───ああ。なんて、罪深い。
プロフィール
真名 | エルキドゥ(エンキドゥ) |
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クラス | ランサー |
性別 | なし |
身長 | 自由自在(アニメ設定では170cm) |
体重 | 自由自在 |
出典 | ギルガメシュ叙事詩 |
地域 | メソポタミア |
属性 | 中立・中庸・天 |
好きなもの | 特になし |
嫌いなもの | 錆やカビ |
設定担当 | 奈須きのこ、成田良悟、桜井光 |
ILLUST | 森井しづき |
CV | 小林ゆう(Fake、FGO)、高橋伸也(ドラマCD版Zero) |
演 | 山﨑晶吾 |
概要
「Fateシリーズ」のキャラクター。『Fate/strange Fake』ではランサークラスのサーヴァントとして登場する。
名前の初出は『Fate/stay night』であり、その後もギルガメッシュが登場する各作品ではその存在が言及されていた。神々に作られた人形であり、ギルガメッシュと多くの冒険をこなし、心を得た後、心ごと砕かれ、人形として土に還った悲しき兵器。
英雄王ギルガメッシュをして最強の一角と言わしめた、天と地を繋ぐ鎖。
神々の最高戦力となるべく作られた被造物であり、自然と調和・一体化する大地の分身でもある、意志持つ神造兵装。魔力が注がれれば、聖杯の真似事をなすことすら可能。
もとは神々が作った形態が無い粘土細工だったが、やがて基本形態として聖娼の姿になりヒトの形態を取ることを選ぶようになったという。神々に反乱した「天の楔(くさび)」であるギルガメッシュを縛り、天上に連れ戻す「天の鎖」としての役割を持っていた。
『Fate/Grand Order』ではサービス開始時からCMやムック本で実装が予告された一人であり、七章タイトルはエルキドゥの異名である「天の鎖」で脚本は奈須きのこ氏であること等々、非常に活躍が期待されたサーヴァントであった。しかし……
奈須きのこ氏はギルガメッシュとの関係性について「この世界における神話において二人が辿る結末は『stay night』でも『Fake』でも同じですが、過程は微妙に違うのです。」としている。
真名
世界最古の物語である「ギルガメッシュ叙事詩」に語られる泥人形、「エルキドゥ」。
こちらは型月の方の名前であり、元ネタでは「エンキドゥ」という名である。
神々の意志により、星の抑止力の力で作り出された兵器。
当初は人のような精神や感情を持たず、父も母もない怪物であり、目的としていたのは神から授かった使命のみ。地上に顕れた後は無数の人間が苦悶する「叫び」のただ中に捨て置かれた。メソポタミアの神々からすれば、エルキドゥは彼らが自ら作り上げた道具であり兵器であり、自律する演算機構である神造のホムンクルスで、姿は形態が無い粘土細工だった。
神々はその兵器を最高の物として仕上げようと全霊を注いでいたとも言え、必要な処置として森の大地にエルキドゥを捨て置いた。そこで「完全な人間」であるフワワと出会う。巨大な妖怪じみた泥人形の姿をしていたのは、フワワの「叫び」に身を晒し続けたことが関係している。
その後、ある聖娼と出会ったことで多くの認識を得た。己にも聖娼としての美しさを宿したことで、本来持っていた力の大半を失うが、入れ替わりに人としての理性と知恵を得て、「ヒト」となったのである。ヒトとしての形態はその聖娼を尊重(尊敬)し、模したもの。
『ウルク飯』の話では、蜂蜜をまぶしたパンと麦酒を口にして、ようやく人らしくなっていったと賢王は語っている。ギルガメッシュの存在は、彼の幼少期から城塞都市の「呼び声」として認識し、彼の成長を見守っていた。
本来は「天の鎖」としてギルガメッシュを天上に連れ戻す役目があったのだが、幼少期から彼を見守っているうちにシステム的なものではない感情に変化したのか、ギルガメッシュの慢心(孤独)を諌めるために聖婚の儀を執り行う建物の前で出会い、壮絶な戦いの果てに互いを認め合う。
その際に、ギルガメッシュは衣服すら作れなくなったエルキドゥの貧相な姿(体)を見て、目を見開き大笑いをして膝を突き倒れている。2人は仲良くなり、エルキドゥに出逢えた事でギルガメッシュは改心する。
共に生きるその関係を2人の中では「友」と呼び、エルキドゥはその“天をも拘束する鎖”を、ギルガメッシュの望み通り、人の為に使う道を選んだ。フンババ(フワワ)の討伐や神獣グガランナとの戦いなど数多くの冒険を二人で行った。この時のエルキドゥは「道具である自分は裁定する必要がないから、世界の終りまでギルガメッシュの傍に在り続けられる」と思っていた。
しかし、大きすぎる力は神々の怒りに触れる。
「そうだ。ワタシは兵器だった。道具だった。」
ギルガメッシュの代わりに神々から死の呪いを受け、熱病に冒されゆっくりと衰弱する中、エルキドゥは自由意志を持とうとしたことに苦しみ、自らの存在のために完璧な王である彼の矜持を傷つけた事への罪悪感に苛まれる。
慟哭するギルガメッシュに耐えかねたエルキドゥは、「時代と共にとって代わる、ただの道具にすぎない自分を忘れてほしい」とギルガメッシュのために懇願して息を引き取る。
肉体に「彼に会いたい、話したい」という強い願いと想いを残しながら。
神々に作られた人形は、最期は人の感情に溺れもがきながら、深い罪悪感と共に死んでいった。
しかし、その価値を薄れさせたくないギルガメッシュは、未来永劫孤独になることを代償に、エルキドゥを人でも道具でもない、「蔵に蓄える財全てと比してもなお尊く眩い者」……ただ1人の友と位置付けることで未来永劫変わることのない、唯一無二で絶対の価値をつけた。エルキドゥの存在はギルガメッシュに人生を与え、その死は若き日の王を賢王として完成させる転換点となる。
エルキドゥの最期に対するギルガメッシュの反応は、『Zero』と『CCC』でもやや異なる。これは『Zero』が虚淵氏が書いたギルガメッシュの回想に対し、『CCC』は奈須きのこ氏が書いたエルキドゥの独白という書いたライターと視点・立場の違いがある(結局どちらも号泣している)。
なお、エルキドゥがウルクでギルと共に生きた時間は、幕間の「ギルと過ごした千の月夜」発言から三年説と、グガランナが七年間の飢饉をもたらしたことから七年程度とする説がある。
人物
少年と少女、純粋と淫靡、人為と自然、矛盾した印象を併せ持つ人間離れした美しい容姿。
