《魑・莠コ謌ヲ髫》
「ドコニイルノ?私ノ運命ノ人!愛ガ欲シイ…運命ノ愛ガ~~ッ!!」
「愛ガ、愛ガホシィィ~♡」
データ
身長/191cm
体重/222kg
スキン/バードニックウイング
むかしむかし/加奈子は勇気あるナイスガイの翼に運命を感じていたんだそうな…。
概要
田辺誠が恋をする女性・加奈子の「運命の愛が欲しい」と言う欲望を叶える為に誕生した、鳥人モデルのヒトツ鬼。
シソツ鬼が、巨大な鳥の頭部の骨とカラスが寄せ集まった様な黒い翼を持つ、伝説の幻獣・ハーピーを思わせるスキン・“バードニックウイング”を身に纏った姿。顔上半分に覗き穴が開けられた頭部はジェット戦闘機のパイロットが被るヘルメット、或いは旋風を媒体に実体化した生霊にも見え、運命の愛を盲目的に求める宿主を皮肉っている様へも見える。
また胴体部分は胸部分の膨らみが強調されていて、宿主が女性であるのを幾らか意識されたデザインともなっている。
変貌時には「魑・莠コ謌ヲ髫」(鳥人戦隊)の文字化けと、鳥人戦隊ジェットマンのクレストが浮かび上がる。
モチーフ元に違わず、上半身の翼を広げての自在な超高速飛行が可能で、縦横無尽に飛び回りながら高空より「ころころタマゴ爆弾」を投下しての絨毯爆撃が得意。
宿主が戦闘の素人かつ、欲望の影響でしばし鳥の求愛行動かの如くアピールポーズを取って隙を晒すのを差し引いても機動力の高さが厄介な為、一旦飛行されたら何とかして地上に引き摺り下ろさないとまともに攻撃が届かない難敵である。
活躍
以前、加奈子はルール違反する人間を片っ端から襲う地球鬼に遭遇、襲われそうになった所を翼に助けられた事で一目惚れ。それ以来、翼への恋心をどんどん爆発させていった。
その一方、誠は恐怖から加奈子を置いて逃亡した事で関係が冷え切って振られてしまい、とうとう飛び降り自殺を図ろうとするも、それを目撃した翼/イヌブラザーに制止される。
すると密かに隠れていて翼の正体を知ったソノニが現れ、額に開いた扉の中に鳥人鬼の影が出現。近い内に誠がヒトツ鬼へ変貌する事を見出すが、「この男の闇を光に変える事ができるか?」と翼に賭けを持ち掛けてくる。
翼はヒトツ鬼にさせまいと意識を取り戻した誠を励ましつつ、自らが悪者となり誠にいい所を見せるべく芝居を打って出るが、その裏で勘違いしたジロウに投げ飛ばされて失敗。しかもふと見掛けた夏美と瓜二つなみほを追い掛けて疲労が溜まり、危うく交通事故になり掛けたりと作戦は難航する。
その後、しばらく傍観していたソノニが欲望を引き出し、誠をヒトツ鬼に変えようと干渉を開始。誠は彼女の口車に乗せられそうになるが、やはり加奈子の事を忘れられず振り切り、加奈子を呼び寄せてやり直して欲しいと伝えるが、彼女は翼を好きになったと伝える。
様子を見ていた翼は2人の恋仲を拗らせた元凶が自分だった事を知り頭を悩ますが、そこにソノニとソノザが襲撃を仕掛けてきたのをイヌブラザーにチェンジし対抗する。
しかし、その姿を見た加奈子は激しいギャップの差に幻滅、激しく混乱して鳥人鬼に変貌。人を超えた恋愛の鬼と化してしまった。
「いっ…犬!?どうして犬なの…。嫌…イヌ…嫌ァァァ~!イヤァァァッ!」
誠「そんな…加奈ちゃんが…」
翼「まさかの展開ってやつだな」
するとドンモモタロウら残りのドンブラザーズが駆け付け、脳人の牽制をサルとオニに任せたドンモモの猛攻に追い詰められるや「愛ガホシィィ~!」と言いながら大空へ飛翔、飛行能力を持つキジブラザーを叩き落とし、ころころたまご爆弾で爆撃を仕掛けて優位に立ち回るが、ニンニンジャーアルターを召喚したドンドラゴクウアルターの攻撃を受けて撃墜、追撃されて転倒する。
