“マヨナカテレビ”って知ってる?
概要
ATLUSのRPG『ペルソナ4』に登場する都市伝説、及び怪奇現象の事である。
今作の重要なキーワード。
また、公式のラジオ&ニコ生の番組名で「マヨナカ影ラジオ」(ラジオ)と「マヨナカ生テレビ」(ニコ生)が存在する。
以下、多少このゲームのあらすじを記述する。
ネタバレ無しでゲームを楽しみたい人は見ない事を推奨する。
詳細
主人公の転校先である八十稲羽市および八十神高校に伝わる都市伝説。
雨の日の深夜0時、一人で消えたテレビを見つめると『自分の運命の人』が見える
この噂を聞いた主人公・花村陽介・里中千枝達は、早速その日の深夜に噂を実践。テレビには、砂嵐のような荒い画像で、建物に入っていく女性が映し出された。
そして翌朝、八十稲羽で起きた奇怪な殺人事件の第一発見者であり八十神高校に通う小西早紀が行方不明となり、その翌日、彼女は先の殺人事件と同じ様に電柱に吊るされた変死体となって発見される……。
近しい人物が被害者になった事により、主人公達は一連の奇怪な殺人事件とマヨナカテレビの関係性に気付き、マヨナカテレビを調べる内にテレビの中に現実ではない異世界が広がる事を知る。そこは、シャドウと呼ばれる怪物が跋扈する大変危険な世界だった。
そして、主人公達は「テレビで報道された人がマヨナカテレビに映り、最後は死ぬ」という関係性を導き出し、自称特別捜査隊を結成。これ以上、死者を増やさない為にマヨナカテレビに映った人を助け出す日々が始まる。
失踪者と人々の間に広がるマヨナカテレビ
マヨナカテレビの映像は、大きく分けて二種類ある。
一つは、ノイズが走り不透明な映像。
もう一つは、鮮明かつバラエティ番組のようなでっちあげ映像。
二つとも「雨の日の深夜に映る」という条件は同じだが、前者は事件が起こる先触れの役割を果たしているのに対し、後者は事件発生を知らせるモノである。具体的には、テレビの中にペルソナ使い以外の誰かが放り込まれた場合、鮮明なバラエティ映像が映る。この時、テレビに映っているのは放り込まれた被害者であるが、その格好やテンションは本人と大きく乖離し、思わず目を剥くような言動で好き勝手に振舞っている。
ちなみに、このマヨナカテレビを観られるのは主人公達ペルソナ使いに限らない。雨の日の午前0時に一人で見るという条件を満たせば、一般人でも見ることができる(マヨナカテレビが放送された翌日、マヨナカテレビに映った人物のことを人々が噂しているのが聞く事が出来る)。
テレビの中の世界
テレビを通じてペルソナ使い達が入ることの出来る異世界。クマが住んでる世界。
正式な名称は無く、「テレビの世界」「テレビの中」「異世界」「あちら側」などその時々で好きに呼ばれる。
入口はテレビの置かれている場所で対応し、主人公たちが普段使用しているジュネスの大型テレビは、撮影スタジオのような場所に出る。
また、上記のスタジオの外は常に変化し続け、テレビに入った人物に影響され如何様にも姿を変える。
テレビの中の世界に入れる条件は以下の通り。
- ペルソナ使いである
- ペルソナ使いおよび入れる能力者に入れられる(同行者の意思は関係ない)
- とある存在と接触し、テレビに入る能力を手に入れる
連続誘拐殺人事件は、「テレビに入れる能力者」によって被害者が突き落とされることで発生している。
この「能力」とペルソナは、ストーリー終盤で明かされる事になる。
また、周囲には「シャドウ」と呼ばれる化け物があちこちに徘徊し、人間に襲い掛かる。
ペルソナ使いでも能力を持った人間でもない者が長時間テレビの世界に居ると、己の抑圧された人格が分離し、本人そっくりの姿をとったシャドウとなって本人を襲う。さらに、現実世界で霧が出る時(主に雨天の時)、テレビの世界では霧が晴れ、シャドウが活発化する。物理攻撃は通用しないわけではないが、シャドウを倒せるのはペルソナ使いのみであり、普通の人間には大変危険な場所と言える。
特別捜査隊はテレビの霧が晴れ、シャドウが被害者を襲う前に救出しなければならない。
関連タグ
(|^※(注意)下記からはネタバレ要素の強い記事になります|)
ゲームを楽しみたい人は、閲覧しない事を推奨します。
その本質(ネタバレ注意)
『テレビの世界』の窓
物語が進むとすぐに分かるが、マヨナカテレビはシャドウと呼ばれる化け物たちの犇めく『影の世界』を映し出したものであり、テレビの前に立つ者の「抑圧された心理」と「見たいもの」を見せる"心の鏡"である。
よって、その中のシャドウ達も、テレビの中に入った人間の深層心理ばかりでなく、テレビを覗きこむ観衆の心理も反映され、より偏執的で屈折した人物像を作り上げることになる。
マヨナカテレビの番組の登場人物が本来ではありえないようなテンションと人物像だったのは、テレビの中に入れられた人間の「抑圧された欲望」「認めたくない自分の心の暗部」が誇張された結果である。
そしてマヨナカテレビの世界とは、"人の心"を反映し、ある存在によって創造された巨大な心理空間であり、人間なら心に誰もが持っている「集合的無意識」を元に作られた「人の望みを具現化した世界」なのである。
ちなみに誘拐・殺人事件を引き起こしていた2人の人物の供述によると、荒い映像の方のマヨナカテレビは彼らの意図と全く関係なく映っていたとのこと。
むしろ2人の内の1人・生田目太郎は荒い映像の方のマヨナカテレビに人が写ることを「その人物が死の危機にあるサイン」と判断し、助けるためにテレビに入れていた(テレビの世界の危険性を知らなかった)。
つまり荒い映像の方は犯行予告の類ではなく、マヨナカテレビを見る者達の「見たいもの(相手)」が投影されていただけなのである。