概要
特に戦闘を伴うイベントで負けが確定しているイベントのことである。負けバトルと呼ばれる事もある。シナリオ展開上勝つことは出来ず、負ける事でシナリオが展開する。但し、作品によっては(通常では考えられないくらいにレベルを上げれば)勝つことが出来る場合もあるが、勝ったところでストーリー展開に大きな差異はないことが多い。
負けイベント後に主人公がそのまま死ぬということはほとんどなく、更に強い助っ人が助けに来てくれるか、敵に捕まえられ(一時的な捕縛)るか、或いは想定外の横槍で見逃されるかどれかである場合が多い。ただし主人公が複数存在する作品などでは、そのまま退場もありうる。主人公や仲間が覚醒し敵を倒すなど、バトルには負けるがイベントとしては勝利と言える展開になる場合もある。
負けイベントは、プレイヤーにその敵の強さを知らしめたり、主人公とその敵を因縁の関係にするために入れられていることが多く、その時点では敵わなくとも強くなった後に再戦の機会が与えられ、その時に打ち倒せる展開であることが多い。
RPGでは時折、この負けイベントが含まれる事があり、馴れたプレイヤーであれば負けイベントと分かれば無意味にアイテムを消費せず潔く負けてしまうことも多い(基本的に勝てないのだからアイテムを使うのは無駄である)。一方で、そんなプレイヤーの心理を突いて「負けイベントか」と思わせて敗北したらその後、○○達の行方を知る者は誰もいなかったと出てゲームオーバーになり唖然としたプレイヤーもいるようなので注意が必要である。また、全滅ではなく一定ターンを生き延びるか逃げなければならない(一定ターン後、敵の技で死亡やイベント発生で戦闘終了など)というパターンもあり、こちらの場合は一定ターンを経過する前に全滅した場合はゲームオーバーとなるため注意。
無理矢理勝とうとした場合の挙動
やり込みプレイヤーの中にはこの負けイベント(に限らず通常のプレイでは倒せない敵)を、あり得ない程のレベルアップや作戦などを用いる事で勝利に導くものも居る。
大体、後述のパターンのどれかの展開になることが多い。
どうやっても倒せないものは倒せない
なにをどうやっても 絶 対 に 倒せない。
手法としては無敵や不死のフラグによりどのような選択をしてもHPを減らせないケース、絶対にパーティを全滅させる攻撃やHPを一定以下にするとイベント発生などで戦闘を強制終了させるケース、文字通り桁違いの異常に高い能力値によって理論上の最高ステータスと最善手をもってしても勝利が不可能なケースなどがある。
昔のゲームでも一部あったものの、データ容量などに制約が少なくなった最近のゲームには特に多い。これは無敵フラグなどを実装しやすくなったためである。
ダメージが全く入らない、またはHPを一定以下にすると終了といったパターンだとすぐに負けイベントだと気付けるが、ダメージは入るが不死(HP0になっても死なない)だと気付きにくいため注意。アイテムの浪費などには気をつけたい。
DQ9のイザヤール戦のような、こちらが抵抗することさえできない特殊なイベントも中にはある。
一例
- Ghost_of_Tsushima(1周目限定プロローグのコトゥン・ハーンとの一騎討ち。HPバーを削りきっても戦闘終了しない。パリィなど基本動作の一部までロックされた完全な初期状態で挑むことになるので、勝つ想定がされていないと思われる)
敗北扱いになる
倒せないパターンに類似しているが、昔のゲームに見られがちなケースであり、容量の都合で「絶対に」倒せないスペックを作れない場合にこうなることが多い。
倒しても「負けたかのように」展開が進んでいく為、(普通は有り得ないが)負けイベントと気付かなかった場合は意味不明の展開となる。これは元々勝つ想定が為されていないためであり、戦闘終了=敗北イベント展開となっているからである。
勝利すると展開が変わる
ただし、多くの場合は多少セリフが変化する程度ですぐに通常ルートに合流してそのまま続行するケースや、ストーリー上勝利しても直後にイベントで敗北するケースが多い。
