望月綾時
もちづきりょうじ
※劇場版設定資料集(#3)より
左目の泣きぼくろがチャームポイントの美少年。明るく社交的な性格だが生粋のナンパキャラであり、女性と話すときには常に斜に構えて魅力をアピールする。そんな容姿と口の上手さで一般の女子生徒からはアイドル並の人気があり、ところ構わず口説いている。
強引かつ軽すぎるノリで順平とは非常にウマが合っており、一括りで「バカふたり」的な見方をされることも多い。特に修学旅行では主人公と真田を巻き込み、入れ替わりの時間を利用した合法的な女湯覗きを目論むが…。
P3主人公に対しては仲良くなれそうと言い、P3P女性主人公に対しては主人公に懐かしさを感じ、どこかで会ったことがあるという。
劇場版では出会って間もない結城理の心の傷と迷いを見抜き、ウザがられながらも押しの強さで打ち解け理の心を開いていく様子が綿密に描かれており、理の友人・理解者という点が強調されている。
P3Rではコミュニティの代わりとしてリンクエピソードが追加され、綾時と絆を深められるようになった。
一方で、誰に対しても基本丁寧なアイギスからは何故か初対面から常にダメ出しされているが…?
余談だが、中の人である石田彰氏は同作でキタローとファルロスも演じており、三者が登場する劇場版第3章は「石田祭り」と呼ばれることもある(演じ分けには苦労したらしい)。
渚カヲル…立ち位置が似ている中の人繋がり
以下、物語終盤(劇場版では最終章)のネタバレを含みます。 |
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「あなたはダメ…あなたは…“敵”…」
「僕は…誰だ?」
その正体は、かつて桐条グループの研究で生み出された最強のシャドウである「デス」。
本来自我を持たないシャドウが、紆余曲折を経て後天的に「望月綾時」という人間の人格を得て実体化した存在。
- デスが生まれた経緯
シャドウについて研究をしていた桐条鴻悦(美鶴の祖父)は、本編の10年前からポートアイランドの研究施設でシャドウの結合実験を開始。目的は通常のシャドウが持つ12のアルカナを交わらせ、本来存在しない13番目のアルカナを持つ特殊なシャドウを生み出す事。そうして生み出され(ようとし)たのがデスである。
しかしどう見てもヤバすぎる案件だったため、事態を憂えた研究主任の岳羽詠一郎(ゆかりの父)はデスの完成間近で実験を強引に中止。デスは力の一部が12のシャドウに分裂して飛び散り、不完全な状態で誕生することとなった。
「この実験は…行われるべきじゃなかった…
この研究…私は止めることが出来なかった…」
生まれて間もないデスは対シャドウ特別制圧兵装のアイギスと戦闘になったものの、力を大幅に失ったデスはフルスペックで戦うことができず、相打ちに近いながらもアイギスにより撃破される。デスの無力化に成功したアイギスでもトドメを刺すことは不可能だったが、そのまま放置すると分かたれた12の破片が再び集まって完全体になってしまう。アイギスが取った方法は、その現場に偶然居合わせた人間の子供の中にデスを封印するという人道を度外視した手段であった。
アイギスはこの戦闘でのダメージが激しく、直後に機能を停止。記憶データの大半も消失してしまう。
完全体デスは世界を滅ぼせる力を持っていた為、詠一郎の実験中断によるデスの分裂、分裂したデスが元に戻る前にアイギスが主人公の中に封印、その後主人公が港区を去るという偶然の連鎖により、最悪の事態はこの時点では紙一重で避けられたといえる。
やむを得なかったとはいえその代償は重く、強制中断の反動で研究施設は大爆発して多数の死傷者を出し、爆発の影響でタルタロスと影時間という異常現象が発生。そこから10年にわたる影時間とペルソナ能力の研究のために多くの人が犠牲になり、またデスの影響で主人公は後に数奇な運命を辿ることとなってしまう。
「10年前のあの日…わたし、あなたに…
わたしがあんな事しなければ、こんな辛い思い…させなくて済んだのに…」
