《螟ェ髯ス謌ヲ髫》
データ
身長/192cm
体重/225kg
スキン/サンシャイン会社員
むかしむかし/つよしは激走鬼になったことがあるそうな…。
概要
『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』に登場するフェズントコンサルタントの会社員・雉野つよしの「みほちゃんは誰にも渡さない」と言う欲望を叶える為に誕生した、太陽モデルのヒトツ鬼。
ベニツ鬼が、地表をギラギラと照りつける、太陽系を中心に回る黄金の太陽をデザインに落とし込んだ様なスキン・“サンシャイン会社員”を身にまとった姿。明るい色合いで両肩に月の造形も凝らされている外見はかなり豪奢だが、一方で輝きが感じられない単色の質感、顔も一つ目の無機質な造形のため、ただ太陽系を模しただけの安っぽい不気味なオブジェにも見える。
一方、ボディは干上がるほどに日光に照らされた赤黒い大地の胸部と、暑さで餓死した数多の生物の骨がボディを補助するように配置されている。
変貌の際に「螟ェ髯ス謌ヲ髫」(太陽戦隊)の文字化けと、太陽戦隊サンバルカンのクレストが浮かび上がる。
愛する妻に会いたい一心で、鷲のようにジャンプし、鮫のようにダイブし、豹のようにダッシュしてどんどん向かって行き、進行を妨げる者はフォロー&キャッチしたサンサン輝く太陽パワーで生成した巨大な火球をぶつけ、容赦なく焼き尽くしてしまう。
また、妻への愛が強すぎたためか手から破壊力抜群の真空波を放つ「みほ返し」なる珍名な必殺技を持つ。
宿主がドンブラザーズの一員な為それなりに戦闘の立ち回りも上手いが、以前宿主が変貌した激走鬼とは違い只妻の元に駆け付ける欲望が暴走した状態のため、後先考えず脳人レイヤーのワープドアを潜り移動しては何所に向かえば良いのかと立ち往生したり、相手の思わぬ反撃に混乱して怯んだりと、行動は行き当たりばったりで隙が多く、攻撃性も低め。
とは言え、出番は短いながらも高速鬼の時以上の戦闘能力を発揮しており、復活した直後とは言え、ゴールドンモモタロウにチェンジするまでドンモモタロウを含めた3人を圧倒する程の実力を披露しており、どちらかと言えば強者寄りである。
騎士竜鬼以来、脳人側からの干渉(欲望の強制開放)で半ば意図的に生み出されたヒトツ鬼でもあり、つよしの妻へ対する大きな愛=太陽の様な敬いと憧憬を象徴した化身とも言える一方、つよし自身が「自分には輝く物なんて無い」との思い込みと失望を抱えている事、その代償行為として妻への愛情と献身に傾倒・執着している事実も滲ませた存在とも総評出来る。
そしてコレに、激走鬼を顕現させた“自分のアイデンティティーを仮託している妻を失う事への怒りと恐怖”の欲望(感情)が組み合わさり形成されたのが、つよしの危ない内面だと考えられる。
活躍
復活したソノイから脳人の仲間になるよう呼び出された真一・はるか・つよし(犬塚翼はソノイにつき合いきれなくてすっぽかした)。
つよしの提案でドンブラザーズの面々が勝ったら情報提供、負けたらお供として脳人の軍門に降るのを条件にゲーム対決に発展し、その結果、
- 投げたピーナッツを口でキャッチ食いゲーム。真一がサルブラザーの身体能力で見事キャッチ、ドンブラザーズの力のルーツを見事聞き出す。
- 喋ったら負けの沈黙ゲーム。うっかりくしゃみをしたはるかが、そして勝負の切り替え時に提案しようとした真一が敗北。流石に長丁場になりそうなのでソノイが途中で打ち切った。
- マスター提案の大食い(カレーライス、炒飯、焼きそば)対決。つよしが音を上げ失格。
こうしてゲーム対決に負けソノイのお供になる事が決定した3人。しかも一軍ソノニ・ソノザより格下二軍にされる屈辱的な待遇だった。
流石にこれには不服を申し立て抗議する3人。
だが、脳人等は自身等はヒトツ鬼化しない故に格上だと証拠を見せる為に欲望を解放、欲望のコントロールが効かなくなった3人は太陽鬼へと変えられてしまう。
…がそこにマスターの緊急手術で復活したタロウが登場、実は先の大食い対決は6人のエネルギーを抽出するチャンスを作る為に提案し、コレを液状にしてタロウに飲ませた事で体力を回復させたのだった。
無事なタロウを見て安堵したのか、はるかと真一は即ヒトツ鬼化が解除され元に戻った一方、つよしは本来の欲望が強過ぎたのか元に戻らず暴走。人を超えた愛妻家の鬼となって脳人レイヤーを通り、みほの元へひた走る。
タロウ「これで2度目か雉野。だが、何度でも元に戻してやる!」
その後、岩山にて自身の跡を追ってきた3人と交戦を開始。ドンブラザーズとして戦って来た事で戦闘センスが培われている為に3人と互角に相手取り、灼熱の太陽パワーの眩しさに怯ませた隙にみほ返しで圧倒するも、タロウ/ドンモモタロウはお供達の力で復活で出来たお陰で新たな力を得ており、新形態「ゴールドンモモタロウ」へと変身。出現したアノーニを蹴散らしていく。
急な新展開に自身が混乱・棒立ちしている間にゴールドンモモタロウが生成した桃型バリアで拘束された所を「抱腹絶桃・フェスティバル縁弩」を受け、「アァ…気持チイイナァ、コレ♡……ミホチャ〜〜ン!!」と極楽気分に浸りながら爆散・敗北。ヒトツ鬼ングへと変貌する事無く元の姿に戻った。
