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簡悔

かんくや

「簡単にクリアされたら悔しいじゃないですか(笑)」の略語。
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そもそも「簡単にクリアされたら悔しいじゃないですか(笑)」とは?

元来は『FF11』の追加ディスク「プロマシアの呪縛」が難しすぎる事に対し、河本信昭ディレクターが雑誌インタビューで発言したものが由来である(詳細は当該記事を参照)。
何でも簡単に手に入るとユーザーのモチベーションが下がってしまう
簡単にクリアされたら悔しいじゃないですか(笑)

この発言に、河本氏はプレイヤーからの不評と批判を買った。
ほとんどのプレイヤーにとっては「クリアできなければ(簡単に手に入らなければ)モチベーションが上がらず、やりがいもなかった」のである。無論「固定PT」等「高難易度コンテンツを仲間と力を合わせて乗り越える事がやりがい」なプレイヤーもいたが、そもそもゴールのない(見えない)マラソンを走るランナーなどいないのである。
その後難易度は緩和されたものの、汚名を返上する事はできず、河本氏はFFの評価を下げたとして『FF14』においてディレクターを降板・降格させられる事となる。

なお、同ゲームでは「いやならやめてもいいんじゃぞ」と発言するNPCがおり、これは「嫌なら(ゲーム中で発生するクエストを)辞めてもいい」という意味だったが、これを「『嫌なら見るな』的な更なる挑発と捉え、ついに嫌気が射して本当にゲームを解約・引退してしまったプレイヤーもいたほどである。

意味の拡散

ゲームクリエイター側の失言として多大な顰蹙を買ったこの炎上は、勢いを保ったまま他ゲームにも飛び火してゆき、現在に至るまでその時々の流行に合わせて「運営主眼で全くプレイヤー目線に立っていない理不尽難易度設定」「課金や時間の浪費をさせる事自体が目的と化した本末転倒」等に対するプレイヤー側からの皮肉として使われるようになっている。

特に「簡悔精神」「簡悔難易度」「簡悔ゲー」などして一般名詞のように使われる場合はほとんどが『FF11』や河本氏とは無関係の事象であり、対象のゲームやクリエイターは高確率で実際にはこのような発言をしていない
俺TUEEEがしたかったのにできない」といったヌルゲー志向の極致のような八つ当たりさえも散見されるようになっており、風評被害が問題視されている。

そもそも高難易度が易々とクリアできないのは当然であるし、レアものが簡単に手に入らないのも本来なら当然なはずである。お門違いな非難をしない為にも、この言葉を言いたくなったら一度一呼吸置いてみるべきである
一方でプレイヤー心理として「簡単にクリアしたい」「サクサク進めたい」という感情が現れるのもまた事実であり、あまりに放置しておくとチートエミュレータ、その他不正な手段を用いた内部データへのアクセス・解析・改造が横行しかねない。
そのような行為に走らせないゲームを作る事もまた、クリエイターの手腕であると言える。

拡散の背景

一ゲームの失言がここまで広まり一般化した背景には、「ゲーム全体のライトユーザーの増加により、あまり高難易度が求められなくなった」事や「インターネットの発達により攻略情報が簡単に共有できるようになった」事、そして「解析技術の発達で運営・制作陣の悪意・調整ミスなどが容易に可視化できるようになった」事などの環境の変化が原因として挙げられる。
そして何より、制作側や運営が(ゲーム内容に関係するか否かに関わらず)不適切な発言やプレイヤー達の癪に触る発言をすれば、すぐに燃やせる時代になってしまったのだ。

現代と比べてゲーム機もゲームソフトも高額で、他の娯楽や情報共有の機会も少なかったファミコン時代なら高難易度でも甘んじて、あるいは喜んで受け入れられていた。
ドラゴンクエスト2』のロンダルキアへの洞窟、『コンボイの謎』『スペランカー』『たけしの挑戦状』『ミシシッピー殺人事件』等、この時代には名作クソゲー問わず一手間違えただけで即死ゲームオーバーしたり、プレイヤーの腕だけでは阻止しようがない即死トラップ(ブリザードの集団ザラキが有名だろう)があったり、技術的制約やUIの不備等が原因でそもそも攻略法が作中に明示されていないなど、最悪詰みかねない理不尽で難解なゲームには枚挙に暇がなかった。