- ファルロスと望月綾時
主人公の中に封印されたデスは安定し、主人公が港区の外で過ごした10年間は異変が起きなかったが、本編冒頭で実験施設跡地である私立月光館学園へ転入生として戻ってきたことで、眠っていたデスと散らばっていた12のシャドウが呼応し活性化。長らく人間の中に居たことが影響し、デスの中でファルロスという人格が発現する。
10年前の記憶はファルロスも失っていたが、特別課外活動部が飛び散った大型シャドウを倒す度に記憶を取り戻し、やがて12体全てを討伐した事でその断片を吸収し完全体になって復活。封印から解き放たれたファルロスは13体目のシャドウとして実体化し、「望月綾時」という新たな人格を得て主人公の前に姿を現す(主人公・ファルロス・綾時の声優が同じなのは、主人公の中に封印されていた影響でファルロス=望月綾時の「人としての性質」が形成されたため)。
本編にて稼働再開したアイギスが主人公の側にいる理由は封印されているデスを監視し、復活したら倒すか封印しなければならないという情報が断片的に残っていた為。綾時にダメ出ししていた理由は綾時がかつて戦ったデスである事を漠然と察知していた為である。
実体化してしばらくの間は綾時もこれらの事実を忘れていたが、終盤に再びアイギスと相対したことで全てを思い出す。綾時の正体と目的が明らかになる時、物語は「終わり」へと動き出す――
「全て…僕が原因なんだ。ごめんよ…」
- 滅びの宣告者
そんなこんなで完全体となったデス改め望月綾時の役割は、シャドウの母体にして全ての生命を死滅させる究極の存在・ニュクスを眠りから目覚めさせ、地球へ引き寄せること。10年前の実験の折にはデスが完全体になれなかったためニュクスは目覚めなかったが、本編においてデスの完全覚醒と呼応し遂にニュクスも目覚めてしまう。
デスが覚醒した時点でニュクスの到来は確定しており、また死そのものであるニュクスはいかなる方法を持っても倒すことができないため、もはや何をどうしようがニュクスによる世界の滅びは避けられない。デスを倒すことができればニュクスの到来を遅らせることも可能だが、強大なシャドウであるデスが消滅すると影時間の記憶も同時に消滅、すなわち到来中のニュクスについて誰も覚えていない状態となり、人々はいつか来る滅びを何も知らずに待つだけとなってしまう。
(既に手遅れなのだが)デスを倒さんと再び対峙したアイギスを瞬殺した綾時は、かけつけた特別課外活動部に対してニュクスの到来を告げると共に、自身を殺させてニュクスにまつわる記憶を手放すか、勝ち目のないニュクスとの戦いに赴くかの選択を迫る。
「"絶対に死んでしまう"という怖さを…君たちはまだ知らない。」
…結果的に多くの不幸の原因となってしまっている綾時であるが、本人は危険な思想や悪意のもとでやっているわけではなく、あくまで「そういう存在だから否応なしにそうする」という面が強い(デスやニュクスは引き金に過ぎず、それを引こうとする人間に問題がある。だいたい桐条のせい)。
自分がそのような存在であること、自分で自分を止められないこと、交流を深めた主人公達と敵対しなければならないことに「綾時」として心を痛めており、上記の理不尽すぎる選択も「どの道死んでしまうのならせめて皆に苦しまない道を選んでほしい」という苦渋の配慮から来るものである。
劇場版ではこの辺の綾時の葛藤描写が大幅にカットされている上、アイギス以外のS.E.E.S.メンバーも圧倒的な力で蹂躙するなど、原作に比べて人間味のない底知れなさが増しているが、これも綾時なりに「ニュクスに挑むという最悪の選択肢を選ばせないためにあえて力の差を見せつける」と考えた結果であり、「なるべく理達を傷つけたくない」という想いは原作と変わりない。
それでもニュクスと戦うことを選んだ場合、ニュクスの分身としてS.E.E.S.と世界の命運を賭けた最後の戦いを繰り広げることとなる。
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