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雜?崕蟄

「俺ヲ褒メロ!褒メルンダ!」

「モット褒メテクレ~~~!」

CV:中村圭吾

スーツアクター:井口尚哉

データ

身長/195cm

体重/236kg

スキン/BM粒子8424型

むかしむかし/小野は何事にもギアを上げて命懸けで頑張っていたそうな…。

概要

会社員・小野力雄「もっと俺を褒めてくれ」という欲望を叶えるために誕生した、超電子モデルのヒトツ鬼

ベニツ鬼が、電子鬼のものと酷似した粒子細胞を模したマシンのようなスキン・BM粒子8424型を身に纏った姿。主な色が青・黒・銀で統一された電子鬼と比べ、こちらは挿し色の金と赤がアーマーの各所に追加されてかなり目立つ外見へと変化した。また顔中央のバンドに刻印されたスキン名もちゃんと変更されている。

しかし、派手な外見でも落ち着きや洗練さが無い、下品でケバケバしい色合いにも見えるのが特徴であり、間違った努力と空回りの末周りより見向きもされない珍妙な姿の道化になった宿主を皮肉っているようにも見える。

描写はなかったが、変貌時には「雜?崕蟄」(超電子)の文字化け超電子バイオマンクレストが浮かび上がったと思われる。

社内で誰でもいいから自分を褒めて欲しいとモンスター級のアピールをどんどん行い、バッとBM粒子を活性化させて、褒めない奴らを超パワーでクラッシュ・アウトし、体内に吸い込んでしまう。そして自身をさえぎる壁になる者がいれば、持ち前の剛力を使っての実力行使で叩きのめす。

その反面、褒められるとにっこり微笑んで攻撃を超停止、デレデレして自ら無防備な状態を晒すと言う致命的な欠点を抱えている。

結局の所は、力づくで相手からの承認を格好だけでも得ようとしているに過ぎず、戦闘に使える能力は無い上にそもそも当人が戦闘をしている自覚が皆無のため、撃破自体は大半のヒトツ鬼に漏れず容易である。

超電子鬼が能力を行使するシーンはバイオマンの名乗りシーンのパロディとなっており、名乗りの際のカウントパロディするのは超電子鬼…ではなく、彼に襲われた一般人である。

活躍

社内で他人に評価されたい一心で自分なりの努力をしても褒められない、やり甲斐のない日々を過ごしていた小野。

今日も自分が考えた企画は部長からは適当に扱われて評価されず、男性社員が身だしなみを褒める女性社員に向けてのネクタイアピールは見向きもされない。

「なぜだ…。ナゼ、誰モ俺ヲ褒メナイ……?」

とうとう他人に褒められたい承認欲求は限界を超えて超電子鬼へと変貌。

会社を飛び出して見境なく自身を褒めることを強要し、褒め言葉を発した人間を次々に体内へと吸収する蛮行を繰り返す、誤った努力の鬼と化してしまう。

その後、ソノニ獣人の夏美を倒せば本物の夏美を取り戻せる」という嘘を信じて雉野みほニンジャークソードで斬り掛かったと、それを知った妻が傷つけられた怒りを震わせたつよしが決闘を行う王苦パーキングに出現。

「オイ、アンタ……褒メテクレ。俺ノ事ヲ褒メテクレ!」

「アンタダヨ、アンタ!俺ノ事ヲ褒メロ!無視スルナ!俺ノ目ヲ見テ褒メテクレ!」

これまで2度も翼をかばって深手を負い満身創痍なソノニに褒めて欲しいとにじり寄り、必死に止める翼とつよしを剛力でねじ伏せようとするも、そこに残りのタロウら残りのドンブラザーズの4人が到着。ようやく素顔を晒して6人揃ったドンブラザーズは一斉にチェンジした。

超電子鬼は「モウ、オ前ラデイイ!俺ヲ褒メロォォッ!」とドンブラザーズを迎え撃ち、攻撃の中でドンモモタロウベアハッグを決めるもその剛力を「いいパワーだ。褒めてやる」と言われたことで「ホントカ?ウフフフフ……嬉シイ〜♡」と嬉しさのあまり攻撃の手を止めてしまい、そのまま反撃を許してしまう。

そして、最期は久々に繰り出したメンバー総出の必殺技『桃代無敵 真・アバター乱舞』とドンドラゴクウの『ライトニングドラゴンフラッシュ』を食らってヒトツ鬼ングにならずに爆散・敗北。

なお、描写はなかったが超電子鬼に吸い込まれた人々は解放され、バイオマンギアがドロップされた様子。

事件後、深手を負ってソノニは命を落とす。だがそこにマスターが現れ翼はこれまで溜めたキビ・ポイントのほとんどを使ってソノニを助けるが、嘘をついたソノニに二度と姿を現すなと突き放す。こうしてソノニが初めて知った自身の『愛』は、その相手から拒絶される悲しき結果となるのであった。

一方、はるかは何か重大なことを忘れているようで悩むのだったが、就寝の寝床の中でようやくある事に気づく。今回の戦闘にてイヌブラザーに変身していたのは何度も顔を合わせていた犬塚翼だったことに!!