最期はドラゴンレンジャーにアバターチェンジしたドラゴクウが脳人を抑えた間で、ロボタロウにアバターチェンジしたドンブラザーズの「前人未桃・打ち上げロボタロウ」を受けて、「アッ…、花火…キレイ……♡」と呟きつつ敗北・爆散した。
その後、暴走した欲望で鳥人鬼ングとして復活。ドンブラザーズも負けじとドンオニタイジンを繰り出す。
加奈子
かつて地球鬼に襲われた運命の愛を求める女性で、妻にゾッコンなつよしが一瞬でも見惚れる位の美人。
惚れっぽく、それ故に一度心奪われた相手を運命の人と信じて徐々にのめり込む性質らしく、勇気あるナイスガイの翼に運命を感じ、指名手配犯であるにも拘らず無実だと信じていた所か、彼の手配似顔絵を壁一面に貼って同じく似顔絵を写したグッズに溢れる自室で陶酔する、下手をしたらヤバい方向に行き兼ねない性癖を持つ(ある意味ドン12話のドルオタに近い)。因みにイヌは好きでは無い様子。
本人の自制心こそ強いが、その内面上ヒトツ鬼の実体化の媒体となる欲望を突発的に増幅し易いとも言え、紆余曲折の末で誠を礎に実体化を狙っていた鳥人鬼に乗り換えられてその宿主となってしまった。
ドンブラザーズに退治された以降は翼と出会った記憶を改竄されたらしく、寄りを戻した誠とお揃いのTシャツを着てデートを楽しんでいた。
田辺誠
かつて地球鬼に襲われたカップルの男性の方で、加奈子と出会う以前に鳥人鬼が憑りついた青年。少々ヘタレで他の美人に目移りする情けない所も目立つが、恋人への加奈子の一途さは本物。
最近加奈子の態度が冷たいのに思い悩んだ挙句、建物の屋上から飛び降りようとしたのを翼に止められたのを切っ掛けに親交を深め、本人の知らぬ所で翼とソノニの賭けの対象とされて翼から出来る限りのサポートを受ける事に。
結局、翼側のグダグダで作戦はお流れになった上、自分から離れた鳥人鬼が加奈子を宿主に実体化した結果、翼とソノニの賭けも有耶無耶になった。
鳥人鬼が倒された以降は復縁した加奈子とお揃いのTシャツを着てデートを楽しんでいた。…加奈子の内面上、女性関係で非常に苦労しそうではある。
現在は旅行に出ており、その間に翼に部屋を貸し与えている事がドン34話で判明している。
今回ではミスリードだったが、田辺が失恋する経緯が何気にドン10話みたいだったりする。
余談
- モチーフに使われた戦隊は『鳥人戦隊ジェットマン』。
- スキンの「バードニックウイング」はジェットマンのエネルギー源とされる「バードニックウェーブ」を使ったと考えられ、シソツ鬼素体の理由としては恐らくジェットマンの続編漫画に登場した追加(事実上番外)戦士「グリーンイーグル」が元になったと考えられる。
- 全体の色合いはラディゲとトランザ、そしてネオジェットマン、火力を武器に使った点はグレイ、一見すると対象者がヒトツ鬼の候補と思わせ実は意外な真実が判明(恋人が実は敵組織の幹部)した要素はマリア、元となった戦隊より鳥要素をさらに強調した頭部はディメンシアの戦士(これは鳥人鬼ングのモチーフにも由来する)。
- 加えて頭部全体は雲状にも見え、頭頂部には卵がありさらに黒い鳥を模した装飾はジェットマンを語る上では欠かさないあの男等、主要キャラ・敵組織・ゲストキャラクター全てを彷彿とさせる。
- しかし、運命の愛を受動的に欲した鳥人鬼に対して、「自ら動いて愛を手に入れようとした」ジェットマンのメンバー達との対照的な要素もある。
- また、セルフオマージュと思われるシーンがあり、過去の回想で夏美が行方不明になった経緯は元ネタの1話でバイラム襲撃により竜と藍リエが離れ離れになったシーン、そして、翼が居なくなった恋人らしき人を追い掛けている時に花屋を通り過ぎたのは最終話での出来事が元だとされる。
