概要
ALICESOFTより1996年に発売された18禁SLGである。分類では地域制圧型SLGで、その最初の作品である。また、Ranceシリーズの作品としては外伝とされているが、ほかのナンバリング作品に劣らぬボリューム量で、発売から15年以上たった現在でもファン人気は高い。
シリーズが進むごとに肥大化していく設定から、スタッフもいつ完結するか分からなくなっていたので、とりあえず現時点での暫定設定の公開とスケールのドデカいお祭り的作品として製作され、初期版には無茶苦茶分厚い設定資料集が付属していた。
主人公ランスがもしも国王になったら?をコンセプトにリーザスの国王となったランスが人間界、魔人を統一し、最終的には創造神ルドラサウムまで登場するシリーズ1のスケールの大きな作品となっている。
正史的には外伝とされ、その後発売された5D、6、戦国は鬼畜王とは直接繋がらないストーリーとなっており、鬼畜王に登場したキャラでも他の作品で登場した際はキャラ設定が大きく変わっている事も多い(織田信長、小川健太郎等)。
あまりにも膨大なイベント数からコンプリートするのは至難を極め、発売から数年に渡り美少女ゲーム誌の攻略希望作品に名を連ねたが、当のゲーム誌でさえ外部攻略サイトの紹介に留め誌上記事を諦めるほど。その膨大なイベントから二次創作等同人作品も一時期隆盛し、当時公式ページに存在したユーザー投稿コーナーでも圧倒的な投稿数を誇っていた。
この作品が凄すぎてメインスタッフが数年間スランプに陥ってしまい、数年に渡り本シリーズが途絶してしまうハメになってしまった。現在では最新設定を反映した「真・鬼畜王」が作られないかと待ち望むファンも多い。
現在、アリスソフトのフリー配布宣言の対象ソフトとなっており、アリスソフトアーカイブズ 等の配布サイトからCD-ROMイメージをダウンロードして''無料でプレイすることが可能となっている。''
有史によりWebブラウザ上で遊べるようにした『鬼畜王 on web』も公開されている。
対応OS:「Windows95」「98」「SE」「2000」「XP」「VISTA」「7」
(ただし9x系以外のOSは通常の物でなく、ゲームCD-ROM内のNT用のインストーラーでインストールする必要有り)
ゲームシステム
ターン 毎に「戦争」「強制徴収or施設訪問」「迷宮探索」「兵員増加&補充」「武将会話」「ハーレム」「施設建設」が各1回ずつ可能となっており、防御ターンでの敵の攻撃を退けながら大陸統一を目指すというのが基本的な流れとなっている。
支配都市が増えると武将やハーレムの女性キャラも増えていくが、加入に特殊な条件がある物も多く、タイムリミットも有るため、攻略方法をメッセージなどから得て戦略を練って進めていく必要がある。当時の公式では『詰めランス』とも呼称された。
ユニットにはそれぞれ攻撃力、防御力、魔力(=魔法防御)、指揮力、作戦成功率、兵種、攻撃回数、HP等が設定されており
これらはあくまで指揮官の能力、個人の能力に過ぎず、戦争の際はさらに部隊の人数がそのまま部隊の攻撃力とHPとなり、ユニットによって様々な個性がでている。
- 例
ユニットAは自分の戦闘力が低く率いる兵種が弱いが、作戦成功率が高い
ユニットBは自分の戦闘力が高く率いる兵種も強いが、攻撃戦、防御戦では指揮修正に-が掛かる
この場合一見するとBの方が強く見えるが、指揮修正は必ず発動するのに対し作戦は絶対発動するとは限らないが、発動した際には大きな修正値が働き、往々にして弱い兵種は数を増やしやすいため一概にどちらが強いとも言えない。
ストーリー
盗賊団撲滅の依頼を受けてヘルマンくんだりまでやってきたランスとシイルだったが、なぜかそのまま盗賊団の首領に収まり、周辺都市を荒らしていた。
しかしヘルマンの警備団の撲滅対象となり、盗賊団は壊滅しシイルもまた警備団に囚われてしまう。
命からがら逃げ出してかなみに拾われたランスは、以前からランスに想いを寄せていたリーザス女王リアの口車に乗っかり彼女と結婚、リーザス王となって世界征服に乗り出すのだった。
事実上のリメイク、ランス10
鬼畜王ランスから20余年、ランスシリーズの完結作として発売されたRanceⅩ-決戦-は、事実上、本作のリメイクとして作られている。
ただし、シリーズ最終作でありストーリー性の方を重視したためか、残念ながら戦術シミュレーションとしての後継性はほぼ無い(変則のターン性RPGといった方が良い)
一方で、ストーリー面においては見事に鬼畜王のリブート版であり、新シリーズでここまでに出番・活躍がなかったキャラもおおむね鬼畜王のノリに準じた活躍を与えられている他、鬼畜王においてはグランドエンドでも「問題の先送り」でしかなかったランス世界の根本的問題により前向きな決着をつけているなど、当時はシリーズ途上であるが故に中途半端な解決しかなかった各種の設定を畳んでおり、シリーズ完結編に相応しいリメイクとなっている。
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