概要
CV:大原さやか
アニメ版「超電磁砲」に登場した人物であり、シリーズ第一期のラスボス。
木原幻生の孫娘である。
表向きは「テレスティーナ」とのみ名乗って正体を隠し「警備員」の一部署である先進状況救助隊「MAR (Multi Active Rescue) 」の隊長及び付属研究所所長の座に就いていた。
妙齢のロングヘアの女性。表向き冷静で優しいタイプであり、美琴に負けず劣らずの少女趣味な面を持つ。
しかしその本性は酷薄な性格で部下への態度も乱暴、口調も非常に汚い。祖父と同じく人体実験への抵抗を全く持っておらず、他者を平然とモルモット扱いする。
ちなみにこの本性は木原一族であることの他に、後述の実験を受けた過去の影響も大きい様子であり、「自分を蔑んだことで抱いた逆恨み」とその本質を理解した美琴からは憐れまれている。
木原幻生の「能力体結晶の投与実験」の第一被験者であり、彼女が保有する「ファーストサンプル」はテレスティーナ自身からこの実験の成果として抽出された代物。この「ファーストサンプル」こそ能力体結晶の根幹となる「能力者の暴走条件を内包・反映したもの」であるらしく、木山春生は「置き去り」たる教え子たちを安全に目覚めさせる手がかりとしてこれを探し続けていた。
ちなみに彼女も幻生の研究理論を受け継いでおり、目的を「能力体結晶の完成」としているが、上述の経緯からか彼自身のことは快く思っておらず「ジジイ」と蔑んでいる。
一方、科学者としては有能で、特殊音響兵器「キャパシティダウン」の開発者。スキルアウトの一組織「ビッグスパイダー」が用いていた物も、元はテレスティーナがデータ収集のために流した試作品である。
上述の実験の被験者(=当時は彼女自身も能力者だったと見てほぼ間違いない)にもかかわらず「キャパシティダウン」が自身に効いていないが、作中で大人の能力者は未登場であること、能力開発の性質上大人は能力者たり得えないとされることから考えるに、すでにその能力は失われているか、仮にあったとしてもレベル0程度だと思われ、戦闘に能力を用いている描写も無い。
だが一方で、総合的な戦闘力は決して侮れるようなものではなく、上述の「キャパシティダウン」にて相手の能力をほぼ封じたうえで駆動鎧にて制圧する戦法を好むほか、「キャパシティダウン」を使えない戦闘の際には「警備員」の権限でアクセスしたバンクのデータを利用し、自身の使用する重機ロボットに電撃への対策をあらかじめ施したり、超電磁砲の射程を見切ったうえで間合いを取ったりすることで美琴の攻撃をいずれも無効化しており、科学者としての才能を戦闘面で存分に発揮している。
これらの相手の特性を逆手にとって有利に立ち回ることこそが彼女の恐ろしさであると言えよう。
このほかにも、自身の立場を利用して圧力をかけ「警備員」の妨害が及ばないようにする、木山の教え子たちを計画のため移送する際にわざわざダミーの輸送車を仕込む、私兵としたMARを駆使して時間稼ぎや邪魔者の排除を試む、自身の利用する施設に「キャパシティダウン」を仕掛けて敵の攻撃に備えるなど、自らの持つ知恵や権力をもフル活用して巧妙に立ち回る。
総じて「絶対的な戦力差をすさまじいまでの用意周到ぶりや頭脳で埋め、自身の目的のためどんなものでも躊躇なく使う」という意味で、木原一族の何たるかがよくわかる人物であると言える。
マーブルチョコレートらしきものを持ち歩いており、これで占いのような行動を取る癖がある。
ちなみに自身の私兵としたMARを彼女はいくつかの分隊に分けているのだが、それらにも「○○マーブル(○○には各分隊の色の英語表記が入る)」の名をつけている(色までも現実世界におけるマーブルチョコレートと同じ7色が使われている)あたり、相当気に入っている様子。
劇中での活躍
「乱雑開放」事件が起きた際にMARの隊長として登場し事態の収拾に努める。しかしその目的は「乱雑開放」事件の原因となっている昏睡状態の「置き去り」の身柄を確保し、彼らの「自分だけの現実」を用いて能力体結晶を完成させ、完成したそれと春上を使い、学園都市の壊滅すら厭わずにレベル6を創造することにあった。
ちなみに、彼女が実行を目論んでいた方法は、その実現の可能性について樹形図の設計者により、麦野沈利から「悪あがき」と評されるほどに絶望的な演算結果を出されていたことがのちに判明しており、テレスティーナが演算結果を知らなかったとは考えにくいのだが、それでもやろうとする執念はさすが木原一族というべきか(のちに彼女の祖父たる木原幻生も同じように悪あがきに近い方法でのレベル6への到達を目論んだ)。
