この項目にはスマートフォンアプリゲーム『Fate/Grand Order』の第2部全体に及ぶ核心的なネタバレがあります。
人類悪 蒐集
プロフィール
申告真名 | タマモヴィッチ・コヤンスカヤ |
---|---|
クラス | ビーストⅣ:L |
性別 | 女性 |
身長 | 168cm |
体重 | 55kg(霊基の質量は10万t以上) |
出典 | Fate/Grand Order |
地域 | ロシア |
属性 | 混沌・悪・獣 |
ILLUST | ワダアルコ |
CV | 斎藤千和 |
概要
『Fate/Grand Order』に登場するコヤンスカヤのもう一つの正体。
第2部5章後編『星間都市山脈 オリュンポス』にて偶然近くに目的があった主人公たちを嫌がらせで妨害し、それに気づかれると同時に姿を現した彼女。
そこで、今までの情報から「異星の神のアルターエゴ」であるという事実がギリギリのミスリードであった事を気づいていたホームズによって、遂に7つの人類悪の一騎として顕現したクラス・ビーストの幼体であるという事実を推理される。
5章中で該当するビーストの数字は明かされなかったが、後に光のコヤンスカヤのマテリアルにてビーストⅣの候補であったことが語られた。
実は異星の神とは「互いのやる事を邪魔しない」というある種の不可侵条約を交わしており、「商人」としての誇りだけは確かな彼女を牽制するには、外敵として争うより、正当な「契約」を交わして動きを制限しておいた方が良いと判断しての措置であった。
部下の様な働きをしていたのも、偶々利害が一致していたからに過ぎなかった。
そして契約の一環により「自分から正体を明かす事を禁じる」という制約も持っていた事を明かし、「向こうが勝手に言い当てた」カルデアに対してはこの制限が外れてしまった(既に知られている正体を見せる事は、自分から明かす事に該当しない)事で、その力を一行に披露するのであった。
能力
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
なし | ? | ? | ? | ? | ? | ? |
保有スキル
単独顕現(?) | 召喚などを必要とせず、単独で現世に現れることができるスキル。時間逆行などによるタイムパラドックスによる消滅や即死攻撃の類を全て無効化する。 |
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気配遮断(?) | 自身の気配を消す能力。完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。 |
神性(?) | 神霊適正があるかないか。太陽神から(一方的に)眷属認定されているため、ランクは不明だが神性を有している模様。 |
殺戮技巧(人)(?) | 使用する「対人」ダメージにプラス補正をかけるスキル。その時代にある"人類の兵器"を自在に使いその威力を数倍に引き上げる。 |
ネガ・ウェポン(?) | 自身に「ヒト科のサーヴァントに攻撃相性有利」「魔獣型のサーヴァントに防御相性不利」を付加するスキル。 |
戦闘スキル
おそれ うやまい | 全体に恐怖(毎ターン確率スタン)付与(3T/1回)、死亡時発動デバフ付与(3T)、敵の攻撃力アップ(2T)+HP50,000回復。 |
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のろい ふくらみ | 呪い付与(10T/400)。 |
かすみ かがやき | 確率で回避付与(3T/5回)、クリティカル発生率アップ(1T)。 |
まがつぼし | 全体攻撃+呪厄付与(3T)。 |
人類悪ビーストとして
ビーストとしての姿は、黒いモヤの様なもので構成された巨大な四足獣。
深い闇の中で爛々と輝く禍々しい複数の目と鋭い牙口をもち、背後からは目と同じ模様がある「5つの尾」らしきものが突き出ている。
本編では終ぞ正確な全体像を視る事は叶わなかったが、「闇のコヤンスカヤ」の宝具演出でのみ、白い大狐としての全貌を確認する事ができる。
かつて『EXTRA』で語られていた九尾ともまた違う姿だが、これは恐らく彼女が「旧き伝承に依らない、全く新しい九尾に進化する」事を命題とし、まだそこへ至っていない不完全体だからと思われる。
