1日は、24時間ではない。なんて言ったら、君、信じるかい?
概要
深夜0時に訪れる隠された時間帯。電器具は停止し、生命は「象徴化」と呼ばれる棺桶の姿に変貌する(作中では人間の棺桶しか登場しないが)。
おおよそ1時間だが、ゲーム中の時間制限はない。
この時間で自由に活動できるのは、ペルソナ使いとその適性がある者、「黄昏の羽根」と呼ばれる物質を内蔵する機械。そして実体を得たシャドウ、シャドウの「声を聴いた者」のみ。
「象徴化」した場合は認識することも傷つくことも無いが、「声を聴いた者」は無事にシャドウから切り抜けたとしても出来事を記憶できない(正確に認識・記憶できる場合はペルソナ使いや適合者となる)。影時間で死亡した場合は原因を交通事故や病気などに書き換えられる。
なお、影時間にタルタロスに取り残された人物は影時間分だけ歳月が経過しており、現実世界で10日経っても飢えで死なないのはこの為。
「特別課外活動部」は影時間の解明、およびシャドウ殲滅を目的としている。
影時間で自由に動けるのは自然物のみであり、美鶴のバイクや召喚器、アイギスが自在に稼働できるのは「黄昏の羽根」というアイテムのおかげである。ただし、矢や銃弾、魔法といった飛び道具は例外の模様。
13体のシャドウ
「魔術師」〜「死神」までの13アルカナに対応した大型シャドウのことで、野良シャドウもこの13アルカナに対応している(『P4』でも同様)。なお、死神以降のアルカナのシャドウが存在しない理由は不明である。
満月の日に出現するという特性を持っており、この期日までにペルソナやパーティを育成しておく事が求められる(期日に比較的ゆとりのある後続作のボスとはこの点が異なる)。
本作に月齢システムが存在するのも、この特性と密接にリンクしている為である(ちなみに、作中では物理スキルに月齢によって威力が変化する「月影」や「残影」(前者は満月、後者は新月に対応)が存在するので攻略に困ったら使うのも手)。
また、倒されるとタルタロスのエリアが拡大する。
- マジシャン
「魔術師」のアルカナに対応する大型シャドウ。
無数の剣を持った腕を生やす異形の姿をしており、主人公が1番はじめに戦う個体。
タナトスに瞬殺された…南無。
- プリーステス
新都市交通あねはづるの車内を占拠し、暴走させていた大型シャドウ。
右半身が黒、左半身が白く、髪が経典のようになった女性のような姿(カラーリングと「B・J」のイニシャルはウェイト版タロットに描かれた二本の柱が元になっている)。
「女教皇」という清純そうなアルカナに反してM字開脚を見せつけてくる。
- エンプレス
タルタロスに出現したオーブがモチーフの大型シャドウ。
「女帝」のアルカナに相応しく、王冠やフリルの意匠がある。
「パラダイムシフト」で耐性を変化させてくる厄介な相手だが、漫画版では首が弱点という設定に変更された。
- エンペラー
エンプレスの相方。
「皇帝」らしく軍服に身を包んだ勇ましい姿だが、同アルカナのペルソナ同様に下半身は貧相である。
こちらも「パラダイムシフト」持ち。
- ハイエロファント
とある場所に出現した大型シャドウ。
玉座に座る太った聖職者の姿をしており、自身を撫で回す女性型の異形と2体の式神を侍らせており、まさに「法王」の逆位置「怠惰」そのものなデザイン。
この2体の式神はウェイトタロット版の双子の聖職者がモチーフ。
雷/光/闇の三属性に強く、弱点が存在しない。
- ラヴァーズ
蕩けるハートのような外見をした大型シャドウで、ハイエロファントと同日に戦う事になるが、とある場所の鏡を特定の法則で壊さなければ戦う事ができない。
翼を生やしており、内部には♂と♀のマークを内包している。
エンジェルアロー、ハートブレイカー、マリンカリン、魅惑の吐息と使用してくるスキルも「恋愛」らしいものが揃う。
- チャリオッツ
旧日本軍の「戦車」に寄生したシャドウ。マスクのデザインは他の「戦車」のシャドウとはまるで異なる。
普段はジャスティスとドッキングしているが、分離するとキャタピラが四肢とした直立形態に変形する。
分離前はあらゆる属性に耐性を持つが、分離後は物理スキルが等倍となり、相方が倒されると片方は蘇生させてしまう厄介な特性を持つ。
- ジャスティス
チャリオッツとドッキングしているシャドウ。
弁護士バッジのようなプレートを背負った小型の天使のような姿(ちなみに、「正義」のアルカナは天使型のペルソナが多く所属する)。武器は戦車の主砲である。
分離後はチャリオッツとは逆に魔法攻撃が等倍となる。
- ハーミット
髪の毛が逆立ち、真空管を生やした痩せこけた異形のような姿をしたシャドウ。
ポロニアンモールのクラブエスカベイドを占拠し、ケーブルから吸収した電撃を武器に襲いかかってくるが、充電中に一定数ダメージを食らうと「超圧電流」を封じる事が可能。
ぶっちゃけそんなことしなくても、電撃に耐性のあるペルソナで殴れば楽に対処は可能であるが。
なぜ電気を扱うのかは不明だが、タロットカードにおいて「隠者」はカンテラを持った姿で描かれる為だろうか?
