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右方のフィアンマ

うほうのふぃあんま

「とある魔術の禁書目録」の登場人物。 ローマ正教「神の右席」の実質的なリーダー。
目次 [非表示]

さあ、正しい力の意味を知ってもらおうか


概要編集

CV:森川智之


とある魔術の禁書目録に登場する『神の右席』に所属する魔術師

火、右を司り、対応する天使は『神の如き者(ミカエル)』。

『神の右席』の実質的なリーダーで、魔術師としての腕も相当なもの。一人称は、俺様。

不完全な状態にあった自らの腕の完成を目的として、魔術サイド科学サイドの争いである「第三次世界大戦」を引き起こす。


その目的は「世界を救うこと」であり、上述にある右腕の完成も含め、そのための準備として大戦の引き金を引いた。

裏で暗躍して世界中を巻き込んだ戦いを起こし、主人公右手ヒロインの知識を狙い、そこまでして果たしたい目的が「世界の救済」という意外性から、読者から結構な人気を得ている。

扱う魔術も、主人公の上条当麻と同じく右手に由来するものであるため、まさにラスボスに相応しい存在とも言えるだろう。


聖なる右編集

右

フィアンマは「聖なる右」という特殊な術式を使用する。

どんな邪法や悪法だろうが、問答無用で叩き潰し、悪魔の王を地獄の底へ縛り付け、1000年の安息を保障した右方の力。

非常に強力かつ不安定であり、彼の右肩から現れる歪な『第三の腕』は、本来のものではなく空中分解した姿。


この力は「倒すべき敵や試練や困難のレベルに合わせて、自動的に最適な出力を行う」性質があり、莫大な力を常に生み出し続けるだけの出力を、思った通りの結果を出すために適切に行使できる。

ようは相手の強さに合わせて力の自動調整が行われる、つまり相手が強ければ強いほどフィアンマの力も増していく


触れれば終わるから破壊力はいらない。振れば当たるから速度はいらない。

腕自体が莫大な出力と様々な性能を持ち、目標に対する最適な力を自動で発揮するため、破壊力・速度・硬度・知能・筋力・間合い・人数・得物といった戦闘で勝利するためのものがフィアンマには必要ない。

上条曰く、RPGの戦闘で譬えると戦う、防御、呪文、道具などのコマンドの中に『倒す』なんていうふざけた項目が存在するようなデタラメな力。


つまり文字通り、どんな相手にも右腕を振るうだけで「勝てる」、戦闘において万能と呼べる能力。


付加価値としての力も高く、他には、

  • 水平方向で射線が通っていれば、どれだけ離れていようと、途中が空中だろうと海上だろうと、望む距離を瞬時に移動出来る。
  • 前方のヴェントが操る女王艦隊の砲撃で傷一つ負わない。
  • 30~40kmもある巨大な剣を行使することが可能など。

さらに、十字教的な奇跡は大抵右手をもって行われる」という点から、多くの「十字教的超常現象を自在に行使することができる」

人の枠に留まり“この世界で説明できる程度の力”の中では反則級と言えるだろう。


ただし、「最適な出力が出る」ということは「敵のレベルで出力が上下する」ということでもあり、万全の力を引き出すには相応の「敵」が必要となる。

この「敵」とは単純に自分と敵対する人物ではなく、その人物からフィアンマへ向けられた「悪意」の事を指す。彼の右腕はこの「悪意」を指標にして力を引き出している模様。


『世界を救えるほどの力』を持ちながら、それを振るうためには「悪意」が必要という、何とも皮肉めいた術式であった。


加えて、この「万能」と呼べる力すらも、先述の通り不完全な代物。

故に作中ではよく『第三の腕』と表記されている。


作中ではとある条件を揃えて『神上』という存在に至り、完成はしたのだが……



神上編集

仇敵

フィアンマの右腕の真の力であり、本来あるべき力。その力は凄絶の一言に尽きる。

作中で見せた出力だけでも惑星を破壊し、十字教のあらゆる神話を再現できる程の規模であった。


この『神上』と呼ばれる状態に至るために、まず第三次世界大戦を引き起こし世界中の人々の「悪意」を表出させ、そして実際に天使を降ろした『サーシャ=クロイツェフ』という素体、『禁書目録』の10万3000冊の知識(霊装)、上条当麻の『右手』を力の媒介として用いた。


『神上』へと至ったフィアンマは、幻想殺し(右腕)を切断して取り込んだ事で用済みとなった上条に向かってその力を解き放った。

しかし、上条の切断された腕から現れた『透明な何か』によって切り払われる。

フィアンマが放った力は惑星を塵に変えるほどのものだったが、上条当麻の中から現れた謎の力は『神上』に至ったフィアンマすら圧倒する存在だった。


その後、上条は自身の内から現れようとした力を押し潰し、新たに幻想殺しを宿した右腕を再生させる。

同時に「幻想殺しは同じ世界に二つも存在できない」「上条当麻の右手にこそ本物の幻想殺しが宿る」という概念的なルールが発動し、フィアンマが切断して取り込んだ上条の右腕からは幻想殺しが消えていった。


