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概要
日本テレビ系列局ほかの日曜ドラマ枠で放送された『セクシー田中さん』をめぐって起きた事件。
経緯
放送終了後、脚本をめぐって原作者が「自分の作っているものとはかけ離れている」と苦言を呈しており、所々手直しするハメになったことと、そればかりか最後の2話分に至っては自分で丸ごと書き換えざるをえなくなってしまったという経緯を語った。
なお、ドラマの担当脚本家の一人である相沢友子はドラマ『ミステリと言う勿れ』等のヒット作を出しているものの、その一方で原作のファンからは「やり過ぎ」と取られかねない原作改変を行うことでも有名だった。
またチーフプロデューサーの三上絵里子はかつて漫画原作の「おせん」において原作改変に加担したことで原作者を怒らせて一時休筆まで追い込み最終的に「原案」表記へと変更する羽目になったことがあった。
相沢のinstagramで原作者の介入に不満を抱いているとも取れる文章があり、同業者がそれに同調するリプをつけたことから炎上。
2024年1月29日、原作者が死亡していたことが公表された。遺書と見られるものが発見されたことから警察は自殺の可能性があると見て捜査している。原因は不明だが、直近にこのトラブルが起こっていることを考慮するとこの件が関連している可能性は否定できない。
なお、この一件により、原作漫画は既に提出されていた原稿分で連載終了、絶筆となった。
この件は同業者からも多数の同様のトラブル経験がお悔やみと共に語られ、作者が矢面に立たざるを得ない状況を止められなかった日本テレビ側や作家を守りきれなかった版権元の小学館にも厳しい批判が殺到した。
また相沢を擁護したTV業界人も次々と炎上、相沢もinstagramに鍵をかけて沈黙する事態となった。
原作者とメディア展開時のトラブルに関する相談について漫画・小説業界それぞれから「困ったときの相談」を勧める声明が出された。
また、自作の実写化経験がある赤松健議員も契約関係の不備等について言及し、自作のドラマ展開に関して「作品の趣旨を踏みにじる改変を持ちかけられて激怒した」「自身も納得の上での改変」両方の経験を持つ知念実希人も再発防止を願うコメントを出している(参照)。
小学館は過去にも雷句誠やヒガアロハなどの作家も激怒させ縁切り状態となっており、後者はXにて当時の抗議の無期限休載ツイートを消そうかと思った矢先の出来事が起こったことを嘆き読者からの手紙やプレゼントを全部捨てられていたことをポストしているほか、同じく小学館で掲載していたことがある新條まゆもこの件に触れており「原作者がメディアミックスに対して意見を言うと「うるさい原作者だ」とか「神経質だ」って言われます」とXでポストしている。
1994年に「八神くんの家庭の事情」の実写版改悪の被害を受けた楠桂も、Xで芦原氏を追悼しながらも「途中で観るのをやめたので最終回は知らない」Xでの投稿と、当時を振り返っていた。只、楠も当該作を昭和末期の放送と誤認していた模様。(後日、訂正コメントを投稿。)
『海猿』の原作者の佐藤秀峰も2024年2月に自身のnote記事(外部リンク)にてその事に関する苦悩を綴っており、「死ぬほど嫌でした」とハッキリ実写化の件について断罪している。また、DVDとして発売された後に視聴したものの「クソ映画でした。僕が漫画で描きたかったこととはまったく違いました」という感想を抱いていたが、そういった感想は「たくさんの人が関わって作品を盛り上げている時に、原作者が水を指すのは良くないのかなと。自分を殺しました。」と隠し通していたとのこと。また、2017年に版権に関する契約を終了させた件についてはその直後から「死ね」「売ってもらったクセに思い上がるな!海猿はファンのものであってお前のものじゃない!」と誹謗中傷を受けた件を明かしている。(言っておくが、作品はまず第一に作者にその権利があり読者はあくまで"読ませてもらっている側"であることは留意してもらいたい。)
2024年5月31日に日本テレビがドラマ化の条件について芦原側との間に認識の齟齬があったとする調査報告書を公表しており、その中で原作者とも脚本家とも放送前に契約書を締結していなかったことを明かしている。また、報告書には日本漫画家協会理事長を務める里中満智子の「その作品が好きだから、その作品を何とか違う形で、別の味わい方をさせたいという意欲があって映像化なさるのが最低条件だと思います。」という昨今の改編に対する状況に対する苦言ともいえる言葉を掲載している。
2024年6月1日、2013年冬ドラマ「ビブリア古書堂の事件手帖」の大幅改変で被害を受けた三上延が日テレの報告書を受け、「自分に起こった過去の諸々が思い出されて、読み進めるだけで手足が冷たくなるような内容だった。できるだけ感情を排して結論を書くと、私たちにはまるで意味のない調査である。」とバッサリ斬った。(ちなみに、そのドラマの脚本担当の一人が相沢氏である。)
炎上による影響
その荒れ具合は凄まじく、果てには日本テレビ等に直接抗議するどころか、小学館に対して同系列で放送されているアニメ『名探偵コナン』や当時放送していた『葬送のフリーレン』に対して日テレ系列から撤退を求める声が出てしまうほど大きく荒れていた。