描写は無かったが、サンバルカンギアをドロップした模様。
つよし「ごめんなさ〜い!またまたヒトツ鬼なんかに…すいません!!」
収束後、2度もヒトツ鬼化する失態を恥じたつよしはタロウに土下座、一方でゲーム敗北時にソノイにお供の証として額にデカデカと油性ペンで書かれた「脳人」の字が消せず、苦労する真一とはるかの姿があった…(尚、この落書きは翌週でも消えず、次の話で落書きを隠すため2人にはおでこに絆創膏を貼っていた)
真一・はるか「「落ちない!落ちない〜!うわぁ〜ん!(泣)」」
余談
- 前回に続く複数回変身、そして都合上2回目となるつよしが変貌してしまったヒトツ鬼個体となった。
- つよしはヒトツ鬼化が解けなかったが、タロウが現れるまではるかと真一も同時に太陽鬼に変貌していた(とは言え、ほぼ一瞬なので事実上の未遂に等しいが)。コレはサンバルカンが3人構成であった為(更に言えばつよしヒトツ鬼化の同じ回内でキビ・ポイントの大量消費によりはるかは歩けなくなり真一は俳句を詠む意欲を失う事が起きた為、ある意味最悪の事態が起きたと考えられる)。
- 「太陽のように輝いて戦い抜き、三身一体という素晴らしい連携プレイを決めてきた」サンバルカンに対し、「たった一人で変貌し、太陽のような存在である妻を病的に崇め影で支えるのを徹する(だが、妻の存在が月の光のように偽りであった)」のが太陽鬼(つよし)である。
- 今回はソノイによってリーダー交代(及びドンブラザーズ解散)の危機に直面したが、原典でもリーダーが交代している。
- また「月はウソつき(月が輝いているのは太陽の光の反射があって成り立つ偽りの輝き)」の発言者が嘘に対して割と肯定的なソノイに対し、桃井タロウの嘘をつけないあり方はそれと真逆に行く「太陽は正直(太陽が常に燦々と輝いているが、余りにも眩し過ぎて普通の人間は真正面から見れない)」というべきか。太陽鬼に太陽や月に似たパーツが取り入れられたのはそういった点も意識したかは現時点では定かではない。
- 「みほ返し」の元ネタは原典における2代目バルイーグルが使用する必殺技の飛羽返し。
- モデルとして使われた戦隊は『太陽戦隊サンバルカン』。スキンのサンシャイン会社員はおそらく太陽の英訳「サンシャイン(Sunshine)」とつよしの立ち位置「会社員」の合成と思われる。真一やはるかが太陽鬼になっていた場合のスキン名は「サンシャイン風流人」「サンシャイン女子高生」辺りになっていたと思われる。
- 胸部に注目して俯瞰すると、爪のような骨のオブジェに鎮座する神の如き存在にも見える事から、機械帝国ブラックマグマをイメージしたデザインであることも判る。
- 「完全読本」によると、元々は動物の骨格をそのままデザインするつもりだったが、同じようなデザインをこれまで度々行ってきた為、骨要素を控えめにしている。
- pixivでは登場以前にオリジナル怪人として太陽鬼が投稿されていた。
- また、太陽鬼ングも投稿されている。
関連タグ
激走鬼:過去につよしが変貌したヒトツ鬼。こちらもベニツ鬼素体。
騎士竜鬼:脳人の干渉で半ば意図的に生まれたヒトツ鬼の前例。奇遇にも同じくソノイが宿主へ干渉した他、劇中最初に正式な変身シーンを披露したつよし/キジブラザーと交戦している。
魔進鬼:以前つよしに事実上の見殺しを受け、ソノイに消去されてしまったヒトツ鬼。こちらも豪奢だが輝きの感じられない外見を持つ。
手裏剣鬼、魔法鬼、轟轟鬼、物語終盤のネタバレ注意!、ドンブラVSゼンカイのネタバレ注意!:同一人物が変貌したヒトツ鬼。
トリモンガー:原典における敵怪人の1体であり、奇しくもキジブラザーと同じく鳥モチーフ。
タイヨウシシレッド/シシレッドムーン:スーツアクターも一致する、5年前の戦隊レッドの太陽と月を模した派生形態。因みに変身者は、この形態を手に入れる以前の山場で一度挫折するも仲間達の叱咤激励で自分のネガティブな面と向き合い克服、自分の長所を完成させた経緯を持つ。
クエルボ:つよしと同様に自分へのマイナス評価を燻らせ、それを鳳凰(≒フェニックス)を模したヒーローになれる男と親友関係になった事で余計に拗らせてしまった経歴が仄めかされている人物。やがてその内面を見抜いた邪悪な思念体に憑依され、悪の組織の首領として親友及び上述のシシレッドと対峙、自分の捻くれた内面を反映させた精神世界に閉じ込める攻撃を仕掛けるも、上で書いた様に自分を見つめ直し長所を完成させたシシレッドには通じず突破されてしまった。
日輪仮面、イーガロイド、サンロイド ソーラー、タイヨウワルド:太陽をモチーフとした戦隊怪人の先輩。
日輪魔人:上述の日輪仮面をモチーフとした怪人にしてヒトツ鬼の先輩的存在。中の人は以前、ヒーローを演じていた。
タローマン:頭部の形状が似ており、更に最終話で太陽の塔をモデルとした敵が出て来る。
愛國戰隊大日本:サンバルカンの要素がある他会社のパロディ戦隊。
仮面ライダーBLACKSUN:「太陽」を名乗るヒーローの同期作品。
???←つよしが変貌する新たなヒトツ鬼。