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概要

『アンチラ事件』とは、ゲーム『グランブルーファンタジー』内で起きたユーザー対運営による「アンチラ」というキャラクターを巡る事件である。

この一件は単に「(本人にはその様な意図が無いにもかかわらず)アンチラは金を貢がせる悪女」という不名誉かつ事実無根な風評被害が起こったというレベルの話では済まず、「グラブル」全体、ひいては「ソシャゲの課金構造」そのものの根幹までをも揺るがす大騒動に発展した

事件の一連の流れ

騒動の始まり

騒動の始まりは、2015年末・2016年始をまたいで開催した「ゆく年くる年レジェンドフェス」。

2015年12月31日19時更新のガチャにて含む新キャラ4人(アンチラ・ユーステスベアトリクスヤイア)が実装された事から始まった。

ネット上では実装前から盛り上がっていた一方で「今年の目玉であるアンチラを引いた」という報告は少なかった。

事態が動いたのは、年跨ぎのニコ生配信にてアンチラを引くまでガチャを回し続ける生主が現れ、 結果2276連目にアンチラを引き当て「70マンキー(70万+干支の申=モンキー)」なる言葉が流行る事になるが、この時点ではまだ「単なる笑い話」程度の評判に過ぎなかった。

疑惑の浮上、そして炎上へ

しかし、その後もレジェンドフェスのSSR出現確率6%のタイミングで、目当てのキャラを狙って高額課金をしたプレイヤーから「70万(もしくはそれ以上)使っても当たらない」との声がSNS上で話題に。次第に運営に対する不信感が募りつつあった。

当時のガチャページから確認できたユーザーのSSRの獲得履歴を監視し始めるユーザーは、独自に出現率の分析に乗り出した。

結果「アンチラだけ明らかに出現率が低い」と情報を共有する中、SNS上で「運営のステマが行われている」との声も上がり始める。

この炎上は急速に過熱し、最終的に署名数千人分を消費者庁に提出するまでの事件に発展したのである。

運営の謝罪

当時のグラブルプロデューサーであった春田氏が2月25日のグラブルの生放送にて、ユーザーへ謝罪。事件の経緯を説明したうえ、2周年を迎える3月10日より「レジェンドガチャに登場する装備品個別の出現確率を表記」との告知があった。しかし、この時点では「返金(もしくはそれに準ずる課金アイテム配布などの)措置」の言及はなされず、運営に対する不満は払拭されなかった。

救済措置と終焉

その3月10日、ゲームの2周年とともに、期間中のレジェンドガチャの利用回数が300回に達した場合に、任意の装備を交換する「蒼光の御印」(天井交換)が実装。

俗に「9万円天井」とも呼ばれる救済措置が敢行された。

その後、ユーザー全員を対象に「レジェンドフェス開催中に購入したレジェンドガチャと同額の宝晶石(あくまで課金額そのものの返金ではなく、アイテムの給付)」の払い戻しが行われた。

こうして、禍根を残しつつも騒動は一段落したのであった。

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