冥土帰しの病院から「置き去り」達を連れ去った前後より木原一族特有の凄まじい顔芸と共に本性を現し、キャパシティダウンを用いて美琴を一度は敗北させるものの、彼女の拉致を部下に任せた結果、たまたま居合わせた婚后光子の助太刀により取り逃してしまう。
そして第23学区内の研究施設への移動中、追ってきた美琴らを重機ロボットや巨大な駆動鎧で迎え撃ち、データバンクをもとに対策を取って美琴を相手に有利に立ち回るが、彼女の本気を見誤った結果、電撃で破壊されたロボットの一部を用いた黒子と美琴の連携による特大の超電磁砲の前に敗北した。
その後、研究施設に向かった美琴たちを満身創痍ながらも追跡。特製の駆動鎧を装着して美琴達の前に再び立ちはだかり施設のキャパシティダウンを用いて苦しめるが、初春から制御装置の場所を教えられた佐天にその装置を破壊され形成を逆転されたうえ、一瞬の隙を突いた黒子の空間移動により駆動鎧の右腕を損傷し「ファーストサンプル」を奪われる。
最後は美琴と対峙。美琴の能力を解析し開発した「超電磁砲」(曰く『オリジナルを超える威力』らしい)を撃つが、想定を上回る威力を出した美琴の超電磁砲に押し負けて重傷を負い「警備員」へ引き渡された。 皮肉にも、科学者である彼女にとっては取るに足らない存在であるレベル0の無能力者・佐天の存在に気づかず放置して勝利を確信したことが敗因となった。
能力者をモルモット呼ばわりし、スキルアウトをもてあそび、未曾有の悲劇を生み出さんとした彼女の末路は、相手の「前提」を誤ったばかりに「結論」を大いに狂わされるに至るという、マッドサイエンティストにふさわしい敗北だったといえる。
その後、「超電磁砲S」の革命未明編で牢獄に入れられた状態で再登場。フェブリを助ける手がかりを探す美琴に渋々ながらもヒントを与えた。
ちなみにどこからか絶対能力進化計画の話を聞いていたようであるが、獄中に暗部の関係者がいたのか、それとも美琴たちと戦った時点ですでに知っていたのかは不明。
「新約とある魔術の禁書目録」では名前のみ記述される。
「創約とある魔術の禁書目録」では犯罪者社会人矯正刑務所に収監されており、隣の住人は面会者と会っていた際、彼女について「常にゲラゲラ笑ってヤバいモノでもキメてるんじゃないか」とぼやいていた。
先進状況救助隊「MAR (Multi Active Rescue) 」
テレスティーナを隊長とする「警備員」の一部署。
専用のヘリやトレーラー、作業用ロボットなどを有しており、対能力者用に銃火器や駆動鎧などの武器も所持しているが、テレスティーナの息のかかった者により構成された事実上の私兵と化している。
ヘリやとトレーラーにはグレーと赤のツートンカラーが施され、斧をモチーフにした専用のロゴがみられるのが特徴。
また、テレスティーナが表向きの救助用・裏の戦闘用に利用する駆動鎧は上述の通り分隊に分けられ、色分けされている。以下に、各部隊の駆動鎧とその概要を記載する。
隊長機
テレスティーナ専用の機体。2種類が存在する。
- 通常用
分隊が使用するものと同じタイプのものと思われる。ピンク地に赤の模様が特徴。MARの駆動鎧としては劇中で最初に登場しており、「乱雑開放」で倒壊した街灯から初春と春上を守った。
- 戦闘用
通常用とは異なるやや細身の形をした特殊仕様。黒地にピンクと紫のツートンカラー、そして異様に大型化している肩部が特徴。銃火器による武装が施されているほか、巨大なサーベル状の専用武器が存在し、これを展開することで「超電磁砲」を発射することが可能。
分隊
- ブルーマーブル
劇中で最初に姿を見せた分隊。水色に青の模様が特徴。「乱雑開放」への対処のために出動していた。その後、テレスティーナと美琴の最初の戦闘の際、敗北した美琴の回収を試むも失敗。テレスティーナに糾弾されており、その後の最終決戦には姿を見せなかったことから、何らかの処分を受けたものと思われる。
- グリーンマーブル
最終決戦時に木山の追跡を阻止するために送り込まれた分隊。薄緑色に緑色の模様が特徴。「警備員」による足止めを受けたことで現場に向かうことに失敗し、そのまま制圧された様子。
- ブラウンマーブル
最終決戦時に木山や美琴たちの足止めのため投入された分隊。薄茶色に焦げ茶色の模様が特徴。黒子や救援に来た婚后によって一掃された。
- イエローマーブル
テレスティーナが計画に用いようとしていた研究所の防衛や搬入作業に当たっていた分隊。黄色地にオレンジの模様が特徴。テレスティーナの追撃を振り切って研究所に到着した美琴により撃破された。
なお、テレスティーナが撃破された後、配下のMARも「警備員」により制圧されたものと思われるが、その後組織としては解体されたのか、それとも何らかの形で存続しているのかは不明。
関連タグ
テレスティーナ・木原・LL(EDの表記)
アキエ:中の人が同じ妙齢の科学者。