シリーズとしての概要
引退した元勇者の主人公(プレイヤー)が、1人の少女を自分の娘(養女)として育てる世界初の『美少女育成シミュレーションゲーム』。
発売当時の渾名は「シム姉ちゃん」で、ガイナックス自身も『シムシティ』が元ネタである事を認めている。
舞台は基本的に中世ヨーロッパ風のファンタジー世界(5のみ現代日本風の異世界)。
プレイヤーは、少女の父親(5のみ父親or母親)になって、10歳から18歳の8年間「娘」を育てる事になる。
勉強や習い事、武者修業、バイト、家事手伝いなど様々な事を娘にさせることで娘の能力が決まる。
能力だけでなく体調や機嫌、(一部作品では)町の評判などのパラメーターもあり、気をつけないと娘が病気になったり予定をサボってしまう。その為時には休ませ、時には説教し、時には物を買い与え、時にはバカンスに連れて行くなど、バランスよく育てる必要がある。収穫祭などのイベントに参加することもでき、優勝することで大きな恩恵も得られる。
タイトルの「プリンセス」以外にも、女王に勇者、将軍や魔法使い、農婦にシスター、道を違えりゃ暗黒街のボスに魔王に娼婦など様々な職(?)へ就く。
※以下は一例。左の娘から教祖(ゆめみる)、魔王の嫁(初代PCE版以降)、暗黒街のボス(2)。
ただし詐欺師や娼婦など一部の暗黒系の職は「ゆめみる妖精」以降はオミットされている。とはいえ4、5やスマホ版では詐欺師系が名前を変えて出てたりしているが(「結婚詐欺」とか「ぼったくりホステス」とか、解釈にもよるが「賭博師」とか)。
さらに5では現代という背景からか「パラサイトシングル」なんていう語感がもっと悲惨なエンドもある(もっともこのエンドは従来の家事手伝いや出戻りとほぼ同じ終わり方なため陰鬱さはない)。
全作品に共通している設定として、娘は血の繋がっていない「養女」であるという特徴がある。
なので父親と結婚と言うエンディングも存在する。むしろやり込み要素としてシリーズの伝統になっている。
(第1作オリジナルとスマホ版にはなし、「2」以降の作品にはある)
サイバーフロント解散後は韓国のメーカー「CFK」が版権を引き継いでおり、6年の沈黙の末に2015年に「エムゲームジャパン」からスマホ版が出たりSteamで4以外のナンバリングが移植されたりしていたがコンシューマからは長い間出ていなかった。VRで出るとも発表されていたが立ち消えになった模様。
しかし2019年12月にスピンオフ「Go!Go!プリンセス」と「ゆめみる妖精」がNintendoSwitch(とSteam)にHDリメイクされた。
なおコンシューマで出されるのは「5」以来11年ぶりである。
因みに本リメイクで現在プリンセスメーカーの版権を持つのが赤井氏の所属する「米子ガイナックス」であることが確定となった。
主なスタッフ
監督:赤井孝美
キャラクターデザイン:赤井孝美(4以外)、天広直人(4のみ)
シリーズ
- プリンセスメーカー (初版はPC-9801:1991年)
- プリンセスメーカー2 (初版はPC-9801:1993年)
- プリンセスメーカーゆめみる妖精(実質的な3)(初版はPlayStation:1997年)
- プリンセスメーカー4 (初版はPS2版:2005年)
- プリンセスメーカー5 (初版はPC版:2007年)
本流となるシリーズは以上だが、外伝として前述したSFC版、1〜3+SFC版の娘たちが争うボードゲーム「Go!Go!プリンセス」や、パズルゲーム「ポケット大作戦」、クイズゲーム「プリンセスメーカーQ」、2015年にリブート作として出されたスマホ版などがある。
小説や4コママンガもあるので、本流の作品のどれかをプレイした後も探してみると面白いかもしれない。
余談
ネットで話題になったのはSFC版「Legend of Another World」のTAS動画だろうか。
