概要
キャラクターデザインは漫画家のANO清水。
任侠の「ヤッちゃん」が、宿敵コブラにさらわれた銀河組の2代目で恋人のクリスちゃんを救い出す――という映画の撮影という設定。
操作系は8方向レバーに攻撃ボタンとジャンプボタン。ライフ&残機制。任意スクロールの地上ステージと、強制横スクロールの宇宙ステージがある。
スタート時はパンチで攻撃するが、敵を倒したときに出現する文字(義、理、人、情)を取るとドスに変わり、もう一つ取ると長ドスに変わる。ダメージを受けると一段階戻る。ハイパーマムシを取ると流星という斬撃を飛ばせるドスに変わる。
宇宙ステージはカメ(疾風号)の背中に乗って戦う強制横スクロール面で、基本は主人公の直接攻撃ながら、ジャンプボタンが亀からビームを発射するボタンに変わるシューティングゲームの要素が加わる。
また、敵キャラが某有名東宝怪獣だったり、葛飾柴又のテキ屋だったり、真っ白に燃え尽きた人だったり、ス〇バン刑事(南野〇子)、ロー〇・ウォ〇アーズ、ケ〇シロウなどなど、ほぼまんまのデザインで使われており、しかも全て著作権無視の無許可である。
言っておくが、これは同人ゲームなどでは決してない。ジャレコというあまつさえ上場していた企業が出した商業用ゲームである。
スタッフロールで関係各所に謝罪を入れてはいる。が、当然謝れば良いという問題ではないし、何をどうしようと無許可は無許可である。
ゲームとしては、特殊な操作が求められるところは無く、至って普通のゲームである。
むしろ、粗い作りのものが多かったジャレコ作品の中ではわりとまともな部類に入るとされるほど。
ただ、ダメージを受けた後の無敵時間が無く敵が出ずっぱりで緩急が無いのが難点。
難易度は比較的易しめではあるが、慣れないとハメ殺しにされてしまうこともある。
また、ジャンプボタンは基本的に上のレーンに上がる以外の活用法が無く、その割に花〇満が敵キャラとして出てくると御大層に『巨〇の星』のアニメ主題歌が流れたり、矢〇丈をタイミングよく攻撃するとクロスカウンターになったりなど、そういったネタに走ることばかりに捉われてか、ゲームシステムの類いを練った感はどうにも見受けられない。
ゆえに、ゲームとしては単調で面白みには欠けるといわざるを得ない。
クソゲーではないが、上述の特徴もあってバカゲーと呼ぶのがふさわしいだろう。
こんなゲームだが、出された当時の評判は決して悪いものではなかった。
背景には、当時のゲームファンにはゲームと漫画・アニメは全くの別物であると認識されていたことや、当時の企業一般に著作権の概念が確立・浸透していなかった、ある意味大らかな時代であったことがある。こちら以外のケースでは、脱衣麻雀でも一般作品などパロディキャラが脱衣シーンを披露したり、NEOGEOでリリースされた某クイズゲーのような実在人物そっくりさんが……と言うのもいたような時代という事も補足しておく。
また、アニメにおいても、例えば「モブシーンの中に別のアニメのキャラがこっそりと描かれている」など、アニメーターの遊び心やファンサービスがよく見られていた時代だった。
このゲームは、そういった当時のアニメファンが見ていた当時の背景や空気をゲームに取り入れた画期的な作品であり、ゲームファン、アニメファン双方においてむしろ好意的に受け止められてさえいた。こうした時代背景だったからこそ、このゲームが生まれたのである。
当たり前だが家庭用への移植や続編は存在しない。アーケードアーカイブスでも当然ながら収録は不可能だろう。仮に収録されても、メインキャラ以外は全差し替えというリメイクでも実施されない限りは難しいが、完全な別ゲーとなってしまうのは確実だ。
今のご時世、こんなゲームを出そうものなら即刻裁判沙汰になるのは目に見えているので、望むべくもないだろうが。
主なキャラクター
- やっちゃん
この作品の主人公。「銀河組」の任侠ヤクザ。
当時社内で当作に関わった漫画家のはぬまあんが彼の声を担当している。
- クリス
この作品のヒロインで銀河組の二代目。キングコブラに攫われる。
サブタイトルの「二代目はクリスちゃん」から判るように、名前の由来は映画『二代目はクリスチャン』。セーラー服姿なのは『セーラー服と機関銃』からだろうか?(『二代目はクリスチャン』自体が『セーラー服と機関銃』に肖った作品である)
- アマンドコマンド
ゲーム開始冒頭に現れる、ローラースケートを履いたウェイトレス。
パイ投げよろしく片手に持つケーキを顔面にぶつけてくるが、ダメージは全く受けない。
敵キャラクターではあるが基本的に無害な存在。
名前の由来は洋菓子のブランドと、それを販売する同名のメーカー。
- キングコブラ
クリスを攫った張本人で、コブラ軍団の総帥。
見た目は金の兜を被った怪人であるが、正体はコブラというよりは竜に近い。
実はデモ画面上でその正体を晒してしまっている(尤も、それがキングコブラという説明は一切無いが)。
ファミ通App、やらかす
2014年、海外のアプリゲームとして、本作のグラフィックを丸パクリした『Galaxy Ninja Ginga NinkyouDen』がリリースされた。当然、無許可である。そもそも前述の通り原典の時点で無許可なのだから当然である。
同年、そのゲームをウェブサイト『ファミ通App』が「【注目レビュー】外国人が見た日本のカオスアクションゲー『Galaxy Ninja』の意外な完成度に脱帽」というタイトルで紹介してしまう。
問題発覚によりアプリは配信停止、紹介記事も削除されて代わりに謝罪文が掲載された。
ただ、よりにもよってゲーム専門誌が、しかも同社『LOGiN』(ファミ通はLOGiNの1コーナーから始まっている)で取り上げたことのあるゲームのパクリに気付かなかったというのは、世代やら有名無名やらあるにせよ如何なものであろうか。
関連タグ
キャディラックス恐竜新世紀:こちらも移植難易度が桁違いで、プレイするためには基盤購入しか手段がない点が一緒。ただし、こちらはパロディとは別の理由で版権が複雑なので移植が難しいというケース。