概要
エンターブレイン(旧:アスペクト)より発売される攻略本に必ずと言って良いほど書かれているキャッチコピー。エンターブレインが同じく刊行しているゲーム雑誌『ファミ通』のスタッフが責任編集であるため、このように書かれている。
恐らく、キャッチコピーの意図としては「ゲーム雑誌であるファミ通のスタッフが編集しているため、安心ですよ」という意味合いなのだろう。安全性をアピールするため、パッケージに大きく「国産」「無添加」などと謳ってある食品と似たようなものといえる。
…が、後述するいくつかの要因により、ネット上では「大丈夫?ファミ通(痛)の攻略本だよ?」と、全く正反対の意味として揶揄される事が多い。
なお、もちろん大丈夫な攻略本もある。
例えば、スタジオベントスタッフ(「解体真書」シリーズなど)や有限会社チョップなどが著者の本は信頼性が高いと言われている。
「大丈夫?ファミ通の攻略本だよ?」の理由
尚、揶揄される理由はいくつかあるが……。
- 誤情報が掲載されていることがある
- 誤字、誤植が多い
この二つが特に多い。
特に誤植の多さには定評があるようであり、「真・女神転生 公式パーフェクトガイド」では実に229箇所のミスがあった(参照:外部リンク)。
「パーフェクトガイド」が完全に名前負けである…。
「ファイナルファンタジータクティクス大全」に掲載された文章では、
『超レアアイテムの正宗は、ランベリー城城内に登場するエルムドアが装備している。源氏シリーズの防具も、ここでしか見れない。いずれも盗める確率は0パーセントと表示されるが、このゲームでは小数点以下を切り捨てているため、実際は小数点以下の確率で盗める。』
などと書かれていたのだが、実際には隠しパラメータで「盗み無効」の効果があるアビリティを装備しており、絶対に盗むことができない設定になっていたため、盗めなくても確率が低いせいだと諦めなかったプレイヤーが多大な時間をムダにした。その衝撃から、現在でも度々ネタにされている。
この攻略本は他にも多数の誤情報があったため、通称「黒本」と呼ばれるようになった。
ただこの黒本に関しては、後になってスクウェアが「ゲーム誌が提供した資料を検証もせず丸写しして掲載すると言う噂に腹を立て、意図的に間違った情報を混ぜて出版社に渡していた」という話が出てきたため、一概にファミ通が悪いとも言えなくなった。
一応、その後に「源氏シリーズの事ではない」と弁解しているものの、「発言が炎上した事による火消しでは?」と言う疑惑は拭えない。
確かに、検証していないのは問題である。メーカーから伝えられた情報が誤っていないとは限らず、攻略本とはその齟齬を検証・訂正した上で出版されるべきものではある。
だが、そもそも、特に源氏シリーズのようなレアアイテムに関しては、編集部側での検証作業はとても現実的とは言えない。冷静になって考えて欲しいが、「他にいくらでも作業があり、〆切が迫っている中で、リオファネス城までゲームを進めて源氏シリーズが盗めるかどうかを何百回、何千回と確かめろ」と言うのが、どれほど無茶をな要求かは明白である。
しかも、例え何千回検証しようと、(それこそ当時のプレイヤーのように)「試行回数が足りないだけ、運が悪いだけで、もっと試みれば盗めるのかもしれない」とも考えられてしまう。内部解析でもしない限り、盗めないと言うのは悪魔の証明でしかない。
となれば、メーカーから渡された情報をひとまず正しいと判断してそのまま載せるのは、必ずしも手抜きとは言い切れない。
そもそも編集部にゲームの情報を渡しているのはメーカー側であり、編集部は情報が正しいかどうかと言うより、「メーカーが正しいかどうか」を検証するのだ。
その情報が間違っているとすれば、まず一番に悪いのは誤情報を渡したメーカー側であり、それを「検証してくれない編集部が悪い」などと一方的に言うのは、正しい情報を渡すべき自分達メーカーの責任を放棄している。
何より、手抜きは確かに忌むべき物と言えど、意図的に読者を騙そうとしている訳ではない。一方で偽情報を流す行いは、意図的に編集部を、ひいては読者を騙そうとした行いであり、有り体に言ってしまえばただの詐欺である。
デジキューブ騒動やらに代表される、当時のスクウェアがいかに傲慢で非常識であったかを示す事例と言えるだろう。
……もっとも、そうした事情を抜きにしても、そもそもメーカーの情報とは明らかに関係ない誤植などのミスも大量にあるのが黒本なのだが。
こちらに関しては、ファミ通編集部側の責任としか言えないだろう。
ちなみに「攻略wikiを丸写しした」と言う都市伝説があるが、これはテイルズオブリバースの攻略wikiをゲームラボが誤字・誤植含め丸々写したものが、これまでの誤植やミスをやらかしていた為に混在し被害を被ったものである。
確かにユーザーに「ファミ通ならやりかねない」と言う印象を持たれていたのは確かで、誤植や誤字によって信頼度がガタ落ちした結果が招いたのは間違いない。
が、だからといって誤情報で批判して良いと言う道理はないのもまた、当然の話である。
「大丈夫? ファミ通の攻略本だよ?」と疑うと同時に、「大丈夫? ネットの都市伝説だよ?」と一歩立ち止まって考えられるような情報リテラシーを持つ事が大事である。
関連タグ
ファミ通 アスキー(アスペクト) エンターブレイン キャッチコピー
そんな装備で大丈夫か?……恐らく本項と似たようなタグ
大丈夫だ、問題ない……上記と同様
大丈夫じゃない、問題だ……本項に近い?
君の目で確かめてくれ!……攻略本で用いられることのある言葉繋がり
ゲーメスト…誤字・誤植が多いことで有名だったゲーム雑誌。しかし、こちらは面白い誤字・誤植が豊富という特徴があり、いささか本末転倒気味ながら誤字・誤植の多さも一種のネタとして許容されている感があった。実際のところ、まったく褒められた話ではないのだが。