概要
「グランドリオン」は、スクウェアが発売したコンピュータRPG『クロノトリガー』『クロノクロス』に登場する架空の武器のことである。
出自
誕生したのは古代(B.C.12,000)のジール王国。
その原型は「ドリストーン」で作られた「あかきナイフ」である。製作者は命の賢者ボッシュであり、ドリストーンの性質によりボッシュの想いが宿り、精霊として生まれたグランとリオンとドリーンが実体化していた。
海底神殿で女王ジールの計画を止めるために、ラヴォスエネルギーを集める装置「魔神器」を破壊するべく、これと同じ素材で作られた赤きナイフが使われたが、「魔神器」に刺さった際にラヴォスエネルギーを吸収して、赤きナイフは長剣であるグランドリオンの姿へと変じた。
なおナイフを魔神器に投じたのは本来の歴史ではボッシュであり、予言者が現れ改変された歴史では幽閉されて体力がないボッシュに代わってクロノが預かって投じた。
ジール王国崩壊後、どのような遍歴を辿ったのかは定かではないが、中世(A.D.600)では伝説の聖剣としてサイラスの手に渡っている。しかしサイラスと魔王との戦いにおいて折られ、某所に忘れ去られたまま剣に宿っているグランとリオンの御眼鏡に適う持ち主を待っていた。
二人に認められたクロノによってボッシュの手で修復され、晴れてサイラスの親友グレンの手に行き着き、彼の使用する武器として大冒険に活躍することになる。ちなみにグランドリオンと共に「勇者バッジ」を装備するとクリティカルヒットの確率が上がる。DS版で追加された「英雄バッジ」は、「勇者バッジ」の効果に加えて消費MP半減の効果がある。
なお、グレン(カエル)の手に渡った時点ではまだ完全な力を取り戻しておらず(攻撃力75)、後にサイラスの墓のサブイベントをクリアすることで真の力を取り戻した通称『新生グランドリオン』(攻撃力200)となり、彼の最強武器になる。
また、新生グランドリオンと隠しアクセサリ「金の石」があれば、マール・ロボと組んで隠し三人技『グランドリーム』を発動できる。「カエルおとし」と同様にカエルの残りHPが少ないほど大ダメージとなるが、威力はその2.5倍で、かつ物理攻撃無効の敵にもダメージを与えられる。しかし三人技の為、使った直後は全員が隙だらけになり、条件の関係上HPが低くなるカエルの回復が遅れがちになるのがネックなため注意が必要ではあるが。
ただし他のキャラの最強武器と違い、グランドリオンは覚醒前後ともにイベントアイテム扱いのため、強くてニューゲームをすると没収されてしまう。
そのため、周回時は最強武器が一人だけ弱いブレイブソード(攻撃力135)まで落ち込んでしまう。
DS版では中堅性能の新武器としてディノブレード(攻撃力160)が追加されたため多少はマシになったが。
性質
ドリストーンの性質を受け継いでいるため、ラヴォスエネルギーを用いる魔神器に対してはそのエネルギーを吸収し無効化する事が可能で、また魔王のバリアを中和する能力も併せ持つ。
その後(魔剣グランドリオンとグランドリームについて)
恐らく中世以降はガルディア王国の何処かに『聖剣』として保管、或いは然るべき者に所持されていたものと思われる。
しかし続編「クロノクロス」の時間軸(無数の時間軸の中の一つ)ではその後、軍事国家となったパレポリの侵攻によるガルディア王国崩壊の最中に消失。
以降よっぽどエゲツなく血生臭い扱われ方をしてきたのか、黒いマイナスな感情等を吸収し続けてしまい、「『魔剣』グランドリオン」へと変質(宿っているグランとリオンも正気を失っていたらしい)。
赤黒く変色し歪に波打つ刀身から瘴気を垂れ流しまくるという前作の聖剣振りなど見る影も無い禍々しい姿となった。『クロノ・クロス設定資料集』によれば、「悪しき者たちの邪気にあてられ、持ち主の負の心を増幅させる暗黒の魔剣となりはてている」と記載されている。