さらに、作中の登場人物達が国も人種も関係なく協力して戦争を止めようと行動した結果、世界中から集中する「悪意」が想定した量に達せず、『第三の腕』の出力も急速に低下していく。

上条が語るには、フィアンマが想定した世界中の「悪意」というドロドロとした負の燃料は、あくまで人の一面でしかない。

「光」とも呼べる人の意思が「悪意」に打ち勝つ。

事実フィアンマの力が弱まり、それがこの奇跡を証明していた。


世界を『救ってやる』なんて思っているヤツに、この世界は守れない

そんな野郎に救われなければならないほど、俺達の世界は弱くなんかない


テレマ教との対比編集

アレイスター=クロウリーが言うには、フィアンマの計画は自身の計画と近かった。


もっとも、クロウリー的にはフィアンマの到達点はかつて自身が提唱したテレマ教の思想において、十字教の支配下で神に隷属する「オシリスの時代(アイオーン)」でしかない。つまり未だ旧態依然とした古い枠に囚われていたらしい。

そのクロウリーが見据えていたのは「ホルスの時代(アイオーン)」、テレマの中心概念で人が真なる目覚めを果たして神となる時代であった。


学園都市は科学に擬態させた「テレマ僧院」。

クロウリーはある種の力が封入された小世界を上条当麻のためだけに用意し、上条の右腕、もしくは上条に潜む何かの力の成長を促していた

  • ある種の力が封入された神殿を用意(ベツレヘムの星│学園都市=テレマ僧院)
  • その中で右腕の力を精錬(聖なる右│幻想殺し竜王の顎?)
  • 位相の厚みを調整して世界を作り変える(天界│既存宗教に無い新たな位相?)

なお、フィアンマのミカエルの力と違って「幻想殺し」「神浄」「右手」はオシリスの時代では到底説明できない代物らしい。

この設定が判明してから上条=ハディート説がより強固なものとなったが果たして……。


その後編集

上条との戦闘に敗北した後、落下していくベツレヘムの星で、残る上条にコンテナに乗せられ脱出。その際、フィアンマが救おうとした広い世界を自分の目で確かめてみろ、と説かれる。

しかし雪山で学園都市の生命維持装置の中にいるはずのアレイスター=クロウリーと遭遇し、右腕を切断される。

いくつか言葉を交わした後、上条当麻が命を懸けて救った世界を守るために、勝利など不可能な状況を理解した上でクロウリーと交戦する。


センシティブな作品

踏みにじらせる訳にはいかない。

たとえ、正真正銘の怪物と向き合う事になってでも。

あの男が命を懸けて救った世界を、これ以上踏みにじらせる訳にはいかない。


もはや誰もこのフィアンマを敵とは思えなかっただろう。

結果は敗北。吹雪の中で瀕死の状況に置かれるが、オッレルスシルビアによって救助される。




新約では編集

新約4巻にてオッレルスと共に再登場。彼と共に『魔神オティヌスと対峙し、結果的に上条を守る事となった。右腕は切断されたままだが、その『世界を救える力』は不安定な状態に戻っているようだ。その後もオッレルスと裏で暗躍している様子。


新約6巻では登場こそしなかったものの、どうやら「数々の強敵が集った場所で、誰にも感知されずに行動できるかどうか」を試していたようで、実際フィアンマはレイヴィニア側からも『グレムリン』側からも、終始誰にも気づかれる事はなかった。


新約8巻終盤でその隠密性を利用して、オッレルスと共にオティヌス相手に妖精化の術式を打ち込む事に成功する。

が、それが逆に決定打となってオティヌスを完全な魔神に昇華させてしまう。皮肉にもオティヌスの思惑を理解しきれなかった彼らの行為が「世界」を消滅へと導いてしまった。


少し間を開けて新約13巻で再登場。

魔神「僧正」に追われていた上条を助けるため、そして世界を崩壊させてしまった罪滅ぼしのために介入。

双方とも大幅に弱体化しているとはいえ、元々の力量に差がありすぎたのか一瞬で倒され、病院送りとなってしまう。


以降、特に出番も活躍も無いまま新約が完結。

創約での再登場を望まれる。


余談編集

ベツレヘムの星


作中でフィアンマが使用した空中要塞「ベツレヘムの星」は、高度一万メートルの上空に浮かび、半径四十キロを超える。元ネタは、イエスの誕生に纏わる伝承に登場する星。イエス・キリストがユダヤのベツレヘムで生まれた時、夜空に誰も見たことがない星が出現した。三人の賢者達はその星に向かって旅をし、たどり着いた場所でイエスと出会ったという。また、クリスマスツリーの天辺に飾るあの星はベツレヘムの星を象ったものとされている。


関連タグ編集

とある魔術の禁書目録 神の右席

前方のヴェント 左方のテッラ 後方のアックア


アレイスター=クロウリー オッレルス 上条当麻 幻想殺し


各巻のボス編集

ミーシャ=クロイツェフ右方のフィアンマ黒夜海鳥

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