小野力雄

株式会社新帝国交易に勤務するスキンヘッドヘッドホンが特徴の冴えない男性。何事にもギアを挙げて命懸けで頑張っていた。

しかし同僚は高く評価されても自身の努力は全く報われず、承認欲求が暴走した結果、超電子鬼を引き寄せてしまった。

推測するに、ひたむきな努力はできるがその方向性を周りと照らし合わせつつ調整する事を放棄して空回っていた、一直線だが独善的な部分のある人物と言える。本人に周りへの害意こそ無いが、自分の中の独善に気付かず周りの評価と自分の理想が乖離している現状へ耐えかねて承認欲求を拗らせた挙句、ヒトツ鬼になったと推測される経緯は自業自得とは言え哀しいものがある。

ドンブラザーズに倒された以降の顛末は描かれていないが、自分の中の独善に気づいて柔軟に頑張れる人になれるのを願うばかりである。

余談

  • モチーフ戦隊は『超電子バイオマン』。スキンのBM粒子はバイオマンのエネルギー源であるバイオ粒子、8424型はバイオマン第1話の放送年である1984年2月4日と考えられる。
  • 光鬼以来のヒトツ鬼ングにならなかった個体かつ超新星鬼以来の変貌描写がカットされた個体となった。
  • それを踏まえて演者にはもっとも容姿が似ているDDTプロレスリング所属の中村選手が抜擢された。
    • スキンのカラーリング元が中村圭吾復帰戦(2023年)に使用したシングレットのカラーリングをベースにしていることを中村氏のTwitterにて語っていた。
  • 「500年前から宇宙の青いエメラルドを守るためにバイオロボに選ばれ、バイオ粒子を浴びた者の子孫として戦ったバイオマンに対し、超電子鬼は「誰からも選ばれなかったが故に、誰かに褒めてもらいたい承認欲求の鬼と化し、その欲望が宿主に選ばれてしまった」と対比となっている。さらに、最終回のラストで「歴史に名を留めることもなく(『ゴーカイジャー』客演を除く)、いずこかへと立ち去って行った」と語られているバイオマンとは、承認欲求をめぐっても真逆と言える。
  • 他人に褒めてもらうことだけに躍起になり、人の話を一切聞かなかったり空気を読まずに乱入して来る姿はバイオハンター・シルバにも似ている。
  • 一方、宿主である小野の元ネタであるモンスターは、愚鈍ではあるも裏表の無い純真さを持っており、不格好ながらドクターマンへの忠誠心は強く、劇中でなし崩しに謀反に加担して失敗した際の処罰である人格矯正も最低に留められて戦線に復帰する等、実はある意味大きな信頼関係を自然に構築していたりする。更に最期は、自らの命と引き換えにしてバルジオンを鹵獲する大金星を挙げており、基本部下を褒める事が無かったドクターマンから称賛の言葉を引き出す結果も残した。
    • むしろ逆に、元から聡明故の増長により人間とそう変わらない独善を持つに至ったのがメイスンとファラであり、独善に従うままモンスターを半ば強引に引き込んで謀反を起こすも失敗、人格の中枢をドクターマンの都合の良い物へ置き換えられる形で実質破壊される末路を迎えている。
    • 以上の事実から、「愚鈍では無いが独善を持ってしまったモンスターのIF」を表現したのが小野とも考えられる。
    • また、ソノニが階段から転げ落ちて息絶えるシーンは、原典第49話において、ファラがネオグラードに瀕死の状態で帰還するも、力尽きてタラップから転落し爆散するシーンのオマージュとも取れる。この場面では、バルジオンで出撃するも敗れて帰ってきただけのファラに対し、ドクターマンは労いの言葉一つ残しておらず、翼がソノニを冷たく突き放す姿もそれを意識したものだろうか。
  • 巨大化能力の無いヒトツ鬼は、バイオマンでいう所のジューノイドに近いポジションに当たり、その中にはモンスターから特別に寵愛を受けたジュウオウが居る。物語中盤、ネオメカジャイガン第1号であるメタルメガスの攻撃に巻き込まれての大破を境にジューノイドは残留組と退場組に振り分けられるも、ジュウオウはモンスターの直接な後押しにより残留組へ入れた経緯がある。
    • そして終盤、ジュウオウは”おやびん”を庇って戦死するも、それで奮起したモンスターはジュウオウの残った頭部を抱えて上述の大金星を残しつつ後を追う形で散り、両者の間に確かな信頼関係があったのを証明している。
  • 超電子鬼が人々を襲撃したエスカレーターは、東映東京撮影所敷地内にあるショッピングセンター「プラッツ大泉」に実在するもので、バイオドラゴンの搭乗バンクの撮影に使われた「バイオマンの聖地」(東映公式談)としても知られる場所である。
  • 元ネタに登場したマグネ戦士もヒトツ鬼と同様に怪人となった一般人である。
  • 元ネタとなったバイオマンは企画段階ではドンブラザーズと同様昔話戦隊だった。
  • スーツは電子鬼のリペイント。そのためかスキンや行動パターンも酷似した物が多い。また、電子鬼と超電子鬼が登場した回は「ドンブラザーズ6人が素顔で揃った」「翼が話の主軸に関わる」「ヒトツ鬼ングが登場しない」という共通点がある。
    • 「完全読本」によると電子鬼とは同じ容姿であることは既に決まっており、電子基板のデザインを組み込んだ電子鬼と対比で色の暗い「ネガ」にしてドッドマトリクス調にする予定だったが、カラーリングだけが採用された。
  • pixivでは超電子鬼ングがオリジナル怪人として投稿されている。

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