以下はクロノトリガー及び続編クロノクロスの重大なネタバレが含まれます!
概要
『クロノトリガー』に登場するキャラクターで、本作のラスボス。ちなみに、ゲーム中で起きる事件のほとんどがだいたいこいつのせいであり、続編もだいたいこいつのせいと、シリーズの諸悪の根源でもある。一応トリガーの時点では生物の本能と言う事で悪とは一概には言えなかったのだが、クロスでの設定で「これ邪悪だろ」と考える余地が出てきたちょっとかわいそうなラスボスである。ただし人類が繁栄したのもラヴォスのおかげであり、人間達の母と言える存在でもある。
名前の由来は上記の通り「ラスボス」からであり、作中では原始人の言葉である「ラ(火)」+「ヴォス(大きい)」から取られている。
ゲームのラスボスにしては珍しく、作中で(少なくとも人間の言葉では)一切喋らず、クロノ達と直接意志疎通を交わすことがないため、その目的や真意については測りかねるところがある。
生態
宇宙生命体の一種であり、星(惑星)に巣食ういわば巨大な寄生虫。宇宙を飛び廻って生命体の住む惑星へと飛来し、隕石のように激突すると、そこから惑星の中心部へと移動して長い眠りに入る。その間は長い時間をかけて地上の生き物のデータ、すなわち遺伝子を収集して自らに取り入れ、力を蓄えつつ自己進化をするという性質を持つ。そして力を蓄えきると地表へと現れ、地上に光の雨を降らせて惑星を死滅させる。その後は地表を自分のテリトリーにしてから子供を産み落とし、この子供達はやがて新たな星に寄生する為に宇宙へと旅立つ。
ゲーム内での活躍
原始時代(B.C.65,000,000)に赤く輝く隕石のような姿で地球に飛来し、アザーラを巻き込んでティラン城付近へと落下。奇しくもこれによりティラン城が崩壊し、人類と恐竜人の戦いを終わらせることにもなった。
古代(B.C.12,000)ではラヴォスの力を利用しようとして精神が歪んでしまった魔法王国の女王ジールの手により一時的に目覚めている。この時ラヴォスは強大な力を解放し、空に浮かぶ魔法王国を崩壊させてしまったが、同時に地球全土を覆っていた雪雲も吹き飛ばしてしまい、氷河期を終わらせている。
中世(A.D.600)ではラヴォスを討ち取ろうとしていた魔王の手によって目覚めさせられる予定だったが、クロノ達の活躍により阻止され、残されたラヴォスの力は魔王城もろともクロノ達と魔王を時空の彼方へと消し去った。
現代(A.D.1000)では大人しく眠りについているが、地震を度々引き起こしており、何も知らない人々を不安にさせている。また中世の時代の出来事を受けて、魔族の間では神として祀られている。
世界崩壊(A.D.1999)では、後に「ラヴォスの日」と呼ばれる日の午後1時24分に覚醒。体内から光を放ち、地球全土を焼き払って壊滅状態に追い込んだ。クロノ達は偶然その歴史を知り、悲惨な未来を変えるために様々な時代を旅することになる。
未来(A.D.2300)ではラヴォスの攻撃を受けて、地球全土がクレーターだらけの荒野と化し、空には暗雲が立ち込めて常に吹雪が舞っている。ラヴォスが出現した地点は「死の山」と呼ばれる巨大な山と化しており、ラヴォスの子供であるプチラヴォスが複数体生息している。覚醒した親ラヴォスがどうなったのかは不明(エネルギーを使い果たして死の山と化したのか、再び宇宙へと飛び立ったのだろうか)。
続編クロノクロスでは、クロノ達に滅ぼされることを知った古代のラヴォスが未来の時間に干渉し、タイム・クラッシュを引き起こしてしまう。この出来事によりクロノトリガーとは異なる並行世界(改変された歴史)が誕生してしまった。
第一形態(外殻)
巨大なハリネズミの様な姿をした生き物。長い間地中に眠りそこからクロノ達がこれまでに遭遇したボスの戦闘スタイルを模倣し、ボスラッシュのような形で戦闘することとなる。しかしHPなどの数値までもそのまんまコピーしている上、戦闘毎に装備変更や回復まで可能なため、さほど苦戦はしない。