- 本作の前に井上氏がメインライター(第8~11・15・16・19~21・25~29・33~35・39~41・46話を除く)を務めたジェットマンはトレンディ戦隊と呼ばれる程メンバー間での恋愛が目立ち、また同様に敵味方共にメンバー間での愛憎が渦巻いている。
- 田辺誠役の平田氏は『ウルトラマンR/B』にて主人公の1人である湊カツミ/ウルトラマンロッソを演じていた。
- 尚、『R/B』にはさよならイカロスというタイトル名の回があり、ジェットマンに登場するロボットの名前にも「イカロス」が使われている。
- また、ロッソ=「赤」の要素もあった事から奇しくも今回の話は赤と黒の恋愛話となっている。
- 更に、復縁した加奈子とペアルックで着ていた「恋は幸運の父」と書かれたピンク色のTシャツは、カツミの父である湊ウシオの店で売られているあの名物商品まんまな他、文面はウシオと演者が一致する『宇宙戦隊キュウレンジャー』のアスランが元ネタとなっている。
- 田辺と加奈子が地球鬼に襲われていたのは、モチーフのジェットマンの前作がファイブマンである為であり、加えて次作のジュウレンジャーのギアをジロウが使用していた為、この辺でも放送順を意識していると思われる。
- 以前から視聴者の間ではメインライターの関係から鳥人鬼は重要なポジションで登場すると予想されており、「鳥」モチーフの点や精神的に危険な部分から雉野か、「翼」の名前やカラーがブラック等の点から犬塚のどちらかが鳥人鬼に変貌してしまうのではないかと危惧されていたが、実際にはゲストキャラが意外すぎる経緯で変貌した事が話題となった(なお、つよしは3度ヒトツ鬼と化しており、翼本人はヒトツ鬼と化していないが一時的にイヌブラザーに変身した人物がヒトツ鬼と化している)。一部のファンからは冗談で「ドンブラザーズの脚本家はジェットマンの脚本家に謝れ」という内容の感想も見られた。
- 上記の通りころころタマゴ爆弾という技を使うが、(大きいお友達はお気づきかもしれないが)女怪人がタマゴを産み落として攻撃するという、ニチアサ的には若干危ない絵面だったりする。
- 「完全読本」によると、篠原保氏の師匠・雨宮慶太氏の敬意を込めて、複数の鳥が天頂に輝く太陽を向かって青空を羽ばたいている様子をデザインに落とし込んでいる。
関連タグ
激走鬼:前述の余談に上がっていた鳥人鬼が重要ポジションに置き換わる予定になったヒトツ鬼。奇しくもキジブラザーは空(飛行機)、イヌブラザーは陸(車)の要素があった為、犬塚が危惧されたことも説明がつく。
バイオ次元獣:元ネタに登場した生物モチーフの怪人。
ツバサ仮面、イーグル怪人、魔術怪人、ジーグ、サーベルドグラー、コンドルギン、フクロウネジレ、コンドルネジラー、カナリアネジラー、ハッカラスナイパー、冥獣人ハーピーのピーウィー、大邪竜ギラド、空の拳魔カタ、飛翔拳、臨獣オーストリッチ拳チョウダ、エスケイプ・エボルブ(獣融合態)、魔剣神官マッドトリン、ウィッグシャドー、ギーウィ・ニューズィー、ピョードル、エンビィ・チルダ、ヨドンナ:歴代鳥モチーフの戦隊怪人。
キアイドー:11年前のジェットマンのレジェンド回で登場する戦隊怪人。因みに、当話の脚本は原典から引き継ぎ井上敏樹氏が担当していた。
イセロブ・スターフライド:ジェットマンの降下ポーズをモチーフとしたアイテムを所持していた怪人。
レンアイワルド:前作に登場した恋愛絡みの怪人。しかも討伐にジェットマンの力が斜め上の格好で使われた。なお、レンアイワルドの登場回は鳥人鬼の登場回と1話差である。