前後のストーリー
Back | Next | |
---|---|---|
ジュートのかりゅうど | 今回 | けっとうソノ2 |
概要
スーパー戦隊第46作目『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ドン31話。2022年10月2日放送。
イヌブラザーの正体が犬塚翼であることが知られてしまい、雉野つよし/キジブラザーとの間に雉野みほを巡る戦いが勃発……という風にしか受け取れない予告編であったが、実際の内容は……?
あらすじ
唯一正体がわからないイヌブラザーについて、桃谷ジロウは匂いから犬塚翼だと予想。しかし翼と何度も会っている雉野つよしや鬼頭はるかは、それはないと否定。桃井タロウはこれを機にイヌブラザーの正体を探ることにする。
その矢先に天装鬼が出現。タロウはイヌブラザーに「戦闘後、喫茶どんぶらに来い」と命じるが……
主なドンブラ中毒
- ポップなサブタイトルに対してシリアス全開なエピソード。今までどうやっても物語に関わる事など一切なかった犬塚翼が番組開始から実に半年以上の31話目にしてついに知るべき諸々に触れる事となる……と思っていたのか?
- 放映日が10月2日なのに、やや季節外れの流しそうめんを喫茶どんぶらで楽しむ一同。今までジロウには比較的辛辣な姿勢だった真一も「何だかんだ言って桃谷ジロウも憎めないところがあるし」とだいぶ軟化し、和やかなムード……だけど例によってイヌの姿が無い。
- マスターも最下流でスタンバイするが、手前のタロウが残さず掬い取ってしまうので全くそうめんが来ない。
- イヌブラザーの正体は誰なのかという話題になった途端、「えっ?イヌって犬塚翼さんじゃないんですか?」と、いきなり核心を突いてくるジロウ。ドン16話にて、喋る犬と勘違いしてドッグフードを食べさせた時に嗅いだイヌブラザーの匂いと、たまたま街中ですれ違った翼の匂いが同じということで正体に気がついたという鋭さ。
- しかし、つよし「それはないですよ、だって僕、犬塚さんとは何度も会ってますし。いくら何でもわかりますよ」はるか「……よね、ないない」等々、特に根拠もないのに「何度も彼と会っているから」というだけでジロウ説を全否定。はるかに至っては相変わらず「しゃべるワンちゃん説」を掲げていた。
- そんな重要な話をよそに、この隙にとばかりに一同からスルーされたそうめんをちゃっかり掬い取るマスター。
- 正体を確かめる為に天装鬼との戦いの最中、イヌブラザーに喫茶どんぶらに来るよう命じるドンモモタロウ。だが、前回の一件をまだ引きずり、心ここに在らずのイヌブラザーは完全に聞き流しており、待てど暮らせどイヌは現れず、喫茶に来たのは、ドン1話に出てきたリアルなわんちゃんくらい……
- 路上で熱唱するストリートミュージシャン・乾龍二。しかし通行人は誰も足を止めず、「やっぱり俺、才能ないのかな」と落ち込み、唯一自分を認めてくれた恋人の祥子を思い出す。
- 天装鬼が再度出現するも、メンバーの興味関心はむしろイヌブラザーの正体の方に行ってしまい、逃げる天装鬼そっちのけでイヌブラザー捕獲作戦を強行。だが天装鬼の攻撃を喰らって橋から転落したイヌブラザーは、ちょうど下を通りかかった乾と激突。アバター解除で翼は転送されて姿を消し、気を失って倒れている乾と、翼が落としていったサングラスを見て、ドンブラザーズ達は、乾をイヌブラザーだと思い込む。
- 「イヌさん、イヌさん」と呼び掛けられたのを「乾」と聞き違えた上、「俺達はお前の活躍をずっと見てきた」と歓迎するタロウや皆の言葉を聞いて、「ドンブラザーズというバンドが自分をスカウトしに来た」と思い込んで喜ぶ乾。前もあったな、こんな展開。
- その際、「私、オニの鬼頭はるか」と自己紹介され、「オニ?音楽の鬼か?」と想像する乾の脳内では、KISS風のメイクでエレキギターを弾きながら、「ノッちゃって!イエーイ!フウー、フウー!オニー!」とはっちゃけるはるかの姿が。今週の顔芸コーナーでした。