……と思って挑むと最終戦で後悔することになる。ボスの模倣をやめた本来のラヴォスの力は凄まじく、生半可な実力で挑むと返り討ちに遭う。しかもこれを倒してもゲームクリアにはならず、中にいる本体との戦いが待っている。
古代(B.C.12000)の海底神殿で戦う際には魔神器の影響で強化されており、尋常ではない強さを持つ。そのためユーザーからは『最強外殻』とも呼ばれる。特に1周目では、よほどレベルを上げまくって装備を充実させていない限り開幕時の全体攻撃で瞬殺される。勝ちたいなら混乱対策も必須。
所謂負けバトルなのだが、一応勝つ事も可能で、このまま第三形態まで勝利すれば(第二形態以降は通常と同じ強さ)『開発室』のエンディングを見られる。
ラスボスではあるのだが、物語の序盤で時の最果てに行った後は時の最果てにあるバケツの中のゲートからいつでも戦うことが可能。
シルバードを入手した後はシルバードでラヴォスの日に移動することでも戦える。
シルバードが飛行できるようになった後は、シルバードで外殻に突撃するという形で第一形態との戦闘を飛ばすことが可能だが、その際の衝撃でシルバードが大破してしまう(ちなみにラヴォスは第一形態で大気圏に突入している辺り、それなりの耐熱と硬さがあると思われる)。この場合、エンディングの内容も若干変化する。
「強くてニューゲーム」ではリーネ広場の物体転送装置の右側に光るポイントが出来ており、そこを調べるといきなりコイツとの戦闘になる(各ボスの模倣形態はなし)。未来に行くまでの間のエンディングを見るときはここを利用することになる。これを使えばたった一人でラヴォスに挑む事も可能である。
第二形態(本体)
巨大な鎧を着た人のような姿。「ドラゴンボール」のセルにも似ている。古代でラヴォスエネルギーを制御していた「魔神器」に似ており、おそらく、装置をラヴォスが逆に利用したものと考えられる。
本体の他「左腕」「右腕」が別個の敵キャラとして扱われ、片方だけでも潰しておかないと強力な攻撃を放ってくる。また「邪 気 」「 影 殺 」「 闘 炎」と妙な表記の攻撃の後に「邪影闘気殺炎」という言葉遊びのような攻撃を行うことも。
漫画作品『時空冒険 ヌウマモンジャー』ではこの形態がラスボスとして登場し、コアの方は登場しない。
第三形態
最終形態。詳細はラヴォスコアを参照。
プチラヴォス
A.D.2300の死の山において遭遇するラヴォスの子供。まだ幼体であるためか比較的簡単に討伐することができるが、小さくてもラヴォスであるため、死に際に強力な技を繰り出してくる。全部で3体存在し、最後の3体目だけは倒しても殻が残る。
プチラヴォスR
黒の夢の中で遭遇するもう一体のプチラヴォス。死の山の3体よりも戦闘能力が向上している。
夢喰い(ゆめくい)
夢喰いはDS版クロノ・トリガーに追加された隠しラスボス。ゲーム上はひらがなで「ゆめくい」と表示される。見た目はラヴォス外殻の色違いだが、その強さは「ラヴォスコア」を凌駕する。
「クロノ達と魔王が協力した歴史」にて倒されたラヴォスの怨念が、時空を彷徨っていたサラを取り込んで生まれた新生命体。彼女の負の思念、そして星に住む生命が見る夢を糧にして成長を続けている。サラ自身もラヴォスに意識を侵食され、正気を失っている。
攻撃手段は第一形態の「天から降り注ぐ~」の強化版である「ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド」、第三形態の最大物理と魔法攻撃を上回る「巨星(特大物理攻撃)」「虚無(無属性究極魔法)」など、これまでのラヴォス全形態から特に優れたものを折衷し強化したとも言える凶悪さである。
サラ曰く「力に頼る限り、世界の絶望と悲しみは癒せない」とのこと。やがてこれが『クロス』において全ての元凶である“時を喰らうもの(後述)”へと変化することになるという。仮に夢喰いの時点で消し去りサラを開放しようとするならば、“時を喰らうもの”と同様に“調停者”の存在が不可欠と思われる。