- フォーチュン
スフィンクス型のシャドウだが、見た目は機械仕掛けのハリボテなので顔の側面にマスクが付いている。
突然レッドカーペットとルーレットを召喚し、出目によって様々な効果を発動してくる。
「P3R」では相方を意識したのか打撃属性に弱い。
なお、スフィンクスはウェイト版タロット「運命」に運命の輪の上に乗っかった姿で描かれている幻獣であり、作中でルーレットを使ってくるのはこれが元ネタ。
ちなみに、ペルソナシリーズにおいて「運命」のアルカナに「神獣スフィンクス」が充てがわれたことはない。
- ストレングス
フォーチュンの相方。
頭には無限の字型のハイロゥが浮かんでおり、周囲を花束と鉄柵が取り巻いていたお嬢様のような姿。
これのどこが「剛毅」なんだと思われるかもしれないが、ウェイト版タロットに描かれているのは清楚な女性なんだから仕方ない。ライオンの姿が確認できないが、恐らくはフォーチュンで補完されているのだろう。
こいつを倒さない限りはフォーチュンと戦うことはできず、敵全体に小ダメージを連続で与える専用技「メビウスロンド」や物理スキルの代表格「ギガンフィスト」でゴリ押ししてくる上に「P3R」では物理スキル全般に耐性を持つ。
- ハングドマン
鉄骨で作られた十字架に磔にされた姿をしており、羽根を生やしたハイロゥに吊り下げられている(元ネタの「The Hanged Man」は一般的に「吊られた男」と訳される)。
三体の聖母像を召喚し、全て倒すと本体が墜落して攻撃が通るようになる(総攻撃チャンスも同様にして作る)。
しかし、しばらくすると再び聖母像を生み出すだけでなく、マーヤ(逆位置をモチーフにした雑魚敵)を召喚してくるのでチャンスが来たら一気に畳み掛けよう。なお、「P3R」では「刑死の超克」という行動回数を増やすスキルを持っている。
- 名称不明
前日譚『アイギス the first mission』に登場。
アイギス開発主任の君嶋夕が作り出したシャドウ。
フォーチュン、ストレングス、ラヴァーズの仮面がついており、とある理由から影時間外で活動している。
- 名称不明
前日譚『アイギス the first mission』に登場。
大樹のような姿をしている大型シャドウ。
タルタロス
影時間における私立月光館学園の姿。その名はギリシャ神話での奈落を意味する。
ゲームとしてはシャドウが徘徊する自生ランダムダンジョン。
この塔が影時間究明の手がかりになると推測し、桐条グループと特別課外活動部は攻略を目指す。
第一層は世俗の庭テベル 、第二層は奇顔の庭アルカ、第三層は無骨の庭ヤバザ、第四層は豪奢の庭ツイア、第五層は焦炎の庭ハラバ、第六層が憂鬱の庭アダマ、地下階層が深層モナド、頂上は王居エレスと呼ばれる。
なお、山岸風花に頼む事でBGMを『女神異聞録』や『2』で使用された「雪の女王」、「舞耶・テーマ」、「ペルソナ」、「時間城」の4曲のアレンジ版に変更可能。
オネイロス
外伝アプリ「ペルソナ3エム」(時系列は夏休み頃)に登場する屋久島に発生したダンジョン。
このダンジョンが発生する時間帯は「夢時間」と呼ばれ、名前の由来もギリシャ神話の夢の神から。
余談だが、ギリシャ神話において死と眠りは兄弟として扱われており、P3でもそれらを擬神化したヒュプノスとタナトスが登場する。