幼さを残した顔立ちで、見た目は16歳程度。
白い肌と淡い萌黄色の長髪、長いまつ毛が特徴。白い貫通衣に白いズボンを履いていて裸足。目の色はコロコロ変わるが、基本的には水色に近く薄い青緑色をしている。金色の瞳の時は「兵器」として完成に近づいた姿であり、意識が遠くなっているという。
エルキドゥが歌う子守唄は天使の歌声のように聞こえるという。綺麗好きで錆や汚れが嫌い。
一人称は「僕」、モノローグでは「ワタシ」。
基本的に心優しく慈悲深く、相手の話を穏やかに聞く。
お人柄もとい"お粘土柄の良い"おっとりとした性格。全ての生物を「ともだち」だと思い尊重(尊敬)し、平等に慈しみ、穏やかな口調とたおやかな仕草で、美しい花のように佇む。
しかし、戦闘となると不戦・不殺主義者ではない。戦いを楽しまないが、純粋な性能比較としての勝負や正々堂々とした戦いには積極的。普段は美しい花のように佇むが、いざ動き出せば内向的・能動的・強気の恐るべきアクティブモンスターとなる。
本人は否定しているが、バトルジャンキーとも言われて、自分から戦いを仕掛けることはしないものの、相手が戦闘を仕掛けてきたら平和的手段で治めようとせず武力で応えてしまう。
一方で共闘の申し出は受け入れ、更に相手が逃げるまでの盾になることを申し出る鷹揚さも持つ。
戦いによって周囲の生きものを被害に巻き込むことも良しとしない。
死後は自身のことを「兵器」「道具」「システム」として強固に「再定義」しており、マスターに対する物言いも機械的である。だが後述のとおり、複雑な精神構造をしている。
天然なところがあり、良からぬ事を考える者の言う事や、歪められた情報も疑いなくあっさりと信じてしまうところがあるが、これは相手のことを理解したいという愚直なまでの真剣さと生真面目さによるものであり、間違っていたり相手の気分を害したと分かれば、真剣に謝罪する。
理屈さえ通っていれば話しやすい方であり、理不尽な要求はしてこない。
その人物(あるいは動物)が好ましい性格(博愛精神に満ち、全体主義であり、それでいて自分を第一として考えるもの)であれば心からの敬愛と感心を示し、友人としてこれを支える事を喜びとしている。人と共に歩む事を選んだ兵器は、生前は「人モドキ」と揶揄される事はあったものの、よく知る人間たちからは「心優しいヒト」にしか見えず「美しい緑のヒト」として慕われた。登場する様々な作品内で容姿の美しさに触れられるが、その美しさは担当絵師の森井しづき氏が描写に苦悩し、一時的に現実逃避するほど。
上記の通り、死後、自身は「兵器」「道具」「システム」であって、そうあるべきと己を強く縛り付けており、人として生きることはそれを裏切る行為だと考え、たとえマスターであっても一線を引いた対応をする。マイルームで好きなものを訊くと優しくフッてくれるとしてマスター達から好評。どうやら「特別に好き」の予備がないとのこと。とはいえ、普段は優しく、マスターのことも心から心配し敬ってくれる。劇場版『ソロモン』ではキングゥの紫色の瞳のままだが、「藤丸達の活躍は記録として認識しており、深い感謝と親愛の念をいだいている」と情報が記載された。
機械的な反応は、回想(生前の描写)の印象とやや異なるが、前述のとおり、死に際に自身が「兵器」であり「道具」であるという深い罪悪感を認識したことと関連していると考えられる。
死後は、自らを頑なに「道具」であり「システム」であるべきと己を律し、自分が感情を持つことに否定的でマスターの望みのままに振舞おうとするが、エルキドゥにも意思がある。自己評価が低く、理屈で本心を誤魔化そうとする傾向がある。強気かと思えば内向的で中々の頑固、いつまでも悩み続けるなど、内面は複雑で結構面倒くさい。観察眼の鋭い者には、意外にも表情豊かに見えるらしい。良くも悪くも神目線で自我が強いイシュタルとはそりがあわず、イシュタルの依り代からは「ポンコツ」と罵られ、女神からは「ガラクタ」と侮蔑される。
『FGO』のイシュタルの性格を善性寄りにした依り代のことは尊敬している。
カルデアでは「虚構の物語」から生まれたサーヴァントに興味を持ち、話を聞いているらしい。一方で、興味を持ちそうな人工の生命には無反応で、共感も示さない。
どれほど理不尽な目にあっても世界を恨めないことを、異形な量産型からも憐れまれる。
あくまで自分を「無価値なもの」と卑下している部分があり、その根底には生まれながらに強い自由意志を持つ生命への羨望を抱える。
贈り物が赤い花の方のバレンタインシナリオでエルキドゥには自爆機能があることが判明した。
身に着けている衣はスキル「変容」で作っているので、誰かと同じく全裸なのかもしれない。
この白い貫頭衣に関しては生前ちょっとした騒動があり、ギルガメッシュはそのことも粘土板に詳細に記録して宝物庫に大切に仕舞っているらしい。
ギルガメッシュとの関係
王のことを「ギル」と、人前では「ギルガメッシュ」と呼ぶ。首にかけている楔つきの革紐は、彼が腰につけているものとお揃い。エルキドゥが常に浮かべる微笑みは「無表情に近い」とも表現されるが、ギルガメッシュに対しては人間味のある表情を浮かべるらしい。
ギルガメッシュがエルキドゥ本人にだけに向ける個人的な表情については『CCC』での回想にて、エルキドゥの死に際、他の誰に対してもないほど取り乱し、自分を責める様を見ることができる。
アニメ『絶対魔獣戦線 バビロニア』第5話では視聴者が「誰……?」と言いたくなるほどの見たこともない優しい表情をエルキドゥへ向けていた事が分かり、同時に見てはいけないものを見てしまったキングゥの心境を追体験できる。アフレコ室がどよめいたという関智一氏の演技は必聴。⇒動画
素で何の計算もなく、理解しがたいギルガメッシュの内面を正確に理解した上で最適解の返答をし、彼から「涼風のような微笑み」を引き出したキレ味を持つ。一方で「友」の認識はかなりズレており、例えばギルガメッシュが「後にも先にも友はただ一人。」と考えているのに対し、エルキドゥは「生命は皆ともだち。ただし、ギルガメッシュが一番。」と考えている。
また、自身を無慈悲に使い潰してほしい。とマスターや大地に望むエルキドゥに対し、ギルガメッシュはそれを分かっていたかのように「丁寧に扱ってやれ」とマスターに要求してくる。
とって代わるただの道具である自分が王の矜持を傷つけた事に悩み、彼から「忘れられること」を願ったが、体には「会いたい、話したい」という想いの記憶が強く残っている。
