「違うよ、愛の力」
演:新田桃子
概要
雉野つよし/キジブラザーの妻。現在は美容師として働いている。相当に優秀な美容師のようで表彰されたシーンもある。
ドン2話の時点で結婚3カ月目の新婚であり、夫・つよしと幸せな新婚生活を送っている。ドン4話で旦那の頼みで愛妻弁当を作っており、それを振舞われたおにぎり専門店〈おにぎりごろごろ〉の従業員からも普通に評価されていたので、料理スキルも少なくとも平均以上はある。
夫婦仲は至って良好で、気が弱く心配性の旦那としっかり者で包容力のある妻といういいバランス。ドン31話で自分を取り合ってつよしと乾が決闘した際は割って入り「私はこの人の妻です!あなたに割り込む隙はありません!」と一刀両断。更に目の前で膝枕で耳かきする姿を見せつけ、ラブラブっぷりをアピールした。
ドン8話では絵のモデルにする為に自分を誘拐した榊に対し、物怖じせずに取引を持ち掛け、隙を突いて逃げ出す胆力の強さと機転を見せている。
劇中、嫁として申し分ないので公式で雉野つよしについて「他のメンバーと違って失うものが無い」とする説明がある点について、一部視聴者から「じゃあ嫁は?」とツッコまれていたりする。みほ本人は、つよしから狂気的な愛情を向けられている実態は、今のところ察していない模様。
そっくりさん
何故かドンブラザーズメンバーである犬塚翼の想い人・夏美と瓜二つ。一応ドン2話で彼女と一緒にいる時に旦那がキジブラザーに変身しているので、監視や結婚詐欺でアノーニが変身している場合はその時点でバレるため、その可能性はない……ミスリードや「人間界の恋愛」に興味がある敵の変身とかがなければ。
ただし、これだけなら単なるそっくりで済まされるのだが、つよしと翼の雑談で妻と恋人自慢になった際に二人の脳内で思い出されるそれぞれのデートの内容があまりにも瓜二つであり、単なるそっくりさんではない事が窺える。
なお、あまりにも酷似しているゆえか、翼は彼女と邂逅するも想い人夏美と勘違いし、困惑させている。
⚠️ネタバレ注意!⚠️
皆様の お手を拝借 So,let’s get the party started! DON!DON!……………
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実は彼女は人間ではない。
雉野みほは獣人、それも狭山刑事たちよりも上位のランクである鶴の獣人である。
普段はそんなそぶりこそ見せないが、いざ同じく獣人たちに関わる案件に直面するとその人ならざる存在の力を発揮する。それゆえに視聴者たちは下記の通り彼女は人間じゃない光景を見ているものの、劇中の登場人物たちは彼女の正体に全く気づけていない(あえて言うならばドン23話で彼女が狭山刑事と戦っている姿を呪いで意識が朦朧とした状態で目撃した翼ぐらいだろう)。
ただし、獣のような本能を隠す気の無い狭山刑事らとは違い、平時は美容師であり雉野つよしの妻としてたち振る舞っており、本性を見せている時でもタロウと接触し、獣人が人間をコピーしている事や獣人が死ねばコピー元の人間も死んでしまう事などの情報を伝える等、猫の獣人らとは違いそれなりに知性を持っているのが感じられる。それゆえに好き勝手暴れる猫の獣人らとは折り合いが悪い。
そんな彼女だがつよしという伴侶を得て生活しているからなのか、『人間』という存在は合理的な存在ではない事や複雑な心情を内面にもつ事を熟知しており、時折遭遇するタロウにその複雑さを語る場面もある。
彼女は自身を『夏美の夢』と称しており、外見や能力等々以外にも考え方や性格面もコピーしているような素振りも見せている。
なお彼女がストーリー内で獣人であると確定したのは、ドン30話ではあるものの、それ以前からも
