概要
1968年七月五日、愛知県名古屋市生まれ(公に出身地とされている神奈川県は、昔住んでいただけらしい)。東京都東久留米市育ち。大学三年のときに、カジワラタケシのアシスタントを経て、1993年「ひと夏のKIDSゲーム」で漫画家になった。
主に『週刊少年マガジン』(講談社)にて美少女ラブコメディー作品を発表しており、代表作に『ラブひな』『魔法先生ネギま!』などがある。
また、漫画業界の権利獲得活動や絶版書籍無料公開サイト「マンガ図書館Z」の運営など、実業家としても活動している。
そして各作品の単行本の開いてすぐに見えるカバーに描かれている自画像は何故か常に泣き顔である。
作画の際に「貼り込み」と呼ばれる技法を使用しており、背景やキャラクターを一度に書き込まずに別々に作成して、後からそれを切り抜き、糊で貼り合わせている。その為、背景の細部まで丁寧に書き込まれている絵となっている。
『ネギま!』ではこの工程にパソコンを導入。 ライトボックスを使った素朴な貼り込みは、描いたものをスキャン→ComicStudioで合成→プリントへと進化を遂げた。
バトル漫画にシフトした10巻あたりから、モブキャラは完全にCGで描画している。
「UQ HOLDER!」では作画含め完全デジタル化し、絵柄もシンプルなものに変えたため作業効率は上がっている。
また、彼の作品の映像化はあまり出来や評判に恵まれないことでも知られる。
これは原作の展開が遅いのと、赤松自身が基本アニメはオリジナル展開を推進しており(色んな可能性を見たい)、設定の一貫性とそれに伴う質の上昇や興隆にさほど感心がない為。彼自身、やる気や情熱が無いという旨を公言する投書を幾度も発信している。
それ故、主要人物含めて人物の詳細な掘り下げが済んでない(どんな人物かは定まっていない)事もしばしばで、戦闘中に的外れな行動を取る人物や喋るだけの人物等が必ずいるのはそのため。
赤松の作品は、読み切り作品や『陸上防衛隊まおちゃん』を除き、同一世界観(とされている)。京都神鳴流の存在、『A・Iが止まらない!』の新田が『魔法先生ネギま!』にも登場していること、桜咲刹那の回想で青山素子と青山鶴子が登場するのがその証拠。(但し『陸上防衛隊まおちゃん』では『ラブひな』のパロディーキャラが登場している。)
人物
幼少期はサッカーとエレクトーンに熱中していた。
大学時代は漫画研究会、アニメ研究会、映画研究会に所属していた。
実は編集者になりたかった事もあったらしいが漫画家になった事でそれは一時断念している。しかし、その夢は「マンガ図書館Z」の活動を通して叶えている。
既婚者で、奥さんである赤松佳音の性格は成瀬川なるにそっくりらしい。
実弟である赤松智は、旧スクウェア(現:スクウェア・エニックス)の社員で、『デュープリズム』や『ファイナルファンタジー10』や『ファイナルファンタジーX‐2』や『キングダムハーツ』、プレイステーション2の『半熟英雄』などの音楽プログラムをしていた。
とあるバラエティ番組で売れっ子漫画家の一人として紹介された際に「私が、オタクですから」と自らがオタクである事を公表した。
また、『ラブひな』と『魔法先生ネギま!』の二作品で今までに得た印税は8億円だと公表され、現在海外での印税まで含めると年商2億円で、本人曰く「最近の全収入の三割は海外」だそうである。
筋金入りのレトロパソコンマニアであり、1970年代~80年代に発売されたAppleⅡ+、AppleⅡGS、AppleⅢ+、PC‐8001などを所有している。2017年に開かれた本業のマンガ原画展で、なぜかこの世界最強AppleⅡやPC‐8001が展示された。
また、自身も学生時代にゲーム開発をしていた経験があり、「パラディン」という作品をボーステックより出している。