また、英雄王の「『王の財宝』から無数の宝具を一斉射撃する」という戦法は、エルキドゥとの戦いで彼(彼女)の弾幕の速さに追いつくために初めて使用されたもの。
ちなみに、それに対するエルキドゥのギルガメッシュへのコメントは「非効率的」と辛辣だが、実のところ「ワタシの数少ない功績」だと考えている。
作中、ギルガメッシュはセイバーの見果てぬ望みに苦悩するその儚い眩さにエルキドゥの面影を重ねたことでセイバーに執着していた。また『Grand Order』のセイバーの宝具詠唱は「束ねるは星の息吹」、エルキドゥは「呼び起こすは星の息吹」で始まるなど一部が重複しているが詳細は不明。また並行世界の彼女とは特攻範囲が重複する。
ギルガメッシュの王律鍵を解析するなど思考能力は高く、学習は早い。
また、贈り物が白い花の方のバレンタインシナリオではチョコを食べるではなく大切に保管すると言い、ナーサリーライムとのお茶会では白湯でいいと言い、食べない印象がある発言をしているが、『ちびちゅき!』7巻の表紙ではキングゥと笑顔でケーキを食べている絵が描かれたり、ソロモン映画の特典ドラマCDではダイオウイカ焼きそばを食べるというギルガメッシュの言葉を聞いて、彼にその焼きそばを食べさせてあげたいという思いと自身もダイオウイカを食べてみたいという思いからイカと魚を捌いて料理をするシーンが聴ける(期間限定のため、現在では聴けない)。
どうやら、ギルガメッシュの宝物庫を開けて中に入ることができるらしい。
なお、先述したようにエルキドゥ関連の出来事はギルガメッシュ王自ら粘土板に事細かに記録し、宝物庫の中に大事にしまっているという。
前述のとおり奈須シナリオ・成田シナリオで2人の辿る結末は同じでも過程は違うので、ズレや解釈の違いが時々見られる(奈須シナリオでは「エルキドゥは幼少期からギルガメッシュを見守っていた」、成田シナリオでは「幼少期のことはシャムハトから聞いた」等)。
奈須氏のシナリオでは、最後の会話で、エルキドゥは自分が感情を持ち、ギルガメッシュの王としての矜持を傷つけてしまったことに深い罪悪感を抱いている。ただの兵器にすぎない自身を卑下し、意思を持つ人間であるギルガメッシュに対し羨望と憎しみを抱きながらも、最期の望みは「彼ともっと会いたい、話したい」であったり、エルキドゥからギルガメッシュへの想いは複雑で重たい。
これについて奈須氏は「ギルガメッシュにとっては重要な誓約であり、エルキドゥには呪いのように見えた」と語っている。
一方で、成田氏は「サーヴァントとしての二人は生前の影法師のようなもので、お互いならば殺されても撃ち合いをすることにためらいはない(殺し合い程度で2人の仲は切り裂けないから)」としている。
また、成田氏が書いたシナリオでは「未練は全て生前(あちら)で済ませている。別離の悲しみは1人につき一度で充分」と発言。生前の心残りは彼の事だけだったが、カルデアに来てから新しい心残りが発生してしまったらしく、杉の森で苦しみ続けている友人であるフワワの魂を解放するために、出来る限りの手がかりを座に持ち帰りたいとして活動している。と幕間で書かれている。
性別
設定のあやふやだった『Fate/Zero』における文章での表記は「男」と書かれていたが、「元々、性別すらない泥人形として生まれ落ち、後に聖娼としての美しさを己に宿し、聖娼の容姿を模してヒトの形(ヒト型)になった」という記述があるため、性別に関しては長らくファンの間で意見が分かれていた。後に、『CCC』では性別に関してのハッキリとした記述・記載はないが、『strange Fake』や『Grand Order』でのプロフィールでは性別なしと記載されていることから「性別はない」と結論づけられている(『CCC』では明言はされてはいない)。
上記のような変遷を辿った結果、『Zero』のドラマCD版の男性CV時代の名残りが残っていたのか以前は男性とみなされ、男キャラとのカップリング作品に腐向け表記が推奨されていたが、現在では声も女性CVに変更しており、性別も男性ではないと分かっている為、腐向け表記を推奨する必要はない。むしろ男だと勘違いされやすくなる為、安易に男扱いをして腐向けタグをつけるべきではない。注意書きを記載するなど取り扱いには注意。男性ではないので男の娘でもない。作中で掘り下げがなく、まだまだ明らかにされていないことは多々ある為、現状、二次創作の際では投稿者の好みに委ねられている状態である。ただし、エルキドゥは男性ではないので男だと勘違いしないように注意するべきではある。
成田氏は『FGO』や『strange Fake』などの小説内や、地の文でも可能な限り性別を断定する表現を避けて三人称を「彼(彼女)」と書くようにしているようだが、他ライター陣は性別がないキャラクターの三人称を「彼」と統一しているのが窺える(奈須氏はキングゥの三人称を「彼」と書いてはいるがエルキドゥの三人称をどう書いてるかは現状では不明)。
『Grand Order』のプロフィールでの性別表記は「-」と記載されている。
明確に公表はされてはいないが、魂の性自認が「男性」の可能性がある後継機と比べて、そうではないエルキドゥの声は高め。ゲームシステム上、男性特攻も女性特攻も効かないが、「紳士的な愛」の効果は発動する。男性魅了も女性魅了も効かないが、人型魅了は効く。バレンタインのイベントでは性別表記がない為、渡す方とお返しを渡す方の両方でやり取りができる。また、ジェームズ・モリアーティは、彼(彼女)を「エルキドゥ嬢(君)」「彼女/彼」と呼ぶ等、呼称は曖昧。
英語媒体では、エルキドゥのことを語る時、三人称では単数形の「they」が用いられ、heやsheは使用されない。ライター陣の英語ツイートでは「he/she」という表現が使われている。
また、理由は明らかにされてはいないが、『Grand Order』は男性ではない性別不詳を男性扱いする傾向があるため、CBCの概念礼装に描かれたり、ホワイトデーガチャにしかPUされなかったりする(ただし、エルキドゥだけではなく、ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィもCBC概念礼装に描かれたことがあるので、必ずしも描かれるのは男性サーヴァントだけではないということなのかもしれない)。成田氏はバレンタインガチャにもPUしてほしいと呟いていた。