- ドン11話で獣人の折り紙由来の熱病の治療をするため自宅で寝かされていた翼を、事情を全く知らない状態で、獣人についての知識がない、または関係者でなければ知り得ない治療法(※)を実行して救った。
※この時の翼の場合、口に突っ込まれた折り紙を取り出し処分すればよかった。
- 同話ラスト、一人で一心不乱に鶴を折る姿が。
- おまけに翌ドン12話のおさらいバンクで、「(この異様な一面を)僕はまだ知らない」というつよしのナレーションが入る。
- さらにドン23話では、獣人と化した狭山と対面した際、不自然に首を動かし「貴様は!」と違う声色で叫ぶと、狭山をも凌ぐ俊敏な動きと共に一撃を与えて彼を撃退してみせた。これにより、普通の人間ではないという事実が確定的となった。
等々の人ならざる姿を幾度も見せている。
そしてドン17話では、翼の過去回想にて、獣人と思われる存在から、夏美が「適合者」であること、それ故に拉致されたことが明かされ、さらにドン30話で獣人は人間をコピーするという事実が判明した事で、みほの正体が夏美をコピーした獣人の可能性が高くなった。
もしこれが正しいなら、そして獣人が死ねばコピー元の人間も助からないとなれば、翼に待っているのは絶望的な事態になりかねない。
さらにいえば彼女に関わる人物で彼女の正体が発覚したときにその動向が心配されているのがつよしである。
もし、愛する妻が人ならざるものであったのなら……
もし、愛する妻が存在しない架空の存在であったと知ったのなら……
果たして彼は……
- 獣人としての能力
獣人と化した狭山と対面した際、不自然に首を動かし彼をも凌ぐ俊敏な動きと共に一撃を与えて彼を撃退してみせた。
また、折り鶴を自在に操れるようで、ドン29話・30話では鶴の折り紙を複数飛ばす攻撃を披露した。
そしてドン36話にてついに怪人態が判明。
- 獣人としての動向
これまでは幾度と獣人としての姿を(視聴者は)見てきたが、獣人として物語に大きく関わる場面はなかった。
しかしドン30話でアノーニたちが鬼頭ゆり子を誘拐し、開放条件にドンブラザーズたちに獣人たちの隔離を依頼。その際に送られてきた獣人のリストの中に何と雉野みほの名前があった。意図せぬ形でつよしはみほが獣人である事を知ってしまうが、「絶対何かのミスだよ」と信じられない様子だった。
また、鶴獣人としての本性を露わにした状態でタロウと接触し、獣人が人間をコピーしている事や獣人が死ねばコピー元の人間も死んでしまう事などの情報を伝えた後、猫獣人の集会を襲撃した。
そして遂に同話の終わりに翼は、つよしの愛するみほが夏美とそっくりである事を知ってしまう。
翼はドン34話で、みほが夏美であると確認するためにつよしに「みほに料理を作ってほしい」と頼み込んだ。そして、つよし宅での夕食で「みほ=夏美」であると確信する翼。そして夕食後に翼が言った「などと申しており」という言葉を聞いたみほは突然夏美の人格となり翼の後を追いかけたのちに抱き合った。
その姿をつよしが目撃しており、二人は逃げるようにその場を去った。ショックを受けたつよしは翼を通報し、警察に引き渡してしまう。
その後つよしは道を歩くみほと出会うのだが、その時のみほは夏美の人格であるためみほとしての記憶がなかったのか、つよしのことを知らない様子だった(多重人格やコピー元の人格に乗っ取られた状態なのか、詳細は不明。後述のタロウの件から考えると、コピー元の人格に引っ張られていた可能性が高い)。
超獣鬼との戦闘後、いなくなっていた夏美を探す翼に悲鳴が聞こえた。その場に向かうと、そこにいたのはなんと人間に擬態したアノーニを捕食しようとしている夏美=みほの姿が……
鶴獣人は猫獣人の狭山と戦闘になるが、先程の光景にショックを受けた翼の姿を見てその場から去っていった。
