概要
セントルイスからニューオリンズへと向かう外輪船「デルタ・プリンセス号」で起こった殺人事件を、たまたまそこに居合わせた探偵であるチャールズ卿が助手のワトソンと共に犯人を推理し、解決するゲームである。
しかし難易度は非常に高く、容疑者たちは1度しか話をしてくれずに同じ事をもう1度聞くと「もういいました」と言われてしまう。しかもワトソンが取るメモは証人1人につき3つまでしかキープ出来ない。要するに重要なメッセージを見逃してしまうと再度、聞く事も出来ずメモを取る事も不可能になり完全に手詰まりとなってしまう事もある。
また、このゲームで有名なのが船の中にある理不尽なトラップで、1号室には何故か落とし穴があり、それにハマると即ゲームオーバーになる。しかも、1号室だけでなく14号室にもある。
そして、16号室ではどこからともなく突然ナイフが飛んできて、それをよけないと頭に突き刺さりゲームオーバーになってしまい死体を発見する前に死体になるという珍事が発生する。
なお、事件が解決しても、これらのトラップを用意した人物・目的・理由は謎のままという理不尽ぶりである。
登場人物
- チャールズ卿
本編の主人公で探偵。上記の理不尽なトラップや難易度にもめげず、船内で発生した殺人事件の解決に奔走する。
- ワトソン
- ブラウン
- ネルソン
- カーター
- ディジー
パールおばさん直伝のオクラのスープは他の乗客達からも好評。
- ヘレン
- テーラー
- ウイリアム
- ヘンリー
上記の通り登場人物同士の人間関係が極めて険悪。お互いに相手を侮辱する言葉や見下したような発言をしており、あと2~3人被害者が出てもおかしくない状況なのだが、何故か被害者はブラウン氏のみ。
謎を解いてからの展開に面喰った人も多いだろう……。
クソゲー
本作は元々アクティビジョンから1986年にコモドール64やAppleⅡ用として発売された『Murder on the Mississippi』をジャレコがライセンスを得てローカライズ移植したものである。原作と同年にファミリーコンピュータ版が、その翌年にMSX2版も発売された。因みに、ファミコン版はポートピア連続殺人事件に次ぐ2番目のファミコン用推理ゲームソフトでもあった。MSX2版はタイトル画面や聞き込み画面の顔グラフィックが書換えられていたりなどFC版とは差別化が図られている。
この中で最も有名と思われるジャレコ移植のファミコン版は動作が非常に遅く、理不尽なトラップが追加された上に、セーブやパスワードがなく、ゲームオーバーにならなくてもメモを取り忘れる等手詰まりになったら最初からやり直さねばならないなど、残念な出来になっている。
古いゲームのため、元々のコモドール64やAppleⅡ版にも不親切な点はあるのだが、ファミコン版はそれに輪をかけて不親切になっており、クリアを断念する人が続出。
そしてクソゲーの烙印を押されることになってしまった。
関連イラスト
ミシシッピイラスト
ナイフトラップイラスト
落とし穴トラップイラスト
※ゲームのストーリーより前述のトラップだけが記憶に残ったプレイヤーの方が圧倒的に多く落とし穴に落ちたり、ナイフが刺さるイラストに、このタグがつけられる。
余談
双葉文庫から「ミシシッピー殺人事件―リバーボートの冒険」というタイトルでゲームブックが発売された。原作の後日談的な内容で、主人公はジムとラリーというオリジナルキャラクターになっている。
コモドール64とAppleⅡ版には乗客としてファミコン版ではカットされたゴドウィン牧師というキャラが存在している模様。
関連タグ
アクティビジョン ジャレコ クソゲー バカゲー
QTF:「理不尽なファミコンゲームを振り返る」と言うエピソードで紹介されている