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薔薇十字(とある魔術の禁書目録)

ろーぜんくろいつ

薔薇十字(ローゼンクロイツ)とは、ライトノベル『とある魔術の禁書目録』の秘密結社である。モデルは同名の結社『薔薇十字団』。
目次 [非表示]

初出:第1巻


概要編集

世界救済を掲げた秘密結社。後の「魔術」に絶大な影響を与えた。

この結社はクリスチャン=ローゼンクロイツ(以下CRC)が開祖…とされている。その名は近代西洋魔術にとっても重要な意味を持ち、歴史に燦然と名を残す一方で本部の実在は確認されていない。


「表」の歴史に名を残しているため、一般的な知名度では黄金夜明よりも高い。その知名度の高さからも、ヨーロッパ史に詳しい人には今更かもしれないが、このCRCという人物と大元の薔薇十字はまず実在したかどうかが疑わしい。

本作では始祖の老師CRCがヨハン=ヴァレンティン=アンドレーエによって創作され(1616年に「化学の結婚」で正式名が発表された)、名前だけが独り歩きしている人物だと「ある魔術師」が指摘している。


実際、ドイツ薔薇十字やCRCの実在は確認されておらず、箔付けのためか後世で薔薇十字の血統・団員を名乗る結社や学者が次々と現れ、混乱を一層加速させている。


大まかに分けると薔薇十字の思想・伝説は以下の通り

  • 人類を影から正しく導く
  • 錬金術によって世界を飢餓・病・厄災から救済する
  • それに関連する不老不死、あるいは万能薬の生成
  • 君主政治の打倒

さらに団の規則にはこうある

  • 創設(入団)から100年後まで秘匿する
  • 達人(アデプト)はあくまで市井に紛れて暮らすべし
  • 団員はRC以外のサインを残さない  ...etc

これらの規則を以て、今もなお神秘性を保っているという。


また、〈黄金夜明〉も薔薇十字の系統に数えられる。


クリスチャン・ローゼンクロイツ(CRC)について編集

『新約』時点で語られた主な設定は「120年後の復活」「腐敗しない遺体」「墓」と先述のアンドレーエの話である。ちなみにインデックスが記憶している10万3001冊の内の『Mの書』は、このCRCによって執筆(翻訳)されている。


神秘の薔薇と黄金の十字シンボル編集

アンナ

薔薇十字において10枚の花弁で表現される薔薇は女性の生産性の象徴でしょ。つまりオマ

エイワス

徹底的に黙れこの野郎


シンボルの薔薇と十字は、「男女」の結合の象徴とされる。神秘の薔薇は宇宙=子宮を表す。つまりそういうことである。

なお薔薇のシンボルは『未踏召喚://ブラッドサイン』にも〈黄金の夜明け団〉の系統として登場しており、超重要な設定のベースとなっている。


薔薇十字の系統編集

黄金の夜明け団編集

“公式には”栄えあるドイツの魔術結社(黄金夜明)のアンナ=シュプレンゲル(高位の薔薇十字団員)から枝分かれした系統とされる。


このシュプレンゲル譲とウェストコットがしばらく文通して〈秘密の首領〉から結社設立許可を受け取ったという。こうしてロンドンに〈黄金夜明〉No.3が誕生する。

(しかし、魔術研究家エリック・ハウによるとこのシュプレンゲルなる女性と文通はウェストコットにより捏造された物とされている)


〈黄金〉の第二団〈ルビーの薔薇と金の十字架〉はモロに薔薇十字色が濃い。これはローゼンクロイツの墓所を辿るという伝統に乗っかっているためである。


なお史実では〈黄金の夜明け団〉の創設者は3人が〈イギリス薔薇十字会〉に名を連ねており、この意味でも薔薇十字の系統と言える。この各地に存在する「~薔薇十字会」なるものは当時は紳士淑女の研究会あるいは社交サークルみたいな物だったらしく、英国のも例に漏れなかったという話もある。


科学サイド編集

フランシス=ベーコンは4種イドラ論を提唱した。

 →ベーコンは薔薇十字系という説がある(元ネタ参照)。

  →→科学サイドも薔薇十字の末裔


…とシュプレンゲル嬢が『リバース』で言っている。


判明しているメンバー編集


他のメンバーは不明。なおリバースによると「この二人を指して薔薇十字」とも。


サンジェルマン伯爵編集

社交界に突如現れた自称・不老不死の紳士。伝説ではこの人?も薔薇十字の一員とか言われているので一応こっちに記したが、本作での扱いは不明。

アンナ=シュプレンゲルはあの丸薬を口にしたが特に影響は無かった。


R&Cオカルティクス編集

R&Cオカルティクスは薔薇十字っぽい名を冠するIT系巨大企業。

アンナ=シュプレンゲル嬢が面倒を見ている。企業だが、実態も曖昧でネット中に転がっているオカルトサイトの系統と変わらない。


創約』1巻ラスボスのある人物はこの影響を受けて「魔術」を使った。もう少し踏み込んで言えば学園都市(科学サイド)の大物が、である。


【元ネタ】薔薇十字という伝説編集

ヨハン・ヴァレンティン・アンドレーエによる著書『化学の結婚』に登場するクリスチャン・ローゼンクロイツは、それ以前に出た作者不詳の『友愛団の名声』『友愛団の信条の告白』でC.R.C.と表記されている。


『名声』において魔術師達による薔薇十字の創立物語と君主政治の打倒、『告白』(信条とも)ではそれが強調されている(『名声』『告白はアンドレーエではない、というかアンドレーエは結婚もCRCの著作だと言い張っている)。

こうした一連の怪文書は「薔薇十字(革命)宣言」として西洋に広まり、ここで薔薇十字やCRCの土台が完成、RC伝説が確立される事となる。


大体のことは概要他で説明しているのでそちらを参照。


参入宣言と後付編集

このRC伝説は学者や魔術師たちの参入宣言という多彩な脚色と後付を孕み、ルネサンス期以降における大規模な神秘主義的運動“薔薇十字運動”と密接に結び付いている。CRCの生まれ変わりだの薔薇十字団員だの、後世の学者達(本人が自称してる事も多い)が勝手に薔薇十字と結びつけて色んな伝説が付随してしまったのである。


本作で名前が挙げられた有名所ではフランシス・ベーコン(シェイクスピア別人説とも関係する)、サンジェルマン伯爵辺りも薔薇十字団の一員だったとも。

本作に於いてもベーコンと薔薇十字団は結び付けられており、他の色んな本でさも確定かのように書かれているが実際には“説”の域を出ない。


ジョン・ディーは薔薇十字団の発端部分に多大な影響を与え、一部歴史学者によってディーの哲学の影響を受けた人物ハインリッヒ・クンラートこそが薔薇十字の開花的予兆だったとも考えられている。


極めつけがアンナ・シュプレンゲルという創作説が濃厚な存在。イギリス薔薇十字会に名を連ねるウェストコットは薔薇十字の箔付けが欲しかったのだろう。後はもう禁書で説明されている通り。


関連タグ編集

とある魔術の禁書目録 黄金夜明 R&Cオカルティクス

アンナ=シュプレンゲル エイワス


未踏召喚://ブラッドサイン:黄金系を通してだがブラッドサイン式に薔薇の象徴が用いられている。十字に該当する道具がブラッドサインだとすると流石に下ネタが過ぎるというべきか…。


クリスチャン=ローゼンクロイツ:開祖。

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