本来であればそれぞれ異なる異聞帯で異なる「毛を持つ怪物」を集めそれを使役し自らの尾とすることを目論んでいた(一種どう考えても毛などない奴を使役している)が、第六の異聞帯にて遂に「異聞帯が9個もない事に気付く」という大ポカを自覚し、目的を中断することになった。
戦闘の際にも「人類悪顕現」ではなく「人類悪蒐集」と表示され、クラス表記はUNKNOWNとなっており、ビーストのクラスアイコンも内側を黒く塗りつぶしたようなデザインとなっている。
幾つもの名称や、3つのクラスが入り混じった不安定な在り方も、こういった事情が関係しているのかもしれない。この為か本人も「真名など自分には不要」として、自ら付けた「コヤンスカヤ」を己が名として使い続けている。
元々初登場以降、その片鱗はあちこちで見せており、
- 『単独顕現』が可能(玉藻や他の分身には不可能)。
- 神父曰く、彼女の一連の行動は「人類を(殺すのが大好きだから)愛している」という「人類愛」に基づいていると称されている。
- カイニスから“『愛玩』のケモノ”と呼ばれていた。
- ヒナコからは「国を滅ぼすことしか出来ない女」と評される。
- 始皇帝からはそのものズバリ「妲己」と呼ばれる。その計測では、霊基質量がケタ違いの10万トンというものだった。
- 始皇帝から全身の肉を削がれる拷問を受けても消滅(死亡)せず、次の章には何事もなかったかのようにピンピンした姿でいる(若干のダメージは残っていたらしいが、普通のサーヴァントならとっくに消滅している)。
- 上記の不調を抱えたまま、自分を殺しに来たアシュヴァッターマンと戦闘し、ベアナックルで前歯全折りするなど多大なダメージを与えた上で逃げおおせている。なお、戦闘前に口調が全く別の尊大なものに変化し、まがまがしい圧力を放った。
そして幾つもの異聞帯を巡り、試行錯誤の末、最終的に彼女がチョイスした新たな神としての到達点は……
バトルにおいて
クラス相性は固有スキル「ネガ・ウェポン」の存在によりかなり特殊な事になっており、クラス相性というよりは「キャラ相性」と言った方が近い。
愛玩の獣に対して弱点を突けるのは魔獣型のサーヴァント。
該当するのは2022年5月時点で玉藻の前、玉藻の前(水着)、タマモキャット、アステリオス、ゴルゴーン、ヘシアン・ロボ、赤兎馬、伊吹童子、ヴリトラ、妖精騎士ガウェイン、妖精騎士ランスロット、光のコヤンスカヤ、闇のコヤンスカヤ、ドブルイニャ・ニキチッチ、大黒天、および霊基第1段階の鬼女紅葉、霊基第3段階の殺生院キアラ(月)の17騎。
この17騎以外のサーヴァント(と、ある条件を満たした例外)はどのクラスでも等倍になる(半減されるキャラはいない)。
愛玩の獣からの攻撃で弱点を突かれてしまうのはヒト科のサーヴァント。
地味にシールダーに対して弱点を突く初のエネミーでもある。
ただしこれとは別に「キャスターに対して攻撃不利」という要素が加えられており、一層複雑。
まとめると下記のようになる。
- キャスターかつ魔獣:攻撃・防御有利
- 玉藻の前、大黒天
- キャスター以外かつ魔獣:攻撃有利
- 上記を参照
- キャスターかつヒト科以外:防御有利
- キャスターかつヒト科:等倍
- 上記以外のキャスター全般
- キャスター以外かつヒト科以外:等倍
- キャスター以外かつヒト科:防御不利
ちなみにこの「ヒト科」属性対象はかなり広範囲にわたり、マーリンやギルガメッシュのような人と夢魔・人と神の混血の半人、イシュタルやパールヴァティーのような神霊の疑似サーヴァント、人間を原型としたAIのBB(☆4)や人間に寄生した神霊であるケツァル・コアトルもヒト科と判定されている。
しかし、狐の化生である刑部姫や龍神の子である坂田金時など一切人間の血が流れていない者の中にもヒト科判定を受ける者がいたりと、その判定には曖昧な部分もある。
この複雑な相性により、オリュンポス実装時点で愛玩の獣に対して攻撃・防御ともに完全に有利を取れるのはタマモのオリジナルであるキャスター・玉藻の前ただ1人であった(現在は大黒天も該当)。
また、神性と魔性の特性を持っているため、これらに対する特攻が有効となる。
なお、「キャスターに対して攻撃不利」なだけであって「アサシンクラスの攻撃相性」と全く同じな訳ではない。