親戚は、男性はみんな痩せ型でさえない風貌だが、女性は美人・美少女ぞろいなんだとか。
年増好みらしく、自身の作品のキャラでは難波トゥエニー、浦島はるか、源しずながお気に入りとのこと。
ガンダムシリーズでは、「機動戦士Zガンダム」と「機動戦士ガンダム0083」が、ジブリ作品では「紅の豚」がお気に入りとのこと。
同人活動
嘗ては『Level‐X』(レベルテン)という同人サークルを主宰していたが、『魔法先生ネギま!』の頃になってからプロとしての仕事が忙しくなったのでやめた。
実は大学入学まで、同人誌即売会参加経験は無かった。同人誌を描く時のペンネームは水野亜和。他の作家が自分の作品の同人誌を執筆することは18禁含め大歓迎する。
実際、『ラブひな』連載当時はその勢いが顕著で、当時から活動していたサークルは必ずと言っていいほど同作の同人誌を出していた。2022年の参議院選挙に当選し、国会議員となった後、17年ぶりにコミックマーケットに参加した。
作品群
連載
読み切り
別作家による派生作品
その他
- 陸上防衛隊まおちゃん(アニメ原案および漫画原案、漫画版作画:RAN)
- パラディン(PC‐8801向けの横スクロールアクションロールプレイング)
- アルシャードセイヴァーロールプレイングリプレイ ミッドガルド(プレイヤー参加:ナギ・スプリングフィールド)
- たまむす!(キャラクターデザイン)
漫画業界の権利運動への参加
株式会社Jコミの代表取締役社長を務め、同社で絶版になっていた漫画の配信を行ったり、活動が停滞していて再起を目指していたり闘病中の漫画家への寄付ファンドを行うなど漫画家の権利を守る活動も行っている。
その広報ブログではなぜ無断転載が描き手側に見つかるのか、違法アップロードサイトもとい海賊版は主にどんな作品を狙っているのか説明した事もある。
また近年では児童ポルノ法の改定で二次元への規制の危機が叫ばれる中与野党の議員どちらにも積極的なロビー活動を行っており、幾人かの議員を規制反対寄りに寝返らせた。
同法の改定から二次元表現への規制を外すことを訴え続け、2014年6月の同法改定にあたって付則から漫画・アニメへの規制を外させることに貢献した。
現在も表現規制やTPPの著作権関連などに関して、自身の作品の執筆の傍ら国会議員達へのロビーを継続している。
政界進出
そして2021年12月16日、表現の自由を守るために、2022年夏の参院選へ自民党から立候補の意志を表明。
かつてであれば自民党すなわち規制派の印象が強く驚かれたものの、2010年代頃より規制派の中心勢力は教条的リベラル派・過激派フェミニスト団体に移っており、時代の変化を象徴しているといえる。
当選後に後述の「国会にっき」で明かしたところによると彼の政界入りを持ちかけたのは表現規制問題で長らく共闘してきた山田太郎であり、山田は自身がもし落選していたときにも同志が議席を確保できるように「自分の対(参議院で改選時期がずれる期)で出ませんか」と持ちかけたという。当時はまだ連載を持っていたため一旦は断ったがその後考えた末政界進出を決め、山田の推薦で公募に応じた。
「UQ HOLDER!」完結の作業を終えた後本格的に選挙運動にシフト。
しかし伝統的に自民党は表現規制に対しての旗振り役であり、態度を若干軟化した2010年代にも『はだしのゲン』閉架問題や香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例」といった事例があったことから、多くの疑問を持たれた(本人は「自民党といっても各政策に対して統一的な一枚岩なわけではなく、各政策に対して優先順位が違う者もいるので、そうした部分を調整する事で確実に自身の目的を通していく。その方が外部から攻撃するよりも実効性があり、今まで自分がやってきたロビー活動の手法と親和性が高い」としている)。
