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概要

なんらかの理由で作者が書き進めることを中断したこと。

多くの場合作者の死去により作品が中断することを指し、連載がスローペース〜休止になっている間に作者が亡くなってしまった場合も多々ある。

作者が生前にアシスタントや親交のある他作家などに完結を託している場合や、『グイン・サーガ』シリーズのように作者が「他作者による派生作を認める」と遺言している場合はまだいいが、それもできないまま急に亡くなってしまった場合はどうしようもなくなってしまう。

前者は主に末期がんといった予後不良の慢性疾患のケースがほとんどで死期が見えているから可能であるが、後者は事由も「予期せぬ事故や短期で生命に関わる重篤な急病」「本人さえコントロールできない精神状態の悪化による衝動的な自殺」など突発性が強いことがほとんどで対処がしつらいという側面がある。

作者が健在の場合でも、「体調や権利の問題で再開が不可能となった」「本人がこれ以上書くやる気ないし書ける気を完全に失った」などの事由により、放棄と引退を表明した「断筆」や、問題行動を起こした末の営業停止で絶筆となるケースも少数ながら存在する。

主な絶筆作品

作者の逝去によるもの

※作者が2人以上の場合、1人のみが逝去した例を含む

作者の断筆によるもの

作者の不祥事によるもの

※作者が2人以上の場合、1人のみが不祥事を起こした例を含む

絶筆作品を他者が書き継いだ例

  • ゼロの使い魔:生前に作者が残したプロットを志瑞祐が完成させた。
  • グイン・サーガ:「誰かがこの物語を語り継いでくれればよい」という作者の遺志が明示されていたため、五代ゆうとの宵野ゆめの2名の後継作家により書き継がれている。2017年以降は五代ひとりの執筆となっている。
  • まりんこゆみ:原案者が生前プロットを作画担当者に託して完結させた。
  • 屍者の帝国伊藤計劃の残した草稿を遺族の了解のもとで友人の円城塔が仕上げ、クレジットは連名となった。
  • サイボーグ009:作者石ノ森章太郎の長男である小野寺丈が小説版として完結させた。
  • のび太のねじ巻き都市冒険記:藤子・F・不二雄が残した構想ノートを基にむぎわらしんたろうが完成させた。
  • イタズラなKiss多田かおる):絶筆となった時点で既に連載終盤で、ラストまでの構想ノートが残されていた。後年のアニメ化に際してそれをもとに脚本が起こされた。原作は未完のままだが、メディアミックスで完結した珍しい例。
  • クレヨンしんちゃん:作者の臼井儀人の死後、アシスタントらが執筆を継承することになった。臼井の遺したストックが尽きたところで本家としては連載終了となり、その後「臼井儀人&UYスタジオ」名義の「新クレヨンしんちゃん」と改題されて連載再開となっている。
  • ゴルゴ13:もともと分業体制が確立されていた(どころかエピソードごとに原作者が異なることもあるのが特徴のひとつである)ため、原作者のさいとう・たかをがいなくなったとしても連載継続に支障は全くない状態であった。そして「自分抜きでも続いていってほしい」というさいとうの希望から、2021年のさいとうの没後、直ちに関係者の手によって連載を継続すると公表され、特に何もなく連載は継続となっている。
  • ベルセルク:2021年5月に作者の三浦建太郎が急逝したが、三浦は生前、森恒二にラストまでのストーリーを話していた。また構想メモやキャラクターデザインも残されていた。これらを受け、森が自分が覚えている範疇に限り監修を務める形で参画し、2022年6月より連載が再開される運びとなった。クレジットは「原作・三浦建太郎 漫画・スタジオ我画 監修・森恒二」となる。
  • プレイボールキャプテン:原作者のちばあきおの死後長い事未完となっていたがちばあきおの死後32年後に彼の遺族に許可を取りコージィ城倉によって続編のプレイボール2キャプテン2が連載された。

絶筆が用語として登場する作品

絶筆が危惧される作品

※他にもあれば追記よろしくです。

そう評される原因はいくつかあるが、主に「公式から続編のアナウンスが無い」、「数年~数十年単位での遅筆・停筆」、「いつまでたっても物語収束の気配が無い」、権利関係のこじれなどの「大人の事情」、「作者の体調悪化」、『パタリロ!』などのような「作者の高齢化」があげられる。

なお『とある魔術の禁書目録』や『名探偵コナン』等のような、人気だが話を膨らませすぎたり引き延ばしすぎだと言われがちな長寿作品も危惧される事がある。

しかしこれらは現在もペースの衰えなく刊行され続けているため、該当するかは微妙なところである。

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