とはいえ勝利によってレアアイテムが手に入ることもあるなど、やり込みプレイヤーなどには嬉しい仕様である。
周回などで「強くてニューゲーム」があれば、このパターンが用意されていることも多い。この場合、1周目では負けイベントだが、周回プレイなどでは異なる展開を与えるものであり、制作者側が勝つ想定をしていると言える。
連続戦闘になる
サガフロンティア2の南の砦のように、勝利しても続いて新たな戦闘が発生し、こちらが負けるまで延々とバトルが繰り返されるパターン。プレイヤー側のリソースが尽きるまで続くため、敵の強さを考慮する必要が無く、一見すると強くないザコ敵とのバトルが実は負けイベントだったという罠を仕掛けることが可能。当然、勝利してバトルが終わること自体がありえないため、必然的に最終的には負けて普通に進行することになる。「倒せないほどの強敵に敗北する」というよりは、「あまりにも敵の軍勢が多すぎて押し潰される」というシチュエーションに多い。
FC版FF3の暗闇の雲のようなパターンは、想定外の戦力で倒された場合の対策として用意されたイレギュラーなもの。この場合は専用のセリフがあるため、開発者も想定していたようだ。
ちなみに、一部で有名なDQ4(初代)のキングレオに関してはバグであり、本来は敗北扱いのパターンである。なお、これに関してはチートを使用しないと勝利すること自体不可能になっている。
一例
- スーパーロボット大戦シリーズ(ただしゲーム上でも負ける例は非常に少なく、殆どの場合負けイベントは道場や狩場、スコアアタックと同義)
ゲーム終了になる
勝利すると展開が変わるパターン同様、やり込みゲームでは見受けられる展開である。当然1周目用ではなく周回プレイ前提で用意されていると言える。
ゲームオーバー扱いの場合と、エンディング扱いのパターンがある。
一例
- 魔界戦記ディスガイア2(エトナ撃破でエンディング)
- 圧倒的遊戯ムゲンソウルズZ(シュシュに勝利するとゲームオーバー)
- テイルズオブシンフォニア ラタトスクの騎士(ロイド&マルタに勝利するとバッドエンド)
- テイルズオブデスティニー(リオン・マグナスとの初戦に勝利するとバッドエンド)
- 鬼畜王ランス(プロローグの負けイベントに勝つとオープニングの前にエンディング)
- クロノトリガー(負けイベントの古代・海底神殿のラヴォス戦で勝利するとエンディング(専用の物ではなくドリームプロジェクトEDになる))
- ラングリッサーシリーズの一部作品(最初のシナリオでボスを倒すと「面セレクトの裏技」のメタ発言と共に不正扱いによりゲームオーバー)
不具合発生
昔のゲームによくあったパターン。
勝つ可能性を想定しなかった、あるいは当時の技術や容量では勝った場合のフローを実装できなかったなどの理由で勝ってしまうとゲーム自体の進行が不可能になる、最悪の場合その場で即フリーズして詰んでしまい、どうしてもリセットするしかなくなる。
最悪とかいたが、本当の本当に最悪な場合はセーブデータが破壊されることすらあった。
近年では技術力や容量の向上と、負けイベントだからこそ無理やり勝ちたいゲーマーの性根が認知されたこともあってこのケースは減少している。
他に、負けイベントのイベントが発生せず、勝つことも負けることも出来ずにバトルが延々と続いてしまうという不具合もある。
一例
- マリオストーリー(最初のクッパ戦では行動の選択肢も強化アイテムも無いためクッパのHP以上のダメージを与えられず敗北する事が確定しているのだが、チートを使って正規の手順を越えるダメージを与えHPを0にした途端、フリーズし画面が止まった状態になる)
- ファイアーエムブレム 封印の剣 (13章にてチートでゼフィールをイベント前(セシリアと戦う前)に撃破し、自軍フェーズを終了するとユニットが変な表示を起こしてそのままフリーズし、ゲームの進行が出来なくなる。
