《迚ケ謐懈姶髫》
「俺ハ天才シェフダ!ナゼ俺ノ料理ニ文句ヲツケル!?モットマシナ客ハイナイノカ~ッ!」
「良イオ客サンハ何処ダ?ウチノ店ニ来〜イ!!」
データ
身長/188cm
体重/221kg
スキン/地獄の看板犬
むかしむかし/おやじは自分の料理にアリエナイ点数を付けられたそうな…。
概要
おでん屋のおやじの「俺の料理に文句を言うな」という欲望を叶える為に誕生した、特捜モデルのヒトツ鬼。
ベニツ鬼が、防弾チョッキと拘束具が組み合わさった様なアーマーを着込む、獰猛で飢えた様な顔付きのドーベルマンの獣人を模したスキン・“地獄の看板犬”を身に纏った姿。頭部は拘束具がはち切れんばかりの怒りの形相を浮かべた、地獄の番犬の様な禍々しい見た目をしていて、「客のあり得ない言動に怒り心頭している」様に見える。また顔付きは強盗等の他人の物を狙う輩に見え、口から舌が2枚飛び出ている点が詐欺師等の「二枚舌」な悪党を思わせるといった、警察の宿敵である犯罪者の面構えを彷彿とさせる。
そして両肩にはパトランプと犬のケージ(飼育檻)を組み合わせた堅牢そうな肩アーマーが付いており、拘束具のバンドが食い込んだ様な胴体からは獣の毛がはみ出ている(サイレンの効果音はデカレンジャーロボのもの)。
変貌の際に「迚ケ謐懈姶髫」(特捜戦隊)の文字化けと特捜戦隊デカレンジャーのクレストが浮かび上がる。
料理に文句を言わない良客だけを自分の店にどんどん求め、自身の料理を認めないカラフルな奴らには右手の「はんぺんライセンス」を翳しては身勝手なジャッジメントを行使し、一方的なデリート許可を下して無差別に消してしまう(ジャッジメントの効果音も原典のもの)。高い壁へもひと飛びで乗れる跳躍力等といった高い身体能力も活かして燃えるハートでクールに戦うとされるが、宿主に戦闘経験が無いので敵と遭っても戦わず犯罪者の如く逃げるしか能が無い。
また感情が表面化している為か変貌前の掠れた声質と比べると、ハキハキとした話し方に変化するのも特徴。
活躍
既に欲望に引き寄せられた特捜鬼に取り憑かれ、ヒトツ鬼に変貌した状態で街中に出現。
人を超えたシェフの鬼となって自身の店に来てくれる良客欲しさに、通り魔的に人々を消し回っているとドンブラザーズと脳人ら両陣営が参上。
なし崩し的に始まった両者の戦いに巻き込まれる形になるが、素早い身のこなしで攻撃を掻い潜り、大きくジャンプし建物の裏側へ逃走、相手側の追尾を巻いて撤退した。
翌日、元の姿に戻り、経営するおでんの屋台で鉢合わせしたタロウ、真一、はるかと脳人を客として招き入れ、丹精込めて作る自慢のおでんを振る舞う。
ここで、おでんのからしを直食いして元の性格に戻ったソノイから「初めて食べたのに、不思議と故郷を思い出す」と称賛されたおやじが、気を良くしたのを見たはるかはタロウも他人を褒めることを勧めてみる。
タロウ「ここのおでんは……32点だ!」
「あぁぁ……ふざけるな!俺は天才シェフ様だ!…文句ヲ言ウナァ!モット、マシナ客ハイナイノカァァ〜ッ!?」
はるか<これは完全にタロウが悪い!>
しかし、タロウのいつもの馬鹿正直な性格のせいで、褒めたつもりが却って火に油を注ぐ事態に。アリエナイ点数をつけられ、おでんのプライドを傷つけられたおやじは一気に怒りのボルテージが上がり、特捜鬼へと再度変貌してしまう。
ドンブラザーズと脳人と交戦を開始するが、今度はタロウとソノイのタイムアタック対決の標的とされてしまい、最初から勝利する気満々なドンモモはオミコシフェニックスを用いてゴールドンモモタロウへとパワーアップ。
特捜鬼は両者の出方をうかがいつつ隙を見て攻撃を仕掛けようとするも、瞬間移動の如き超スピードで移動するゴールドンモモタロウの攻撃で怯んでしまい、その隙に桃型バリアでソノイごと拘束され、続け様に放たれた「抱腹絶桃・フェスティバル縁弩」を自分だけが食らい、「アッ、アレ〜?……イイ気持チィ〜〜♡」と怒りを忘れるほどの極楽気分に浸りながら爆散・敗北した。
すると宿主の欲望が暴走した事で特捜鬼ングへ変貌。ここでゴールドンモモタロウは残りメンバーを集めてゴールドンオニタイジンへと合体、特捜鬼ングを迎え撃つ。
おでん屋のおやじ
ドンブラザーズと脳人の面々がおでんを食べに来た、話し方のテンポが独特なおでん屋台のおやじ。
