作品情報
| 著者 | 鎌池和馬 |
|---|---|
| イラスト | はいむらきよたか（灰村キヨタカ） |
| ジャンル | SFファンタジー・アクション・バトル |
| 出版社 | アスキー・メディアワークス |
| レーベル | 電撃文庫 |
| 刊行期間 | 2004年4月10日 - 継続中 |
| 単行本 | 60巻(22巻+新約23巻+創約10巻+SS計2巻+SP1巻+外典書庫2巻) |
| 刊行状況 | 継続中 |
概要
著：鎌池和馬、イラスト：灰村キヨタカ(新約より、はいむらきよたか)によるライトノベル。
2004年4月に第1巻が刊行。超能力といったオーバーテクノロジーを擁する「科学」と、神話・宗教やそれを元にした力を擁する「魔術」が交差するバトルアクションストーリー。
2014年に10周年、2019年に15周年、そして2024年に20周年を迎えた。
初期は単に上条当麻が騒動を解決する王道少年漫画に近い構成だったが、物語の進展やキャラの増加に伴い、徐々に群像劇へと移行していった(新約以降ページ数も増えている)。
また群像劇化に伴い主人公格も後述の3人まで増えており、「禁書目録」は主に彼らの視点で物語が進行する。なお、複数主人公視点は同作者のインテリビレッジの座敷童にも形を変えて継承されている。
2010年10月に発売された22巻で原作小説の国内累計発行部数は電撃文庫創刊初の1000万部を突破。全くの無名からの思わぬ快挙である。
その後も2018年8月の時点で1660万部を突破、とあるシリーズ全体の累計発行部数は2019年7月の時点で3100万部を突破しており、涼宮ハルヒシリーズの2000万部やソードアート・オンラインの2200万部が世界累計発行部数である事を入れても、国内での累計数3100万部という非常に大きな数字を叩き出している。
2023年2月に転スラのシリーズが一気に4000万部を越えるまで、長年トップに君臨し続けていた。
改題
22巻でストーリーの大きな節目を迎え、23巻以降はタイトルを『新約とある魔術の禁書目録』に変更。ナンバリングもリセットされた（それに伴い22巻以前は、ファンの間では"旧約"と呼ばれる）。
またストーリー補完の短編集『SS』が2巻、同様に雑誌掲載された物の短編集『SP』も新約移行期に刊行されている。
この他、アニメのBD/DVD特典をまとめた『外典書庫』が2巻刊行されている。
『新約』は22巻+新約22巻リバースの23冊、ここまで計48巻が刊行。リバースのラストで新シリーズへの移行が告知され、再びナンバリングを再リセットした『創約とある魔術の禁書目録』が正式発表。2020年2月7日に創約1巻が発売され、現在10巻まで発売されている。
勘違いされやすいが、改題以降もストーリーや時系列、登場人物はリセットされず全て地続きとなっている為、『新約』や『創約』から読み始めてもストーリーを把握する事は全くできない。
それぞれが違ったテーマや作風を扱っているのも特徴であり、特に『旧約(無印)』と『新約』では方向性が真逆と言ってよい内容な為、割と読む人を選ぶ構成である点には注意。
ちなみに、この作品の元々のタイトルは『ラストメモリー』というものであった。
しかし担当編集である三木一馬氏が「『禁書目録と書いてインデックスと読む』という個性はタイトルで表現したほうが良い」と考えた結果、タイトルを読み上げたときに読者にひっかかりを覚えてもらえて、そして唯一無二の個性を放つ『とある魔術の禁書目録』というタイトルを提案した事が同氏の著書で語られている。
メディアミックス
現在ではこの作品と、それを元にした多くの外伝作品等をまとめて『とあるシリーズ』と呼ばれている。
2007年4月から『月刊コミック電撃大王』にて初の外伝作品「とある科学の超電磁砲」が、5月には『月刊少年ガンガン』にて本編のコミカライズの連載がそれぞれ開始している。
2014年2月に『月刊コミック電撃大王』で本編に繋がるもう一つの外伝作品「とある科学の一方通行」が連載開始。
2021年7月からは『コミックNewtype』にて「とある科学の心理掌握」が連載開始された。
