超能力(とある魔術の禁書目録)
ちょうのうりょく
学園都市が科学的に開発した異能力の総称。
本作の超能力は
「ミクロな宇宙での観測で生じた歪みが、マクロな宇宙に超自然現象を引き起こす」
という量子論を基に発展させた方式となる。
原則として持てる能力は1人1つだけ。
新約17巻で「とある神秘主義」との共通点が指摘され、それと酷似した「思春期の心性と薬物作用を網羅した方式」と形容されている。創約1巻で基本的に“この開発方式”では子供にしか効果がない事も明確化された。
超能力以外にも「魔術」という分野が存在する。
この魔術も、遥か昔から存在する「原石」と呼称される天然の異能力者達を目標に、才能のない者達が編み出した技術とされる。原石を天然のダイヤモンドとするならば、学園都市勢の超能力者は人工のダイヤモンドのような存在。
自分だけの現実(パーソナルリアリティ)
科学的な薬物投与や暗示によってあえて心理的外傷を人為的に起こす事で「通常の現実」から切り離された者が獲得する異能力の根本。
量子力学の観測者である自己が観測し、99%の常識では有り得ない1%の可能性を起こり得るものとするだけの「自己の内面に宿るなにか」。通常とはズレた常識。たとえば「発火を独力で引き起こす可能性」や「人の心を読む可能性」のような、1%のズレた常識を有ると思い込むだけの意志の強さが能力の強弱に関わってくるのである。
この『自分だけの現実』を学園都市が定めた「時間割り」(カリキュラム)で肥大化させていくのが能力開発の基本。
本作の魔術は「位相」と呼ばれる神話宗教観が反映された異界の法則を扱っている。言うなれば科学側におけるこの引き出し対象が「自分だけの現実」だと解釈すれば理解しやすいかもしれない。
『自分だけの現実』つまり能力が人体のどこに宿るのかも分かっておらず、自分だけの現実の宿る場所の研究「プロデュース」も実施されている。
※能力者(とあるシリーズ)を参照。
能力の強さは6段階表記の強度(レベル)によって表され、現状では無能力者(レベル0)~超能力者(レベル5)までが存在する。
超能力には“学園都市製異能力の一つの呼称としての超能力”と、“学園都市が定めた基準としての超能力者(レベル5)”の二つの使われ方がある事には注意。
学園都市はレベル6、あるいはその先の「神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの」を目指している。
その正体は、魔術師のアレイスター=クロウリーが近代魔術「テレマ」を徹底的に科学にカモフラージュして整え上げた体系であった。科学と魔術の間に確たる境界が存在せず、間にはグラデーションと言うべき無数の段階が横たわっているとか。
新約17巻 豊山琉華:
そうか、思春期の心性と薬物作用を網羅した超常誘発方式自体がかの僧院テレマの、いや、だとすると!?
科学と魔術?これ、こんなの、片腹痛いじゃない!
ここにあるのが全部本当だとするなら、そもそも二つの世界なんか存在しない。
たった一人の邪悪がそう見えるように切り分けているだけ!!世界は統一した理論で説明できてしまうじゃない!
テレマ神秘主義に極めて酷似した薬物を使用する方式に加え、思春期の心性を重視しているらしい。明言されてないが現実世界でのテレマ系儀式で使用されたのは依存性の高い麻薬(コカインとか)なので、その辺にはアレンジが加えられているのかもしれない。
AIMとは"An Involuntary Movement"、「無自覚」という意味。
能力者が常時かつ無意識的に放出している力場。電撃使いなら微弱な電磁波、吸血殺しなら吸血鬼を誘う香りなどの形で現れる。
AIM拡散力場は科学サイドやアレイスターの「計画」における重要なファクターである。妹達を各国の研究機関へ送り込むことによりミサカネットワークを利用しAIM拡散力場を全世界で展開することに成功。
風斬氷華やエイワスのようなAIM拡散力場を媒介にして存在(顕現)する存在をAIM思考体と呼ぶ。AIM拡散力場という「位相」による、科学的な天使に他ならない。
AIM拡散力場への干渉を可能とする能力「能力追跡(AIMストーカー)」も存在する。
虚数学区・五行機関
学園都市における都市伝説の一つ。
その正体はAIM拡散力場の集合体が形作る人工的な異界。
魔術側の位相が単純に神話宗教観が支配する世界であるに対し、科学側の異界と言うべきAIM拡散力場の世界は謎が多い。
そのため、アレイスター=クロウリーはこの異界の住人と接触しようと考えている。
全体論ベースの超能力。学園都市製の対となる「マクロな宇宙の歪みがミクロな小さな現象を起こす」という方式。
具体的には、
「宇宙全体を折って丸め、人体から極小な火を出す」。
「全体論の超能力者」には宇宙を丸めてる自覚も持てず、火が出る程度の力という認識しか出来無いかもしれない。なんせ本人にとってはただ火をおこしてるだけなのだから、宇宙を操作出来る力で惑星なり銀河なりを押し潰してしまえば?という疑問すら抱けない。
しかしこの理論では世界のどこかで確かにマクロスケールの歪みが発生する。もしこれが実証・完成すれば、最強どころか全く新しい体系が誕生する事に他ならない。
新約4巻では魔術結社『グレムリン』がバゲージシティを利用し、「全体論の超能力」を創る為の基礎理論の実験を行った。
しかし全体論の能力が実証された『結果』の未来に引っ張られる形で、バゲージシティの『現在』が「必要以上に悲劇が発生しやすい法則」に支配されていた。これにより全体論を操る側のグレムリン含めて多大な被害を出してしまう。
…以上のことは上条当麻があるべき何かを打ち壊したことで確定した。