曰く自分の料理にアリエナイ点数を付けられた過去があるらしく、料理人としてのプライドから特捜鬼を引き寄せたと推測される。
特捜鬼ングがドンブラザーズに倒された後は元に戻ったが、何が起きたか理解していない様な挙動をとっていた。
ドン37話で再登場して以降も度々登場し、自分の作るおでんを認めるソノイを「ノイちゃん」と呼ぶほど仲が良くなっている。
余談
- モチーフ戦隊は『特捜戦隊デカレンジャー』。スキンの「地獄の看板犬」はデカレンジャーに出てくるデカマスターの二つ名『地獄の番犬』と看板を合成させたと考えられる。
- おでん屋のおやじを演じた大高氏は『轟轟戦隊ボウケンジャー』の大神官ガジャ以来16年ぶりのスーパー戦隊シリーズ出演となる。
- 因みにボウケンジャーのVシネマには、デカレンジャーのメンバーの1人が登場している。
- これを意識したのか素顔での口調はガジャと同じ声色である他、片手には軍手をしている(ガジャの左腕は異形になっている為)。大高氏によるとおでん屋の親父は世を忍ぶ(ガジャの)仮の姿との事。また説明文にある『カラフルな奴ら』は、ガジャのボウケンジャーに対する呼び名から来ている。
- 大高氏は『仮面ライダーW』第21話で悪徳刑事役を演じており、同話では原典でデカイエローを演じていた木下あゆ美氏が登場し、彼女が演じた九条綾は第22話で怪人としての正体を明かしている(また、偶然ではあるが、続編の方にもメンバーの1人の演者がゲストとして登場している)。
- また、大高氏は犬型ロボットが登場する『テツワン探偵ロボタック』にも出演しており、警察とも懇意である役柄であった。
- 井上敏樹脚本作品では『仮面ライダー555』の劇場作品『パラダイス・ロスト』で野村以来の出演でもある。
- なお同話が放送されている同時期にニコニコ動画では『デカレンジャー』の配信が始まっているのでタイムリーとも言える。
- おでんの具の卵、はんぺん、さつま揚げを図形で表現していたのは大高氏が以前演じたガジャドムの元となった戦隊を彷彿とさせる。
- ボディは獣拳鬼の物を黒くリペイントした物。改造元は虎=猫科の獣人の為一見ミスマッチに見えるが、警察が泥酔によりまともな判断が出来ない人を一時的に収容する保護室の事を業界用語で「トラ部屋」とも呼ぶ為、暴走した欲望に溺れた人間の変じたヒトツ鬼を泥酔者へ見立てているとも考えられる。
- また獣拳鬼のモチーフになった戦隊はボウケンジャーの次回作でもある。
- また前述した大高氏の出演作品である『ロボタック』には主人公と同系システムの虎型ロボが登場するので、そこにもかかっていると言える。
- 大方、「贖罪」と「食材」を掛けた駄洒落で今回の宿主が飲食店関係になったのだろう。ベースが「おでん屋」なのはモチーフ元のメンバーの名前が「お茶」に因んでいるのに対してこちらはおでんのだし汁で対抗しようという意図があったと思われる。
- 頭上半分はよく見ると露出した脳味噌にも見え、原典でアリエナイザー犯罪を煽っていた黒幕・エージェント・アブレラの要素も含まれているのが判る。
- 「完全読本」によると警察鬼とは犬種は違うものの、拘束具で目を塞がれ、警察官として正常な判断ができなくなった点は共通しているらしい。
- pixivでは登場以前にオリジナル怪人として特捜鬼が投稿されていた。
- 顔はその後、『仮面ライダーガヴ』に登場する謎のオオカミ型グラニュートらしき怪物へと流用された。
関連タグ
爆竜鬼、海賊鬼、魔進鬼:原典のメインライター繋がりのヒトツ鬼。
特命鬼:一文字違い。
超力鬼:似た様な誕生経歴のヒトツ鬼。ベースがベニツ鬼なのも一緒。しかも、その経歴を原典でデカブルーを演じた林剛史氏が自身のYouTubeアカウントで再現している。
警察鬼:警察モチーフのヒトツ鬼の前例。こちらも犬顔が特徴。一方特捜鬼と異なり宿主は本物の警察関係者な為、その外見は過剰暴力を行使する悪徳警官を模している。
オズチュウ星人イーアル:原典における料理人の怪人。こっちは中華料理店店主であり客を餃子にして売りさばいてしまう。またヒロインの一人と酔拳での一騎打ちを繰り広げた他、戦隊が飲酒運転の危険性を説くシーンもある。
ネオデカレッド、ネオデカイエロー:原典における悪のデカレンジャー。
ケルベーロ・ガンガン:4年前のデカマスターのネタを意匠している戦隊怪人。ちゃんと同じ中の人が演じている。