「今一度おのれに問う。侍よ、我に降るか?」
概要
声(英):パトリック・ギャラガー(日):磯部勉
『Ghost of Tsushima』に登場する主要キャラクターの一人で、本作のラスボスでもある。英語表記は「Khotun Khan」、漢字表記は「兀云汗」であるが、作中では専ら「ハーン」と呼ばれる。
以下の記事では、作中での呼び名に倣って「ハーン」と表記する。
豪傑という言葉を体現したかのような威風堂々たる大きな体格と雰囲気を備えており、装備やスキルの差があったとはいえ仁を正面から圧倒する実力も持っている。メイン武器は大刀で、第二段階以降は盾と剣を用いる。
モンゴル帝国初代皇帝チンギス・ハーンの孫であり、元王朝皇帝フビライ・ハーンの従兄弟である。以前にも高麗国を征討しており、本編では日本征服を目指し対馬へと侵攻した蒙古軍を率いる総大将として登場する。
占領した対馬を恐怖と暴力によって支配する一方で、降伏した者には和平を約束し、有用であると判断すれば厚遇しこちらに迎え入れるなど柔軟な考えを持つ人物である。作中でも「智将」と紹介されている通り、敵側の戦法や技術、人員を積極的に取り入れる合理的・現実主義的な考えも持っている。
征服した対馬の民の中にも彼のカリスマ性に魅了される人物が現れるなど人望もかなり厚いが、一方で降伏に応じず抵抗を続ける者に対しては残虐非道な手段を躊躇いなく用いて徹底的に始末しようとするなど、恐怖戦略を用いていた当時のモンゴル帝国軍らしい残忍で冷酷非情な人物でもある。
また彼は日本や対馬の言語・文化・習俗・歴史・政治情勢を熟知しており、日本語を流暢に操るだけでなく、鑓川家の反乱や長尾家の内乱を事細かに記憶していたり、武士の行動理念をも完全に把握していたりする。
志村は彼を「切れ者の獣」「誇りなど微塵も持っていない」と評しているが、敵軍の大将には敬意を払い、また自身にとっての「誉れ」について「死後もなお残る武勲」と語っている事から、ハーンにも彼なりの流儀や誇りがあると見られる(一方で自身が大将であると認めなければ敬意を払う事はなく、実際に一人で敵陣に赴き一騎討ちを申し込んだ安達晴信に対しては何も話さずにすぐに焼いて首を刎ねた)。
ハーンは武士の誉れを重んじる姿勢を 「愚直で測りやすく与しやすい」 と嘲笑する一方で、闇討ちや毒を使用した戦法を行う冥人こと境井仁に対しては 「底知れず、手強く恐ろしい」 と警戒している(とはいえ仁が既に冥人に目覚め始めていた事は序盤から既に知っていた)。
序盤の小茂田の戦いにおいて、その圧倒的な兵力と綿密な戦術の下で対馬の武士団を壊滅に追いやり、僅か数日で対馬の半分を支配下に置いた。
そのような中、小茂田で唯一生き残った武士である境井仁は故郷を解放するべく冥人となり、ハーンを討ち取るべく彼と熾烈な戦いを繰り広げていく事となる。
余談
- 「ハーン」(または「カーン」)とは姓ではなく当時のモンゴル帝国の君主号であり、当時それを名乗る資格があったのはフビライのみの筈である。しかし作中で手に入る文書などで叛逆の意志を匂わせている為、当人が勝手に名乗っている可能性もある。
- ハーンは架空の人物であるが、名前の由来となった人物は史実の元寇においてモンゴル軍を指揮したクドゥン(忽敦)と思われる(ただしクドゥンはチンギスの家系ではない)。
- 終盤の浮世草では「蒙古の鎧」というハーンの為に作られた鎧が各地からパーツを集める事で報酬として手に入る。対馬の職人に作らせた物で、仁がこれを試着した際は 「伯父上が見たら何と言われるだろうな」 と苦笑いしている。この鎧は身に着けると防御・体力が大幅に増加する上に蒙古兵にバレにくくなる。
- 「仏師の遺産」という浮世草に登場する仏師の伊三の腕前を気に入っており、フビライに献上する為に自身をモチーフにした像を彫らせている。
- プロローグでは彼との一騎討ちが展開されるが、一応HPを削り切る事ができる。距離をとって大ぶりの攻撃を誘い、隙ができたらステップで背後に回り込んで連撃を叩き込んだらまた距離を取り…を繰り返すと良さそうである。ただし、HPをゼロにできるだけで不死身である。
「誉れでは負け伊部尓止には勝てぬのです」―――by境井仁
- 演じるパトリック・ギャラガーはコトゥン・ハーン役により2021年度英国アカデミー賞ゲーム部門最優秀助演俳優賞にノミネートされている。また、見た目が映画ナイト・ミュージアムのアッティラに非常に似ている、というか演者が同じであるから当たり前ではあるが、ユーラシア大陸を広範囲にわたって支配した人物という共通点がある。
関連イラスト
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Ghost_of_Tsushima モンゴル帝国 悪のカリスマ
関連人物
主人公。冥人となりハーンを追い詰めていく。
対馬武士団を率いる大将。小茂田の戦いに勝利したハーンは彼を金田城に幽閉し、仁が武士道に背いた戦いを始めている事実で脅しつつ、蒙古側に降伏し本土侵攻を手助けするよう迫り続けていた。
ハーンは彼を「対馬の地頭に収まる器ではない」と統治者としての側面を高く評価していた。
牢人の集団である「菅笠衆」を率いる頭。仁の旧友であり、彼と共にハーン率いる蒙古軍と戦っていたが…
- 僧
作中で手に入る文書『ハーンとの対話』シリーズの著者。ハーンの元に取り入られた当初は彼に恐れをなしていたが、瞬く間に彼のカリスマ性に魅了され、その後はハーンをひたすら礼賛していくようになる。
外部リンク
※前項の僧が書いたかのような文体で必見