「俺たちは力だけに拘り、人を愛し、平和を愛する心を忘れていた。俺たちは戦士としての力を失うが、君たちこそ真のジェットマンだ!」(J1)
概要
スカイフォース幹部・一条総司令によって組織・訓練された戦隊。バイオ次元獣・隕石ベムに苦戦する天堂竜達に代わって現れた、偽物でも悪の戦隊でもない第二のジェットマン。
メンバーはそれぞれJ1~J5と呼ばれており、一条総司令指揮のもとで正規の訓練を受けたサイボーグ戦士達で構成されている。体内にはそれぞれバードニック反応炉が埋め込まれており、竜たちとは違いエネルギー切れの心配はないため、隕石ベムの反バードニックエネルギー攻撃にも耐性を示した。
当初は一条を絶対視して竜を除き、ほぼ民間人で構成されたジェットマンたちを見下し竜からの共闘の申し出も露骨に無視したり、実戦、修練双方の場面で自分達の力量を誇示するように見せつけるなど厭味な態度で接し、竜以外のジェットマン達(特に結城凱)から反感を買った。
尤も常識的に考えて彼らは幾多の候補の中から選ばれ、厳しい戦闘訓練を積んでネオジェットマンとなったエリートなので、「たまたまジェットマンになった民間人と、彼らと共に戦う事に抵抗のない竜」に対して手厳しい評価になるのは致し方ない事ではある。
初戦では隕石ベム(まだ完全体ではなかった)を撃退し、プロの戦士ならではの力量を示したかに見えた。巨大化した隕石ベムを相手した第二戦では、ジェットイカロスを上手く操縦できずピンチに陥ってしまう。シミュレーションによる訓練だけで、巨大ロボを操る実戦経験が皆無だったことが響いたのであり、竜たちに助けられる結果となった。
その後、一条のあまりに子供じみた真の目的を知ったリーダーのJ1が彼のやり方に危機感と疑念、不信感を覚えると同時に、それまでの竜たちに向けていた無礼な態度を詫びたものの、未だに一条を絶対視し続けるJ2~J5は一条と共に竜たちをスカイキャンプから追放。新しく鳥人戦隊としてなり替わろうとするも、基地に侵入してきた隕石ベムの前には手も足も出せず、さらにはこれまで信じてきた一条にもあっさり見捨てられ、絶体絶命のピンチに追い詰められてしまう。
しかし戻って来た竜達に再度救われた事で、J2~J5達も自分たちを捨て駒にした一条を見限り、変身できずとも戦おうとする竜たちこそが真のジェットマンだと認め、反応炉のエネルギーを分け与え変身能力を復活させた。こうして竜たちは隕石ベムに見事勝利。すでにプロの軍人集団である彼ら以上に戦士の資質を備えていることを示して見せた。
これによってネオジェットマンは戦士としての力を失い、地球の守りをジェットマンに託し、上官の一条と同様に物語から退場することになるが、隕石ベムに暴行され、小田切の(吐き捨てるような)一言だけでフェードアウトした一条とは違い、最後は改めて鳥人戦隊に任命された竜たちと爽やかに和解する後味の良い退場の仕方であった(そのため、現在も特撮界で最低の悪役と評される一条とは異なり、「最初は対立してたけど話のわかる人達だった」という評価が多数を占めている)。
本編の後日談を描いた漫画『鳥人戦隊ジェットマン 時を駆けて』ではメンバーを置き換えた上で、一線を退いたジェットマンに代わり前線に立ち、ジェットガルーダでラディゲが操縦する巨大ロボと戦うが敗れ、その後は再結成したジェットマンの補佐に回る。
以上にように何かとかませ犬のような扱いは否めないが、
・前述の通り、強敵隕石ベムとの初戦では相手が不完全だったとはいえ、絶妙なチームワークで追い詰め退却させる。
・ロボ戦では、ジェットマシンの操縦をシミュレーションによる訓練を受けただけで乗りこなし、当初は竜達が手こずったイカロスへの合体も一発で成功させた。
と確かに厳しい戦闘訓練を積んでネオジェットマンとなったエリートなだけはあり、戦士としての資質は十分にあったといえる。
メンバー
共通装備として光線銃ネオシューターと手榴弾ネオマインを持っている。自前のマシンは支給されておらず、竜たちからジェットマシンの操縦権を奪って使用した。
- J1(ネオジェットマン1)(演:望月祐多)
ネオジェットマンのリーダー。武器はネオソードという剣。
初登場時こそ他のネオジェットマン達と同様に竜達に厭味な態度で接していたが、一条と小田切の会話を聞いた事で他のメンバーに先んじて一条の異常性に気がつき、彼や他のネオジェットマン達が竜達を追い出す中、その振る舞いが恩知らずであると恥じて謝罪と感謝の言葉を述べるなど、ネオジェットマンのメンバーの中では一番良識的といえる性格。