この他にも外伝作品や公式アンソロジーなどが連載・出版されている。外伝作品などの詳細は各項を参照。
2008年に最初のテレビアニメ化。
同年10月から第1期が放送、2009年10月からは「超電磁砲」のアニメ1期が、2010年10月には第2期が放送された。
そして2013年2月23日には劇場版「エンデュミオンの奇蹟」が公開され、同年4月からは「超電磁砲」の第2期（超電磁砲S）が放送された。
それを最後にしばらくアニメ関連の動きはなかったが、2017年10月に「とあるプロジェクト」の始動、その一環としてテレビアニメ第3期の制作決定が同時発表され、2018年10月から放送された。
2018年10月のアニメ3期の1話が放送された後には「一方通行」のアニメ化と「超電磁砲」の第3期（超電磁砲T）が発表、それぞれ2019年7月からと2020年1月から放送された。
これにより、本編アニメが全6クール+劇場版、外伝アニメが全6クール+1クールとなった。
話数で言うと全163話相当である。
ライトノベルを原作とした作品のメディアミックスとしては非常に多いと言えるだろう。
2019年7月4日よりスマートフォン向けゲームとしてとある魔術の禁書目録 幻想収束の配信が開始された。
こちらはこれまでのメディアミックスで登場したキャラクターの他、アニメ化されていない『新約』以降のキャラクターも多数登場する。
ストーリー
超能力が科学によって解明された世界。
能力開発をカリキュラムに組み込む巨大な学園都市に住む高校生・上条当麻のもとに、突如純白のシスターが現れた。
彼女は「禁書目録(インデックス)」と名乗り、魔術師に追われていると言う。
科学と魔術、２つが交差する世界へと、上条は足を踏み入れてゆく────。
登場人物
主人公
| 上条当麻(CV:阿部敦) | 一方通行(CV:岡本信彦) | 浜面仕上(CV:日野聡) |
|---|---|---|
 |  |  |
| 第1の主人公。幻想殺しと呼ばれるあらゆる異能を打ち消す右手を持つ、レベル0の少年。 | 第2の主人公。体表面に触れたあらゆる向き（ベクトル）の操作を可能とする、レベル5の第1位。 | 第3の主人公。元スキルアウトで、現在は暗部組織「アイテム」の下っ端のレベル0の少年。 |
ヒロイン
| インデックス(CV:井口裕香) | 御坂美琴(CV:佐藤利奈) |
|---|---|
 |  |
| イギリス清教の見習いシスターで、10万3000冊の魔道書の内容を完全に記憶している。通称『魔道書図書館』。現在は上条の寮に居候中。 | レベル5の第3位で、電流操作などを得意とする発電能力者。通称『超電磁砲』。上条とは腐れ縁で、食蜂とは犬猿の仲。 |
| オティヌス(CV:瀬戸麻沙美) | 食蜂操祈(CV:浅倉杏美) |
 |  |
| 魔術結社グレムリンの元リーダーで、魔術を極めた魔神だったが、現在は妖精化し上条の理解者となった。インデックスと同じく上条の寮で居候中。 | レベル5の第5位で、精神操作を得意とする。通称『心理掌握』。美琴とは犬猿の仲で、上条とは過去に何かあった模様。 |
その他の中心人物
| 打ち止め(CV:日高里菜) | 滝壺理后(CV:洲崎綾) | フレメア=セイヴェルン |
|---|---|---|
 |  |  |
| 見た目は10歳前後の女の子だが、妹達の上位個体にしてミサカネットワークの統率者。自分の命を救ってくれた一方通行を家族のように慕っている。 | ｢アイテム｣の一員で、浜面の恋人。能力はレベル4の能力追跡(AIMストーカー)。普段はボーっとしていることが多い不思議ちゃん。 | 元アイテムのフレンダの妹。浜面にとても良く懐いていて、恋人の滝壺からは強くライバル視されている。精神年齢の近い打ち止めとは親友同士。 |
登場人物と組織一覧
詳細はとあるシリーズの登場人物一覧も参照
科学サイド(学園都市)
魔術サイド
一般サイド
既巻一覧
各編名は公式ポータルサイトの『「とある」シリーズを時系列でプレイバック』より引用。(アニメ化されてない範囲であるSS2巻については仮称)
ただしリンク先の記事では別の名称が用いられてる場合もあるので注意。