- 先刻翼が落としたサングラスを手渡されたところで、三度天装鬼が現われ、見様見真似でイヌブラザーにチェンジする乾。偶然にも天装鬼を転ばせたことで、ドンモモタロウに「34点!」と褒められる。ここでようやく「これはバンドじゃない……ヒーローか!?」と気づいた。
- 一方翼は、何故ドンブラザーズの仲間達が突然自分を捕まえようとしてきたのかわからずに困惑。そこで自分に100万円の懸賞金が設けられた事を知り「まさか奴め、俺の正体を知り賞金目当てで……」と疑念に囚われるも、「いや、さすがにそんな……」と思い直す。何も知らないけど仲間への信頼は知っている犬塚翼さん(25)。ついでに、赤の他人が自分の落としたサングラスを拾い、イヌブラザーとして臨時で戦っていた事も知る。
- ダイエットに執着していた天装鬼は、何とか逃げ延びて「ちょっとだけ痩せたかもしれない」と一息つく。しかし、たまたま見かけた定食屋の「カツ丼本日限定大盛り無料」の貼り紙を見て、正体である街の大食漢の姿に戻り、大喜びで食堂に駆け込む………
- 「気持ちいいですね、お客さんの食べっぷり」と女性店員に声を掛けられ、「そう?今日は抑え気味なんだ、ダイエット中だからね」と答える大食漢。画面に映っているだけで40杯以上の大盛りカツ丼を平らげているのだが、それでも抑え気味のダイエット中という底無し胃袋。
- そこで「ダイエットなんてしなくていいですよ。私はいっぱい食べてくれる人が好き」と言われ、初めて聞く褒め言葉で欲望が自己解決、大食漢は天装鬼の寄生から解放される。「え?何?」と困惑したようにキョロキョロしながら、天装鬼は新たな宿主を求めて飛んで行った。これがさらに事態をややこしくする事に。
- 女性店員「おかわりいかがですか?」大食漢「3つください!」
- お互いの境遇と、先刻の混乱の事情を知った翼と乾。「昔からヒーローに憧れていた」という乾に、翼は「なら、あんたがやれ。イヌブラザーを」と勧める。しかしそれは「この男をイヌだと信じ込ませれば、俺がイヌに戻っても狙われることはないだろうからな」という下心によるものだった。やっぱり仲間を信用しきれていなかった犬塚翼さん(25)。
- 「昔から黒いヒーローが好きだった」という乾はキャラ作りをするのだが、その結果生まれたのは「俺は一匹狼、誰とも組むつもりはねえ」「俺は納豆と男が大嫌いなんだ!」等々、衝撃の最期となったあの黒いヒーローのオマージュ。まあ彼にはあまり似ていないが……
- そのキザな台詞回しに痺れ、はるか・つよし・真一は早速真似っこ。その後ろで、全く興味なさげに黙々と生姜焼き定食を食べているタロウ。
- つよしを呼び止め、みほとの出会いを聞き出す翼。彼女の美容室につよしが客として行ったのがきっかけとの事で、美容師を志望していたという夏美と微妙につながる部分があり、果たして彼女が夏美なのか判断がつかず、翼は苦悩する。そこへ、つよしと待ち合わせをしていたみほがやってきて、さあいよいよ修羅場発生かと思いきや……
- 動揺したまま、咄嗟に隠れてしまった翼は警官に見つかり逃走。さらに通りかかった乾が、みほを見るや「祥子ちゃん、俺が悪かった!戻ってきてくれ!」と言い出して、全く明後日の方向で修羅場発生。
- 当然、大喧嘩になったつよしと乾。「みほちゃんを奪おうとしている人とは、一緒に戦っていけません!」「それは俺の台詞だ!俺の祥子ちゃんを返せ!」とお互い言い張るが、他のドンブラザーズも只々呆れ、タロウに至っては「くだらない。個人的な感情をドンブラザーズに持ち込むな!自分達で解決しろ」と両者共に一喝して、仲裁を拒否した。
- 30年前に同じ脚本家が手掛けた大先輩方は、その『個人的感情』で半年以上揉め続けていたわけだが、井上御大のセルフ自虐パロディか?