その後、異国の地(見た目は龍神の滝)にて若き日のラディウスとガライによって発見される。が、持つや殆ど間を置かず狂気に駆られたラディウスが(親友である筈の)ガライを背後から斬殺してしまった後、魔剣は海へと流された。やがてエルニド諸島のとある島へと流れつき、邪気によってアンデッドが巣食う「亡者の島」へと変貌させてしまう。
噂を聞き付けたカーシュとダリオによってグランドリオンは発見されるが、またもや悲劇が起こりカーシュの攻撃によりダリオは海へと落下。
一部始終を見ていたヤマネコによって魔剣は持ち去られ、ホームの死海の入り口を閉ざす(通路に突き刺して置き、流れ出る瘴気で通行不能にする)のに使われた。アナザーに関しては不明。
主人公セルジュ達の前に登場するのは、物語中盤の死海突入からになる。聖剣イルランザーによって祓われて姿を消したが、実は本来の持ち主の元へ戻ったに過ぎなかった。
その後、物語終盤に入る「神の庭へ 閉ざされた時を超えて」から行える隠しイベントでグランドリオンが再登場。ホームのエルニド本島の近海にある孤島には、記憶喪失になったダリオが女性に保護されていた。
そこへリデルを連れて行くとダリオが記憶を取り戻し、その手にグランドリオンを呼び戻しリデルを殺害するべく襲い掛かって来る。ここで戦うダリオはボスの中でもトップクラスの実力を持っており、まともに戦っても歯が立たないほどの実力を誇る(ただし攻略法は存在する)。
…と、此処までの様子を整理してみるだけでも、
『「魔剣・妖刀」の典型的イメージに漏れず、如何に才気溢れる若人や百戦錬磨な勇者や品行方正な聖人君子であろうと一度柄を握れば仲間や親友、果ては最愛の人にまでその刃を向ける殺人狂に変えてしまう』
『そうして一度「持ち主」と認識してしまった相手にはストーカーの如くトコトン粘着。何かの理由でその手を離れて別所に固定されたりしても、解放されるや否や空間すら飛び越えて自らその者の手元に戻ってくる』
『(「持ち主」に使われずに)瘴気を溢れるに任せている際は近付く事すら危険。この状態で洞窟等の閉鎖的な通路に刺しておくだけで難攻不落のバリケード代わりになってしまう』
『放置されていただけの場所をもその邪悪な気質でアンデッドが跋扈するばかりか死肉死骨を山と積み上げた様な地獄さながらの環境へと改悪』
…と、完全なるエンガチョアイテムに成り果ているのが解るであろう。
マジ、よくもまぁ前作でのあんな聖剣を此処まで闇堕ちさせられたもんである…。
見事打ち倒せばセルジュ(ヤマネコ)を新たな持ち主と認め、元の性質へと戻ることに。そして正気を取り戻したグラン&リオンと、数千年ぶりに姉ドリーンも加わってセルジュの『シースワロー』と融合。双刃の薙刀型になり最強武器『グランドリーム』となる。このため「凍てついた炎が最強武器になった」と言っても過言ではない。
このグランドリーム、一見すると虹色の貝殻で作る『プリズムスワロー』よりも攻撃力で劣るが、実は登場する全ての敵種族に特攻(クリティカル率100%)を持つというぶっ壊れ性能である。なぜ前作でその性能にならなかったし。ただし、種族タイプの無い敵に対してはクリティカル効果が出ないため注意。
また、装備中はスカイアローの演出が変化してグランとリオン(合体後)の姿が現れる。
前作と同じく周回プレイには持ち越せない。隠しエンディングを見るならば準最強武器プリズムスワローも必須なのできちんと両方用意しておこう。
余談
海外版では何故か『MASAMUNE』に改名されている。
それに伴い、グランとリオンもMASAとMUNEになっている。
グランドリームはMASTERMUNE。
ちなみに、1995年当時のSNES(SFCの海外版)ではグランドリームはGrand Dreamである。
関連タグ
ゾハル:ゼノギアスを始めにゼノシリーズに登場する重要な物質。凍てついた炎のオマージュ元。
ゼノギアス(ギア):グランドリーム(クロノクロス)のオマージュ元。ネタバレ注意。
プネウマ(ゼノブレイド2):ゼノブレイド2の登場人物。ネタバレ注意。
ワンワン:スーパーマリオRPGではクッパの初期装備であり、隠しイベントをこなすことで最強武器にパワーアップする。