舞台版のエルキドゥ/キングゥ役は男性俳優が演じられているが、これは古来から女性役を男性役者が演じるという役柄と演者の性別が異なるキャスティングでのお芝居もあり、それと同じなのだと窺える。舞台版を演じられた山崎晶吾氏もエルキドゥは男性ではないと答えている。
バビロニアアニメ11話でのギルには「我を星と呼んだ男」と回想されてはいたが、DVDに付属されているマテリアルには「胸はペッタンコ」「男性っぽくもある女性というカンジで……」と記載されている。
「やはり君は僕がいないとダメだね」
引きこもりオタクなギルガメッシュの幼馴染みのごく普通の女の子である。こちらも男の娘ではないので注意。作中で無責任な発言をするギルに辛辣なツッコミを入れるが、友に見られてもバカにされないように優雅なパンツを履く。こちらも僕っ娘である。そして、相棒に成田犬のリョウ君を連れている(設定画、漫画)。
自認が「兵器」ではなく「人間」であるためか、サーヴァント時よりも素直に感情を表現する。
能力
たおやかな花のような佇まいからは、想像できないほど苛烈な戦闘能力を持った“意志持つ宝具”であるエルキドゥの戦闘力は、英雄王ギルガメッシュの最盛期のそれにほぼ等しい。叙事詩に語られるギルガメッシュとの戦いでは、最強の英雄のひとりと目される彼に対して互角の性能を発揮し、『Fake』でも開幕早々挨拶代わりに互角な戦いをはじめる。
神々はエルキドゥを作った際にソフトウェアよりハードウェアを重要視した結果、ソフトの入っていないハードをエルキドゥとして作ったのである。つまり、エルキドゥとはハード単体を指す言葉だと本人は分析している。というと、エルキドゥの人格はその身体に「道」として刻まれる。まっさらな素体に人間らしさを刻まれたのが今の彼(彼女)であり、「座」に登録されているのは魂ではなく肉体であるらしい。また、童話の化身と同様に身体そのものが宝具であり、魔力が注がれれば聖杯の代わり(本人曰く「真似事」)をなすことも可能。
また「獣の言葉」を理解できるため、自らのマスターである狼の姿をしたホムンクルスのキメラと難なく意思疎通が可能。更に最高クラスの「気配感知」スキルを持ち、遠く離れた場所の水源やサーヴァントの気配を感知できる。技は「歌」がトリガーとなっている描写が多い。
もとは神々によって造られた神造兵装だが、理性と知恵を得る替わりに多くの力を失い、サーヴァントの枠組みで召喚可能な範囲まで弱体化している。仮にバーサーカーとして召喚された場合は、理性と知恵を得る以前の神にすら届く強大な力を持って現界することになる。理性と知恵を無くせばギルガメッシュですら勝ち目のない最終兵器となるが、聖杯システムでは事実上、召喚不可能。
奈須きのこ氏によると、ステータスは(マスターごとに最大値は多少の上下があるものの)オールA。スキル「変容」で筋力をA+に上げると他のステータスが−2される。この特性を活かし、最速の敏捷EX保持者である獅子心王とも対等に渡り合っている。ちなみに対魔力のランクは魔力のランクと同じランクとなる。これは、アルトリアの対魔力の高さと同じ理屈と思われる。エルキドゥの総合値は「『Fake』1巻時点では『オールA弱』ぐらいのふんわりした感じ」。とはいえ、全快した銀狼であればオールAも夢ではないとのこと。
地球そのものがマスターとなった場合は変動値30を別に基本値をすべてAとし、変動値を付け足すことで全パラメーターをA+にすることもできるという超ハイスペック状態になり、この状態を指して「どこかの真祖の姫もこういうえげつない事をやる」とされるほどの性能を発揮できる。二者の共通点は、元々は意思のない兵器として運用されていた点だが、それ以上の関連性は不明。
ランサーで召喚されているものの、正確には「彼(彼女)自身が神々の作り出した宝具」である。
聖娼の姿になりヒトの形態を取ることを選んでいるが、戦いの状況に応じて、どのような武器にも変形することが可能(『CCC』では槍や盾、斧に変形して戦ったと思われる発言がある)。
体を傷つけられても再生能力での復元・回復が可能。他者の蘇生・治療も可能。
基本的に「弱点はない」が、「滅びの運命」そのものや「病」や「呪い」には弱い。
『FGO』では「民の叡智」により光の槍を地面から生やしたり、手首を光の剣や槍に変えての攻撃を見せる。また「天の鎖」を形成して拘束することも可能。
ステータス
保有スキル
対魔力(−) | ランサーのクラススキル。魔術に対する抵抗力。保有スキル「変容(A)」による魔力の値によって上下する。『FGO』ではAランクとなっている。 |
---|---|
変容(A) | エン・エィブズ。能力値を一定の総合値から状況に応じて振り分け直す、自在人形故の特殊スキル。ランクが高いほど総合値が高いが、パラメーターの返還限界は決まっている為全ての数値をAランクには出来ない。エルキドゥが30の数値を持っていたとすると、パラメーターはそれぞれ(A7 B6 C5 D4 E3)の数値を消費する。また、AからA+に上昇させる際には、2ランク分必要となる。 |
気配感知(A+→A++) | 最高クラスの気配感知能力。大地を通じて遠距離の気配を察知する事が可能であり、近距離なら同ランクまでの「気配遮断」を無効化する事が出来る。 |
完全なる形(A) | 『FGO』で追加。大地の魔力を利用し、元のカタチに復元する。神代の粘土によって作られたエルキドゥの体は大地からの魔力供給ある限り崩れさる事はない。他に類を見ない強力な再生・復元能力。ただし魂は別である。 |
民の叡智(A+) | エイジ・オブ・バビロン。「完全なる形(A)」が変化したスキル。後述する通り本来は宝具。強化内容からして「完全なる形」によるブーストか。 |
宝具
人よ、神を繋ぎ止めよう(エヌマ・エリシュ)
- ランク:A++→EX
- 種別:対粛正宝具
- レンジ:0~999
- 最大捕捉:1000人
「呼び起こすは星の息吹、人とともに歩もう、僕は」
「『人よ 神を繋ぎ止めよう(エヌマ・エリシュ)』ッ!!」
人と共に地獄を歩みてなお、友という喜びを得たそれは、楽園を謳いあげる
エルキドゥ自身の体を一つの神造兵器と化す能力。
アラヤやガイアといった抑止力の力を流し込む光の楔となり、膨大なエネルギーを世界が認識できる形に変換して相手を貫く一撃。星、もしくは人類への破壊行為に反応して威力が激増する。
種別は「対粛正宝具」という数いるサーヴァントの中でも唯一のもの。型月最強の防御である「対粛正防御」と何らかに関係するものと思われるが詳細不明。