しかし、技術の進歩で制約が解消され、家庭用ゲームに関するノウハウが蓄積され、ゲーマーの趣向も変化している現在、そのような理不尽すぎる難易度やUIの不備・調整ミスは到底受け入れられるものではなくなってきたのである。
敵やトラップの数をある程度調整できるシステムが搭載されたり、作品によっては「クリア扱いにはならないが先に進める裏ルート」「スコアが反映されないが、常に無敵になれるアイテム」といった救済措置が見られるようになった事からも、その傾向は明らかである。
インターネット経由でのアップデートが可能になってからは尚更で、今時のゲーマーは「不具合は当然に修正されるもの」という認識で育ってきている
プレイヤー間でコースの作成・共有が可能な『スーパーマリオメーカー』では、クリア率が極端に低い鬼畜コースが氾濫した反省から、公式自ら「見かけでは見破れない初見殺し満載」「そこら中敵とトラップだらけで目の処理が追い付かない」等の理不尽な高難度コースを作るのは控えるように呼びかけたほどである。


また、発端となった『FF11』を含むオンラインゲームソーシャルゲームといったジャンルでは、基本設計自体が従来のゲームから変化しているという事情もある。

中にはネット通信による他のプレイヤーとの協力プレイを売りにしたものの、ソロ(一人プレイ)では敵が強過ぎて全く倒せず、実質チームプレイ専用になっている作品や、基本プレイが無料か極めて低価格である代わり、事ある毎に課金を要求されてかえって普通に買うより高く付く作品といった事例も目に付くようになり、不満が溜まりやすくなった。
特に後者は、料金を支払ったところで必ずしも目当てのキャラクターやアイテムを入手できるとは限らない設定になっている(通称「ガチャ」システム)事も多く、ゲームの進行がリアルの資金や運に連動してくるばかりか、依存症などギャンブル一般が抱える問題も引き起こされて尚更殺伐とした環境になりがちである。

他方で課金をさほど求めない代わり、小数点以下の確率で~を地で行くような運ゲーをひたすらに課すタイプのゲームも増加傾向にあり、それはそれで逃れる手段が無いためストレスが爽快感を上回りやすい。
無論、複数の問題を同時に抱えている場合も少なからず存在する

「簡悔」の具体例

※以下はあくまでそう認識されやすいシチュエーションの例である。『FF11』以外に明確な定義は無く、従って万人の共通見解というものも存在しないため、具体的なゲーム名は記述しない

プレイヤーに作業を強いる仕様

具体的にはストーリー進行と噛み合わないレベルアップ、スキルアップ等。
本題から外れてそのためだけの作業をする必要が生じ、「苦行」と捉えられやすい。特に高レベルになると経験値を稼げるポイント自体が限られてくるため、幾度も同じボスマップやクエストを周回する羽目になりがちである。
レベリング自体は苦ではないものの、入手方法や数が限られるアイテムを要求され、そのために課金や運ゲーが必要になるといったパターンも。

この手で最も問題視されがちな要素である一方、不完全な状態でもストーリークリアは可能で、あくまで「廃人」と呼ばれる層に向けたエンドコンテンツとして意図的にそのような仕様で実装されている場合もある。批判する際はこの点を留意する必要がある。

アップデートによる改悪

事後的な調整が、必ずしもプレイヤーに有利な内容になるとは限らない。
意図しない安置コンボ、ギミックの動作不良等が修正された結果、当初より難易度が増すという事態もあり得る。
運営側にとってはそれが本来の状態という事で報酬等は据え置きにされる場合が多く、「後出しジャンケン的に損をさせられた」という感想になりやすい。

もっとも対人要素に関わる場合は「壊れキャラ」が生まれて勝負が崩壊しかねないし、課金要素に関わる場合(限定アイテムの無限増殖等)は利益に直結して運営が崩壊しかねないため、即時修正もやむを得ないだろう。

