『超能力者(レベル5)』をも遥かに凌駕する『絶対能力者』。アレイスター=クロウリーが目指す『神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの』の到達過程にあるが、同一視される事が多い。
絶対能力進化(レベル6シフト)
『絶対能力者』とは、第一位の一方通行(アクセラレータ)が唯一到達できる可能性を秘めた領域とされている。
『樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)』の予測演算では、他のレベル5は過剰な投薬で身体に異常を来すか方向性が異なる者しかいないため対象は一方通行に限定される。
『絶対能力者』は御坂美琴を128回殺害する事で到達可能だという。しかし『学園都市』の技術力を以てしても御坂美琴128人分の補充は不可能であるため、その劣化量産品『妹達(シスターズ)』2万人を殺害し、同様の結果を得ようとする『絶対能力進化実験』が実施された。
実験自体は結果を唯一予測できた『樹形図の設計者』の損失と上条当麻の介入によって修正の効かないレベルまで崩壊したため、無期凍結となった。
『超電磁砲』で上記設定が少し補完され、木原幻生は美琴でも全てを代償にした上でほんの一瞬だけレベル6にシフト出来る(※一瞬で崩壊する)と予測している。
それでも幻生は『神(高次)の領域』への到達を期待し、都市一つは消し飛ぶにしろ科学の発展のために必要な犠牲と考えていた。
アニメオリジナルではテレスティーナが暴走能力者達を使い春上衿衣をレベル6へシフトさせようと目論んでおり、『体晶』による暴走能力を緩和、制御しようとしていた。
だが『体晶』を用いたレベルシフトは『樹形図の設計者』から絶望的な結果を算出されており、達成したとしてもロクな事にならなかった様子。 (例えるなら「ソーラーパネルに核爆発の光を当ててすんごいエネルギーを作ろう!まあコレ何処にも繋いでいない(溜めるも発散も出力も何もできない=何がしたいかすら分かってない)んだけどね」というお粗末すぎるモノ)
アレイスター=クロウリー曰く、既に方式は確立されており一方通行、最終信号、風斬氷華を三位一体とする事で達成可能らしいが、彼の目指す先は「絶対能力のさらに先にあるもの」である。
だからこそ、わざわざ1920年代に潰れたテレマ僧院を『学園都市』として科学に偽装して蘇らせ、上条当麻を誘致したのだという。
【とある科学の一方通行】プロデュース
『プロデュース』(※『自分だけの現実』が宿る場所の研究)の成果の一つに「体が小さくなるにつれて能力の出力が落ちる」という物があった。その発想を逆転させて「身体の大型化が能力に繋がる」という仮説に基づき、機械で出来た巨体を脳にして自身の肉体と錯覚させることで能力を強化させた。
そこにエステル=ローゼンタールの死霊術を導入し、『妹達』の持つ「10031の死の記憶」を取り込む事での完成を目指している。
※菱形蛭魅をこの理論で「完全なる肉体と完全なる脳」、即ち神を作り絶対能力者(レベル6)へ昇華させる事が目的だが、既に当初の計画から逸脱している。
絶対能力の先にあるもの
※『神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの』を参照
絶対能力の先にあるもの。学園都市やアレイスター=クロウリーが目指す到達点。
【新約22巻】〈深淵〉を乗り越えた先
※『人造の樹(クロノオト)』を参照。
新約22巻にて一方通行とクリファパズル545と妹達の総体の三位一体によって〈深淵〉を超えた。一方通行はエイワスと同質のプラチナの翼を現出させ、史実のアレイスター=クロウリーと同等の領域に至ったのである。
コロンゾンによると一方通行は0=0位階に準ずる者らしく、アレイスター・クロウリーの破門された愛弟子、かつて〈マイオン〉を提唱した兄弟エイカドが〈深淵〉の試練を制し、マジスター・テンプリの誓約を立てたように、彼もまた飛び級昇格であった。
これがどの領域に属する話なのかは不明。レベル6か、もしくは『神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの』なのか。いずれにせよ〈人造の樹〉の深淵を乗り越えた(生命の樹でいう上位3セフィラに届いた)のは確かである。
ちなみに本作のクロウリーはこれ以下だったらしいが、新約22巻518ページ以降に変則的な方法で深淵を越えている。しかし、その前から魂が10億以上に分岐してたり高次元存在っぽい設定もあってよくわからないことになっていた。あえて制御しなければ魔神に到達してしまうんだとか。
【元ネタ】ホルスの時代
ここまで来るとグノーシスじみた話になってくるが、これは元ネタの『テレマ神秘主義』がその系統を大いに含有する神秘主義だからである。
※実際、3巻でインデックスがグノーシスを連想している
テレマでは人に「神」が内在し、『Magick』によって全てとの調和や神との合一がなされることで人が真なる目覚めを果たし「神」となる。それが「ホルスの時代」である。
薬物と娼婦の神秘主義「テレマ」、学園都市はその宗教の創始者が作った第2のテレマ僧院だった。能力のレベルが上がるたびにますます魔術っぽくなるのも、魔術との間に境界線なんて無い(クロウリー談)のだから当然のことだろう。
新約18巻 アレイスター=クロウリー:
形を変えた僧院、学園都市は君にくれてやる
新約17巻 土御門元春:
思春期の少年少女を一ヶ所に集め、独自の教えを広めて、薬物投与も辞さない方法で叡智への接近を試みる。学園都市はアレイスターにとってのテレマの再来だ
新約17巻 豊山琉華:
そうか、思春期の心性と薬物作用を網羅した超常誘発方式自体がかの僧院テレマの、いや、だとすると!? 科学と魔術?これ、こんなの、片腹痛いじゃない!ここにあるのが全部本当だとするなら、そもそも二つの世界なんか存在しない。たった一人の邪悪がそう見えるように切り分けているだけ!!世界は統一した理論で説明できてしまうじゃない!
関連項目
とある魔術の禁書目録 神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの
垣根帝督:一方通行以外で唯一可能性がある者。クロウリーが目指していた神浄との共通点もある。アクセラレータの予備とされていたため、彼なら安定する可能性も示唆されている。
深淵の悪魔:叡智…?