「……時は満ちた。
運命という名の永遠の鎖を
解き放つ者へ、我が力授けん」
概要
エルニドで信仰されている存在で、六匹いることから「六龍神」とも呼ばれる。
自然界を司ると言われており、実際に六匹とも各エレメント(属性)に対応した能力と特性を持つ。
かつては亜人と共存していたが、龍人が姿を消すと同時に龍神信仰も薄れ、現在ではガルドーブの民が信仰を続けるのみとなった。
ツクヨミが言うには「悪しき炎(凍てついた炎)を神の庭に封じた」とのことで、神の庭の入り口である「神の門」は六龍神たちによって封印されているとのこと。
龍神たちはHOME、ANOTHERの両方に存在していたが、死滅している個体もいる。そのため双方の世界に同一の個体は存在しない。ANOTHERの個体は一般的に言われる「龍(ドラゴン)」に近い姿をしているが、HOMEの龍神はとりわけ特徴的な容姿をしている。ちなみにメイン画像の龍神は「水龍」であり、見ての通りドラゴンとはかけ離れた姿をしている。
種類と居場所
個体名、性別、属性、居場所の順に記載。
水龍(♀/青/水龍の島HOME)
サンショウウオのような姿をしており、シナリオ次第では最初に会うことになる。
緑龍(♂/緑/世界のへそHOME)
のんびりしているように見えるが狡猾な老人のような性格。劇中でもノーヒントのため出会うのが最も困難。
土龍(♀/黄/土龍の島HOME)
ナメクジのような質感をしており、かなりの巨体。
炎龍(♂/赤/死炎山ANOTHER)
人間臭い性格をしており、セルジュたちが最初に戦うこととなる。唯一変身能力を持つ。
黒龍(♂/黒/マブーレANOTHER)
街中で眠りについており、探索の必要もなく簡単に目にできる。またイベントを省略することで戦闘が回避できる。
天龍(♀/白/天龍の島ANOTHER)
六龍神のリーダー格であり、セルジュたちに興味を示す。序盤ではANOTHERの蛇骨館を飛んでいたが、後にHOMEにも姿を見せている。
ストーリーへの絡み
序盤から終盤にかけて何かしらの形で主人公たちと関わり、戦うこともあれば味方として助けてくれることもある。
片方の世界では死んでいて、もう片方の世界では生き延びている。この符号が意味するものとは果たして……?
※以下はクロノクロスに関する重大なネタバレが含まれます!※
水龍「フェイトが倒れた……運命が死んだぞ……」
炎龍「ついに時が来たか……」
緑龍「さよう……長い、長い夜も……ようやく終わりを迎える……」
土龍「さあ、それではヤツら、人間どもに……」
黒龍「あがなってもらうとしよう……」
天龍「百万年にわたるこの星の、痛みと、悲しみを……!!」
ネタバレ
正体
その正体は、1万年前に存在していた龍人たちによって創り出された自然制御マシン。星のエネルギーの集合体であり、龍の姿は飽くまで仮の姿である。理の賢者ガッシュは「自然そのもの」と述べている。
1万年前、フェイトに敗れた際に六つに分割され封印されていた。ツクヨミは「六龍神が凍てついた炎を封印した」と述べているが、実際は逆であり「フェイトが凍てついた炎を用いて龍神を六体に分け封印していた」のだ。これが「六龍神」の正体である。なお、人格や思想はそれぞれ異なる様子。
更にフェイトは六龍神の力を「エレメント」として利用していた。
自分たちではフェイトに手を出すことができないため、セルジュたちを言葉巧みに誘導してフェイトを倒すように導いていた。
ちなみにツクヨミもまた龍神の一体であり、正体は七番目に生み出された「月龍」である。サラがこの時代に接触した際にひずみが生じ、一時的に龍神本体の時間的封印が弱まったことで一部が分離。それがツクヨミとなった。
前述の通り六龍神の各個体は「片方の世界では死んでいて、もう片方の世界では生き延びている」という境遇にある。まさにセルジュと同じである。
終盤では次元を超えて合一し、本来の姿へと戻った。これが本作の実質的な最終ボスとなる。
龍人
龍神の造物主。世間的には高度な文明を誇った古代人とされているが、その正体は原始時代に生き残った「恐竜人(アザーラの子孫)」たちが進化を遂げ、星に近い存在となったもの。前作クロノトリガーでは恐竜人は滅亡していたが、並行世界では生き延びており、それが進化したのが龍人である。本来なら彼らはこの次元には存在しないのだが、それについては少々複雑な事情がある。
クロノたちに倒される可能性を知った古代のラヴォスは、歴史を変えるべくA.D2400年代にあった「凍てついた炎(ラヴォスの欠片)」を呼び寄せようとした。結果、タイム・クラッシュが発生してしまいフェイトと未来人たちはクロノポリスごとB.C10000年代と来てしまった。未来人の出現に危機を感じた「星」は、並行世界のA.D2400年代から龍人たちが住まうディポリスを呼び寄せたのだった。
未来人と龍人。遠い昔に滅ぼしたはずの存在と顔を合わせた両者は、この時代においても過酷な生存競争を繰り広げることとなった。前述の通り、結果はフェイトの勝利。龍人は滅亡し、龍神は六つに分割されてその力をエレメントとして利用された。
龍族