詳細は該当記事を参照。
民の叡智(エイジ・オブ・バビロン)
- ランク:A+
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大捕捉:不明
「星に刻まれし傷と栄華、今こそ歌い上げよう。『民の叡智(エイジ・オブ・バビロン)』!!」
大地そのものを自在に変形させ、操ることができる。
普段の攻撃もこの能力によって行っており、真名解放や詠唱を必要としない基本武装とも言える宝具だが、言の葉に霊基の欠片を乗せて行使することにより、その真価を発揮する。
詳細は該当記事を参照。
経緯
名前の初出は『Fate/stay night』のゲーム内マテリアル。ギルガメッシュが好んで使用する宝具「天の鎖」の真名が「エルキドゥ」だった。この時点で『ギルガメッシュ叙事詩』でギルガメッシュの片割れであり「世界最古のパートナー」とも言われるエンキドゥが型月時空にも存在すると考察されていた。『Fate/hollow ataraxia』の作中、『Fate/unlimited codes』の天の鎖使用時にギルガメッシュが天の鎖に対して「友」と呼びかけている。後の奈須氏のコメントから、初期から裏設定の中にエルキドゥの存在はあったらしい(なお、当時のファンからは筋骨隆々の男性であると妄想されていた)。
その後、『Fate/Zero』におけるギルガメッシュの回想シーンにて初めてセリフありで登場。
アニメでの出番は全てカットされたが、23話のギルガメッシュのセリフでは言及されている(このため、ギルガメッシュの友を言峰だと勘違いした視聴者が続出したという)。
ドラマCDと漫画版8巻には登場している。
ビジュアル初出のコンプティークでは前髪が長いややざんばら髪だったが、メディア展開する過程で徐々に姫カットに髪型が整えられた。まつ毛一本一本が白抜きで表現される等、非常に繊細な描き方をされると書かれている。初期設定ではたぶんこんな感じ↓。
『Fate/strange Fake』では、ランサーのクラスとして召喚される。マスターは狼のような風貌をした、魔術回路を持つ合成獣(キメラ)。マスターと認めた狼型の合成獣を危地から救い、傷ついた彼を介抱するなか、気配感知にてギルガメッシュも聖杯戦争に参加していることを知って圧倒的な歓喜を覚え、歌を唄う。同時に、その歌声を聴いたギルガメッシュもエルキドゥに気付き、王の威厳が揺らぐほどの動揺と感動を覚えて、エルキドゥの元へ向かった。
なお、怪物だった頃の容姿は漫画版『Fake』によると、角の生えた泥人形のような感じである(下図の色は非公式)。どこか『もののけ姫』に登場するデイダラボッチを彷彿とさせる見た目だが、同作は『ギルガメシュ叙事詩』が元ネタであったりする。
『Fate/EXTRA CCC』(シナリオ集3巻収録)では、ギルガメッシュの「Secret Garden」に登場。
『Fate/Grand Order』ではサービス開始前には奈須きのこ氏執筆である第1部7章に登場すること、開始当初のムック本にて実装が大々的に告知されていた。しかし……
舞台・アニメ化『絶対魔獣戦線 バビロニア』にあたって他作品と奈須氏と相談の上、裏設定を取り込み、少々描写が増えている。また、幕間『神が造り、人が紡ぎ、土に還る』のシナリオは『strange Fake』の成田良悟氏が担当している。
他にも、アニメ『UBW』15話や『プリズマ☆イリヤドライ!!』1巻ほか、『プリズマ☆イリヤ』で、子ギルが奪われた天の鎖で攻撃された際に「ボク(ギルガメッシュ)が相手だから手加減してしまうのかな?」と天の鎖(エルキドゥ)に語りかけるシーンがある。
作中、天の鎖しか出てこないが、ギルガメッシュ関連ではエルキドゥの名前が出ることが多い。
漫画『Fate/Grand Order 英霊食聞録』の『ウルク飯』では蜂蜜をかけたパンと麦酒が好物で、どうやらよく食べるらしいというのが、ギルガメッシュの回想で明らかになっている。目を輝かせながら笑顔で食べ物を頬張るエルキドゥのシーンは必見。
Fate/Grand Order
配信前のCMやムック本で、実装が予告されたサーヴァントの1騎であった。そして、その第1部7章『絶対魔獣戦線バビロニア』と共に実装が実現した。
クラスはランサー。恒常で、レアリティは☆5。スキルを使うと「どこを切り落とそうか」等と物騒なことを言う。ただし、エルキドゥは設定ではオールAであり【変容】で筋力A+になれば他のステが-2される……というシステムであるため、これは「自分のどこのステータスを切り落と(マイナス)して他のステータスにプラスするか」という意味である。
第一再臨では髪の毛が短くお揃いの「例の紐」がないため、ギルガメッシュと出逢う前、彼を遠くから見ていた頃の姿であると推察される。第三再臨では光の羽根のようなものが舞う。
FGOサービス開始前から実装が告知され、七章サブタイトルがエルキドゥの異名である「天の鎖」であること、脚本が奈須きのこ氏であること等で、当初は非常にメインシナリオでの活躍が期待されていたサーヴァントだった。
メインシナリオでは特異点へやって来たばかりの主人公達を助ける。だがその後現れたマーリンから、今回舞台となるメソポタミアは、“既にエルキドゥが死に、ギルガメッシュが不老不死の探求の旅を終えた後”の時代である事が明かされ……
メインシナリオの第七特異点『絶対魔獣戦線 バビロニア』で別人の魂が宿った身体のみが敵として登場し、エルキドゥは既に故人なので本人は登場しないという類を見ない珍しい初登場だった。幕間にて明かされたことだが、エルキドゥの場合は座に登録されているのは身体のみで、神々により心ごと破壊された魂は登録されていないというのがストーリー上で表現されていたということなのかもしれない。
実装当時は新実装の最高レアとして十分な性能やキャラクターの活躍・掘り下げなどの機会を一切与えられないという異例な扱いを受けていた。性能でもシナリオでも不遇さが目立つ扱いであり、プレイヤーからの激しい批判の矢面に立たされたサーヴァントでもあった。設定上の破壊力と汎用性がゲーム性能に反映されていないことや、本人は活躍しないというシナリオ上の不遇で大きな波紋を呼び、『FGO最不遇』とも囁かれた。
その後、成田氏により幕間Ⅰの物語で本編で活躍した本人ではない全くの別人のその後が明かされたり、幕間Ⅱの物語でエルキドゥの今後の示唆を匂わすかのような話が書かれて、実装されてから長い時を経て昔よりほんの少しだけ掘り下げられるようになった。