クロノ達では夢喰いを倒すことはできず敗北。しかし一瞬だけ正気を取り戻したサラの手により、クロノ達はいずこかの時代へと転移させられた。このエンディングは続編クロノクロスを意識したものとなっている。
クロノクロスでのラヴォス
ストーリー中盤、ミゲルの口から初めてその存在が語られた。以後も要所要所で名前が登場し、ラスボスを倒したと思った時に真のラスボスであることが判明する。
太古の昔、星に飛来したラヴォスは各地に自身の欠片である「凍てついた炎」を残している。猿達はそれに触れたことで異常進化を遂げ「魔法」なる力に目覚めた。そうして建国されたのが「魔法王国ジール」である。このことからアルティマニアでは「ラヴォスは人類の母」と称されている。
時を喰らうもの(時喰い)
クロノ・クロスにおけるラストボス。劇中では「時喰い」とも呼ばれる。
その正体は、クロノ達に倒されたラヴォスが「夢喰い」として生き続け、サラのみならず長い歴史や多数の平行世界の中で倒れて行った生物達の無念を取り込み進化した全く新しい生命体。始まりも終わりもない「時の闇の彼方」に巣食っている。
この時を喰らうものが完全に覚醒した暁には、時空を喰らい尽くし時間を止めてしまう(=滅ぼしてしまう)と言われている。そうなれば全ては無に還り、歴史は始めからやり直すこととなる。ラヴォスはこうすることで自分が死ぬという歴史を無くそうとしていた。
そうなれば当然「クロノ達にラヴォスが倒される」という歴史は消え、「殺された未来の復讐」が実現してしまう。ここで言う「殺された未来」とは、クロノ達がラヴォスを倒したことで回避された「A.D.1999(ラヴォスの日)以降」を指す。文字通り、歴史改変により「なかったことにされた(殺された)未来」である。時喰いが覚醒すればラヴォスは倒されなかったことになるどころかすべてが無に帰す。破滅の道連れとも言えるこれが「殺された未来の復讐」である。
時喰いが目覚める条件は二つ。一つは、このまま生命体を取り込み続けること。もう一つは調停者と同化すること。後者の場合は早い段階で目覚めてしまい、歴史が滅ぼされてしまう。ホームワールドに死海があるのは、セルジュが時喰いに取り込まれる可能性が高いことを暗示している(未来の時間が反映されている)。逆にセルジュが死亡しているアナザーワールドでは神の庭は健在だが、遠い未来にて時喰いが覚醒すればすべては無に帰す。セルジュが時喰いを解放しない限り未来はない。
この時喰いは単純な攻撃では倒すことはできず(ただの攻撃を繰り返すだけでは時喰いを逃してしまい、後日談が描かれないBADENDになる)、様々なイベントをこなしてクロノクロスというアイテムを手に入れ、それを正しく使って初めて時喰いを消し去ることができる。本作の目的はクロノクロスを用いて時喰いを浄化し、サラを解放して世界を救うことにある。ちなみに画像上部の金髪幼女がサラである。
クロノクロスを使った場合、時を喰らうものを構成する無念は浄化され、サラも龍神も一つの夢へと還元される。そして二つの世界は個別の事象となり、セルジュ達もまたそれぞれの居場所へと還っていった。サラが救われるかどうかはプレイヤーの手に掛かっている。
龍神(クロノクロス)
クロノクロスに登場する7匹の龍が融合した姿。この「龍神」も時喰いと呼ばれているが、こちらはこの次元で活動するための分身体である。アルティマニアには、本体は「進化体」or「進化形態」、分身は「初期形態」と表記されている。実質的なラスボスであり、ぶっちゃけ本体よりこっちの方が強い。戦闘面でのラスボスが龍神、エンディングを見るためのラスボスが時を喰らうもの。
関連タグ
他作品
宇宙から飛来し、衝突した惑星のエネルギーを吸い取ったのちに、その惑星を滅ぼそうとする宇宙生命体繋がり。