ちなみに100cmまで胸囲を伸ばすのは他シリーズだと割と厳しい。バストを増やすアイテムは存在しない場合もあり、あってもせいぜい回数制限がある行商人しか手に入れる手段がなかったりする場合が多い。(移植元になる2は後者のパターン。)伸ばす手段が多い作品でも調子に乗ると…。
プリンセスメーカー(1作目)
PC-9801版が1991年発売。
パソコン版のほか、PCエンジン版が発売され、PS2等のリメイク版も存在する。
魔王軍を倒した勇者が、孤児となった少女を養女として育てるという、シリーズの第一作となるゲーム。世界初の育成シミュレーションでもある。
この作品以前もガイナックスはいくつかグラフィックを重視するジャンルのパソコンゲーム(脱衣ゲームやアドベンチャーゲーム)を作っていたが、その集大成として作られた作品。
特に初めて声のついたMSXturboR版(プレイ自体はMSX2でも可能だが声無しになる)は「MSX最後の傑作」といわれることも(そもそも当時既に末期だったMSXシリーズにとっては本作が最後の商業作品と言っても良いレベルだったが)。
またMSX2版はシリーズ初の「義父(主人公)との結婚END」が採用された作品であり、以後は伝統となる。
逆にMSX2版では娘の立ち絵を裸にする隠しコマンドが(容量の都合により)削除されている(一方で「濡れ透けシャツ一枚で海水浴(水着が存在しな世界らしい)」等のグラフィックは残されている)。当然コンシューマー版でもこの裏技は削除されている(海水浴も透けていない物に差し替えられている)
説明役がいなかったり用事中の演出が一枚絵であったりと、まだ粗削りな部分も多い。しかしそのシンプルさや現実的な背景、生活感が感じられる等独特な雰囲気があるためか、後続のシリーズと比較していまだ多くのファンに愛されている作品でもある。
Steamにもリファイン版があるのでそこから入るのもおすすめ。ただSteam版は名前が英語しか入力できないので興味があればPCエンジン版等をプレイしてみるのも良いだろう。娼婦エンド時の横山女史のやさぐれボイスは必聴モノである。
娘
声優:横山智佐(MSX2、PCエンジン版) 鶴野恭子(リファイン版)
魔王軍との戦いに巻き込まれ孤児になり、プレイヤーに引き取られる事になる。
頭の横に赤いリボンをつけた茶髪ボブに青い瞳、左目の下に泣きぼくろの少女。
ちなみに初代の娘はゆめみる妖精でも祭りの優勝候補として登場していたり、アニメ「ぷちぷり*ユーシィ」の登場人物「マガ・ゼーレント」のモデルにもなっている。
2の家庭教師先の夫人が彼女の成長した姿に似ているなんてうわさもある。
労働については、定番の教会や宿屋、武器屋(後の市場)や人足(大工のようなもの)だけでなく、本作だけの要素として医者の仕事をしたり代筆屋をやっていたりする。なのに最終的に医者になることはなかったりする。
また初期のバージョンだけの要素として折檻を続けると色気が上がるなんてのも…。
まだ黎明期の作品のためか比較的エンディングが少ない(30種類+追加エンド3種類)。が、本作のみの変わったエンディングとして長寿という、世界最高齢になって天寿を全うしたりするエンディングがある。
関連イラスト
パロディイラスト
表記揺れ
プリメ PrincessMaker princessmaker
関連サイト
関連タグ
ぷちぷり*ユーシィ:本シリーズを基とした2002年アニメ。1〜3の登場人物を基とした人物が登場。
シミュレーションゲーム:本作は実質コレなどの育成シミュレーションの原典といえる。尚本作のきっかけの一つは赤井氏の「信長の野望」の教練部分に特化した作品を作りたい」というアイデア。
碇シンジ育成計画:同じガイナックスから出た育成シミュレーションゲーム
綾波育成計画withアスカ補完計画:本作の後継ともいえるエヴァ関連作
16bitセンセーション:エンドカードで赤井氏が担当した第12話のエンドカードで、キューブが登場した。