イベントでは2017年水着イベント『デスジェイル・サマーエスケイプ』にて初登場。監獄を舞台としている同シナリオでは、後継機の特異点での敵としての行動をデータベースで見たからなのか、メイヴの偏見で超A級の危険な知能犯だとみなされ、地下深くの独房に収監されている。監獄を去る際、彼(彼女)はゴルゴーンの元を訪れ、女神を戒めから解放する。「僕ではない誰かの想いを大切にしたい」と、エルキドゥというハードウェアの中にいる彼(キングゥ)を尊重した。
2022年バレンタインイベント『15人の理知的なメガネたち』ではメガネ霊衣を披露している。
舞台版のパンフレットでは、奈須氏は7章のエルキドゥを「影の主人公」と語っているが、それは舞台版における話なのか、それとも、そのエルキドゥとはあくまで身体のことを指しているから本人ではなく、キングゥのことを言っているのか、7章のエルキドゥは既に故人であるため、記載された奈須氏の文章だけではハッキリとした意味は分からないが、様々な意味が推測できる。
ゲーム上での性能
最大ATK | 10,780 |
---|---|
最大HP | 15,300 |
カード構成 | Buster:1/Arts:1/Quick:3 |
宝具カード | Buster |
スキル1 | 変容(A) / 自身のBusterカード性能をアップ(1T)+自身のQuickカード性能またはArtsカード性能をランダムにアップ(1T) |
スキル2 | 気配感知(A+) / 敵単体のクリティカル発生率をダウン(3T)+敵単体の回避状態を解除 |
(強化後) | 気配感知(A++) / ↑+自身に回避状態を付与(1T) |
スキル3 | 完全なる形(A) /自身のHPを超回復(5000~10000)+自身の弱体状態を解除 |
(強化後) | 民の叡智(A+) /↑+自身のNPを増やす(30~50%) |
宝具 | 敵単体の防御力をダウン(3T)<OCで効果アップ>+敵単体に超強力な攻撃+敵単体〔神性〕にスタン状態を付与(1T) |
(強化後) | 防御力ダウンの倍率上昇&攻撃が〔人類の脅威〕特攻に変化 |
育てきればトップランクの高火力・高耐久で、単独での攻撃力と生存能力がずば抜けたサーヴァント。1枚のみのAの性能はそれなりに高いため、Aカードでクリティカルすることを意識されたい。ヒット数がA>Qとなってしまっているため、3枚あるQについては星出し能力はともかくNP性能に関してはそこまで高くないのが難点。また、第1スキルのギャンブル性に加え、第3スキルの初期CTが12と非常に長く、効果が大きい分使いどころを選ぶという問題もある。
運用では、マイティチェインで3枚目のAを確実にクリティカルさせることが運用のポイントとなる。すなわち、BQA⇒宝具QA⇒BQAというカードの切り方を覚えておきたい。
かつては「QQQ(星出し)⇒BQAでAクリ」の運用が最適とされたが、2022年7月からの「マイティチェイン」導入による恩恵で、初動以外でのQQQの必要性がなくなった。
また、指令紋章は次の2点が推奨される。
- Aカードにスター集中:NPチャージ用。マナプリで買えるコマコ「未青き幻想の令印」をAカードに刻印しよう。
- それ以外のカードに弱体解除系:CTが長い第3スキル温存のため。
オープナーで開放しさえすれば付け替えはいつでもできるため、クエストに応じて変更するのも良い。サポーターとしては、耐久戦向けのマーリン、Aバフや人類の脅威特攻の重ね掛けのアルトリア・キャスター、Aカードを固定して宝具連射も可能にする水着BBなどが挙げられる。アンデルセン・風魔小太郎・シェイクスピアら低レアサポーターのスキルを使用し、陳宮らの宝具やターゲット集中で早々に落ちてもらうのも戦法の一つだろう。
ストーリー攻略では攻略班ですらコンティニューを推奨するほどの超難所(事実上の降参宣言)において、無双の強さを発揮することがままある(神性、フォーリナー、災厄などトラウマボス)。
設定を反映するならば、攻撃性能とNP効率に優れたサーヴァントとして実装されることが当初は期待されていた。蓋を開けてみれば☆5サーヴァントに十分な性能を与えられず、またストーリーでの出番もないため、実装当初は「☆5最不遇」とも囁かれるほど厳しい矢面に立たされた。しかし、強化を経ることによってボス戦や高難易度ステージでの殿一騎打ちで真価を発揮するサーヴァントという評価を得ている。特殊な立ち回りを要求されるが、上手く使いこなせば強力なボスキラーとして活躍してくれることだろう。
ただし、宝具強化ができる幕間2の解放条件が2部プロローグのクリアとなっており、その性能を十全に発揮できるのが1部をクリアしてからと遅めなのも欠点。
実装当時の『FGO』ディレクターであった塩川氏は「設定が強いサーヴァントはゲームの性能も強くあってほしいという要望の現れだろう」という、前述の「設定と性能の噛み合わなさ」と「性能難に対する改善要望」を混同したらしい若干的外れなコメントを寄せている。
2022年12月31日に強化クエストが実装された事でNPチャージを得てからは、元々の高火力を活かしたWオベロン等と組み合わせたイベント最高難易度周回のワンパン要員としての運用も考慮されている。
関連人物
生前
本来は彼を「天の鎖」として天上に連れ戻す役目があったのだが、幼少期から彼を見守っているうちに、システム的なものではない感情に変化したのか、彼の慢心(孤独)を諌めて正す為に出逢い、戦いの末に互いを認め合い世界の終わりまで道具として傍に在り続ける事を誓った唯一の相手となる。自身を「道具」とするエルキドゥにギルガメッシュが与えた言葉は、彼(彼女)に本当の意味で自我を芽生えさせた。エルキドゥ自身は世界の全ての人を「ともだち」だと思っているが、彼については心の内側まで全て曝け出しても良いと思っている。
ギルガメッシュにとっては、セイバーの見果てぬ望みに苦悩するその儚い眩さにエルキドゥの面影を重ねて追ったのが一時的な執着の原因となり、さらに征服王の誘いを断る理由にもなった。
『strange Fake』シナリオの成田氏が書いた幕間でのエルキドゥは「たまに会えば長く言葉を交わすけど、毎回積極的に会って話すということは少ないね。お互いを理解するのに言葉は重要じゃないんだ。ただいるだけで充分。」と話しており、カルデアで2人はあまり会っていないのが窺えるが情報が少ない為、2人がカルデアでどのくらいの頻度で会っているのかは現状では、ユーザーの想像に委ねられているのかもしれない。