批判
まず、議員立候補前に出版された本に掲載されたリベラル派の表現規制を揶揄した漫画(「表現の自由」の闘い方掲載の「ヤマーダクエスト」)がやり玉に挙げられた(規制派をモチーフにした「リベーラ」というキャラクターが登場、使う技は「アファーマティブアクション」)。
また、過去の取材記事での言葉に「ジェンダー平等を過度に打ち出す」(記事)という文言があり、Xでも「過度なジェンダー平等」(続きの投稿で「過度なジェンダー平等論」に訂正)と発言した。
上記の点を受けて、フェミニストとその支持者からは誹謗中傷も含んだ大量の批評が寄せられた。
当選
ヒットメーカーかつ著作権侵害対策で多大な功績を持つ人物で有り、有力候補とみられていたが、当人はかねてより「私は支持団体や派閥もなく、依然厳しい情勢です。」と述べてきた。
総合週刊誌『SPA!』での選挙予想では当落ギリギリのラインだという推察もなされ、それを紹介した上で応援をお願いする一幕もあった(投稿)。
しかし、2022年夏での参議院選挙では比例トップの52万8千票を集めて当選を果たした。
議員活動
議員となってからは「赤松健の国会にっき」と題して自分の議員活動の様子を毎週月・水・金曜に漫画にしてXに投稿しており、議会の基本や各委員会の役割、党内の新人議員教育などの模様などを解説している。まだ入りたてのレベル1議員である赤松には国会のあらゆる施設やサービスが目新しく、大臣や党首といったレベル80〜90クラスの大物も徘徊しているダンジョンと表現されている。
当選して二ヶ月経った九月には「マンガ外交」の第一歩としてフランスへ視察に向かった。一年目の議員が外交で海外に飛び立つのはかなり珍しいとのこと。
2023年五月に広島市で開催予定のG7サミットでは、参加する各国首脳の似顔絵を描く仕事も請け負った。2024年九月に行われた自民党総裁選では選挙管理委員に選ばれており、広報用特設ホームページでは総裁選について漫画で紹介する「国会にっき」出張版を連載、ポスターで9人の立候補者全員の似顔絵も手掛けている。ちなみに、赤松はこの企画案を自民党のメディア戦術の一つとして選挙管理委員で提案したところ、ほぼそのままの形で通ってしまったらしい。
石破改造内閣において、文部科学大臣政務官と復興大臣政務官に就任。
同人マーク
『UQ HOLDER!』のタイトルロゴの左下に配置されたマーク。
2013年に二次創作同人誌作成や同人誌即売会での無断配布を有償・無償問わず原作者が許可する意思を示すためのマークである。
関連人物
- カジワラタケシ:漫画家。上述の通り彼のアシスタントをしていた。
- 久米田康治:漫画家で「かってに改蔵」や「さよなら絶望先生」の作者。「改蔵」にて赤松(とその作品群)をネタにしまくっていた。右派漫画家の一人。
- 畑健二郎:漫画家で「ハヤテのごとく!」の作者。サンデー&マガジンの創刊50周年企画で対談し、コラボイラストを描いた。これがきっかけで2011年八月に『魔法先生ネギま!』と『ハヤテのごとく!』のアニメと劇場版の同時上映が実現。
- 綾永らん:元アシスタント。『ネギま!』に登場する綾瀬夕映や椎名桜子、犬上小太郎などのデザインは彼女によるもの。
- まぎぃ・MAX ・みのる:アシスタント。
- 堀江由衣:女性声優。アニメ化された「ラブひな」「陸上防衛隊まおちゃん」「魔法先生ネギま!」に出演した。(他に桑谷夏子が二作品出演を果たしている。)
- 安西信行・和月伸宏:漫画家。親交が深く、一緒に同人誌を描いたことがある。
- 赤松佳音:配偶者。
- 山田太郎:政治的同志。共著を出したり、フォーラムを共同で開いたりしている。2022年に赤松がコミックマーケットで出展側として参加した時には売り子として参戦した。
関連項目
外部リンク
『ラブひな』
を無料公開中。