- J2(ネオジェットマン2)(演:笠原竜司)
武器はネオスティンガーという鎖鎌。
リーダーのJ1が自分たちのバードニック反応炉を説明した後に憎まれ口を吐き凱から怒りを買った。
- J3(ネオジェットマン3)(演:渡辺実)
専用武器は持っておらず、徒手空拳で戦う。
5人の中では、紅一点のJ5よりも小柄。
- J4(ネオジェットマン4)(演:宮崎剛)
武器はネオスライサーというブーメラン。
ネオスライサーは超獣戦隊ライブマンのグリーンサイの個人武器サイカッターの流用。
- J5(ネオジェットマン5)(演:長門美由樹)
ネオジェットマン唯一の女性隊員。専用武器は無く、ネオシューターを使用する。
ネオジェットマン達が一条総司令から鉄拳制裁を受けた際には、彼女だけは殴られていなかった。あの一条といえども「女性は殴らない」という程度の気遣いはあったのか……。
フレアーバスター
ネオジェットマンの必殺武器である大型火器。初戦で隕石ベムを退却はさせたものの、止めを刺すほどの威力はなかった。
非公式続編漫画「ジェットマン・時をかけて」
TV本編から5年後の設定で、初代ジェットマン引退後の後を受け、メンバーを一新して地球防衛の任を引き継いだが、相手がラディゲに取り憑いたトランザだったため、分が悪過ぎ敢えなく敗退し、初代ジェットマン復帰の一因を作る。
余談
ネオジェットマン役の俳優は全員がジャパンアクションエンタープライズ所属。
J1役の望月祐多氏はこの役をきっかけに、次作『恐竜戦隊ジュウレンジャー』においてレッドのゲキ/ティラノレンジャー役に抜擢される。
J2役の笠原竜司氏は『逃走中』のハンター1号機などで知られ、ジェットマンの後に『ブルースワット』のムッシュJや『仮面ライダー 令和・ザ・ファースト・ジェネレーション』の大団長を演じている。
また、J3役の渡辺実氏は後にキバレンジャーのスーツアクター(今日までスーパー戦隊に携わるバイプレーヤーでもある)、J4役の宮崎剛氏はアクション監督(本作ではスーツアクターも担当、魔神ロボベロニカは宮崎を想定してデザインされた)、J5役の長門美由樹氏は幹部ウルク役やマドモアゼル・Q役などで東映特撮作品に関わっている。
ジェットマン放送終了から2年後、ミュージカル版『美少女戦士セーラームーン』の第1作で悪役のクンツァイトを演じた望月氏は、第2作を前に降板したジャニタレの代わりに主人公の相手役・地場衛/タキシード仮面役に急遽交代。そしてクンツァイト役の後任に呼ばれたのは、望月氏と親しく第1作を観に来ていた笠原氏で、第3作以降も悪役サイドで必ず出演している。両氏は善と悪の役に別れてライバルとして競演、常に作品が打ち切られるかもしれないプレッシャーに耐えながら揶揄する同業者を見返そうと、原作・アニメが完結した後の第10作目となる卒業公演までを駆け抜けたのだった。
2022年1月20日にYoutubeにおいてネオジェットマンゲスト出演回である第40話が、その翌週の27日にジェットマン第41話が一週間限定でアップされたが、それを記念して望月氏がご自身のFacebook上で当時の裏話を明かし、それによるとJ1の武器であったネオソードはジェットマンの武器であるブリンガーソードの柄をリペイントしたものであり、さらにそれは次作『ジュウレンジャー』にてゲキが龍撃剣を手にする前に使用していたソードに流用されたという(つまり二つの作品において同じ役者が違う役で同じ武器を使った事になる)。
すでに戦士の力を失っている背景から同じ状況下のX1マスクと違ってプレミアムバンダイによるレンジャーキー化もされていない。
関連タグ
ジャッカー電撃隊:ネオジェットマン同様のサイボーグ戦隊。
「コスチュームが一律」「より軍隊的な別チーム」「最後は主人公達に託す」など共通点はあるが、主人公チームとの経験の差など正反対な要素もある他、ネオジェットマンと違って最初から主人公チームの後援部隊としての役割に徹していた。
スペースマフィア:中の人が2人も属している悪の組織。
如月ハニー・葉月聖羅:キューティーハニーFの主人公姉妹で彼らと同様、心臓のそばに空中元素固定装置を宿す。しかし彼女たちは出生上、生まれつき装置が体内にあると言う違いがある。