関係性についてはイシュタルをイラつかせるほど「面倒くさい」に尽きる。お互い思う所がありすぎるのか微妙な関係が続いている。とはいえ、ギルガメッシュはマイルームボイスで主人公に「(エルキドゥを)丁寧に扱ってやれ。」と忠告のような圧をかけている。
エルキドゥが「普通の友人」として他の人と友達になろうとすると、それでも嫌な様でギルガメッシュが「試してやる」というていで無理難題をふっかけて相手を追い払ってしまうらしく、実際に『strange Fake』で「(エルキドゥと)仲良くなった」と獅子心王が口にした途端、身に纏う空気を裁定モードに切り変え、彼に「俺死ぬ流れじゃないか?」と思わせた。彼が相当嫌がっているようなのでエルキドゥも他の人とは「普通の友達」だと発言し区別して、他とは意味が違うことを強調している。また死後二人が再会する事を条件に、大地に「神々の祝福(災厄)」という呪いが発動する事が判明している。
ウルク市の祭祀長であり、ギルガメッシュ王の補佐官。
王を改心させたエルキドゥにウルクの民達と共に感謝し、エルキドゥの存在で王の「人生」が変わっていくのを補佐官(臣下/部下)として見守っていた。
自らを道具と律するエルキドゥだが、「心優しく、美しいヒト」にしか見えなかったという。
ウルクの民
ウルク市に住む民達。
王を改心させたエルキドゥに感謝し、エルキドゥが亡くなった際は、悲しんでくれた人々。
ギルガメッシュにとってウルクの民として相応しき在り方なのは「生まれの貴賤ではなく、自ら荒野を切り拓く意志を抱いた者たち」であると『strange Fake』で語られている。
ギルガメッシュに求婚をし、自身の死の原因ともなった女神。エルキドゥが唯一嫌う相手。
彼女に対するエルキドゥの態度はすこぶる塩対応だが、イシュタルに非がある為、仕方がないし当然の対応なのだ。ウルクを7年間も飢饉に陥らせた「聖牛グガランナ」をギルガメッシュとエルキドゥの2人で返り討ちにした際に、イシュタルが怒りに任せて求婚を断りグガランナを倒したギルガメッシュを呪おうとした為、そこら辺にあった物を投げつけたことがある。
嫌悪感の表れなのか、イシュタル宛のマイルームボイスの発言やマテリアル本によると、サーヴァント化した後だろうが関係なく、物を投げつけると決めているらしい。その一方で、性格の根源は同じなのにイシュタルの性格を善性寄りにした『FGO』の方の依り代は尊重(尊敬)している。
良くも悪くも自我が強く神目線のイシュタルとはそりが全くあわない。依り代ありの時は「ポンコツ」、なしの場合は「ガラクタ」と呼ばれる。エルキドゥの幕間では案外深くエルキドゥを洞察しているのが分かるが、その上で頑なに感情を否定するエルキドゥが嫌いと宣言している。
冥界の主人。冥府下りの際、冥界の主人に対して相応の礼を以て接しており、「冥界でも咲く花」を探したが見つからなかったことに申し訳なさそうにしていたという。
エルキドゥの死後、その遺体を冥界に埋葬することを許可した。
男女の垣根を越えた美しさを持つ聖娼(『Fake』では記載がない為、詳細不明。『CCC』ではアヌ神によって出会うことになる)。姿も無く性別すら無い泥の塊は、聖娼を真似るように徐々に己の姿を人間へと近づけながら、己にも聖娼としての美しさを宿して彼女の容姿に模したことで多くの力を失い、入れ替わりに人としての理性と知恵を得て、エルキドゥはヒトの姿になった。
生まれ落ちたエルキドゥが最初に出会って友誼を結んだレバノン杉の神域「黒杉森」の番人。至高神エンリルによって鋳造されしもう1体の神造兵装にして、英雄王さえ怖気を振るったと言われている怪物。
彼女達にとってエルキドゥは花のような存在だったとされ、寂しさから救ってくれたことや友達になってくれたことに感謝していた。エルキドゥにとっても最初の友達であり、親のような存在だったそうだ。そして、彼女達を殺害(停止)しようと戦った当時のエルキドゥは”あの”英雄王が静止を呼びかけるほど「キレていた」。加えて彼に止められた時、自分のシステムに歪みが生じていることに気付いた。
Fate/strange Fake
契約したマスター。
オオカミの姿をしたホムンクルスのキメラで、聖杯戦争初の人間ではないマスターである。
魔術師によりサーヴァント召喚のための触媒として作られたが、聖杯に選ばれ令呪が宿ってしまった為、生みの親である魔術師に虐待を受け殺されそうになり、逃げた先の森の中で「生きる」という強い想いの叫び声をあげ、その叫びがサーヴァント召喚の詠唱となり、その呼び声に応えたのがエルキドゥであった。エルキドゥは人間以外の声と言葉も分かるため、銀狼と支障なく意思疎通が可能であり、互いに信頼し合っている。人間に虐待を受け殺されそうになった為、人間を恐れて警戒はしているが、虐待してきた魔術師に対して殺意をいだくことはなく、敵であるティーネに自身の魔力を渡して命を救い、偽アーチャーの霊基の治療に協力して支えたりなど、心優しい性格をしている。
アヤカ・サジョウに対しては同類だと認識し、信頼して懐いている。
とある人物から出現したエスカルドス家の1800年の悲願。同盟関係にあるセイバーのマスターを攻撃しようとした彼に話しかけ、止めにかかる。「君がこの星にとってどういう存在なのか、まだ定まっていないように見えるよ」と評しながらも彼の誕生を祝福し、激闘を経る中で彼が存在しているのは星が希望を捨てていない証拠であることを確信した。
Fate/EXTRA CCC
『EXTRA』シリーズの主人公。
主人公がギルガメッシュと契約する前に契約していたサーヴァントは「バーサーカー」のクラスであったこと以外は不明なままであるが、ギルガメッシュをサーヴァントとして契約した時に夢を通じて語りかけ、死を迎えた己ではもう問うことができない友への問いを主人公に託したとする説がある。ギルガメッシュはバーサーカーに対して「貴様が消えた後に何処かへ去っていった薄情者」と恨み事めいた言葉を漏らしている。
エルキドゥは幕間で宇宙旅行に行けない理由を「星と共に生きるシステム」という役割があるからとしており、イシュタルは「本当に素直じゃない」と指摘した。
Fate/Grand Order
この世界で契約したマスター。
