DAICON
だいこん
1981年の第20回日本SF大会が大阪で開催された時のタイトル。
「DAI」は「大阪の大」、「CON」は「convention」であり大阪で3回目の開催だった事からDAICON Ⅲとなった。
特に有名なのはこのイベントオープニングで流されたアニメーションであり、当時大阪近辺の大学生らアマチュアが集って作られた「DAICON Ⅲオープニングアニメ」である。
岡田斗司夫が製作総指揮し、当時大阪芸術大学の学生だった庵野秀明・赤井孝美・山賀博之らといった後にプロの世界で活躍する面々がアニメーション製作した。
それまで基本的にアマチュアはペーパーアニメ(パラパラマンガ)が主流だったが、このOPアニメーションはコストが高い為殆どアマチュアでは使われなかったセル画で製作された。なお、材料費を抑えるためセルには工業用セルロイドを使用したという。それでも赤字だった。
(ちなみにセルを使用したアマチュアアニメはこれが初ではない。1970年代後半に東海大学アニメ研究会の作品「うにくらげ」が先だとされる)
このアマチュア集団が作り上げたアニメーションは当時の各大学のアニメ研究会にとどまらず衝撃を受けたらしく、OPアニメーションなのにこれだけの上映会が行われたとされ、大阪芸術大学でも誰が持ち込んだのかは不明だが上映会が行われたという。
また、ビデオソフト化を岡田が赤字補填の為に行っており1万円強する価格でも購入の注文があちこちから来たとのこと。
この時集った面々により二年後に再び大阪でSF大会が開催される事を目標として「DAICON FILM」が結成されている。
アマチュアが主体となって作り上げた伝説のアニメとして後述の「DAICON IVオープニングアニメーション」と共に現在でも語り継がれている。
それから42年後の2023年にはこのオープニングアニメーションのセル画が現存している事が判明している。
そして二年後の1983年に大阪で再び開催された日本SF大会こと「DAICON IV」でも再びオープニングアニメーションが公開される。
ちなみに前大会オープニングアニメの続編という体となっており、前作のシーンがダイジェスト的に登場する。
アニメーションで初めて「乳揺れ」を採り入れたのがこのDAICON4オープニングアニメだという説がある。→参考
このオープニングアニメーションにはプロのアニメーターも参加しており、板野一郎も協力している。
この「DAICON IV」オープニングアニメーションのオマージュとしてフジテレビのテレビドラマ「電車男」のオープニングアニメや、カラーによってDAICON IV40周年を記念したリスペクトアニメ「カセットガール」がある。
DAICON Ⅲをきっかけに結成され、実写作品「愛國戰隊大日本」「怪傑のーてんき」「マットアロー1号発進命令」も製作していた。これが後の「ガイナックス」に繋がっていく。
なお、あくまでもアマチュア主体のイベントであるDAICONを冠した事や、岡田がSFショップであるゼネラルプロダクツでDAICON FILM作品をビデオソフト化して販売していたのが私物化と批判された。
2023年にはDAICON FILMとしての展示会を開催、2024年には展示会が星雲賞の自由部門にエントリーされる展開になった。