- お互い譲らず、つよしと乾は決闘することになるが、みほが割って入り、「私を懸けて決闘って……私はこの人の妻です。あなたに入り込む隙はありません」とバッサリ斬り捨てる。さらに公園でシートを広げて膝枕で耳かきというバカップルぶりをアピールして、乾にトドメを刺した。
- ショックを受けた乾は、キューピッドの如く舞い降りた天装鬼に憑依される。拗らせた欲望がより根強かったせいか、前任の変身者よりも格段に能力が向上した天装鬼を前に苦戦するドンブラザーズ達のもとに、翼がイヌブラザーに変身して参戦。イヌブラザーの変身者が乾ではない事は理解したタロウ達であったが、結局イヌブラザーの正体についてはまた振り出しに戻る事に。
- 「また仲間外れですか……もう、やめてくださいよ、そういうの」とブツクサ言いながらも闇ジロウに乗っ取られる事もなく参戦するジロウ。冒頭の流しそうめんで真の仲間入りしたと思ったのは幻だったのだろうか……
- 最終的にドンブラザーズに倒され、解放された乾は、売れないストリートミュージシャンに戻ることに。いつもの場所で演奏をしていたが、そこへ「祥子ちゃん」が戻ってきて、そっちはそっちで元の鞘に収まる形で無事解決するのだった。
- ちなみにこの「祥子ちゃん」、みほとは髪型以外全然似ておらず、遠巻きに見守っていた翼も「どんな目をしている!?」と呆れていた。
- 目まぐるしく変身者が変わった今回、結局犬塚翼=イヌブラザーだとわかっているのはジロウだけだったという、文字通り「三歩進んで二歩退る」オチに。
※以下公式HPより
えーさて、そろそろ大丈夫でしょうか?
まずは先週の予告をご覧いただき「そっかー半年も引っ張ったけど遂に犬塚翼=イヌブラザーをドンブラザーズが知ることになるんだー。そしてみほ/夏美問題もいよいよ動き始めるのかー」
と思っておられた皆様……
騙して本当にすみませんでした!
- しかもこれ、次回予告の台詞自体は全部本編で出てきていてそれをミスリードっぽく繋げているのが余計にひどい。これらも全て井上敏樹って奴の仕業なんだ……!!
関連タグ
フィナーレいさみあし:同じく次回予告で視聴者を騙した回(こっちは最初から分かっていたし、前週の時点で公式サイトでも「総集編です」と明記されていたが)。
乾巧って奴の仕業なんだ→違う、そうじゃない(返答)
イヌブラザーの正体をメンバーの前で明かすといったな?あれは嘘だ
まさかの形で視聴者の予想を裏切る展開となったドン31話から2週後に放送されたドン33話のエンディング。
再びみほを巡る泥沼が起こる事を示唆するかのような次回予告が流れ、それを見た視聴者は「今度はどんなミスリードを仕掛けてくるのか?」「今度は騙されるものか」と意気込む者も少なくなかった……
しかし、その翌週に放送されたドン34話を観た我々視聴者は思い知らされる事となる…
この『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の脚本を手掛けているのは、深く、そして生々しい人間模様を描く事に卓越した鬼才、井上敏樹であるという事を……
そんな井上御仁が本領を発揮した時、とてもニチアサには相応しくないレベルにドロドロの愛憎劇の幕が開くという事を……
そこに2匹目のドジョウは存在せず、遂に視聴者が(期待しつつも)恐れていた翼とつよし、そしてみほ/夏美の泥沼必至の物語が本格的に動き始めたのだった……