それらとは別に、正常に稼働しているにもかかわらず考察が進んでプレイスタイルが特定の「最適解」に収斂してきた場合に、あえて大幅な仕様変更を行って新たな攻略法の確立を迫るという形でテコ入れを図るゲームも出てきている。
そうして産み出された新要素が従来と比べて割に合わない、方向性が変わりすぎてもはや別ゲー、単純につまらないなどと捉えられると「ありがた迷惑」という事になりかねない。

不具合・バグの放置

逆に明らかに不自然な挙動でも何もなされない・それを「仕様」と強弁されるという場合もある。
特に上記のゲームバランスや集金に関わる要素「以外」は、運営側にとっては優先度が低いという事で棚上げされたままになりやすい。中にはUIやデータ保存などに関わる部分もこちらに含まれている場合があり、「そもそもまともに遊ばせる気が無いな?」という評価になりやすい。

無告知での仕様変更

俗に「サイレント修正」と言われる行為。
内容の正当性以前の問題として運営に不信感を抱かれやすい。

ただし、ゲームによっては「データを開示しない事」をゲーム性と位置付けている事もある。
そうしたゲームのデータが変更された事に気付けるという事は、プレイヤー側が不正な手段を用いて分析を行っている事が考えられ、逆に規約違反に問われる可能性があるという事は頭に入れておいてほしい。

もっとも、それを盾に課金周りの設定を恣意的に弄られては、好き放題阿漕な商売ができてしまいかねない。
双方のモラルが問われる事案であると言えよう。

キャラクター・アイテムの出し渋り

「イベント限定」や「ランカー報酬」等の形で配信された要素は、指定期間が過ぎると幾ら金や運を積もうとも入手手段が無くなるという事も多い。
集客のための一種の客寄せパンダで、攻略には特に影響しない事も多いのだが、キャラゲー的な要素が強い場合は「目当てのキャラに出会えないならやる必要も無い」という本末転倒な反応が起きかねない。
キャラゲーならばメディアミックスの内容も左右しかねない(新キャラが知る人ぞ知る的な存在のままでは話を動かせない)ため、これも運営の手腕が問われる所と言えるだろう。

スパンの長いオンラインゲームであれば、数年後に「一般落ち」する可能性も見込めるのだが、最高難易度マップの最深部大ボスからのランダムドロップという事も珍しくなく、やはり新規やライトユーザーが容易に辿り着けるものではなかったりする。
これもとっくに攻略しきった人向けのエンドコンテンツという意味合いが強いのだが、そうした人々は初出の時点で入手できてしまっている事も多く、彼らにとっても誰特と映りやすい。

他にも…

ネット介在のゲームにおける重要なタイミングでの通信エラー

オンラインサーバーに繋ぐゲームにおいて通信エラーが発生した場合、それまでの行動と得られた成果は全て無かった事になる(ロールバック)という処理が一般的である。
その中でも最悪なケースとしては、ボス戦や高難度のクエストに臨んだ際にもう少しでクリアorクリア達成したという時にこれが発生し、今までの苦労が水泡に帰す場合である。
万が一こうなった際には本気なのかはたまた八つ当たり混じりの冗談なのか「運営がゲームをクリアされたくない為に作為的にエラーを起こした」と解されてしまったりする。

もちろん、普段から不具合を頻発してサーバー等の管理自体が疑われる場合は別問題である。

余談

あったほうがかっこいいじゃんでお馴染みの『アーマードコアⅤ』のプロデューサー鍋島俊文氏は、配信限定高難易度ミッション「エクストラミッション」のお披露目の際に(プレイヤーを)殺す気で作った」「お前らみんな殺すと宣戦布告、それに対しユーザーたちは拍手喝采で迎え入れている。
なお、発売前の先行体験版で実際にエクストラミッションがプレイ可能になったが、ものの30分でクリアしたプレイヤーが現れ、変態企業を凌駕する変態プレイヤーぶりを見せつけた。
信頼関係が構築できていればこうなるという好例と言えよう。

関連項目

FF11 プロマシアの呪縛
失言 炎上 ネットスラング ゲーム用語
オンラインゲーム ソーシャルゲーム ブラウザゲーム

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