勘違いされやすいが、厳密にはコナンは準キー局である読売テレビ制作のアニメであるため直接的な関係は無くはないが、今回の行為は筋違いであるとしか言いようがない(ただし、劇場版では日テレも制作委員会の一員として参加している)。
他にも小学館の出版作品に対する不買運動が発生しており、森川ジョージは「円満にやっている人達まで巻き込むなよ」と思いを綴るなど今もなお多くの作家が日テレや小学館の対応について私見を述べている。
番組の編成面では、日テレでは同じスタッフが起用し2024年4月放送を予定していた土曜ドラマ『たーたん』(西炯子原作)の制作中止を決定。出演者の一人として内定していた吉岡里帆は自身のInstagram内で「今年に入って考えること沢山あります。改革の時なんだなきっと。」と中止に対する心境を述べている。
ちなみにもう一人の出演者だったムロツヨシは同時期に『だれかtoなかい』(フジテレビ)のMCに就任した。
2024年5月、今度は『ACMA:GAME』の作者であるメーブ氏が「整合性が取れていない」等とドラマへの不満を零しており、改めて本件を反省していないと批判が相次いだ(一応、メーブ氏は放送序盤は楽しかったと述べており、ある程度の原作改変も容認している。また、ドラマ企画及び制作は『セクシー田中さん』における問題が起こる以前から始まっていた)。
また、2024年8月31日から放送予定の24時間テレビにも、この件を持ち出して批判という風評被害を被った。
もちろん当該記事でも述べるが、そちらでも不祥事があったものの、それは日本海テレビによるもので、経緯も全く異なるので、この件を持ち出して批判するのは筋違いである。
同年7月放送の同枠のドラマ『降り積もれ孤独な死よ』も早々から原作改変がアナウンスされたことで批判が出たものの、こちらは原作者が「原作が連載中のため、オリジナル設定を入れてくださいとこちらから直にお願いしました。」とコメントしており、原作者と制作側の読売テレビが緻密に擦り合わせを行っていたことから、批判は最小限に留まっている。
2024年度の24時間テレビで放映された萩本欽一と萩本夫人をモデルにした、(当然ながら)日本テレビ制作のドラマ『欽ちゃんのスミちゃん_〜萩本欽一を愛した女性〜』が制作されたが、「なぜドラマの許諾を出したのか」と2024年9月に放送されたラジオ番組において聞き手から聞かれた際に全日本仮装大賞のディレクターが、「後輩が欽ちゃんのドラマをやりたい」という話題を振ったら「笑っちゃうね!」と萩本が返したところ、どういうわけか気がついたら「企画が動き出した」のだという。
これを受けて、日本テレビは同年9月の定例記者会見において副社長が「すべてきっちり確認許可を経て、制作に取りかかっている」と主張するコメントを発表し。双方の言い分が対立する結果となった。そもそも、萩本は第一回の24時間テレビのメインパーソナリティを勤め、50年以上日本テレビに貢献をし続けた功労者である。
更に日テレから2025年4月期に放送予定だった連続ドラマが「原作者側とのトラブル」を理由に制作を中止した事を発表し、またも視聴者から怒りを通り越して呆れとも言える批判を受けた。
ドラマではないが、アニメでも『響け!ユーフォニアム』の3期で終盤の展開が原作と違うという指摘を受けて、原作者が「アニメはアニメ、小説は小説で楽しんでください」と回答する事態が起きている。
※ただし、これは否定派のみならず、改変絶賛派からの「この展開は原作者も本来やりたかったはず」という意見に対しての反応という側面もあると思われる。
また、2024年ドラマ版『ブラック・ジャック』(テレビ朝日)でも原作の重要キャラであるドクター・キリコが何故か性別変更され、更にキャラクターの性格に矛盾がある事から批判を受けている。
2024年10月に放送されるドラマ『その着せ替え人形は恋をする』でも演出やシナリオが尺の都合や演者側の事情、コンプライアンス等により改変されてしまい、批判が相次いでいる。
2024年10月に放送されるテレビ東京系列のドラマ『ウイングマン』でも、キャラクターの設定が変更される事を原作者の桂正和が承知の上で自らファンへ明かし、過度な批判を抑えている。また、桂が総合監修を担当し監督の坂本浩一ら制作陣とも緻密に話し合いを重ねていることを明かしていた。
2024年にAmazonプライムビデオで配信された実写ドラマ『推しの子』でもいくつかの改変が見られたものの、原作者の赤坂アカが脚本家の北川亜矢子との打ち合わせを重ねながら添削・修正等を行っており、作画担当の横槍メンゴも楽曲・背景・衣装監修として参加している。
間違えてはいけないが、本件はメディアミックス化及び原作改変そのものが悪いのではないという事は留意すべし。
あくまで原作者の意向を無視したドラマ制作陣による身勝手な行為が今回の事件を起こしたのである。
関連タグ
日テレ版ドラえもん - 1973年の作品。日テレ・小学館双方の連絡システムの不備を発端とし、最終的には原作者への不義理という事態に発展してテレビ朝日版の放送開始と共に封印作品化に至った。同じ日テレ・小学館に関わり、意思疎通に由来するトラブルが起きた作品という事でこの事件後引き合いに出される。