人間の基準値と評して、彼とはまた違うユニークな個体と認識している。
己をヒトとして見てくれるマスターに感謝をしつつも、自身のことを道具であり兵器だと律してそう振る舞っていて、いざという時は自身(エルキドゥ)のことを道具として使い潰してマスターは生き残る道を選んだ方がいいよ、と忠告のような助言を幕間にて伝えている。
主人公のファーストサーヴァント。「カルデアの兵器」として作られ生み出された存在のため、エルキドゥと生い立ちが似ている。主人公と出逢う前のマシュの人形のような振る舞いはどこかエルキドゥに似ており、ギルガメッシュの幕間ではギルがエルキドゥを彷彿とさせるマシュに思うところがあるかのような態度を見せていた。エルキドゥの幕間では、人間らしく成長したマシュが人形のようなエルキドゥを気にかけているような態度を見せている。
自身と同じく作られし者達ではあるが、エルキドゥ本人はそれだけでは無関心で、共感のそぶりもない。ただ、フランには時々話しかけることがあるらしい。
ジェームズ・モリアーティ(弓)、ナーサリー・ライム、メフィストフェレス
上記のメンバーとは一転して興味を持ち、幕間の物語では一度話をしてみたいと自分の足で招集を掛けている。上記のメンバーとの違いは、その存在を「人に願われた」もの、つまり「虚構の物語」由来のサーヴァントであること。特にモリアーティはエルキドゥに目を付けて、何かを画策しているらしい。
上記のメンバー同様その存在を「願われた」もの。
招集時には会えなかったが、機会があったら会って話してみたいとのこと。
ちなみにバニヤンは、斧を武器にしているサーヴァントである。
モリアーティから聞いた偏った情報をそのまま伝えたことでモードレッドの怒りをかってしまうが、やがて互いを理解して普通の友達になる。以降、エルキドゥを「生モヤシ」と呼ぶようになるが、共闘する時だけ「ランサー」と呼ぶ。
人間の匂いがしないため、人間嫌いのロボが心を開く数少ない相手となる。
イベントではナーサリー共々、彼の通訳を担っている。
第2部6章『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』にて登場したサーヴァント。
彼女についての説明の際に、ダ・ヴィンチからエルキドゥの飛行能力の話がされた。
泥から生まれ、先生や恩人との出会いをきっかけに美しいヒトの形を取ったという共通点がある。
自分が亡くなった後のギルガメッシュに対しても遠慮しているが、マテリアル本によると、過労気味の彼を心配して度々「休んで。」と言っているらしく、どのくらいの頻度かは不明だが、何だかんだで交流はある様子。詳細不明な部分が多いエルキドゥだが、シロクマに会いたがっているという可愛らしい一面をマテリアル本に記載された術ギルの詳細により知ることができる。
エルキドゥの死をもって人の王として完成したギルガメッシュは「話す自由を失った」としてあえて距離を置こうとしているらしいが、表面上は冷たく扱いながらも、一番贔屓しているし、エルキドゥが望めば冥界だろうが座からだろうがどこからでも出てくるらしいが、エルキドゥは「きっと彼と一緒にいたら、また彼を冒険に連れ出してしまうかも。」と迷惑をかけない為なのか、遠慮して会おうとしない(本音は会いたいと思っている)。旧知のイシュタルが言う「アンタ(ギルガメッシュ)らしくない顔」との表情を軽々しく見ることはできないものなのだろう。
アニメでエルキドゥの夢を見ている姿が描かれている。
余談
- マテリアルなどでは、元ネタの原典である叙事詩の主人公ギルガメシュのモデルとなったギルガメシュが実在した王である可能性があるため、ギルガメッシュの出典が「メソポタミア文明、ギルガメシュ叙事詩」であるのに対し、エルキドゥは、元ネタのエンキドゥが実在したという説はないため出典が「ギルガメシュ叙事詩」のみ記載されている。
- FGO7章『絶対魔獣戦線バビロニア』アニメED1曲『星が降るユメ』だが、元ネタのギルガメシュ叙事詩ではギルガメシュはエンキドゥと出会う前に星が降る(流星)の予知夢を見たとされるので、作詞の藍井エイル氏が元ネタを拾ったものと思われる。
- 『Fake』や『FGO』で演じる小林ゆう女史は『Fate/EXTRA』のランルーくん以来の出演となる。また奇しくも、彼女のサーヴァントのクラスもランサーであった。
- 『Zero』のドラマCD版では性別が男性設定だったため男性声優が声を当てており、演じた高橋氏は同作にて小林(キャスターの巨大海魔に捕食される自衛隊員)などのモブキャラを演じていた。
- 白い貫頭衣は『ドルアーガの塔』のヒロインカイの服装がモデルと思われる(ちなみにギルガメッシュの鎧は同作の主人公ギルガメスの鎧がモデルである)。
- 『CCC』のギルガメッシュをサーヴァントに選んだルートで主人公のサーヴァントだったバーサーカーはエルキドゥの可能性があるとプレイヤーから言われていたのだが、『FGO』でその説がさらに高まった。
関連イラスト
衣装など
関連タグ
Fate/Zero 戦車男 Fate/strangeFake Fate/EXTRA-CCC Fate/GrandOrder
美しい緑の人:優れたエルキドゥのイラストにつけられる評価タグのようだ
『FGO』幕間ネタバレ
エルキドゥの幕間『神が造り、人が紡ぎ、土に還る』で第七特異点に残存していたラフム達が登場する。
戦いの末にティアマトの残滓が完全に消滅すると、ラフム達はどんなに理不尽な目にあっても世界を恨めないエルキドゥを憐れみながら、母と共に土に還ることを選んだ。
メフィストはエルキドゥとラフムに大した違いは無いと評しており、この言葉を受けたエルキドゥはどこか悲しそうな表情をしていた。また、アニメ版でロマニがラフム達を「エルキドゥの量産型」と評した際、意味深にギルガメッシュの表情がアップで映された。
0;0:f ffs smi zai t5. (われわれは ははと ともに つちに かえる)
30;m4 0;0;f 6j5を 30;m4 (あわれもう われわれは おまえを あわれもう)
6j5f pte0 4o/ue (おまえは せかいを うらめない)
このラフム達のエルキドゥへの憐憫の言葉は、作中でエルキドゥにしか通じていないのも、どこか切なく悲しい気持ちを感じさせられる。
また、幕間2では理性を持たない兵器/道具としてのバーサーカーのエルキドゥが顕現しカルデアを破壊するという極めて不穏な可能性を示唆して終わる。