《髮サ蟄先姶髫》
「食べたい…!美味シイ料理ヲ…!新シイ味ヲ…!!」
CV:戸張美佳
データ
身長/193cm
体重/223kg
スキン/DZメカ8022型
むかしむかし/典子は食欲がなくなり「どうするどうする」と焦っていたそうな…。
概要
グルメ評論家・飯田典子の「新しい味の料理が食べたい」という欲望を叶える為に誕生した、電子モデルのヒトツ鬼。
シソツ鬼が、電子回路のプリント基板を組み合わせた、青い結晶にも見えるアーマー型のスキン・“DZメカ8022型”を身に纏った姿。顔に当たる部分こそ無いが、頭部正面の中心部分に配されるスキン名の書かれた黒いバンドで纏められた縦のハンダ配線が、スリット状のゴーグルと歯を食いしばっている表情に見えなくも無い。
なお全体的なデザインは、脳人レイヤーに建ち並ぶビル建造物にも似ている。
変貌時には「髮サ蟄先姶髫」(電子戦隊)の文字化けと、電子戦隊デンジマンのクレストが浮かび上がる。
自身がこれまで口にした事がないパンチの効いた未知のオイシー味を求めてどんどん料理を食べ歩き、味が気に入らなければ頭に煌めくDZメカで捕食する様に人間を吸収。取り込まれた対象はシアンか水色、ないしは空色の謎の果実が実る異次元世界に飛ばされ、永久に閉じ込められてしまう。
ただ果実は食べても身体的な異常はなく、普通に持ち帰る事が出来たので、実際は一方的な転送能力の模様(近い使い方は炎神鬼が前例になる)。
一方、戦闘はほぼ丸腰で、これといった攻撃手段は持っておらず、戦闘力はほぼ皆無に近い。
活躍
既に電子鬼に取り憑かれた状態であり、人を越えた美食の鬼となって未知なる料理を追い求めながら、自身の理想にそぐわない料理人を次々と体内に吸収していた典子。
しかし、本人はヒトツ鬼になった記憶がおぼろげで、人間の姿に戻った時はそんなに食べていないのに満腹になっている事に疑問に思いながら、自覚なく被害者を増やしてしまっていた。
後日、高級レストランでつよしの奢り(翼を警察に突き出した一件の報奨金。なお彼が人形を妻だと思い込んで話しかけている姿を見て心配し今回は珍しく翼も同行)での食事中に大騒ぎしてシェフの高村と諍いを起こしたドンブラザーズと遭遇、脳内将棋ならぬ脳内料理対決を繰り広げるほどの技術を持つ翼を称賛し、直接での料理対決の審判を買って出る。
そして、とうとうやってきた対決の日。オムレツでの勝負にて他のドンブラザーズが花畑の幻影を見ながら昇天するほどの絶品料理を作り出すのだが、これを口にしても満足することができない。
「こんなんじゃダメなの!食べたい……。新シイ料理ガ……新シイ味ヲ…!」
欲望の深さゆえに電子鬼に変貌。翼と高村を体内異空間へと取り込んでしまう。
異空間の森に幽閉された二人は同じく囚われた料理人等と合流、空腹で苦しむが、森の中に見たことない青い木の実を発見、これを料理にして飢えを凌ぐ事を思い立つ。
一方、未知なる味を求めて彷徨う電子鬼だったが、跡をつけてきたタロウ/ドンモモタロウらドンブラザーズの銃撃を食らってそのまま交戦開始。続けて脳人やソノザが封印したドンムラサメを解き放って大混戦と化す。
するとドンモモが一気にカタをつけるべく、ゴールドンモモタロウへとチェンジ、技を構えたことから他の面々は大技を放つと察知し、脳人等を緊急退避させたところに放たれた『抱腹絶桃・フェスティバル縁弩』を食らい、「オ腹イッパイ…♡」と腹が満たされた気分に浸りながら爆散・敗北。体内に囚われた人々も無事帰還した。
なお(描写こそなかったが)デンジマンギアがドロップされた様子。
飯田典子
料理評論家として名の知られた人物であり『悪魔の舌』の異名を持つ女性。昔は食欲がなくなり「どうするどうする」と焦っていたらしい。
高級料理店のシェフらが頭が上がらない事から、料理人界隈でも強い発言力を持つ事が窺える。
しかし長年の活動で舌が肥えて普通の料理では満足できず、未知の料理を追い求める欲望から電子鬼を呼び寄せ、無自覚のまま人間を取り込み続けていた。
ドンブラザーズに解放された直後、強烈な空腹感に見舞われレストランにとんぼ返りすると、そこには自分が飛ばしていた翼ら料理人達が、別世界より持ち帰った果実で作った料理を食べようとしていた。
