ストーリー
サラ金会社社長・山川耕三が密室内で遺体で見つかった(PC版では自殺、ファミコン版では明らかな殺人とされる)。プレイヤー(作中ではボス)は部下の真野康彦(作中ではヤス)と共に事件の捜査に乗り出すが、今度は耕三の関係者と思しき人物が相次いで不審な死を遂げる…。
概要
堀井雄二が手がけたアドベンチャーゲーム3部作の一つ。初期PC版では今ほど有名ではなかった堀井雄二がプログラムとグラフィックも担当している(当時は珍しくない)。
原作ではコマンドをテキストで直接入力する形式だったが、ファミコン版への移植にあたってコマンド選択式を採用、新しい捜査場所が追加されるなどの変更がなされた。世界で初めて家庭用テレビゲーム機において登場した本格アドベンチャーゲームだったことや、週刊少年ジャンプで特集されたこともあり、ファミコン版は60万本以上を売り上げるヒットを記録した。
真犯人があまりにも有名。
2023年4月24日、AI学習要素を取り入れたリメイク版「SQUARE ENIX AI Tech Preview: THE PORTOPIA SERIAL MURDER CASE」がSteamにてリリースされ、一部界隈で話題を呼んだ。
登場キャラクター
ボス
プレイヤーの分身であるベテラン刑事。
この事件を解決に導けるかどうかは彼の手腕に掛かっている。
ボスの部下で通称「ヤス」。ゲーム内では彼がボスの手足となって実際の捜査を行う。
いかにもな好青年といった風貌だが、稀にボスとつるんでハメを外す意外な面も。
山川耕三
本事件の被害者。職業柄、生前は黒い噂が絶えなかったようで、多くの人の恨みを買っていた。
捜査を進めると、明かされることのなかった彼の知られざる一面を垣間見ることが出来る。
沢木文江
耕三の秘書。密室で死んでいた耕三を、小宮と共に最初に発見した。
小宮六助
耕三の住居の住み込みで働いていた老齢の守衛。耕三の死体の第一発見者の一人。
テキスト表示の工夫
当時はフォントに使える容量も少なくテキスト中心のゲームはかな文字表記、それもかな文字と濁点/半濁点は別々の文字を使ってくっつけて表示するのが一般的であったが、等幅フォントなので横に並べると濁点半濁点の部分が不自然に空いてしまうという弱点があった(「ポ ートピ ア」のような感じ)。
ファミコン版ポートピアではテキストの行間を1行開け、その開いた行間を使ってかな文字の上に濁点・半濁点をくっつけることで比較的自然な表示を実現した。
これは次作のドラゴンクエストにも採用され、ファミコンやMSXでのテキスト表示の標準的な形式として定着することになる。
余談
堀井を始めとした開発陣は、RPGをファミコンでリリースする計画をかねてより立てていた。
その本命となるRPGの開発に先立って、当時未知数であったファミコンによる「文章を読ませるゲーム」の試金石として開発されたのが、本作のファミコン版である。
ファミコン版にて採用されたシステムの一部は、次なる一手となったドラゴンクエストにおいてもいくつかその名残が窺える。
関連タグ
ポプテピピック:第2期において、まさかのコラボを行った。こちらの方は公式コラボの為、エンディングでスクエニのクレジットが存在する。
ドラゴンクエストウォーク:コラボイベントが常設で開催されており、劇中の舞台を(リアルで)巡るとコラボアイテムが手に入る。…のだが、よりにもよってあの人物の配役がアイツであり、しかもクリア時に手に入る限定称号は「犯人は〇〇」。