概要
1.不特定多数の人間の認識を本来のものとは違うものへと誘導すること(mislead)。俗に印象操作とも。
2.1から転じた創作用語。本項で解説。
3.情報を受け取る際に実態と異なる形で理解してしまうこと、誤読(misread)。1や2の結果として、発信者の意図的に引き起こされることもある。
物語のシナリオを楽しむことにおいて、「今後の展開を推測することが楽しみ」という人も中にはいるだろう。ミスリードとは、その予想が的中しないように製作する側が意図的に導く誤った展開である。こうすることでそのコンテンツを楽しむ者の予想を裏切り、驚きを楽しんでもらうという作品の注目を集める方法である。
ただし、このミスリードを失敗すると楽しむ側が呆れたり、詐欺だと揶揄されたりする。また、あまりにも斜め上な展開だと置いてきぼりをくらって訳が分からない状態になることがあるため、使い方には充分な注意とある程度のテクニックが必要。また、受け手があからさまにわかりやすい伏線を見ても「いや、これはミスリードかもしれない」と疑心暗鬼になる事もしばしば。
後にミスリードと言われるようになるが、展開の都合上急きょ変更した事例も実際は少なくないとは思われる(その場合はまず、作者は口を割らないだろうが)。
推理小説などのミステリーものでは、これ見よがしに怪しい人物を出しておいて「『犯人はこいつだろ』と思わせておいて実は違った」というパターンが用いられることも多く、こういう役割を持たされたキャラクターは俗に「ミスリード要員」などとも呼ばれる。
具体例
ネタバレを含むので、これから該当作品を鑑賞する場合は注意!
- 「賢者の石を狙っているのはスネイプに違いない」→実はこいつでした(ハリー・ポッターと賢者の石)
- ドン31話にて犬塚翼が置いてけぼり脱却するかのような次回予告(暴太郎戦隊ドンブラザーズ)
- 世界の敵と決着がつくと見せかけてほぼ進展無し(白猫プロジェクト/フラグメントバーサス)
- コヤンスカヤの正体は妲己と始皇帝が言及、更にビーストのうち消去法でビースト5?→正体は想像もつかないものかつビーストはビーストでもビーストⅣ(Fate/GrandOrder)
- 「エリクト・サマヤの成長した姿がスレッタ・マーキュリーなのか?」→実はこうなっていました(機動戦士ガンダム水星の魔女)