バーサーカーに対しても相手がヒトでなければ等倍になってしまうし、相手がヒトであればルーラー相手でも弱点を突いてくるので注意。
戦闘開始から3ターンは特殊スキル『ぼかし くらやみ』の効果で宝具とクリティカル攻撃に耐性がある事からダメージが殆ど通らないため、まずはこれが切れるのを待ってから反撃へ移ることになる。
加えて、スキル「おそれ うやまい」によって付与されるデバフ効果により、こちらのサーヴァントが倒れるたびにHP回復(5万)と攻撃力アップ(2T)を与える事になるため、捨て駒戦法は出来る限り避けたい。また、同スキルで恐怖状態も付与されるため、不意のスタンでこちらの戦略が乱される点にも注意が必要となる。
さらに長期戦が必死なのにも関わらず、スキル「のろい ふくらみ」によって頻繁に呪い状態を付与して徐々に削ってくる上に、チャージ攻撃時に呪厄状態も付与してダメージを上乗せしてくるので厄介極まりない。
そして、戦闘開始時とゲージブレイクの度に、異聞帯の名前にちなんだ特殊スキルを使用する。
特殊スキルは以下の通り。
- 永久凍土コヤンスカヤ(スタート時)
- 毎ターンチャージ増加(3T)/ クリティカル発生アップ(1T)/ 無敵(1T)、プレイヤー側に攻撃力ダウン(3T)
- 氷焔世紀コヤンスカヤ(1ゲージ目破壊後)
- チャージ最大 / クリティカル威力アップ(3T)、プレイヤー側に防御力ダウン(3T)
- 永世帝国タユンスカポン(2ゲージ目破壊後)
- チャージ減少 / スタン状態(1T)/ 防御力ダウン(1T)、プレイヤー側全体に攻撃力アップ / NP増加(20%)/ 弱体解除1つ / 2000回復を与える
- 旋回輪廻コヤンスカヤ(3ゲージ目破壊後)
- チャージ増加 / 攻撃力アップ(3T)/ 威力アップ・対弱体状態(3T)/ ガッツ(+12万・1回)/ 毎ターンHP回復(+5,000・5T)
4つともそれぞれの異聞帯の王が使用したスキルを意識した効果だが、中国異聞帯のそれだけは適用範囲の敵味方が逆、恐らく正体を察した始皇帝が徹底して名を呼ばなかった事による知名度補正の逆流が原因である。
なお、ブレイクスキルによるバフはいずれも強化解除・強化無効で妨害可能なので、それらの効果を活用できれば攻略を楽にしやすい。
このように、高耐久とバフ・デバフを自在に操ってこちらを翻弄する難敵である。
サポート固定という訳では無いが、アタッカー・サポーター問わず攻略に有効なサーヴァントが限定されているため、手持ちサーヴァントの状況で攻略難度が大きく変化する。
ただ攻撃の威力自体は低いのと、2回目のブレイクではこちらを回復してくれるため、パターンさえ見切れればそこまで脅威ではない上に、弱点を突かれず神性に対してスタンを入れられるエルキドゥや、攻防有利な玉藻の前などをフレンドから借りれば単騎でも十分攻略可能。
BGMも『Nine Drive ~コヤンスカヤ異聞録~』という専用の物が用意されている。
基本は玉藻の「Survant Extra」のアレンジだが、各異聞帯のテーマも混じっており、ゲージブレイクする度に対応したものに変化する。BGMの切り替わる演出は何気に『FGO』では初。
本格衝突となるイベント『非霊長生存圏 ツングースカ・サンクチュアリ』でも、本人曰く「前哨戦用の使い古し」として再びこの姿に変身し戦う事になる(攻略のセオリーも初戦と同じだが、強力な自陣バフが用意されており幾分か楽になっている)。
また後にとあるシナリオでも登場する。この時はクラスがビーストから別に変わっており、有利クラスなら魔獣型以外でも攻撃有利を取れるなどこの時とは微妙に異なった相性になっている。
愛玩の獣の真の力
人類悪 生殖
ロストベルト:ビーストⅣ
上記の前哨戦後、本拠地である「NFF本社ビル」に向かったカルデア一行を出迎えたあと、オリュンポスのときより成長した『六尾』の形態へと移行し、カルデア一行を迎え撃つ。
この形態に至った状態のマテリアルではビーストⅣ:Lである事が判明。
正確にはビーストⅣ:Lost。ブリテン異聞帯でオベロンの企みによってケルヌンノスの『淀み』を注入され、紆余曲折あってビーストでありながら七つの人類悪にならなかった獣。