劇中では「龍族」なる種族も登場しており、劇中でも龍人を龍族と表記しているが厳密には異なる。アルティマニアによれば、恐竜が進化したのが恐竜人(龍人の祖先)で、恐竜が別方向に進化したのが龍族。どちらも始祖を同じくするものだが龍人は人間と殺し合い、龍族は人間と共存するなど違いが大きい。なお、龍族は殆ど絶滅しており登場するのはセルジュの仲間の「龍の子」や亜種と言われる「ヒドラ」くらいである。
ちなみにキーアイテムの一つ、龍の涙は龍族が共生の証として人間に託したもの。古龍の砦を起動させられたことから龍族と龍人は古代から関わりがあったと思われる。
目的
一言で言えば「人類に対する復讐」である。フェイトたちに負けた怨みがあるのかと言うと、それだけではない様子。
そもそも太古の昔、この大地を支配していたのは恐竜だった。だが、ラヴォスの欠片に触れた猿(原始人)たちは進化(変化)を遂げ、「魔法」という力を身につけた。その末に建国されたのが魔法王国ジールである。
このため龍側は人類を「ラヴォスの子」と述べており、「星を喰らい尽くす(自然を破壊する)」とセルジュに語っている(古龍の砦の会話)。龍神は自然そのものであるため、星を傷つけた人間たちが許せないのだろう。実際にマルチエンディングでは「星の痛みを思い知らせる」ことを復讐の理由に挙げている。
ちなみに1万年前はエルニド全土が「神の庭」と呼ばれており、亜人と共存する形で龍人たちが暮らしていた。しかしフェイトが龍神を封じて新たな『神』となったため、クロノポリス一体の海域が「神の庭」と呼ばれるようになった。龍人が滅亡した後、フェイトによって人工島が次々と創り出され、それが「エルニド諸島」となった。そして「エルニド諸島」には記憶を消された未来人たちが原住民として住まわされた(未来を知る故に歴史が変わり、自分たちの存在が消えるのをフェイトが恐れたため)。
このため龍神からすれば、エルニドの人々は自分たちの居場所を奪った簒奪者の子孫である。怨み骨髄であろう。
しかし、天龍は死海の消滅からセルジュたちを助けた際に「お前たちがどう生き、どう死ぬのか見届けたくなった」と告げている。これが単なるポーズだったのか、本心だったのかは今となってはわからない。
時を喰らうもの(時喰い)
「この世のすべての生命が、生きのびるために」
「必死になって戦い、敗者を喰らい……」
「一つの生命を生かすために、別の生命を殺すのか?」
「一つの世界を救うために、別の世界を滅ぼすのか?」
「傷ついた者が、自分より弱い者を傷つけ、苦しめる……」
「殺すものと殺されるもの、裁かれる罪人と、裁く犠牲者しかいない……」
「そんな世界に、どんな意味がある?」
「この海の星から、お前たち人間を一掃してくれる!!」
本作における実質的なラスボス。
龍神の本来の姿(アルティマニアより)であり、フェイトがセルジュに倒されたことで次元を超えて合流・合一したことで復活した状態。ラストダンジョンにてセルジュたちと星の覇権を賭けて戦うこととなる。ラスボス(最後に戦う敵)ではないが、演出的にも限りなくラスボスに近い存在である(ぶっちゃけこの後に戦う真ラスボスより強い)。前作のラスボスと同じようにボスの模倣を行う演出があり、本作では六龍神の能力を模して攻撃してくる。
セルジュに敗れた龍神は凍てついた炎と共に姿を消したが、実はこの「龍神」は「時喰い」本体の分身でしかなかった。本体である「時を喰らうもの」は時の闇の彼方と呼ばれる場所に巣食っており、こちらを倒さない限り世界に未来はない(殆どイベントバトルのようなもので上記の龍神より弱い。そもそも攻撃して倒すボスではない)。
龍神は1万年前の戦いでフェイトに敗れた際、その無念から「時喰い」の本体に取り込まれてしまっていた。龍神が敗れたのを機に時喰い本体が動き出したため、セルジュたちは時を喰らうものとの最終決戦に臨むこととなる。
最期
クロノクロスを用いたセルジュにより、その絶望と悲しみは癒され龍神は時喰いと共に一つの夢へと還元された。
しかし、2周目以降のマルチエンディングでは違った結末を辿ることとなる。ラストダンジョンの「時を喰らうもの」を倒さず本体を倒した場合、亜人を従えた龍神によってエルニドから人間が駆逐されるという結末になる。使命を果たしたツクヨミだが、そこには後悔しかなくセルジュの墓に花を添えるのだった。
アナザーエデンにて……
コラボクエストの中盤のボスとして登場。
「この世界」に現れた新たなヤマネコによって呼び出された存在であり、アルテナを核として取り込んでいる。
この世界においてもツクヨミに呼びかけ「同胞よ、共に来るのだ」と誘いをかける。
迷いながらも言いなりになりかけるツクヨミだがキッドが待ったをかけ、続けてセルジュも引き留める。
憎しみに囚われた悲しき龍の神はアルドたちによって討たれ、この世界からも姿を消した。
しかしヤマネコの狙いは、龍神の力を時の塔に、幻視胎に送り込むことで新たなる神マザーフェイトの糧にすることであった。
原作のラスボスでありながら今作ではヤマネコに利用されるという、まったく逆の立場となってしまった。
関連項目
ラヴォス:前作のラスボス。龍神と同じくボスの模倣攻撃を行う。