ドン36話では舞台稽古を演じている姿を見たはるかと行動するが、その途中でソノニとソノザに出くわしその場から逃走した(はるかは初対面だったので夏美はもちろんつよしの妻のみほのことも知らず、人間ではあり得ないジャンプを見ても日頃の鍛練の賜物と納得して彼女が獣人だと疑わなかった)。
逃げた先でタロウと接触し、獣人化した翼が現れると「獣人はコピー元が眠りの森から脱出し、現実世界に出れば不可殺ではなくなる」と言いつつ、タロウに敵意を剥き出す翼(をコピーした猫獣人)に便乗する形で、遂に怪人としての正体を表しタロウに襲いかかった。
その際には決着が付かなかったものの、その後はしばらくの間自宅へ戻らず、つよしは人形を妻だと思い込むほどに精神を病んでしまうのだったが、ドン38話でひょっこり元のみほの人格に戻って帰宅。
しかしこの一件で、以後ずっと家に居てとつよしから無茶な頼みをされてしまうのであった。
それゆえしばらくは大人しくしていたのだが、ドン44話で出かけた際、ソノニの嘘を信じニンジャークソードで切りかかった翼の攻撃で負傷。その後は(時折タロウと接触する時もあるが)姿を消す。
- 「夏美の夜の夢」、ついに覚める(ドン46話)
ジロウの身代わりに自らペンギン獣人のコピー元になったタロウ。
そんなペンギン獣人と街中で遭遇したみほはタロウが何を行ったのか察し彼の頬にビンタを叩きこむ。だがこの一撃がタロウに己の過ちを気づかせ、意識を取り戻したタロウがペンギン獣人の肉体を乗っ取ることに成功。そしてタロウは翼と共に獣人の森へ赴き、オリジナルの体へ意識を戻しゴールドンモモタロウの力で囚われた人々を強制解放。そしてドン王家の末裔として、獣人の存在に罪はないものの人々を襲った罪を咎め、『この森で永遠に暮らせ』と勅命を下したことで全ての獣人が森から出られなくなり不可殺でもなくなってしまう。
これとほぼ同時刻、みほは猫獣人との抗争をしていた。対峙していた獣人がダメージを受けた事でタロウが森の解放を達成したことを察知するが、それはみほもまた不可殺の特性を失ったことを意味していた。彼らに取り囲まれリンチされたみほは力つき、川に流され人知れず水面に映った満月へと消えた。
そんな悲惨な末路ではあったが、人として生きられたことに満足したのか、安らかな顔で沈んでいった。
「人間は悲しい。いじらしく愚かだ」という彼女の愛と達観の混じった言葉は、つよしに向けたものであると共に、自身もそうなりたいという願望でもあったのかもしれない。
こうして本物の夏美が目を覚ましたことで、夏美の『夢』は消えるのであった。
余談
- 実は歴代でも初の男性ピンクが登場、しかも交代できるシステムがある戦隊ということで「彼女は先代ドンブラザーズメンバーだったのではないか?」とする考察が存在した。実際は獣人というそれ以上の衝撃的な正体であったが。
- 視聴者たちが「雉野みほは人間じゃない」と疑念を持ったドン11話ラストではED曲が流れると思ったら途中で音が途中で止まり、無音の暗い部屋の中で一心不乱に折鶴を作る彼女の姿で終わるというかなりホラーな締め方になっている。
- 雉野みほが公式から獣人であると明言されたのは、ドン26話の放送後の公式ブログに記載されたドンブラザーズ設定用語攻略本ペディアにおける『獣人』の項目に名前があったのが初。視聴者たちは一足先に彼女の正体を知ることになった。
- ドン46話で彼女が見せたビンタは、その後のタロウ(と獣人たち)の運命を大きく変えたことから公式サイトでは「大事な大事な分岐点ビンタ」と称されている。
関連タグ
EXCITE/アロワナノー:歌詞の冒頭が我々から見たつよしと翼への懸念のそれ。
桐谷晴香:2年前の仮面ライダーに登場する剣士の妻。放送時期は近いものの、こちらはちゃんとした人間である。