戦隊オーレンジャー』のバラポリス以来、実に5年振りとなった。
劇中での彼の発言が後々の伏線になっており、金で繋がっていたリラは(ドルネロが殺された事実を知ったためだが)ファミリーを捨て消息不明になる。
アーノルド程ではないが昔馴染みであったギエンも、破壊衝動や殺人欲求に呑み込まれ、ドルネロを裏切って彼を殺した挙句自分も死亡してしまう。結局、絆で繋がろうとも欲得で繋がろうとも、悪行を繰り返してきたドルネロは友人を失ってしまう皮肉な末路をたどるのだった。
『百化繚乱[下之巻]』にてデザインを担当した原田吉朗氏は、「右肩の『POLICE』の文字の上に×を入れたりしているのは『悪になった人間のタトゥーの感覚で身体を塗り替えている』というイメージ」だと述べている。
声を演じた青山氏は昨年の『救急戦隊ゴーゴーファイブ』にて竜巻サイマ獣トルネデウスの声を当てていた。それからニチアサへの出演はパッタリ途絶えていたが、19年後の『スター☆トゥインクルプリキュア』でP.P.アブラハムの声を演じている。
そして2年後の『機界戦隊ゼンカイジャー』にてスシワルド/ダイスシワルドの声を演じて、実に21年振りにスーパー戦隊シリーズに帰ってくるに至った。
未来戦隊タイムレンジャー ロンダーズファミリー ロンダー囚人
ストーカー刑事アベル:同作に登場する悪徳刑事。
フェイクマン:同じく悪の警官ロボ
仁良光秀改めシーフ・ロイミュード:警察モチーフの仮面ライダードライブで登場した悪徳警察。最後は形こそ違うものの、相方に見捨てられて裏切られるのも共通している。