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概要

楠桂(くすのきけい) 原作のファミリーコンボラブコメドタバタギャグ漫画

1986年から1990年まで増刊少年サンデー(週刊少年サンデーの月刊版)に連載され、その後TVドラマ化された。

異常に若く見える(現在に言うところのロリババアな)母親を持つがゆえにマザコン近親相姦願望に悩みまくった挙句に、リビドー溢れまくっちゃうDTボーイの苦闘を描いた作品。

単行本少年サンデーコミックスより全7巻で発刊された。

あらすじ

リビドー溢れるイマドキのフツーな高校生、八神裕司くん。

彼の悩みは、外見上はあまりにも若すぎる母親・八神野美の存在だった。子どもの頃から若すぎる母を「変」となじられた過去を持ってしまった事から、八神くんは小学校低学年から母親に対してド反抗期に陥っていたのである。

が、高校に入ってからは外見上では若い母親を同級生に羨ましがられ、囃し立てられ煽て上げられた挙句、なんと八神くんはマザコンに大・覚・醒してしまったのである!

だが、そんな事とはつゆ知らぬ母の野美は持ち前の天然気質をもって、息子の前で無知シチュを晒しながらR-15R-18を寸止めで回避という、八神くんにとっては天国と地獄のチャンポン状態な日々を送る羽目に。

だが、そんな八神くんの周りには、彼の母を狙う不倫願望担任教師の四日市、彼のマザコンを知ってなおソレを受け入れて一途に思いを寄せる美少女である五十里真幸、八神の父に不倫願望を持ち父に生き写しの裕司にストーキングする七瀬密子、野美ソックリでありながら八神くんを兄貴と慕う喧嘩っ早い後輩である八百井刺激、ストーリーに関係なく出現する謎の東洋人Xなど、壮絶に「濃い」メンツが集まってくることに。

母の無垢と周囲の思惑に翻弄されまくる八神くんの家庭の事情は、もはや謎の東洋人Xすらも知ったこっちゃなかったりもするのだった!

イメージアルバム

合計3枚作られ、作者が常連としてイラストを投稿していたファンロードが企画する食べ歩き旅行(通称・ゲゲボツアー)のイメージキャラクター「謎の東洋人X(編集者注・困ったことにこの人物は実在する)」のイメージソングが作られたあげく、原作者の楠自身が歌を歌うというまさにカオスなできあがりのアルバムとなり、後にこのメンバーでアニメ化された。

キャスト

※謎の東洋人X…本来は上記通り、ファンロードの企画する海外食べ歩き旅行(通称:ゲゲボツアー)に参加した旅行客のひとりに過ぎなかったが、ゲームの負けた罰として「謎の羽仮面」、「女ものの妖しい下着」を身につけ、「ローソク」、「ムチ」をもって「ホホホ・・女王様とお呼び」というセリフとともに会場に現れたという。このすさまじい光景を見た作者は気分が悪くなって自室に戻ったとされるが、読者によってその雄姿はバラされ、またたく間にファンロードの名物キャラクターとなった(ちなみに同氏の職業は警察官だったらしい・・)。

また、2作目では当時売り出し中だったバンド「ヒルビリー・バップス」の楽曲が用いられたが、バンドはフロントマンの宮城宗典を発売以前に亡くし、最後に収められた彼の遺作「Dear Friend」は当時のドラマーによる歌唱が収録されている。

キティフィルムの当時の会報誌でも念願のOVAだった筈なのに、記事の扱いは1Pの片隅に記載と言うあんまりな扱いだった。

ドラマ

1994年10月から1995年2月にかけて、火曜夜8時台にてテレビ朝日系列局(ただし一部系列局除く)で放送された。MITストーンヒルズおよび朝日放送製作。

TOKIO国分太一が裕司を、夏木マリが野美を演じた。

主題歌は当時ソロ活動を並行させていた川添智久(LINDBERGベーシスト)が担当、TOKIOもEDテーマを手掛けていた。

実は……

原作の「異常に若く見える母に近親相姦願望を抱いて悶えるマザコン」という本作最大の主幹要素が当時の放送コードに引っかかったのか、その部分を除外して「マザコンではない息子と子離れができない母親」「実は魔女」という原作にない設定を定め、予告に原作の絵を使うなどの演出により、原作のファンから批判が殺到。原作者の楠が「私はドラマ版のストーリーに関与していない」と宣言し、「原作」とされていた楠のクレジットが「原案」になってしまった。