- 自軍フェーズを終了に動かすはずのゼフィールのイベントを発生するフローを潰してしまったためであるのと、本来ゼフィールの能力自体もこの時点の自軍ユニットでは倒せない上、そもそも自軍が1ターンでゼフィールの場所まで到達出来ないため、それを撃破されることを想定されていなかったのが原因か。)
- スーパーロボット大戦シリーズ(近年になって増えてきた上記の連続戦闘の派生型。やりすぎた結果、ハードの過負荷によりフリーズする)
著名な負けイベントの敵
- イザヤール(ドラゴンクエスト9)
- エルギオス(一戦目)(ドラゴンクエスト9)
- ガドイン(グランディア)
- キングレオ(4章)(ドラゴンクエスト4)
- ドグマ(ドラゴンクエスト6)
- クジンシー(ロマンシング サ・ガ2)
- ゲマ(幼年期)(ドラゴンクエスト5)
- ゾディアック・ヴァルゴ(RefleX)
- 難馬恭司/Diablo-Seven(レーシングラグーン)
- ダイダ王子(新桃太郎伝説)
- テッドブロイラー (メタルマックス2)
- 泥水次郎長 (銀魂乱舞)
- ヒューバート(テイルズオブグレイセス)
- ベアトリクス (ファイナルファンタジー9)
- ホメロス(ドラゴンクエスト11)
- ユグドラシル・マリス(グランブルーファンタジー)
- ラディッツ(ドラゴンボールz カカロット)
- リオン・マグナス(テイルズオブデスティニー)
負けイベントに見せかけて負けイベントでは無い敵
- アダマス・ホログラード、ガラハード・ケリー(ブレイブリーデフォルトⅡ)
- アリアンロード(碧の軌跡)
- オメガ、神竜(ファイナルファンタジー5)
- さんぞく兵、さんぞくマージ、さんぞく、エテポンゲ(ドラゴンクエスト7)
- 朱雀(魔界塔士Sa・Ga) - 逃げる必要がある。
- ドルマゲス(ドラゴンクエスト9)
- バルバトス・ゲーティア(テイルズオブデスティニー2)
- 真島吾朗(龍が如く極)
- ムドー(ドラゴンクエストⅥ) - 本物兼2回目の戦闘時
- ユリゼン(デビルメイクライ5)
- リグレット(Caligula2)
- レドナ・トェムとの初戦(FFTA) - 一定ターン生存する必要がある。
- グラスワンダー(ウマ娘プリティーダービー・メインストーリー最終章後編) - 史実再現。「自分が所持している殿堂入りウマ娘からスペシャルウィークに思いを継承させる」という当レース限定のギミックを利用し、とあるスキルを継承させる必要がある。
プレイヤー側が負けイベント
ワードの衝撃具合とともに、2021年3月3日にtwitterトレンド入り。システム上は通常通りレースをするのだが適性が圧倒的不利となる関係で勝利不可能な現実を突きつけられる。しかし、システム上は普通にレースが成立するため理論上は勝利する事も可能であり、圧倒的不利を乗り越えて一着ハルウララを実現させようというトレーナーは後を絶たない……。余談になるが、ストーリー上は有馬記念に出走するのが目的であり、着順は問われないため普通にプレイする分には負けイベントと割り切れば問題なくプレイ可能。が、因子継承などやれる手を尽くし茨の道を進むトレーナーも決して少なくはなく、勝利時には専用のイベントが発生する事がゲーム中のイベントギャラリーで公式に明かされている。→有馬チャレンジ
なお、他にも一部ウマ娘の育成において適性外のレースの出走が目標として課せられるイベントがあり、システム上は1着を取る事も可能で専用イベントが発生する。
余談
pixivでは勝てる気がしないというタグがある。イラストのキャラクターがあまりに強そうな場合の閲覧者の声なのだが……負けイベントとは、要するにそういう相手を眼前としたイベントだと思えば良い。
ゲーム以外の作品において、主人公達が負ける話を「負けイベント」と言うこともある。
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