元のタマモ属要素も、『五尾』の姿の面影も全くなく、無数の動物の手足が生えた白い四足獣の首部分から大角が生えた女性の上半身が突き出ているという、おぞましくも美しさを兼ね備えた異形のもの。
白いストレートヘアで顔は隠されており白無垢の様にも見える。また尻尾が囲む空間からは空想樹の様に宇宙が覗く。
相対した太公望によると「外側だけ形作った蛹のようなもの」らしく6章で負った呪いによって無秩序に肥大化した霊基を押さえつけながら羽化せんとする「成長体」らしい。
六尾状態の能力
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
なし | A | A | B | EX | E | EX |
保有スキル
獣の権能(E) | 『対人類』とも呼ばれるスキル。金色白面の側面に踏み込んでいる為ビースト属性を持つ。 |
---|---|
単独顕現(B) | 単体で現世に現れるスキル。『人間社会の繁栄』によって確立される獣ではないが、宇宙より飛来した隕石を因に持つことで単独顕現スキルを獲得している。もとより『違う世界(領域)から飛来した』者であるビーストⅣ:Lは世界の壁をたやすく突破し、様々な異聞帯に跳躍・転移を可能とした。 |
変化(EX) | 自己のみならず、自身から生まれる生物たちすら変化させ遺伝子を組み替え、新たな生物を創造する。 |
ネガ・セルフ(C) | 動物に生まれる『自我』『自己』を否定する権能。愛玩の獣は『取り込んだ動物たちを、自らの細胞から生成、放流』していたが、生み出された生物は交配による『家系』『系統樹』を作る事を禁じられただけでなく、そもそも生命としての『自我』を持つ事さえ許されなかった。自分の眷属になった生命に、身体の成長、経験の取得、遺伝子配合による進化を禁じる。 |
宝具
雷天日光・禍音星落火流錐(らいてんにっこう・まがねぼしらっかりゅうすい)
- ランク:不明
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大補足:不明
「怒り集え、呪い集え。果てなき人の愛玩に、無明無限の地獄あれ――フハハハハハハハァ!!」
闇のコヤンスカヤと同一の漢字表記だが、ルビが異なる。
劇中ではチャージ攻撃として使用される。
攻略方法
レイドボス
レイドバトル4連戦のラスボスとして登場。撃破ノルマは3000万体という圧倒的なボリュームで待ち構える。
能力自体は、「魔獣を産みだす母体」の要素をベースにしたものとなっており、主なギミックは以下の通り。
- 攻撃時に敵の最大HP減少を付与
- 取り巻きが撃破されるたび自身の最大HPを増加
- こちらが倒されるたびに全体のHP回復+&攻撃力アップ
味方側にも「太公望の援護『崑崙方術』」で5ターンの間神性と魔性に対する特攻状態が付与されていて、本体を倒せばその時点で戦闘終了となる事から速攻が推奨される。
しかし、取り巻きを倒すとそちらのドロップも加わって報酬が豪華になるため、3ターン掛けて6体の取り巻きも全滅させようと試行錯誤が行われた。そのため、直前まで最速記録を更新し続けた歴戦のマスター達でも倒し尽くすのは容易ではなく、討伐完了には一日強もかかった。(逆に言えば取り巻きを気にする余裕を残して戦われた上で二日持たなかったとも言える)
攻略戦
レイドボスとしての彼女を撃破した後は攻略戦……なのだが、道中のそれら以上の厳しいボス戦となっている。
基本ギミックはレイドボスから引き継ぎだが、4本のHPゲージは23万→35万→48万→62万=累計約168万という本作でも屈指の高さを誇る。
ただし、『祭神の呪詛』のおかげで毎ターン2万ずつ削られていく上に、オロチからの援護で追加の呪いと厄災状態も付与されるため、実質的な数値はもう少し下がる。
さらに厄介なのが特殊バフ「ネガ・セルフ(C)」で、これにより常時強化成功率が40パーセントダウンするため、バフを付けられず思ったようにダメージを伸ばせない場面も出てくる。
取り巻きである「異聞眷属」はゲージ毎に変わる仕様となっていて、ゲージブレイク時に生き残りがいても、あちらが即死させて強制排除し、新たな眷属を召喚する。