| 第1巻 | 禁書目録編 |
|---|---|
| 第2巻 | 吸血殺し編 |
| 第3巻 | 絶対能力進化編 |
| 第4巻 | 御使堕し編 |
| 第5巻 | 打ち止め編、アステカの魔術師編、闇咲逢魔編 |
| 第6巻 | 正体不明編 |
| 第7巻 | オルソラ誘拐事件編 |
| 第8巻 | 残骸編 |
| 第9巻 | 大覇星祭編 前編 |
| 第10巻 | 大覇星祭編 後編 |
| 第11巻 | アドリア海の女王編 |
| 第12巻 | 0930事件 前編 |
| 第13巻 | 0930事件 後編 |
| SS1巻 | 武装集団事件編 |
| 第14巻 | C文書・左方のテッラ編 |
| 第15巻 | 学園都市暗部編 |
| 第16巻 | 後方のアックア襲来編 |
| SS2巻 | 『原石』編(仮) |
| 第17巻 | 『ブリテン・ザ・ハロウィン』 前編 |
| 第18巻 | 『ブリテン・ザ・ハロウィン』 後編 |
| 第19巻 | ドラゴン編 |
| 第20巻 | 第三次世界大戦編 上 |
| 第21巻 | 第三次世界大戦編 中 |
| 第22巻 | 第三次世界大戦編 下 |
受賞歴
宝島社が主催する『このライトノベルがすごい!』の作品部門ランキングにおいて、2011年度は1位、2012年度と2013年度は2位、2014年度と2015年度は3位と安定した順位を獲得している。
コミカライズ
いずれも月刊少年ガンガンにて掲載。
- 『とある魔術の禁書目録』(作画：近木野中哉) 連載中。 単行本25巻～。
原作本編をコミカライズしたもの。コミックガイドに当たる5.5巻、11.5巻も出版されている。
- 『とある日常のいんでっくすさん』(作画：みじんこうか) 単行本全5巻。
「日常」に焦点を当てたほのぼの4コマ。月刊少年ガンガンとガンガンオンラインにて連載された。
- 『とある魔術の禁書目録 エンデュミオンの奇蹟』(作画：朝倉亮介 構成：西野リュウ) 単行本全2巻。
『劇場版 とある魔術の禁書目録 -エンデュミオンの奇蹟-』をコミカライズしたもの。
- 『とある魔術のヘヴィーな座敷童が簡単な殺人妃の婚活事情』(作画：臥待始 構成：西野リュウ) 単行本全2巻。
鎌池和馬10周年記念で執筆された鎌池作品オールスターノベルをコミカライズしたもの。
外伝
月刊コミック電撃大王にて掲載
- 『とある科学の超電磁砲』(作画：冬川基) 単行本16巻～。
学園都市第三位のレベル5、御坂美琴を主人公にしたスピンオフ。アニメ化もされた。
- 『アストラル・バディ』(作画：乃木康仁) 全4巻。
「とある科学の超電磁砲」10周年記念スピンオフ企画として連載開始。
食蜂派閥の縦ロール先輩こと、帆風潤子を主人公にしたスピンオフ。
- 『とある科学の一方通行』(作画：山路新) 全12巻。
学園都市第一位のレベル5、一方通行を主人公にしたスピンオフ。アニメ化もされた。
- 『とある偶像の一方通行さま』(作画：舘津テト) 全4巻。
レベル5達がアイドル活動をするスピンオフギャグ4コマ。
デンプレコミックにて掲載
- 『とある魔術の禁書目録×電脳戦機バーチャロン とある魔術の電脳戦機』(作画：ひびぽん 構成：涼風涼) 全3巻。
電脳戦機バーチャロンとのコラボ小説のコミカライズ。
『とあるマガジン』にて掲載
- 『とある科学の未元物質』(作画：如月南極) 単巻完結。
学園都市第二位のレベル5、垣根帝督を主人公にしたスピンオフ。
コミックNewtypeにて掲載
- 『とある科学の心理掌握』(作画：乃木康仁)
学園都市第五位のレベル5、食蜂操祈を主人公にしたスピンオフ。
アニメ
第一期 → 2008年10月～2009年3月 全24話。詳細はとある魔術の禁書目録(アニメ)を参照。
第二期 → 2010年10月～2011年4月 全24話。詳細はとある魔術の禁書目録Ⅱを参照。
第三期 → 2018年10月～2019年4月 全26話。詳細はとある魔術の禁書目録Ⅲを参照。
関連イラスト
関連タグ
外部リンク
rainbow spectrum(はいむらきよたか氏のサイト)