ただ、当時この時間帯に放送されていた他の漫画原作・原案のドラマも、原作とは大幅な改変が加えられていたりもした。「お父さんは心配症」では、佐々木典子の妹として佐々木奈々が追加されていたり、漫画家の大塚由美が「りぼん」→「りぼんオリジナル」に発表した「シュガーなお年頃」を元にした名取裕子主演の「先生はワガママ」では部活動や校風等、設定が大幅に改変されていた。さらに、折原みとの小説「真夜中を駆けぬける」に至っては完全に別内容になってしまう有様だったため、折原が「私はノータッチだった」「森也の死因についてドラマでは自殺ということになっているみたいだけど原作は違う」と述べた。

本作のドラマ版は全く再放送されていないが、そんなこともあってか、その事に関してはあまり気にしなかった人もいるようだ。

序でに当初は1994年10月11日開始〜12月20日放送の全11回(当初より11月22日に世界バレー男子準決勝「オランダ対日本」の中継が決まっていた場合は1994年12月27日か、または1995年1月10日だった)予定だったが、11月22日は世界バレー男子準決勝「オランダ対日本」の中継で、12月放送分も特番差し替えの休止となり、翌年2月7日終了迄延期となった。その為、エピソードの放送順も入れ替わり、本来12月13日(世界バレー準決勝放送の場合は12月20日)に放送される筈だった「17歳のクリスマスキッス」が11月29日に繰り上がり、逆に11月29日以降に放送する予定だったエピソードがそれぞれ95年1月10日以降へ繰り下げとなった。この措置が取れたのも本作が一話完結形式だったから可能だったと言える。

なお、1月17日放送分は阪神淡路大震災関連報道で特番休止となり、1週放送延期となったのであり、決して1話カットされた訳ではない。大震災が無かったら最終回は1995年1月31日に放送される筈だったのである。

その後、楠桂2024年のXの投稿で「途中で観るのをやめたので最終回は知らない」と当時を振り返ったと同時に、昭和末期の放送と誤認していた模様。(後に訂正コメントを投稿しました。)

関連タグ

小学館 少年サンデー 楠桂 少年漫画 ギャグ

お父さんは心配症:本作よりも前に朝日放送制作・テレビ朝日系列局(一部系列局除く)で放送された漫画原作のテレビドラマ。八神裕司役の国分太一はこちらにも北野くんの役で出演した。また、五十里真幸役の持田真樹も、こちらでは佐々木典子役として出演している。

ハガネの女∶同じくテレビ朝日系列局で放送された漫画原作のテレビドラマ。こちらは2期での内容に原作者が反発し、最終回が近づくと「原作」から「原案」に表記が変更されている。

おせん(きくち正太の漫画作品):本作同様、テレビドラマ版をめぐって原作者が反発した作品。こちらは最終回になって「原案」に表記が変更されている。

セクシー田中さん:同じ小学館から出版された漫画が原作のテレビドラマ。原作者はドラマの内容に不満を感じており、終盤は原作者が脚本を手掛けることになった。そしてこれらによる騒動が大事になった結果、原作者が自殺するという事態にまで発展してしまった。

詳細は「セクシー田中さん原作改変事変」にて。

通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?:本作とよく似た設定のライトノベル作品。

エディプスコンプレックス:本作の発想の原点で勘の鋭い人なら八神=エディプスの捩りと判る筈である。最もギリシャ神エディプスはかなりエゲツない内容であるが。

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