後方のアックア
こうほうのあっくあ
本名 ウィリアム=オルウェル
CV東地宏樹
イングランド地方出身の魔術的な傭兵。 またの名を「後方のアックア」。
魔法名は「その涙の理由を変える者(Flere210)」。
数少ない聖人の一人、というより神の右席唯一の常識人。
その体躯・格好と合わせて静かで揺るぎない雰囲気を放つ。
騎士団長の友人でもある。
その魔法名に偽りはなく、傭兵として数々の戦場を渡り歩き、多くの人々を理不尽な悲劇から救い出してきた経歴の持ち主。救われた人々は彼のことを畏敬の念とともに語り、その恩を返すために新たな霊装を作り上げたり(上記の『アスカロン』がそれに当たる)、共に戦場へ行こうとする者も多い。
10年以上前には英国王室第三王女ヴィリアンを救った功績により、騎士派のメンバーに誘われたこともあった。しかし自らを「傭兵崩れのごろつき」と呼び、「傭兵の流儀(ハンドイズダーティ)」を貫くためにその誘いを蹴った。その時に作られた『盾の紋章』(エスカツシャン)の図版を見たシェリー曰く「相当のひねくれ者」「『騎士』としてリストアップされたのが不服だった」と推察した。紋章には自身がイギリスに対して考えている個人的な感傷がメッセージとして秘められており、イギリスを離れた際に図面の破棄を命じていたが、彼を忘れられなかった職人の手によって図面は破棄されず盾の紋章も密かに完成させており、アスカロン調達時に完成させた盾の紋章を彼に渡されアスカロンの根元に付けられている。
その精神性はローマ正教側についたあとも然程変わっていないが、戦乱や政治的問題を最小限の被害で抑えるために必要とあらば、時には、特異性が目立つ原石能力者とはいえ一応民間人でもある人物に、下記の特性を活用した魔術を淡々と振るう、剣呑な一面も。
(もっとも、本人もこういった対処法が全て正しいとは思っておらず、幻想殺しが無力化できたと確認できれば命そのものは狙わないとして、一応妥協案を提示したこともある。)
上条当麻の幻想殺しを争いの元凶と認識し、それを奪うべく上条及び天草式と交戦。主人公のはずの上条さんを数ページで叩きのめし退場させた。
その後同じ聖人である神裂火織と交戦、実力と格の差で神裂を圧倒するも、途中から天草式メンバーが神裂を救うべく参戦、病院から無理やり抜け出してきた上条も登場した。
激戦の末、天草式の切り札たる『聖人崩し』をその身に受け、
自身の力が一瞬制御不能になり敗北。
その保有する大きな力の影響で大爆発を引き起こした。
一時的に並みの聖人レベルにまで力が落ち、水の魔術の使用も万全には行えない状態となっている。キャーリサの『英王国全土を揺るがすクーデター』が発生した際には、それを停めるべく先の戦いで失ったメイスの代わりに、新たな武器であるアスカロンを手に参戦、囚われの姫であるヴィリアンの下へ再び最高にカッコいいタイミングで登場した。
その後かつての戦友である騎士団長と交戦、激闘の末に僅差で勝利した。その後上条とインデックスを助けた後は単独行動を行い、クーデターを行ったキャーリサを止めるため上条らと共闘した。
再登場後は全ての元凶が右方のフィアンマであると理解したため、上条当麻を狙うこともなくなっており、 同じく組織を離れたヴェントと連携しつつ、自由な傭兵として行動を続ける。
その後、フィアンマを追いロシアに潜入したところで、浜面仕上たちの戦闘に遭遇。 滝壺理后と集落の人々を守るべく奮戦した彼らに、 自らの魔法名に通じるものを見て助太刀、またもや美味しいところを持っていった。
浜面たちを救った後、右方のフィアンマの計画を阻害するために、自身の体に神の力(ガブリエル)のテレズマを誘導し流し込ませた。その際に莫大な負荷がかかり、瀕死の状態となった上、一般的な魔術師以下の魔力しか操れなくなってしまう。一度は倒れ伏し死を覚悟したアックアだが、浜面の激励に応え、大切な人々のために再び立ち上がった。
このように、狙ったかのようなタイミングで登場しては圧倒的なヒーローっぷりを見せつけるおじ様である。
巨大な剣の霊装であるアスカロンを聖人としての身体能力で扱うだけでなく、 神の右席の能力として『神の力』の性質を持ち、受胎告知との関係から『聖母の慈悲』を行使できる。
また聖母の慈悲の効果により、神の右席が使用できない通常の人間用魔術も使用可能。
聖人
世界に20人といないと言われる、生まれた時から神の子に似た身体的特徴・魔術的記号を持つ人間。偶像の理論により、『神の力の一端』をその身に宿すことができる。
具体的には、聖人の証『聖痕』(スティグマ)を開放した場合に限り、一時的に人間を超えた力を使うことができる。特に魔術を使用していない状態でも幸運など何らかの加護が存在するらしい。
その能力は一般的な魔術師が太刀打ちできるような次元には無い。圧倒的な能力を持つ故に単独行動を好む傾向がある。
その身に宿す圧倒的な量のテレズマにより腕力や脚力、五感などの身体機能が大幅に強化されており、本編に登場した聖人達は総じて、その身体能力に頼った接近戦を得意とする傾向がある。
また、元々の出力が高いために使用できる魔術の規模も大きく、広範囲を覆う結界魔術であっても瞬時に発動を可能とし、戦闘用の術式ならば余波だけで並の魔術師を一瞬で消し炭にする程。接近戦と魔術戦を同時に展開する事もできるため、聖人同士の激突になると、そうではない者達が立ち入る隙はほとんどない。
聖人としての特徴を持つ者は「神の力の一端」という絶大な力を与えられることになるが、強大すぎるその力の制御は極めて困難であり、一端と言えども完全に掌握することはほぼ不可能。仮に100%完全に力を行使できたとしても、肉体にかかる高負荷によって身体が粉々に吹き飛ぶ可能性があるなど、単なる「都合のいい加護」ではなくリスキーな一面も持つ。
また、『神の子』と親子の関係にある『聖母』も似通った身体的特徴を持つらしく、『聖母』に似た人間もまた、聖人と同質の力を得ることができる。後方のアックアは『神の子』と『聖母』の両方の特徴を兼ね備えた、いわば「二重聖人」とでも言える特殊な存在である。
また、上記のリスクの他に多大な力故の被害拡大という不安要素も抱えており、無人に近い状態で特殊兵器・“オジギソウ”と対峙した際は、“人を巻き込まずに戦える”と、不器用さと人間臭さの入り交じった独り言をこぼしている。そしてその人間臭さなどは、路面や周囲の人間などへの被害を出さずに行える移動法や、辛口だが良心も混ざった交渉内容、魔術や武力を用いずに食料問題に携わった逸話などにも多少反映されている。
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