それを我先に食べた事で未知なる味に歓喜に満たされるも、それは同時に食事が出来る事自体への有難さを思い出したからかもしれない。
余談
モチーフ戦隊は『電子戦隊デンジマン』。スキンのDZメカはOPの歌詞、8022型はデンジマンの放送開始日である1980年2月2日に掛かっていると思われる。
また、シソツ鬼が素体の理由として今回が『新しい味の料理が食べたい』の観点から『食べる』という点で怪人を食らい結果、勢力縮小の恩恵を受けたバンリキモンス、『新しい味』から新しい物=敵組織に目をつけ敵組織に割って入り、組織の乗っ取りを目論んだバンリキ魔王といった戦隊史上初の第三勢力にして事実上のラスボス2人と考えられる。
太陽鬼以来久々にヒトツ鬼ングにならなかった個体となった。なお、デンジマンの敵首領は太陽鬼のモチーフになった戦隊にも登場している。
変身者が女性、価値観の相違(=美味しい料理では満足できない→人を取り込んで美味いと思う)という要素から、汚い物を美しいと思う美的感覚を持っているベーダー一族とその指導者であるヘドリアン女王を思わせる。とりわけ美味しい料理では満足できないという点は、「過剰なまでにあんパンを愛している程に食に満たされた青(デンジブルー)」と「美食を食べながらも満足しない青(電子鬼)」の対比だろうか。
今回の騒動の鍵となった卵料理のオムレツは、同じく卵から生み出されるベーダー怪物との繋がりも感じさせる。
体内の異次元の謎の果実はヘルヘイムの森の実を青くリペイントした物(後書きでもいじられる始末)。その見た目からネタ的な意味で 「食ったらダメだ」とネットや同時視聴ではお祭り騒ぎになり、「ヘルヘイム」がトレンド1位になってしまった。
さすがに今回のは食ったら怪人になる訳ではなかったが、相当鎧武でネタだとしてもトラウマになっている様だ。これを選ぶ脚本に脱帽しかない。
因みに台本に「不思議な果実」と書かれていたため、「それを表現するのに、なんかブツが残っている不思議フルーツないかな~~と東映の倉庫を漁ったところ、ヘルヘイムから一番出て来ちゃいけない実がでてきちゃいました」と撮影裏話で明かしている。(東映倉庫には不思議な果実ならば立体化した悪魔の実も十分あったと思われるが、裏番組なので違う意味で危険な橋を渡るのは避けたと思われる)
さらに別な所では「実は加熱調理したら安全に食べられたのかもしれない説」と「8年の年月のうちに調理技術向上によって美味しく食べられるようになった説」も囁かれているとか……
名前ネタでは、みどりかわ交番、養鶏場の辺田研究所が作中に登場した。
スーツは後にドン44話に登場する超電子鬼のものにリペイントされた。なおこの超電子鬼は偶然「ドンブラザーズ6人が素顔で集結」「翼が話の主軸に関わる」「ヒトツ鬼ングが登場しない」と言う3つの共通点を持つ。
「完全読本」によると超電子鬼と同型にすることはデザイン時点で決まっていた。
pixivでは登場以前にオリジナル怪人として電子鬼が投稿されていた。
また、電子鬼ングも投稿されている。
関連タグ
超新星鬼:辛い物を食べたいという食欲から誕生したヒトツ鬼。こちらも捕食するが如く人間を吸収している。
ドルマー、美食放火魔ビンセント、メルグ・アリータ:それぞれ美食家モチーフで料理に酷評を言った後、破壊行為や悪事を行う戦隊怪人の先輩達で特にドルマーはターゲットは料理人、メルグは人を異世界に閉じ込め、メンバーも捕らえるという能力も持っている。
ハンバラー:モチーフとなった戦隊の、料理にまつわる能力を持つ戦隊怪人。ただしこちらは味覚をおかしくさせる作戦であり電子鬼とは対照的。
ウシバロック・ザ・ブロウ:4年前に青の戦隊メンバーと料理対決を行った怪人。奇しくも所持しているルパンコレクションはデンジマンがモチーフ。
クエスターロボ・進、SDワルド:デンジマンの巨大戦力をモチーフとした戦隊怪人。前者に至っては鬼の金棒を武装している故に桃太郎に退治される始末。そして後者は、何気に初登場が同年であったりする。
グルメス王:井上氏が脚本を担当したドラゴンボールの劇場版に登場する料理にまつわる悪役。美食を求めて怪物と化したという点も共通。