とはいえ、フィールドにいる間様々なバフ・デバフを発生させてくる厄介者揃いのため、そちらの処理を優先させるのが基本となる。とりわけ厄介なのが最後に出て来る「HWB-M8」で、守りの固いルーラークラスな上に『MS:HMG』によって【自身を除く味方全体に、攻撃を受けると敵全体に即死付与する】という凶悪極まりない効果を持つ。
しかし、これまでの決戦と同様に味方側にも有利な効果が多くある。
2ターンごとに行われるオロチからの援護は健在で、NPCサーヴァントはいずれも永続的な特殊バフを持つ。さらに『玉虚体現・封神執行』によって「ガッツ状態(1回・HP60%回復)」が付与される上に、発動後も5ターン経過すると再び同じガッツ状態が付与される。
本イベントの最終決戦であるため、令呪も惜しまず切っていきたい。
余談
ロストベルト:ビーストⅣ形態にて獣の要素を強く発現したからなのか四足獣部分の前面には明らかに人間の胸に見える箇所がたわわに実っていた。しかもいっぱい。
そのためレイド開始直後にはそっちに目が行ってしまうマスターも多く発生し、遂には複乳が一時的にトレンド入りしてしまった。
ついでに人間部分の見事なメカクレに反応した体で某メカクレ魔人も巻き込まれ、「複乳持ちケモノ系クリーチャーという新たな扉を開く海賊」みたいなネタも少数ながら挙がっている。
関連イラスト
関連タグ
Fate/GrandOrder Cosmos_in_the_Lostbelt
- エンデ・ニル、完全生命体イフ:同じく虚無から生まれたモノであり、あらゆる外的要因に染まる事で在り方が決まった生命。
- マルシーナ:歪められた歴史において、自身の名を付けた獲物を得るという点で同じ。
- 白面の者:金色白面の元ネタを同じくする者で、姿形からネタにされる事も。
決着
彼女の正体は、ツングースカ大爆発によって発生した土地と動物たちの断末魔が収束したもの。
吹き飛ばされた土地の痛み。
為す術もなく一瞬のうちに死滅した動物たちの叫び。
それらが混ざり合い、時空間の歪みとして場に残り続けた残留霊基。特異点収束体(人間大の特異点そのもの)とも。
獣の姿をしているが、本体は土地そのものであり、『第八のロストベルト』と言える存在。
本来はそのまま人知れず消え去るものだったが、2017年1月1日、ビーストⅣの座が「空席」となり、『動物』『自然』をキーワードにした人類悪であるビーストⅣの候補としてカウントされ、人類悪として変生する。
自身と同じ属性(人間への復讐に生きる筈の獣)を持つ自然霊である玉藻の前を参考として受肉し、アルターエゴ霊基を象った。
そのため、オリジナルの玉藻の前からするとまったく身に覚えがなく、しかし自分によく似ているというよく分からない存在だった様子。
本人曰く「私の尾にしてはちょっと……覚えがないし……でもあれ、私ですよねぇ? うーん、タマモちゃんオルタかな?」
と首をかしげるぐらいの同一人物感。
なお、ツングースカ大爆発で誕生したばかりの際、隕石の影響で発生したよく分からないものに対する抑止力として召喚されたドブルイニャ・ニキチッチによって発見され、しばらくの間彼女に育てられていたことがある。
この時に「ヤースカヤ」と名付けられているが、コヤンスカヤ自身はこの名を断片的にしか覚えていなかったため、自らで補完して「コヤンスカヤ」を名乗るようになる。
なお「ヤースカヤ」とはロシア語で「我が一族、我が子」というような意味を持つ女性形の人名で、つまり「俺(私)の娘」という意味、ロシア人男性で「○○○スキー(俺(私)の息子)」という名前の人は多く見かけた事があるだろう。
また落下の際に太陽のような姿であったためか天照に面白いと身内判定され、これもあえて玉藻の前の姿を真似る要因になった模様。
人類に迫害された動物たちの想念が収束し、受肉したものであるため、人間を不要と考え、動物を愛する獣たちの母。
しかし、厳しい大自然の具現でもあるので甘やかすことは(あまり)ない。
ただ、『ひたすら捕食者に狩られる運命』にある兎が魂のコアにある為、捕食する側の生き物には敵味方問わず辛辣であり、捕食される側の生き物にはちょっと優しい。(闇のコヤンスカヤは「ケモノ」で「純真」で「悪は許さないくせに善には騙され食い物にされやすい」アタランテや紅閻魔が該当、特に後者には猛烈にアピールし、隙あらばちゅっちゅしようとする一面も見せる)
『九尾の狐はその尾から魑魅魍魎を生みだし、日本全土の魑魅魍魎はすべてその時に生じたもの』という伝説になぞらえ、獣たちを自らの尾に吸収して九尾となるつもりだったが、「わたしは人類を否定するもの。であれば、私の子供たちも人類史にいないものであるべきです」と考え、ロストベルトにしか存在しない生命を自らの眷属にすることを選んだ。
その目的は、『動物たちの総意(無論、人間含む)として人類圏との絶縁』であり、現人類の滅亡を対岸から眺めながら、現在の地球の環境のまま、人を傷つけない、人に傷つけられない『新しい動物』たちの世界を構築する事。
異星の神に接触を受けたのは人類絶滅の為に企業を立ち上げた直後。
互いに不可侵である事を契約し、異星の神の計画に表向きは協力していたものの、実際はカルデアと異星の神の共倒れを愉しく見守り、どちらが敗れようとも両方を尾として取り込み新しい人類悪として君臨するつもりでいた。
コヤンスカヤとしては是非ともカルデアに勝利してもらい、『人類を救ったマスター』を第九の尾に生きたまま縫い付け、滅びていく人類の光景を見届けさせる予定だった。
しかし、ブリテン異聞帯にてオベロンの策によりケルヌンノスの『淀み』を注入されたことで霊基が増大し、自分の力をコントロールできない暴走状態になってしまう。
そのため、不本意ながら羽化するしかない状態(まだ早いが、もうなるしかない、ならなければ自壊するか自我を失った破壊の権化と成り果ててしまう)になったコヤンスカヤは羽化しきるまでは動けなくなる自分の領域を展開し、カルデアに領域を観測され、抑止力である太公望とニキチッチの召喚を許してしまうことになった。
ちなみに、マテリアルによればコヤンスカヤにケルヌンノスの呪詛を取り込ませるところまでオベロンの企みだったらしい。
NFF本社ビルにまで乗り込まれたコヤンスカヤは、太公望の術によってこれらの真実を暴かれてしまい、腹いせに領域ごと自爆しようとするが、太公望から「誕生した時に刻まれただけの人類への憎しみなんて本当はどうでもいいのだろ?」「そんなもので命を捨てるより自分の提案する方法に乗ってみないか」と提案される。
本来、ツングースカに根を張ったコヤンスカヤの領域は、人理修復の際のエラーになりかねないため残してはおけないものだが、それはあくまで地球上にあった場合の話。
あくまでも固有結界であるコヤンスカヤの領域は、聖杯ほどの歪みを持たず、異聞ほどの終焉も持たないため、地球以外の場所、つまり宇宙に進出すれば存続は可能。
太公望の術によってコヤンスカヤを領域ごと時空凍結に近い状態にし、異星の神を倒してソラが開かれた瞬間に宇宙へと射出する。
それが太公望の提案であった。
そんな提案に乗る気はないと自爆しようとするコヤンスカヤだったが、主人公から「お互いが得をする商談である」という商人としての弱みを突かれてしまい、渋々それを受け入れることとなった。
「……まったく。少しばかり、縁を作りすぎましたか
こちらの唯一の信念(よわみ)につけ込むとは
第一の獣は問答の末に
第二の獣は別離の末に
そして第四の獣は、剣を振るい合う事なく、互いの答えを見つけ出す
───ビースト退治、お見事にございます。これには狐も尻尾を巻きましょう
もちろん。悔し紛れの負け惜しみ、ですけどね?」
そして太公望の術によって卵の大きさまで縮小されたコヤンスカヤは、異星の神との決着がつくまで眠りにつくことになるのだった。
ちなみに、太公望がコヤンスカヤに言った「人類なんてどうでもいい」というのは方便であり、実際はコヤンスカヤには人類を憎む気持ちと同時に、人類を愛する気持ちもあった。
動物たちの想念が収束した存在であるため、その根底には人類と友誼を結んだ動物のものも含まれていたのである。
彼女が太公望の提案を受け入れたのは、その背反にいい加減嫌気が差していたためでもあった。
そのため、リンボと違って人類悪の獣になる資格を持ち、ビーストの証である大角までも形成していたが、根本は最後まで幼体のままであり、人類に対しての災害にならなかった(愛玩の獣として、誇りにかけて人類を直接攻撃する手段を選ばなかった)ため、獣としての銘(な)はない。
以上の結末をもって彼女のクラスは否定された。
傾国の美女なぞ偽りの名。
其は人間が捨てきれなかった、人類史と歩み続ける生命圏。
その名をビーストⅣ:Lost。
七つの人類悪にはならなかった、『愛玩』の理を持つ獣である。